くろすけ雑記帳

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お陽さまの国 ぱーと2



 少し北に行くと雰囲気が違う。

フィレンツェやヴェネツィアは天気も慣れてきたのかお陽さまに感動するより、その穏やかさに和んだ感じ。


フィレンツェ。
洗練、という言葉が似合う気がする。なんとなく京都を連想する感じ。華やいでいるのだけど、華美に過ぎない気がする。在りし日の栄光が残影を残している程度だからかな。メディチ全盛の折に来ていたらまた違う雰囲気だったかも。

 ここのうっとりさんはラファエロの「小椅子の聖母」まぁるい直径1mにも満たない絵だけど覗き込むような目線のマリアから眼が離せない。他にもウフイッツィには有名な三美神をはじめとしていろいろあって飽きることはない。というか街全体が美術館だもの。

 帰国後「冷静と情熱のあいだ」を見た。お気に入りの場所なんかがロケされているのをみるとフィレンツェに引き戻されるような感じだ。

 ここはアートの街だ。芸術は技術でもある、と思った。細工物。美しいっっ!!ジュエリーなんかも、石に負けてない。デザインと細工の美しさがお互いに引き立てあっている。象嵌細工、はじめから石のなかに絵が隠れていたのを引き出したような自然さ。すっごく欲しかったけど、旅の始まり。リュックにそんなもの入れていけない…。何時かまた…。


 フィレンツェの誘惑を振り切ったのに。ヴェネツィアの誘惑には負けてしまった。


 それは…ヴェネツィアン・グラス…。

くっ。だって、魅力的過ぎ。
もともとお皿・クリスタル物にはめっぽう弱い。フランスでバカラの置物を既に三つほど買ったので、買うまい、と思っていたのに…。もちろん運ぶことはできず日本に送ってもらうことに…。

それがまた後悔のもとに…あぁ、くそぅっ。

 貴婦人の異名をとるヴェネツィア。いい事書きのガイドブックを信用できる場所。アニメ映画の「銀河鉄道の夜」でカーニバルのシーンがある。ここのイメージはそこにかぶさる。二月のカルナーヴァレ、ステキだろうな。時々見かける衣装をみては、それをつけた人たちがカナルの上をすべり歩くさまを想像してしまう。月明かりの下、迷路のような路地を抜け、ゴンドラを操りマスカレードはたけなわになっていく。

ここは地中海貿易の拠点だったところ。ヨーロッパでありながら東方世界との接点があったところ。ここの華やかさは融合の美という奴なのかな。マルコ広場から見上げる聖堂はビサンティン様式のためか他の場所で見る教会とは一線を画している。このままコンスタンティノプールに移動しても違和感なさそう。

そして、そんな教会の右手には大運河が広がる。ゴンドラやヴァポレットを見ながらぽてぽて歩くと、いつしか街のはずれ。観光客なんか来なそうなその場所は洗濯物がひるがえり、なんだかシシリアあたりの街並みみたい。

 そういや、ヨーロッパで洗濯もの干しているのみたことない!!外観重視でみんな乾燥機使うとか、裏庭に干しているのに、道の上には洗濯ひもが渡っているではないの♪シーツだけでなく、ズボンなんかもぶらーんと下がっている。
 白いシーツぱしぱしと叩くオバチャン。

 なんだか懐かしい感じ。


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