二人のお話から、伝統文化だけでなく、食べ物やアニメ・マンガ、コスプレも想像以上に海外から関心を持たれていることが分かりました。そういえば、トリノのタクシードライバーは日本で食べた「しゃぶしゃぶ」のことを鮮明に覚えていたし、ミラノのホテルでテレビをつけたら、おじゃる丸が出てきてイタリア語で喋ってて不思議な感じがしました。アットキンさんは大学で日本文化を学び、アクシデント(?)で来日されたそうですが、想像していた日本はちょっぴり昔のものだったので、近代的な様子に困惑されたようです。ただ奈良は想像していた通りだったらしく"I love Nara."とおっしゃってくださったので最前列に座っていた私は思わず"Thank you!"と返事をしてしまいました。すると"You come from Nara?"と驚き喜んでくださいました。
日本の文化を英語で表現するのは難しいものです。質問コーナーで日本人が考えた英語表現について質問しました。宮内庁や国立博物館など公の文書では重要文化財を"Important Cultural Proparty"と表現しているけれど、"Important Cultural Treasure"と表示したお寺があって(2004年8月1日の日記)、お寺の人の感覚に合わないようだけれど、どちらを用いるべきかと。バラカンさんは"Important Cultural Proparty"は英語表現として不適切だとおっしゃていました。アットキンさんも"proparty"とは"real estate(不動産)"のことだよと。それから人間国宝"Living Natural Trasure"もネイティブスピーカーには奇異に聞こえるそうです。「トラッドジャパン」のテキストの「友禅」のところで人間国宝の英語表現について触れたエッセーがあって、ネイティブスピーカーの戸惑いが伝わってきます。