今回の修理は、「 SANYO DSC-S4 デジタルカメラ(発売日:2004/07/09)
」だ。 400万画素CCDを搭載した小型で操作性の良いデジカメだ。DIYなどの作業記録用などに自分で使用している一台だ。各種作業ごとにデジカメを分けて使用しているので、この機種は3台所持している。
[SANYO DSC-S4 デジタルカメラ]
■修理概要
デジタルカメラ等では、主バッテリー交換時に日付や時刻、各種設定データが失われないよう、メモリーバックアップ用の電池やキャパシタを別途装備している。Canonのデジカメなどは、市販のボタン電池で交換可能としているが、本機種などでは内蔵充電池が採用されており、メーカーに修理依頼しないと交換することができない仕様のデジカメも多い。
デジカメ分解で、安全上、特に注意が必要なのは、内蔵されるフラッシュ用キャパシタだ。分解時に誤ってショート(短絡)すると、90V前後の電圧で感電する。
下記の写真で、レンズの右隣に黒色と灰色で直立する部品がフラッシュ用キャパシタだ。注意深く分解し、写真のような段階でキャパシタの端子間電圧を測定。放電させた後、改めて安全な電圧であることを確認し、続く作業をする必要がある。
因みに放電時の負荷には、半田ごてを接続して使用している。
では、分解する。 事前に作業環境周辺の粉塵を除去し、戸や窓を閉じ、室内空気の対流が少なくなるよう留意する。
この時点でレンズ内側やCCD素子が暴露するため、埃や粉塵には要注意だ(逆に埃を取り除く機会でもある)。交換すべき内蔵充電池は、下記の写真の右手基板上に位置する。
既設の劣化した内蔵充電池付近を拡大撮影したものが下記の写真だ。
既設の充電池は、リチウム二次電池「SANYO ML614」(写真左)。これを新たに入手した同等の「SII MS621FE(写真右)」に交換する。後者の方が、若干蓄電容量が多い。
内蔵充電池は、別種部品との交換が憚られる電気部品の一種だ。充電特性や放電特性をデータシートで比較し、性能と安全に留意しながら、交換の妥当性を十分に事前吟味する必要がある。
交換を完了したのが下記の写真だ。
上記作業を完了した当該デジカメを毎日1ヶ月間使用し、現状、問題なくメモリーバックアップができ、使用もできている。
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