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考える面白さはこの上なく美味/意識・人間・心・世界・なんでも・霊魂研究/世界は大激動し始めた
翻訳による誤解
翻訳による誤解1~6
翻訳には弊害がつきまとう。
たとえば、仏教における「愛」。
その前の形は「渇愛」である。
「渇愛」というのは、大昔の今でいうチャイナで、今でいうインドのサンスクリット語の「タンハー」の訳である。
(ブッダは、タンハー、を用いる以前は、ラーガ(炎?)を用いていた? うろ覚えです)
「タンハー」とは、「(のどが)渇いている」「満たされていない」といった人間の本能的・本質的な欲求をいうそうである。
その「タンハー」を「愛」としてしまったら、日本人にとっては、仏教の崩壊、である。
「愛」が、すべての混乱・害・不利益・精神的懊悩・心の崩壊などの元であるから、「愛」を捨て去れ、などとなったら、大変なことになるだろう。それはもうメチャクチャでたらめホホイノホイッ! って感じだろう。
チャイナでの「愛」と日本語での「愛」にどの程度の違いがあるのか知らないが、「激烈執着欲求」という(タンハーの)訳がいいのではないだろうか。
例えば、チャイナ語で、「嘆」は、肯定的に(も?)用いるようである。
「感嘆する」といった意味にである。否定的に、日本語の「嘆く」といったふうに使うのかどうかは知らない。
ほかにもそういったことは多いだろう。
ここで、翻訳の問題からすこし離れて、ブッダの教えの根本を眺めてみよう。
以下はかつて私が原始仏典を読んで、抽出したものである。
それから時間がかなり経っているので、まちがっているところがあるかもしれないが、記してみよう。
タンハーは仏教の根幹をなす内容(概念)のひとつである。
人生は苦である。
人間にタンハー(激烈執着欲求)があるから、人生は苦となる。
タンハーがあるから、転生の原因となる異陰(転生の主体)が生じて人は転生しつづけていく。
タンハーをなくせば(それが悟り、解脱、だったと思う)、人間は二度と転生せず、ニルヴァーナ(涅槃、永遠に平安な状態、言葉では解説できないそうだ)にはいる。
タンハーをなくすには、タンハーの原因をなくせばよい。
なぜならすべては原因があって結果があるのであるから。
つまり、タンハーの原因があるので、タンハーが生じるのである。
そのタンハーの原因を滅すれば、タンハーも消える。
私は、修行と瞑想などによって、そのタンハーの原因を滅した。
よって、私のタンハーは消滅した。
したがって、私は二度と転生しない。
私は、二度と転生しない、ニルヴァーナにはいった。
以上が、ブッダの教えの真髄である。
(真髄といっても、文章で表現できる範囲内でのものであって、タンハーの原因を滅する実践はまたべつものである)。
(まちがっているところがあったらいつでも訂正します)
それは、仏教経典のもっとも古いもの=原始仏典から、抽出したエッセンスである。
原始仏典が、ブッダの言動をもっとも忠実に記していると考えられているのである。
それ以外の仏典は後世の人たちによる創作仏典(仏典と名乗らなければ創作とはいえないが、それらにブッダが登場しているので、そういうことになる)だそうである。
ここにも、文献に接するさいに気をつけなければならない教訓があり、それは翻訳の態度の在り方にもつながってくるといえる。
少し前に戻って強調しておきたいことは、しかしながら、私の研究によれば、仏教はどれであれ、個人的・社会的有用性においては、優劣はないと判断される、ということである。
さらに、この世界の厳密な法則性を記述しているか否か、という観点からも、甲乙はつけられないと考えられる。
さて、
哲学では、「悟性」という訳がある。
ドイツ語や英語では、理解すること「Verstand、Understanding」である。
理解すること、よりも、理解する性(さが)、それよりも、理解する力、の方がわかりやすいだろうか。
現代人にとって「悟性」というと、「はっきり理解する力」という意味を思い浮かべることはまずないのではないか。
「悟」という漢字は、仏教の「悟り」の影響が強すぎて「理解よりも、直観で本質を見抜き体得する」といった意味合いがつよい。
古語における「はっきり理解する」という意味から遠ざかっているように感じる。
ドイツ語や英語では、そこでは、へんにかっこうをつけずに、すなおな単語が使われている。
「易経」も英語訳ではたしか「The Book of Changes、変化の書」であって、非常にわかりやすい。
そういったふうに、日本語訳では、かっこうをつけて、わかりにくい訳がなされていることがある。とくに専門用語で漢字をあてたものがそうである。
以上のように、翻訳には慎重さが要求される。
その線上で、翻訳は素直でわかりやすくしていただきたいものである。
(以上、私の記憶に基づいて書いているので、まちがいがあるかもしれません。そういった個所はいつでも訂正します)。
(時間ぎれにつき続く。イメージスケッチです)(未構成です。推敲してません)
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