「自覚」
先日、2年以上ぶりに島根に行きました。合宿などに参加してみたりして、自分がいたころを思い出して懐かしかったり。相変わらずな環境(グランドなし・4年なし・コーチももちろんなし・・・)でも選手は元気でした。3年のキャプテンがほとんどを仕切り、組織という組織も機能しない状態でも、なんとか練習が進んでいくんです。特に1年生が元気がいい!ラクロスの動きや知識は全くなくても、なんとか動こうとする姿勢や、疑問に思ったことを聞いてくる姿勢は伝わりました。で、ふと思うのは、もっといい環境でやれば、もっと成長するだろうな・・・ということ。もちろん環境は自分で作れるんだけどね。個人遠征もあるし、中四国以外のチームと練習・試合することもできる。要は個人のやる気次第ということ。でも、普段のチームがいい環境であるにこしたことはない。1年から4年まで人数がいて、4年生が主将をして、組織がきちんと動いて、技術面では指導する人がいる。そういう環境にあるチームが中四国にはどれだけあるだろう?コーチのもと30人以上の人数で練習の出来る岡大、コーチ・トレーナーのもと合理的かつ効率的に強化を図る川崎。果たしてそこにいる選手は、自分達の環境のよさを自覚できているだろうか?他のチームがどういう環境でラクロスをしているか知っているだろうか?
最近、時々疑問に思うことがある。目標を追うことも大事だけど、ラクロスを心から楽しむことを忘れてはいないか?と。やっぱり、まずは楽しむこと。それからもっと上手くなりたいと思うこと。自発的に行動する姿勢がそこから生まれると思う。気持ちが大事。やらなきゃ、という気持ちではない。練習したい、上手くなりたい!という気持ちである。勝たなきゃいけないという気持ちでは、苦しいだけ。常勝するチームには毎年のように無言のプレッシャーがかかるものだ。勝ちつづけるのは難しい。今年の川崎も例外ではない。ただ、リーグ戦では「勝つ!」と決めて臨んだチームが勝つと思う。いい環境にいるという自覚を持って、とことんラクロスを楽しんでほしい。今という瞬間は二度と戻らないのだから。
そういえば8月中旬に中村学園が来た時に思ったこと。夜行バスで来たその日に二部練習をして、次の日の二部練習の後、深夜3時発の夜行列車で帰っていった彼女達は楽しそうに遠征していた。これで三度目の来岡である。彼女達は少々の事ではびくともしない強靭な精神力がある。もちろん個人技もかなり上だったが・・・。同じように島根も、技術こそ足りないものの精神力という意味では同じものを感じた。トレーニングでも、とにかくしんどいと思えばよし!という感があるのに、それでも故障者もなくこなしてしまう。大和魂と彼女らは自分達を呼ぶが、そういう雑草魂みたいなものが根付いているようである。怪我も気合で乗り切れと言いだしそうで、かなり心配にはなるのだが・・・。
さてここで究極の選択。そういう精神的に強いチームと、緻密な分析のもとで強化したチームとどちらが勝つか?ホントに極論なんだけどね。で、去年の4地区を思い出しながら私が思うのは、やっぱりどちらにしろ25分ハーフで100%の力を発揮することが出来たチームが勝つということ。科学的な取り組みも究極のプレッシャーのなかで力を発揮するには相当の精神力がなければならないということ。大事なのは気持ちである。試合は練習以上のプレーはできない。だからこそトレーニングを含め練習してきたことに、もっと自信をもつことだ。いい環境のもとで、いい練習を重ねているのだとすれば、の話だが・・・。