ラクロス大好き♪ NORIの人生旅日記

ラクロス大好き♪ NORIの人生旅日記

夢を叶える人生は島根から始まった 2006/6


島根大学法文学部文学科
1999年卒業 高橋典江


卒業して6年目の2004年7月。あるきっかけで再び島根へ来ることになりました。転職先は『ふるさと島根定住財団』。7月からスタートしたジョブカフェ事業(若年者就業支援センター)の仕事でした。
そのきっかけとは、ある後輩との出会いです。私は島根大学に入学して、ラクロスというスポーツサークルに入りました。卒業してからもコーチとしてラクロスを続け、2002年までは倉敷市に住み、仕事をしながらコーチをしていました。2003年からは母校の島根大学のラクロス部からコーチを依頼されました。そのころ岡山では青少年の居場所づくりのお手伝いをしていました。ちょうどそのころ、松江で仕事をしている後輩に話をしてみたのです。「松江でなんか仕事があったら教えて」と。そのとき返ってきた返事は「ちょうど、私の職場が求人を出してるんですよ!」それが最初のきっかけでした。その後輩は中村文。尊敬する後輩の一人です。


「チャンスの神様は前髪しかない」という話は有名ですが、まさにそんなタイミングでした。
松江に住み始めて感じた大学時代との一番の違いは、地域に活気があると感じたことです。定住財団は地域づくり活動などで頑張る方々を応援する財団でした。仕事をしながら、そうした視点でこの地域を見ることができました。私の担当はジョブカフェのフロアスタッフとして、できたばかりのセンターの受付システムの整備や来所されたみなさんの対応をしていく仕事でしたが、いつしか中村さんの影響もあってか、地域の人々の役に立てるような仕事にしたいと思うようになりました。
彼女はもともと島根大学の学生時代に『チャレンジショップ』という学生が商店街で実際の店舗を経営するプロジェクトで活躍したこともあり、地域で活動する様々な人を知っていました。私が松江に住み始めると、そんな熱い人たちを次々に紹介してくれました。どの人も熱く地域を語り、どの人も人とのつながりを大切にしていました。私もたくさんの刺激をもらいました。彼女のおかげで、どんな人も前から知っているような付き合いをしてくださいました。人を紹介するときに、その人の信頼度を知ることができると感じました。


松江で最初に起こしたプロジェクトは「松江をラクロスの街にしようプロジェクト」です。コンセプトは島根大学のラクロス部と地域の人をつなげて、地域でマイナースポーツを応援する土壌を作ろうというものでした。中村さんが中心となり活動は進んでいきました。私はそれを近くで見守りながら「人と人とのつながりから学ぶことの大事さ」を実感していきました。うまくいかないことのほうが多かったのですが、その活動を通じて出会った人、学んだことがたくさんありました。

彼女はチャレンジショップで街の人と出会ったから松江に残る選択をしたそうです。だから、今の学生にも、松江にいるからこそできることを体感してほしいと思ったそうです。よく彼女が「松江は行政が近い」と言っていたのを思い出します。人口18万の県庁所在地ですから、機能の割りに人が少なく、声が通りやすい環境だといえます。活動をしていると、すぐに目立ちます。これを活かすといろんな広がりがでてきます。松江では「やりたいことができるんだ」という自信とともに、熱い一年を過ごすことができました。さぁ翌年もステップアップを!というタイミングで、私はまた次の転機を迎えることになります。これが人生を大きく変える転機だったと今では思います。


さて、仕事内容のお話でいえば、岡山で派遣や営業の仕事をしていた私にとっては、財団の職場環境は素晴らしく恵まれていると感じました。嘱託職員という立場ではありましたが、それぞれがいろいろなプロジェクトや重要な業務を担っている職場でした。数字を追う世界ではないからこそ、成果を意識し、誰のための業務かを考えることができました。お金では計れない価値を追求するサービスに集中することができました。成果の見えにくい分野だからこそ、何のために行うかを考えました。行政での仕事はお金に変えられないからこそ意味があり、地域に住む人や地域のことを考えていける仕事だと思いました。もちろん、うまくいくことばかりではありませんが、信念があれば夢を持って仕事をすることができる職だと思います。

さて、私の次の転機はというと、12月に「浜田で面白い事業が立ち上がるから、サポートしに行ってくれないか」と声をかけられたことから始まります。もちろん、即答で「行きます」と応えました。求められるところで働きたいといつも思っていたことと、学生を組織する仕事には自信があったのが、即答の理由です。ちょうど中村さんも実家に帰るため松江を離れることを決断し、島大のラクロス部を巻き込んだ活動が頓挫するだろうなと感じましたが、私の選択に揺らぎはありませんでした。今できることを精一杯やりたい。その結果、9ヶ月住んだ松江を離れ、単身浜田へと移ることとなりました。

このフットワークの軽さはどこに由来するのか?よく聞かれますが、ラクロス中心の大学生活に起因すると思います。私は大学のチーム作りだけでは飽き足らず、2年生で関西地区のラクロス協会の運営を学ぶと、中四国でもそれを活かしたくて、中四国事務局代表に名乗りを上げました。3年生では中四国の組織改革のため中四国中を走り回り、東京へも度々出かける生活になりました。こうなると、他大学の友人のほうがよく会うような生活になります。中四国では岡山、愛媛に度々行きました。北は北海道から南は九州まで、ラクロスを通じて広がった仲間たちが、今の私の財産となっているのです。


 浜田は1回しか行ったことがなく、ほとんど知らない人の中に入っていきました。それでも松江には職場の仲間もいるし、以前、浜田のいろいろな人を紹介してもらっていたので心強かったです。車に乗り始めたため、週末はほとんど浜田にいない生活になりましたが・・・。行ってみると、事業を担う組織は思ったより脆弱で私を連れてくるきっかけを作ったカリスマ代表は他県の大学に編入してしまい、残されたのは就職活動真っ只中の新代表と、わずかなスタッフでした。
「さて、どうするか・・・。」
そのころ、新代表の内田君とひざを突き合わせて、誰もいないジョブカフェフロアで決めたこと、それは「1年後、ここに集う仲間を増やそう」でした。二人で想像して、ワクワクしたのを覚えています。

 活動は試行錯誤の連続でした。人を集めることばかりを気にしすぎて、そのイベントの目的を見失わないよう、企画作りには一番苦心しました。浜田の学生はそれぞれ就職活動をきっちりやっていて、意識も高いのが特徴です。ここで必要な就職支援とはなんだろう?地域にはどんな人が困っているんだろう?どんな機会が足りないんだろう?そこからスタートでした。私は就職支援も地域を元気にするのも同じことだと考えました。地域に活き活きしている人が増えたら、地域も賑わい、何かが生まれ、企業も元気になると思いました。幸いなことに、浜田に私がいると聞きつけた松江の活動家のみなさんは、浜田でイベントをするときには必ず声をかけてくれました。頼られると嬉しいのが私の性なので、できる限りのお手伝いをしていました。浜田に移って1ヶ月ほど経った5月に出会ったのが、樋栄ひかるさんという東京の研修講師の方でした。とにかく元気で魅力的な人だったのと、面白い研修プログラムを持っていたので、これは石見(浜田周辺の地域の総称)で盛り上がるかも・・・と密かに考え始めたのです。これが次の転機につながる出会いでした。
そこからいろいろな企画を作りましたが、樋栄さんのプログラムで10月、2月、3月と集中的に講座や合宿やイベントを組みました。その中で3月には、ひとつの成果が生まれたのです。浜田周辺の在住のフリーターの方、在職中の方、はたまた就職浪人中の方も参加した結果、就職浪人中の方は見事に就職を決めていかれました。後にジョブカフェとの出会い、仲間との出会いへの感謝の手紙をくれたのです。3月のイベントにはたくさんの仲間が関わってくれました。樋栄さんの講座は全国から参加者が浜田に集まり、最後の講演会は中村さんも岡山から駆けつけて手伝ってくれました。学生も浜田の県立大、松江の島根大、みんなが「自分らしく生きること」をテーマに考えて行動するきっかけを作れました。最後に、浜田の方々に「素敵なきっかけをありがとう」といってもらえたのが嬉しかったです。

卒業していく代表の内田君とはこのころ笑顔で語りました。4月に誰もいなかったジョブカフェに1年経った今は人があふれ、笑顔があふれ、そこから社会に育っていく若者がいる。「浜田に来たときの最初の夢が叶ったね」って。

3月に私に縁結びの島根ならではの2回目の転機が訪れます。樋栄さんに「東京で一緒に仕事しよう」と誘われたのです。これまた、即答で応えました。「行きます」と。実は10月ごろ、いつか東京で仕事をするために、いったん実家に戻ろう、と決めていました。一度東京で仕事をしてから、地方へ住もうと思ったのです。私はいつでも誰かの役に立てる自分でいたいと思います。そのために新しい環境でできることを増やしていきたいと思います。

 紹介された仕事は、東京で企業のイベントを運営する会社です。毎日が勉強。寝る時間は島根にいる頃の半分になりました。それでも、ここでできることを増やしていくことにワクワクしています。今は一人前のイベントディレクターになることを第一目標に置いて、そのために、なんでもやってみようと思っています。仕事でも仕事以外でも。1年後、またこの夢は叶うと思います。
そうしたら、次はどこに行こうかな?それを考えるのが一番ワクワクします。
みなさんも自分の夢を叶える人生を送ってください。どんな夢でも叶います。


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