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あらすじ
1970年代、犯罪が多発するニューヨークで、地下鉄や建物への
スプレー・ペインティングから、画家としてのキャリアをスタートさせた バスキア
。
キース・へリング
や アンディ・ウォーホール
らに才能を見いだされ、
瞬く間にスターの座にのぼりつめた25歳のバスキアは、
人気と栄誉を確実なものにする。しかし有名になればなるほど、
セレブとの付き合いが増えれば増えるほど、同時にドラッグの量が増え、
奇行や妄想癖が目立つようになる…
今年生誕50周年を迎えるバスキア。本作は80年代のアートシーンと共に、
充実した日々をカメラの前で語る25歳のバスキアの素顔と
その2年後に薬物大量摂取によって死亡してしまう彼の、
真実に迫るドキュメンタリー。
パンフ
冒頭から、バスキアの数々の作品が画面にあふれ、音楽もカッコいい。
映像の中心となったインタビュー映像の彼は、なんと人懐っこい、
少年のような、はにかんだ笑顔なんでしょうか。
丁度成功をおさめた頃で、充実した表情に、ときおり笑顔を見せながら、
リラックスした雰囲気でインタビューを受けているのがとても印象的。
以前、 バスキア
という映画は見たことがありますが、
当然本人ではなく(当たり前)、バスキアという人は写真でしか
見たことがなかったので・・・動いているバスキア本人をしっかり見たのは
今回が初めてでした。
思った以上に幼いというか、
純真というか、
親しみやすい感じがしました。
クラブやバーでも人気があった、女性にももてた、というのはとても納得できます。
ホームレスすれすれの生活でも、女性の家を渡り歩いて食べていた、
と自分で言っていましたからね・・・実際、付き合っていた女性が2名ほど
この作品にも出てきました。
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移民である黒人の中流家庭に生まれ育ち、母親が美術館に連れて行ってくれた
幼少期。交通事故で入院していたときに母親が持ってきたのは解剖学の書。
その後、両親が離婚して父親に引き取られた彼ですが、母親の影響は
大きかったのではないでしょうか。
アンディに気に入られてセレブの仲間入りを果たし、彼との時間も増えるんだけど
一緒に作品を手がけた展覧会が酷評され、しかもそのあとにアンディ自身が
病気で突然他界してしまうという、、、、
心のよりどころを求めるように、創作活動の場を西海岸に移したり
ハワイに行ってみたりするんですが、結局NYに戻ってきて
さらに病んでいってしまった・・・感じがあって、彼の寂しさや戸惑いが想像できます。
本当はその繊細な心が、最終的に折れてしまった・・・という印象です。
正直、なんだか切なくて・・・実際すすり泣いている女性もいました
バスキアが台頭したころ、
80年代初頭のNYは、それまでインテリものだったアートに対して、
ストリート発のアートが脚光を浴びていく、うねりのあった変換期というんでしょうか。
その時代にうまく合ったんでしょうね、バスキアの作品は。でも当のバスキアは、
まだ20代の若者、セレブな取り巻きに囲まれ、常に人の輪の中心にいるんだけど
それに反して、一人でいると黒人としての差別を感じ、苦しみ、、、、
自分を取り巻く環境や、バスキアのアート、ひいては黒人に厳しい批評、
そういった諸々をコントロールできず、やがてドラッグに溺れていってしまう。
バスキアは10年にも満たない活動期間に、2000点にも及ぶ作品を残しています。
実際に絵を描いている映像もありますが、筆運びの速さたるや・・・
驚きます。そして、落書きのように見えるその作品は、非常に計算され、
また書かれている文字や内容は非常に教養深い、思慮深いものが多くて
関係者はとても驚いてました。
一見、雑で無秩序のような作品も
色は鮮やかで乱雑ではなくて妙なまとまりがあるというか、
不思議とすんなり受け入れられる色調なんですよね。それもやはり
計算しつくされたものなのでしょうか・・・
冒頭からたくさんの作品が画面に登場するんだけど、
その題材やタイトル(無題も多いけど)、内容が非常に難解です。
シロートの私には、到底読みきれるものではありません。
しかし、根底には黒人差別への怒りや悲しみ、多くのメッセージが
表現されています。解剖学書を好んでいたのも、骸骨の絵や
モチーフが多いのも、皮膚の色がちがっても人としてのつくりは同じ、
といった訴え・・・・そんな解説を読み、納得しました。
栄光と挫折
、って、よく言いますが・・・
これほど短期間にその両方を手にしたアーティストは珍しいのかも。
遠い昔の御伽噺ではなく、最近の実話ですしね。
どこか現実離れしている感じもするけど。
歌があるんですよね、彼にささげられた歌。
天 才児を愛する者はいない
自由を-そしてその魂を野に放て
監督したバスキアの友人、タムラ・デイビスがなぜ映像をしばらく封印したか、
それはバスキアがもっともがっかりすることが、友人にささげた自分の作品を
売られること。それを知っていたから、その映像を、本人が亡くなっても
人前に出せなかった、とのこと。
死の直前、近しい人に非常に意味深な作品をバスキアは渡しているそうで、
気味悪く思った人は即座に売った、と言っていました・・・
何度か書いてますが、私はアートには疎いため、
彼の名前を初めて聞いたのが、上記バスキアの映画。
アンディ・ウォーホルやキース・ヘリングは知っていても、、、、
その映画で初めて触れたバスキアという名前がずっと残っていて、
ユニクロでTシャツ出たときも、だいたいバスキアのものを購入してました
アートを学ぶ人の中の
どのくらいの位置にバスキアがいるかは、個人差はあるんでしょうが、、、
そういう勉強してるっぽい?若い人が男女問わず見に来ていたのも
ちょっと印象的でした。
というわけで、今度は久々に
バスキア(1996年ジュリアン・シュナーベル監督)
見直してみようと思いました。