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小説 こにゃん日記
スノーテール4
淡く銀の粉を振り掛けた白い白い雪原。泡立てた生クリームのような森。鏡のように輝く湖。
そして氷の城が、キラキラと光をはじいて、まるで雲の上に浮かぶように、その白い大地の上にこの上なく優美にそびえ立っている。
幾筋もの運河のように、町は城を中心にして、その深い雪の大地の下に築かれていたのだ。
『みんな雪の下に住んでいるの?』
啓太は櫂をまわしながら雪だるまにたずねた。
ひゅるひゅると冷たい風が耳元を過ぎる。
『もっと櫂を寝かせて漕いで。もうこれ以上高度を上げなくていいよ。』
雪だるまはそう注意しながら、ぽつんと置かれた小さな小さな白い帽子ようなものを指差した。
『ほら、あそこ。たいていの国民は下の町に住んでいるけど、雪の上に住んでるやつらもいる。』
よく見ると、それは雪や氷で出来た小さな小屋だった。
『かまくらか、エスキモーの家みたいだ。』
啓太は少し寄り道をして、その小さな小屋を訪ねてみたかったが、雪だるまがもっと急ぐようにとせかすので、前以上に力を込めてぐんぐんと櫂を漕ぐしかなかった。
それにパーティーがあるという、綺麗な氷のお城にも早く行ってみたかった。
『僕を招待してくれたのって誰なの?』
啓太が尋ねると、雪だるまは驚いたようにぴょんと振り返った。
『なんだ知らないのか?』
それからう~んと困ったように考え込んだ。
『わたしも命令を受けただけだから。』
『その命令をしたのって誰なの?』
『親衛隊長殿だ。』
『親衛隊って?』
『王様の護衛をする偉い偉い役職だ。わたしも普段その任についている。』
啓太は胸がわくわくした。
『だったら・・・もしかして、僕をこの国に招待したのって王様かな?』
雪だるまは啓太をじろじろと眺め、それからこほんとちょっと咳払いをした。
『そのお・・・お前・・・いや、あなた様は王様のお知り合いで?』
啓太がぶんぶんと首を振ると、雪だるまはあからさまにほっとしたようだった。
『地球の子供ごときが、偉大なるスノーランドの国王陛下のお知り合いのはずはないな。それに・・・王様は今・・・。』
『王様がどうかしたの?』
雪だるまはくるくる回り、不機嫌そうに啓太に怒鳴った。
『おしゃべりばかりで、漕ぐスピードが落ちてるじゃないか!』
ボートがぐらりと空気を揺らした。
啓太は櫂を取り直すと今度は黙って、だんだんと大きくなっていく城へと向かって漕いでいった。
啓太を乗せたボートは、時折不安定に揺れながらも、冷たい空気を掻き分けるようにして、前へ前へと進んでゆく。
ボートの後ろに、いつの間にか鴨の群れが続いていた。
オオハクチョウが二羽、ボートに並ぶように左右の横について言った。
『向かって一番右の塔に降りてください。』
広げた翼の羽先のような塔の先端で、旗のようなものを振っている人物が見えた。
気がつくとあたりは、鳥たちや、薄い羽のようなものをつけた生き物や、さまざまな空を飛ぶ乗り物で一杯だった。
雪のように白い天馬に引かれた豪華な金の馬車が、すぐ脇をものすごいスピードで通り過ぎ、啓太のボートは小さな氷混じりの冷たいしぶきを浴びた。
『わっ!』
啓太は、あわてて櫂を引いた。
啓太のボートよりずっと大きなボートが、たくさんの小さな子供たちを乗せていた。
『みんなお行儀よくするんだぞ!』
白熊が一匹、わいわい騒ぐ子供たちに向かって声を張り上げていた。
ボートに乗った子供のうち、黄色い巻き毛をした5歳くらいの女の子が、啓太に気がつき何かを投げてよこした。
手のひらに収まるくらいの包みが、ぱふんと啓太のひざに落ちた。
『なんだろ?』
啓太は櫂を漕ぐ手を止めて、その包みを持ち上げてみた。
白っぽい紙の袋を探ると、中から出てきたのはレモン色に透き通るドロップだった。
啓太が顔を上げると、女の子はにっこりと手を振っていた。
他の子供たちも啓太に気がついて、口笛を吹いて見せたり、帽子を振り回して合図をしたりした。
『ありがとう!』
啓太も手を振ったとたん、子供たちを乗せたボートはぐんと曲がって高度を下げた。
どうやら啓太とは違う塔の上に降りるらしい。
あの子達にまた会えるといいな。
啓太もまた、雪だるまの指示のとおり高度を下げながら、ひざの上に小さなぬくもりを感じていた。
きらめく塔がせり上がるように啓太の目の前にある。
他の塔の上は、もうたくさんの訪問客で一杯だが、その塔に降りるのはどうやら啓太のボートだけのようだった。
ボートがぼすんと塔の上の雪だまりに突っ込むと、いかつい黒ひげを生やした大きな雪だるまが啓太を迎えた。
『ようこそスノーランドへ。ようこそホワイトスノー城へ。』
大きな雪だるまは深々と頭を下げお辞儀をした。
木炭で出来た黒ひげが、わずかにその胸にめり込んでいた。
『スノーテール5』
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