メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Feb 4, 2014
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 昨年の11月になりますが、全日本メートル・ド・テル連盟主催「冬の食材探求旅行」に参加して「ツキノワグマ」を食す機会がありました。

 冬の訪れがいよいよ始まることもあって、熊は寒さを凌ごうと秋に多くの食べ物を摂取し、脂が赤身と同じくらいの層になっているのが分かります。

 味は、ツキノワグマがそもそも雑食の動物で、果物なども多く摂っているからか、肉の味に臭みはありませんでした。食肉の風味とは、何を食べているかで随分と変わってきます。
 脂に独特の風味があります。同じ環境にいるキジの脂身の薫りに近い感じがありましたが、牛や羊ともまた違う風味です。

 今シーズンのジビエも、2月を迎えそろそろ終わりに近づいています。

 現代において、またフランス料理において「ジビエ」とは狩猟した鳥獣類を指し、また、そういった食材を使った料理はジビエ料理と呼ばれてます。

 四季を重んじる日本の風習に倣って、冬になるとあちこちのホテル、レストランで「ジビエ料理」が供されています。
 希少で高価でもあり、シェフの経験と腕が非常に重要な食材でもあります。

 「ジビエ」は狩猟した野生の動物の事ですので、鹿や鴨、猪やウサギ、もちろん狩猟すれば熊、狸、狐なども含まれる事になりますので、それぞれの味も全く違ってきます。

 そもそもジビエが重んじられるのは、特に冬の一定期間のみ狩猟が許されず、野山の植物などを食べて育ったその野生味が美味とされるところからです。

 しかし、一方で、日本人が季節ものとしてとらえるのとは少々事情が異なり、ヨーロッパ中世において、そもそもジビエは一般庶民の口に入るものではありませんでした。      

 古代から中世へと変化を遂げた西暦5世紀から9世紀に至るまで、現代のフランスはまだフランク王国と呼ばれていました。もともと狩猟民族であったフランク族は戦闘訓練の要素もあった「狩り」を好みました。

 狩りの一つの形態として「ハヤブサを使った鷹狩り」があり、当時のフランク族語でgabaitiと呼ばれていました。後にこの言葉がジビエ(gibier)と変化します。ジビエは本来「狩りをすること」の意で、英語圏においてはゲーム(game)と呼ぶのも同じ意味からの派生です。

 古代フランク族の末裔である、フランス王、フランス貴族たちは狩りを行うことを高貴な義務とし、一般の庶民が狩りを行うことを許しませんでした。それは、狩りを行なうための獲物の減少を防ぐ目的もあったのですが、彼ら曰く、

「野生の動物は自由であり、自由な生き物を捕えることが許されるのは、自由が保障された身分である貴族だけである」

といった考えからです。そのため、ジビエは古い文献のグランドキュイジーヌの中にも多く現れます。しかしその後のフランス革命によって、貴族社会は崩壊。後に現れる様々な「レストラン」において、ジビエの味が引き継がれることになったのです。

つづく熊すき焼き





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Last updated  Feb 4, 2014 08:21:25 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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