メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Oct 4, 2018
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来月、弊社において奈良県、古都ならまちに新たな宿泊の施設をオープンすることになりました。

奈良といえば、かつて平城京を有したように、歴史の上では京都・平安京よりも以前に在った日本の古都です。

(その前に我が地元、大津に近江の宮があった訳ですが)

お客様は何を求めて奈良にお越しになるのでしょう。

日本を表す大倭と呼ばれ、シルクロードの終着点。古の天平文化。古事記、日本書紀、風土記、万葉集、、、多くの史記や歌集が編纂されています。

織なされる日本の文化の原点がそこにあるのかも知れません。

(繰り返しますが、その以前に私の地元、近江京がありました。)

今回、ささやかではありますが、この店舗のオープンにあたってワインリストの選定を担うことになりました。

私もワインのみならずの「酒類」をレストランで取り扱うのが生業となっております。
また、おもてなしの心をもって「酒を勧める」ことを意識しています。

「酒を勧める」

かなり有名で、学校で習った記憶があるのですが、
中国の詩人 于武陵 (う ぶりょう)が詠んだ五言絶句に「勧酒」(酒を勧む)があります。

勧 君 金 屈 卮

満 酌 不 須 辞
花 発 多 風 雨
人 生 足 別 離

この詩には井伏鱒二の名訳があって、こちらの方がよく耳にされるかも知れません。

このさかづきを受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
「サヨナラ」だけが人生だ

最後の一行、

「サヨナラ」だけが人生だ

サヨナラか。
なんだか少し寂しい気分にもなります。

でも、サヨナラが来るから、とても愛おしい、そして大切なものであると気づくことができます。


「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう」


「これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい」

この心得を、後の茶人、千利休の言葉とされる

一期一会

と呼ぶようになりました。

おもてなしの本質、亭主と客とがお互いに誠意を尽くす心構えの意味です。

「一期」とは仏教用語でいう「一生」であり、すなわち「人生」の事。


「さよなら」だけが人生だ それはまた、一期一会。

お客様と出会うわずか一日を、たった数時お間を大切に愛おしく思えることが「おもてなし」なのでしょう。










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Last updated  Sep 15, 2020 11:37:18 PM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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