MISS☆KFAのひとりごと

MISS☆KFAのひとりごと

懺悔-その5-



あまりのショックに言葉を失った。

「なんで…!?」

一言聞き返すだけで精一杯だった。

原因はいまだにハッキリせず、ただ聞くところによれば
彼は出席日数が足りなかったせいか留年していたらしく、
野球部も辞め、いっそう不登校の日が増えていたとの事だった。

私は、その時になって初めて後悔し、自分を責めた。

私はなぜあの時に、もっとちゃんと時間をかけて
彼と気持ちを通わせなかったのか。

彼とは、手をつないだ事もなく、まともに会話する事すら
出来なかった。
でも、リュックを使ってくれていた。
自転車にも乗せてくれた。
ノートだってうっとおしがらずに毎回「ありがとう」って
受け取ってくれた。
試合前に「頑張って」って言うと、「うん」って恥ずかしそう
だったけど、笑顔を返してくれていたのに。

なぜ「嫌いではない」程度の気持ちで他の人と付き合って
しまったのか。

私は何かすごい間違いを犯してしまったのではないだろうか。

あの時、彼ともっと深く関わることが出来ていたら、
あるいは…



いろんな思いが一気に押し寄せてきて、でももう
今となっては何を考えようと手遅れなのだと思い知らされ、
泣くよりほかになかった。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


あの日以来、私の心は小さな棘が刺さっているみたいに
思い出すたびにチクチクと痛むのです。


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: