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緊急事態宣言下で自粛モードのGW、ハルイチは中止になったし、ボウリングも休みだし、私はもっぱら夜にウオーキングをしてるのと、この数年の課題であった、部屋の整理、特に本棚の整理をしている。壁一面に作り付けの本棚があるのだが、奥行きが深いのと、棚板が少なくて、前と上に空白が空くので、そこに雑多なものが詰め込まれ、本が見えにくくなり、本来の目的を果たせないでいた。そこで、棚板をネットで注文、奥の方に段ボールの衝立のようなものを作って入れて、本を入れても、前や上に殆ど隙間が空かないようにした。本棚に詰まっていた雑多なものを処分したりして、かなりのスペースが空いたので、あちこちに散らばっていたCDやDVDそして本を入れた。ベッドの頭の方に置いてあって、ここも取り出しにくくて放置場所になっていた本棚から本を移動もした。空いたスペースには100均のカゴを入れて、小物はそこに収納。着工前の写真が無いのが残念だが、ほぼ満杯の立派な本棚になった。まあ、CDの棚は他に大木なのが5つぐらいあるし、本棚もでかいスライド書棚があって、そちらも整理が待たれるところであるが、それは今後の課題にしよう。その過程で、買ったまま忘れていた本、CD、DVDが数え切れないぐらいあるのを発見。GWはこれらを少しずつ消化するのをミッションとしよう。その棚からひとつかみ、今日は本を紹介。村上たかしは、涙腺崩壊系の漫画家である。映画にもなった、「星守る犬」がその代表だが、これらは、それに続く作品。やはり涙腺崩壊系である。そして、繋げる作家でもある。ひとつひとつの話は独立しているようだが、読み終わると、そこに一つの流れがあるのに気付く。上手いなあと思う。気になった方は、是非手に取ってみてください
2020.05.04
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朝8時過ぎに出発。ナビ様のおかげで迷うことなく、天保山のサントリーミュージアムには10時過ぎに到着。壁面に吊された絵を見て既に心は躍っている。時間ごとに入場者数を区切っているようなので大きな混雑はなく静かである。と、言うよりは静かに熱を帯びていると言う感じ。お腹が空いたと言う子どもたちをなだめて、先に入場する。入場口で記念撮影。これ以降は撮影禁止。電話の電源もお切りくださいと言われる。館内は静かだ。全体に薄暗く、時々真っ暗な部屋もあるので歩くのには気を遣う。無駄話をする人もいない。携帯の音も鳴らない。みんなが無言で絵に対峙している。う~ん・・やられた。マンガの原画などが大きく引き延ばされて並べられているのだろうと思っていた。全然違う。すべて新しく書き下ろしたのだと思う。ある絵は壁の天井から床まで届くばかりに、ある絵は近寄ってみないとわからないぐらいの大きさで。注意していないと、通路の壁にも小さく絵や言葉が書かれているのを見過ごしそうになる。もうマンガではない。墨絵と言おうか水墨画画なのだ。それがただ並んでいるのではない。ひとつひとつの絵が意味を持ち、新たな一つのストーリーになっている。具体的には武蔵の最期の1日と言う感じか。若い頃からその時までのフラッシュバックのような流れを、幽体離脱?したように冷めた目で武蔵自身が見ていると言う感じ。「前のお客様を追い越していただいても結構です」とスタッフが時々叫んでいたけど、それじゃダメだ。ストーリーになっているので、順を追ってみていかないと分からなくなる。最後の絵は海だ。砂浜に、武蔵が居る。子どもの顔をした小次郎が武蔵を迎えに来る。二人は手を取り合って遠くの方へ消えていく。絵は淡く・・薄く・・。後に残るのは波の音だけ。そのとき自分の足下の様子が変なのに気づいて下を見た。砂浜なのである。絵の下、会場の通路に砂が敷き詰められて、入場者自身が砂浜に立っているような仕組みになっている。絵に目を奪われていて、自分の足下に砂が敷き詰められているのに気がつかなかった。そこで、このマンガ展は終わる。会場で見た絵は、外のショップで売っている「いのうえの」と言うアルバム(画集)を買うことによって、もう一度見る事が出来る。自分ももちろん購入したが(アマゾンで見つからないので、多分会場でしか売っていない)、やはりあの会場で、あの照明で暗闇の中で、あの巨大な絵と対峙しないとそのすごみの100分の1ぐらいしかわからないと思う。そのアルバムの最後に、井上がこう書いている。*********************************************************この「最後のマンガ展」は僕にとって、僕が描いてきた「武蔵」の人を何十人も斬ってきた人生を、それでも肯定するための機会になると思った。それはつまりこういうことです。「バガボンド」をずっと読んできてきてくれた人に、この10年の僕の紆余曲折を受け入れて、ついてきてくれた人たちに、どうしてもいい思いをさせてあげたかった。「読み続けてきて良かった」絶対にそう思って貰いたかった。「光」を書くために「影」を描く。争いや人を斬ることは「影」。それを描かなくては「光」も見えないはずと思っていました。そこに向かっているのだと。たけどそこに向かっている過程だとしても、例えば人を斬る絵そのものは、絵ではあるが、気づかないうちに人の心に傷をつける力があった。読み手にも、描き手にも見えない棘を残しました。神のままのむき出しの魂の持ち主のような、例えば幼い子どもには見せたくないなと感じる自分を見つけたとき、その事を確かだと思いました。今この時期に、この物語を描く事ができて良かった。いや、今この時期でなくてはならず、「全体で感じて貰う空間漫画」でなくては、ほんとうのところは伝わり得なかったのでしょう。やっと「光」そのものを描く機会を得られたと実感しています。そう思えばすべては間違いではなかった。向かってきた通りの形になったのです。例え、悲しみを描いても、それはもう行き場のない悲しみではないのです。***************************************************************2008年の7月、この文章を井上が書いたときと言うのは、恐らくバガボンドで武蔵が、吉岡一門70人と決闘して、その70人を斬って捨てる場面にちょうど直面しようかとしていた頃ではないかと推察する。週刊誌の連載漫画を描く裏で、これだけの事を考えながら描いている。まさに命を削って描いているように思える。その命と対峙する機会を得られた事を嬉しく思う。
2010.02.11
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ビッグコミックオリジナルに1973年から連載されていた、長寿野球漫画「あぶさん」の主人公、景浦安武がこの5日発売号で引退をする。何と62歳。新潟県の高校野球選手権大会決勝で、二日酔いでありながら特大の代打ホームランをかっ飛ばして逆転優勝。しかし、ダイヤモンドを廻る途中でゲロを吐いて飲酒がばれて優勝は取り消し。そしてノンプロへ進むが、監督と対立して懲戒免職。浪速の酒場大虎で飲みつぶれていたところを、スカウトの岩田哲五郎に探し当てられ、契約金50万円、年俸100万円で南海ホークスへ入団。当初、打席で酒しぶきを飛ばしながら、代打でホームランをかっ飛ばす異端児バッターとして描かれていた。ところが、段々と連載を重ねるにつれて、あぶさんは偉大となり、不惑を過ぎてから三冠王は獲得するわ、レギュラーになるわ、子どもはドラフト1位で親子鷹になるわで、ちょっとやり過ぎとちゃうかと言うところがあった。水島新司の漫画は、「男どあほう甲子園」みたいなアウトロー的な主人公が多く、あぶさんのそういうところが僕も好きだったのだけれど、あまりにあぶさんが神格化と言うか、綺麗になりすぎて、最近は軽く読み流す程度の漫画になっていた。まあさすがに62歳で引退させるしかないだろうって感じだけど、漫画の方は連載が終わらずに続くらしい。終わってもええのとちゃうか?って思うけど。ドカベンだって、登場人物がそのままでプロになっていたりして、ちょっと見苦しいところがあるよね。ところで、この「あぶさん」の名前の由来は、主人公景浦安武の名前を音読みにした「あぶ」と、フランスのキツイ酒であるアブサンをひっかけたものだと思うけど、実はこの景浦さんと僕は同じ名前で(字が違うけど)、だから僕のメアドの最初にもabusanと付いているのである。そんな訳で親近感があったんだけどね。まあ、現役37年ご苦労様でございました。
2009.10.05
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最近、往年のマンガの名作がコミック数冊分を一冊にまとめた分厚い廉価版のコミック(コンビニコミックと言うらしい)で、色々発売されていて、僕も「柔道部物語」とか「のたり松太郎」とかを買い集めている。そう言えば「おーい、龍馬」も買ったなあ。安価なので、ちょいと気軽に復習と言うのに最適なのよ。今日本屋で見つけたのがこれ。サイボーグ009 特別編集版 (少年サンデーコミックススペシャル) 石森章太郎(晩年石ノ森章太郎に改名したが、敢えて昔の名前にさせていただく)の名作「サイボーグ009」の中から厳選されたエピソード6編を収録したものだ。この中に僕が一番好きだった「地下帝国ヨミ編」が含まれていたのよ。サイボーグ009は1964年に初めて連載が開始され、石森のライフワークとして何度も掲載紙を変えながら連載、石森の死によってラストは未完にのままとなっている。このあたり手塚治虫の「火の鳥」に似ているね。僕が最初に見たのは多分テレビアニメだったと思う。主人公の髪型とあのマフラーが風になびくのにすごく憧れた記憶がある。この本の解説によると、地下帝国ヨミ編が終了したのは1967年、僕が7歳の時なので、恐らく僕は後に単行本化されたのを、小学校高学年か中学校あたりに読んで感動したのだと思う。そう、そのヨミ編のラストは未だにはっきりと覚えているし、僕が今まで読んだマンガのラストの中でも最も美しく感動的なラストの1つだ。文章で上手く紹介できるかどうか・・。世界に戦争を起こそうとたくらんでいる武器商人ブラックゴーストに作られたプロタイプのサイボーグ達(001から009まで)は、ブラックゴーストと対立し彼らと戦うことで世界の平和を守ろうとしていた。地下深くにヨミと言う帝国があり、そこには地底人、超音波怪獣を操るは虫類ザッタンがおり、ブラックゴーストは超音波怪獣に兵器として目をつけ、ヨミに製造基地を作る。サイボーグ達はヨミに潜入、ザッタンに支配される地底人、ザッタンと対立するブラックゴースト、そしてサイボーグ達の三つどもえの戦いがあり、最終的にサイボーグ達はブラックゴーストの基地の破壊に成功。しかし、ブラックゴーストの中枢部は魔神像となり宇宙へ脱出、その際にヨミにしかけた水爆を爆発させサイボーグ達を壊滅させようとする。しかし001の機転でサイボーグ達はテレボートにより安全なところへ脱出。ところが009だけは魔神像の中へテレボートされる。001が自分をテレポートしたのは、ブラックゴーストと戦って死ねと言うことだと悟った009は最後の戦いを開始。魔神像を破壊するが場所はすでに宇宙。009は宇宙空間へ投げ出される。そこへ地上から009を助けに来た002が来る。(002の得意はジェットエンジンを使って空を飛ぶこと)しかしもう飛ぶだけのエネルギーが残っていない。自分一人なら助かるから自分を離せと言う009に「何を言ってるんだ、死ぬときは一緒さ」と答える002。二人は抱き合ったまま燃えながら成層圏に突入していく。場面が反転。日本の平和な街、普通の家の物干し台から姉と弟が夜空を見上げている。満天の星の中へ一条の流れ星が・・(それは燃えながら落ちていく009と002であったはず)「流れ星」「きれい」「うん」「カズちゃん、何を祈ったの?」「えへへ。おもちゃのライフル銃が欲しいって・・」「まあ、あきれた」「じゃあ、お姉ちゃんは?」「あたし、あたしはね、世界に戦争がなくなりますように・・ 世界中の人がなかよく暮らせますように・・って祈ったの」ここで物語は終わる。このラスト、このヨミ編で実はこの作品は終了するはずだったらしい。ところが、この衝撃のラストにショックを受けた読者から抗議や脅迫まがいの手紙が殺到。あまりの反響に驚いた石森が二人は001の機転で助けられたと言う設定でまた新たに物語が再開されたと言う経緯を持つらしい(今回このコミックを読んで初めて知った)。その後、色々なシリーズで作品は継続されるが、結局このヨミ編のラストを越えるものが描けず、その結果作品が未完のままに終わったと言う経緯を持つ作品である。ファンに迷走さされた名作と言うところか。あのラストは最高だったんだけどね。ラストだけでなく、このヨミ編はこれまでのブラックゴースト対サイボーグと言うだけでなく、地底人やザッタンが絡み、人間で無いサイボーグの悲しみ、ザッタンに支配される地底人達の悲しみも交錯し、場所も地底から宇宙へと・・壮大な作品となっている。009シリーズを今まで知らなかった人たちにも、これだけでも是非読んで欲しいなと思う。
2009.01.31
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雑誌「BRUTUS」最新号。緊急特集、井上雄彦。何で緊急なのかわからんが、恐らく現在開催されている「井上雄彦、最後のマンガ展」に合わせての事だろう。東京は上野の森美術館。美術館全体を1冊の本に見立てて、ケント紙に、和紙に、漆喰の壁に所狭しと筆で書き並べられた書き下ろしマンガ100点。NYの紀伊国屋書店のコミックコーナーの壁一面に描かれたバガボンドの壁画と同じぐらいの、いやそれ以上の迫力の作品が並ぶに違いない。彼の作品がコミックスになるとき、毎回裏表紙に彼の言葉が掲載される。バガボンド28巻目の裏表紙にはこんな言葉が書いてある。 高校生の頃 好きなことを仕事にするのはつらいよ そこそこ好きな事を仕事にするといいと助言された 僕はその言葉に逆らった そして今それで良かったと思える この仕事がそこそこ好きな事だったら もう投げ出していただろう 好きなことと自分はイコールだ 自分を投げ出すわけにはいかない全国の高校生に読ませたい箴言でしょう。これが彼の生き方だ。スラムダンクが世界各国で翻訳されて1億部を突破したとき。彼は自費で全国紙6社に全面広告を出した。ファンの人たち、ありがとう!と。バがボンドでは、連載途中からペンを筆に変えて殆どの絵を1人で描ききる。アシスタントは背景などのペン入れのみ。これでもか、これでもかと魂を入れられた絵は、最早マンガの範疇を越え日本画、水墨画さえも凌駕して居るではないか。描きたいものを納得が出来るまで描く。流行に合わせてくだらないマンガを書いている漫画家と、志の高さの違いは歴然としている。最後のマンガ展の最後・・は、もう二度とこんな事は出来ない・・ということらしい。最終は、7月6日まで。行ってみたいな・・上野の森。
2008.06.16
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吉田秋生はその美しい絵と、ストリーテラーとしての秀逸さから、とてもお気に入りの漫画家の1人だ。あまり作品数が多くないのもファンと言おうかコレクターとしては嬉しい。最近の彼女の作品は、超美形で特殊な能力を持って生まれついた主人公が、その能力故に様々な事件に巻き込まれて、自分のその運命を変えるべく戦うと言うハードアクションサスペンス路線が多かった。「BANANA FISH」や「夜叉(YASHA)」がその代表と言おうか金字塔だろうと思う。もう一つ彼女の路線としては「河よりも長くゆるやかに」や「夢見る頃を過ぎても」のように、平凡な主人公達がそう大きな事件も無いけれど、その毎日の中での微妙の心の機微を丹念に描いている作品群がある。彼女の作品は別冊少女コミックで・・と思っていたのだが、この雑誌がいつしか廃刊になったのか見かけなくなって連載の場がどこに移ったのか、彼女の作品に出会えないで居た。それが新聞の書評欄かどっかで去年の春に既に新作が出ているのを知った。海街diary 1~蝉時雨のやむ頃これは後者の系列にあたる作品だと思う。舞台は鎌倉。大きな古い家に住む3人姉妹が居る。父親は子供達が小さいときに女を作って家を出た。その後、母親も男を作って家を出て行き、彼女たちは祖母に育てられたけど、その祖母も既に亡く、彼女たちは祖母の大きな家で住んでいる。そこに届いた父の訃報。父は、一緒に家を出た女性とは死別し、今はまた別の女性と暮らしていた。前の女性との間に出来た連れ子が1人。父親には何の感情も持たなかった娘達ではあるが、実際に葬儀に行ってみると父の住んでいた街は鎌倉と似た地形の街で、父のお気に入りの場所はその街が一目で見渡せる山の上だった。少しずつ父との思い出が湧き出てくる娘達(このあたりの描写が上手いんだよな)。電車のドアが閉まろうとするときに、見送りに来ていた異母兄弟の「すず」に長女が突然声をかける。「あんたも私たちの所へ来ない?」。「行きます」と即答するすず。こうやって、新たな4人の共同生活が始まった。と、まあ後は読んでのお楽しみである。吉田作品は、他の作品と少しずつリンクしているのは有名な話だが、この作品には名作短編の「ラバーズ・キス」の主人公だった藤井朋章君が出てくる。ラバーズ・キスよりも1年若い設定だ。この辺りもファンにとっては嬉しい設定ではないだろうか?1巻が出たのが2007年の4月だからもうじき2巻が出るかな。楽しみだ。
2008.02.10
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営業は深夜0時から朝の7時頃まで。メニューは豚汁定食、ビール、酒、焼酎のみ。あとは勝手に注文してくれりゃあ、できるものなら作るよ。そんなシンプルな飯屋が都会の一角にある。顔に向こう傷のあるちょいと強面のマスター。深夜につどう一癖も二癖もある人たち。その人たちのリクエストする懐かしい食べ物とその人たちにまつわるドラマがこの食堂のメインディッシュである。タコ足のウインナー。昨日のカレー猫マンマキュウリのぬか漬けなど懐かしい味に懐かしいドラマが絡む。B級グルメにB級の人たちが絡んで極上の物語が出来る。どうですか?あなたもひとつこの食堂を覗いてみては??深夜食堂(阿部夜郎著)ビッグコミックオリジナル連載中。
2008.01.24
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大学の医局の5年ぐらい後輩にS先生と言う人が居る。丸顔で色白く、髭は濃くて顔も濃い。髪の毛を長く伸ばして後ろでくくっている。体重100kg前後。見た目は相撲取りか居酒屋のマスターである。直接一緒にお仕事をした事はないが、医局の会とか阿波踊りでよく顔を合わせて、人見知りしやすい僕にも豪快な彼はよく声をかけてくれるし、子供の年齢もよく似ているのでお友達のようになっていた。多芸多才の人で、学生時代から絵を描いていたり、どっちの料理ショーの審査員に出たり・・。その彼がこの春に会で見かけたときには、40kgぐらい体重を減らしていた。元々濃い顔なので、ジャニーズのようになっていた。一体どうしたんだ?いつかリバウンドが来るぞ~と思っていたら。彼からお便りが届いた。絵本を出品したのだという。趣味で描いていた絵と同じく趣味で書いていた文章を一緒にしたのだと言う。自分の趣味を形にちゃんと残すと言うのは凄いし素晴らしい事だと思う。痩せたのは、ひょっとしたら著者近影に載せる為か?と訝ったりして。太っていた頃の彼がモデルか?と思う「クリスマスイブのブー」、時期的にもピッタリだ。アマゾンで注文したぞ。じっくり読んで待合いにも置いてみようか?彼のお手紙より・・。・・・・この絵本には、全ての絵に隠された「ブーマーク」探しや、ページ毎に小さくなっていく「月の中を飛んでいくオオカミの影」などのお遊びを入れながら、オオカミをやっつけようなんてせずに、ただ大声で助けてくれ~と叫ぶブーを通して「無理に頑張らなくて良い、自分の出来る事を思いきってやればいいんだ」と言うメッセージを込めました。・・・すずキセンセ、リバウンドしないように頑張ってね!第2.第3弾も待ってるよ。
2007.12.13
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僕が今一番熱いと思っている漫画家、井上雄彦の現在の代表作、「リアル」と「バガボンド」の最新刊が先日同時に発売された。ファンとしては大変嬉しいことである。漫画と言うのはもちろん、絵とストーリーによって成り立っているわけだが、井上の場合この両者への作者の気持ちの入れ方が半端ではない。「リアル」は、車いすバスケと言うある意味特殊な世界を描きながら、その中心となる3人の少年(青年か?)の生き方に読者はそれぞれ深い共感と感動を持つことが出来る。それは作者の井上が、話の展開を絵空事ではなくとことん現実の世界の事として、突き詰めて考えて書いているからだろうと思う。バスケ部を辞めて、オートバイ事故で同乗していた少女を下半身不随にした野宮、何もかも上手く行かなくなった野宮が、車いすバスケをしている戸川と出会う。その戸川は将来を嘱望された天才スプリンターでありながら、全日本選手権直前に骨肉腫で片足を切断。苦悩の後に車いすバスケに出会い再生の道を歩んでいたのだった。戸川達の生き様に触れる事によって、自分も再生していこうとする野宮、そして野宮のチームメートで野宮と犬猿の仲でバスケ部キャプテンの優等生だった高橋は、盗んだ自転車で走っているところをトラックにはねられて同じく下半身不随となる。以前の自分と今の自分を重ね合わせてその悲惨な気持ちから逃れられる事の出来ない高橋は、まだ車いすの人となって居らず、戸川とも出会っていない。連載が始まって既に7年、1年に1冊ずつしか出ないのは、作者のテンションを維持する限界なんだと思うが、毎年秋の楽しみでもある。一方、吉川英治の宮本武蔵を下敷きに、作者なりの新たな解釈を加えた「バガボンド」は既に20数巻を数えるが、やっと吉岡一門との戦いが終わったところである。総数一億部を越えたと言う「スラムダンク」では、高校入学後わず4ヶ月余りの話を、31巻に渡って描いた作者の、濃度の濃さと言う物はこの作品でもよく出ていると思う。このバカボンドで最も特筆すべきはその絵であろう。これでもかと書き込まれたその絵には、線の1本1本に作者の魂が込められているようだ。今月号の「ダヴィンチ」では井上雄彦の「リアル」が特集され、そして井上のインタビューが載っている。それによると、井上は肉体の美しさをより正確に描く為に、まず裸の絵を描いて、その上に洋服の絵を描いて行くそうだ。バカボンドでは、当初ペンで描いていたのを途中から全て筆に書き換えて描いてるらしい。なるほど、そう言えばバガボンドは途中から明らかに絵のタッチが変わっている。僕は割り箸ペンのようなもので描いているんじゃないかとずっと思っていたけど筆だったのね。そう言われてみれば、絵柄の変わった当初のタッチは筆である。それが最近はまた元のペンのタッチに似てきてる。筆でも使い方が変わってきたのだろうなあ。「子連れ狼」を描いた小島剛夕が、その晩年のタッチは同じく筆で描いたのじゃないかと思われるような水墨画のようなタッチだが、井上の絵はそれを既に密度で言う点でそれを越えていると思う。こういう人は、アシスタントに任せることなく、全ての絵を自分で描いているんじゃないかと思うが、記事を読んでいると背景を描くアシスタントと言う言葉が出てくるので、アシスタントはいるんだろう。でも、主なところは全部自分で描いてるんじゃないかな。それぐらい自分の絵に愛情を注いでるんじゃないかと思う。このあたり、コンテだけ決めて後は全部アシスタントに分業させていると言う「ゴルゴ13」のさいとうたかおなどとは違うところだろうな。井上だって、昔の作品はありふれた探偵どたばたものだった。スラムダンクだって、最初の頃は学園ラブコメ風バスケ漫画だ。それが連載始まって間もなくから、どんどん絵が変わっていき、話の密度も濃くなってくる。1回の連載分を一切の台詞無しで選手の鼓動や息づかいまで描ききったスラムダンクの最後の試合はもう芸術と呼べるだろう。こんな風に作家がホップステップジャンプで飛躍していくのを見るのは楽しい。学生時代にバスケ部のキャプテンだった井上は、自分にはこれしかないと言う題材のバスケを取り上げて、それで得た巨額の富で今度は基金を作って才能あるバスケの若手をアメリカへ派遣している。そういう生き方は素敵だと思う。僕は、売れているから流行っているからと言って、それが素晴らしいとは限らない、そういうスタンスの人間だけど、井上の作品に関しては、素晴らしいからこそ売れているのだと思っている。そういうのって、今の世の中ある意味貴重だと思う。まだ彼の世界に触れてない人は、是非一度触れてみてはどうかな?
2007.12.06
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とうとう、この新聞連載漫画もコミックにして4巻目まで来た。西原ってつくづく私小説的だなと思う。まあ、自分自身が子育てをしてる人が「毎日かあさん」を描いている訳だから、題材に困らないし実感、新鮮味があるのは当然だろうと思う。連載が続いてる事からも、この作品は読者に支持されているのだろうと思う。それは「うんうん、こんなバカ母さんが居るから自分なんてもっとマシだよね。」と言う感覚ではなく、子供は愛してやるだけでそれで良いんだと言う自信を与えてやっているんだと思う。そして毎回挿入される別の漫画。今回は、ガンが分かって出戻ってきた元夫、鴨ちゃんとの最後の日々を綴った数編。これぞまさに私小説だと思う。「リツ子、その死」(壇一雄)を思い出したぞ。鴨ちゃんとの最後の場面(絵は出さないけど想像してね) でもその日はけっこう早くやって来て 20年ウソ話ばかり作ってきたのに 私はこの日のために自分の子供にするウソを用意していない・・。 動かなくなった彼の前で いつまでも泣きやまないわたしに こどもたちが最初にしてくれたことは 私を笑わすことだった 神様 わたしに子供をありがとう西原の漫画には、最後には必ずありがとうの心が出てくる。バカヤロウが似合いそうな西原だけど、途中には何度もバカヤロウが出てくるけど、最後にはありがとう。だからみんな彼女を好きになるんだろうな。
2007.08.09
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今日の診察終了3分前に電話がかかってきた。あと20分ぐらいでそちらへ行くので診て貰えますか?子供が熱があるので・・・。こういうのは困る。他にも患者さんが待ってるならまだしも、今はもう誰も居ない。7時に終了できると思っていた矢先である。あと5分と言うならともかく、20分てのは中途半端な時間だ。以前なら、どうせなら30分ぐらいかけて来てくださいと言って、職員は帰して先に食事を摂ってから改めて待っていたのだが、院外処方になってからはそうもいかない。結局「出来るだけ早く来てね」と言うことになる。まあ大抵の場合、本人の申告した時間よりは早く来てくれる事が多い。今日も10分ぐらいで来てくれた。よくみたらソフトバレーを一緒にしてるNさんの息子さんじゃん。今年2人目のインフルエンザでした。テストの結果が出るのに更に10分かかったけどね。昨年、「夕凪の街桜の国」で数々の漫画賞を取ったこうの史代さんの新作。「さんさん録1」会社を定年になった男性は、妻を失った。長男夫婦と同居を始め主夫となった男の手に残されたのは、亡き妻が残してくれた分厚いノート。そのノートは料理の作り方、アイロンのかけ方をはじめとした生活レシピが満載の彼の家族の記録だった。妻のノートを片手に主夫として第2の人生をスタートした男のほろ苦く暖かい人生を妻のノートが見守っている・・。人は死んで身体は無くなっても想いはずっと残るんだね。そういう事を実感させてくれる本だ。こうのさんの漫画はちょいと絵柄が弱っちくて印象に残りにくいけど、一度手にとって中を覗けば離れられない魅力がある。あれ?もう2巻が出てるじゃん。買わなきゃ。
2007.02.07
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今日の自分には壮大な計画があった。その計画とは!・・・・亀田のタイトルマッチを見ながら、その間エアロビックステッパーを踏もうというものだ(爆)。だから試合が短時間で終わってしまっては困るのだ~~。と、言うわけで僕の期待に沿い試合は白熱して最終ラウンドまで。たっぷりと汗をかいて脂肪を燃やさせていただきましたぞ。前の試合の時にも書いたけど、僕は亀田は嫌いだけど彼の実力はあると思っている。もっとも彼の試合を見たのは前の試合が初めてだったけど、判定だって微妙かなと思っていたし。まがりなりにも世界1位とフルラウンド互角に近く打ち合ったのだ。そのあたりを皆さん忘れてるんじゃないかと思った。で、今日は足を使う新しいスタイルを見せて相手を圧倒。疑問を持たれていた実力を示した試合を見せられたと思う。大口に伴った実力・・ではない。本当の実力者は寡黙なもの。彼にはボクシング技術に伴う人間としての実力はまだついてないみたいだ。まあ、これからはこっちが課題だな。さて、この本の事を。これと一緒に買った「いけちゃん」を先に読んでしまい、そっちを先に日記に書いた。いよいよ真打ちが登場と言うわけだが、これは最初に買おうと思った方が登場と言うことで、どっちが作品として素晴らしいというような意味ではない。「いけちゃん」も「のばら」も同じように素晴らしい作品だと思う。あらすじを説明するのは難しいし、この作品の場合それも意味が無いように思うが、一応とっかかりが無いと読んでみようと思う人も困るだろう。舞台や人物の設定からは名作「ぼくんち」を彷彿させる。ぼくんちの続編と言っても良いような内容だと思う。「ぼくんち」では、海沿いの寂れた村に住む少年達がでは主人公だったが、この作品で女性達に変わっている。山間にある美容室「パーマネント野ばら」は、ハウス農家のおばちゃんのパンチパーマを一手に引き受ける憩いの場所。そこで繰り広げられる、男にまつわる喜怒哀楽がこの本のメインを成す。男に騙され、男に裏切られ、それでも強く逞しく、しかしいじらしく生きていく女達。ダイナミックレンジ振り切りの強烈なギャグと下品さが天然カラーの絵に支えられている。それに目を奪われていると思わず見落としてしまいそうな叙情的な線やつぶやき。その落差の大きさが西原の真骨頂なのかも知れない。直子は、この美容室のママさんの娘。子供を連れて実家へ出戻ってきた娘である。この場所に集う人たちで、普通に恋人が居るのは直子だけ。物静かな年上の恋人だ。様々な波乱のエピソードを持ちながら進む物語の最後、思いもかけないどんでん返しが待っている。それは読んでのお楽しみ・・。思うに、「いけちゃん」も「野ばら」にも、幽霊のような存在が登場する。どちらも同じように愛に満ちているのだけど、いけちゃんのは嬉しくて、野ばらのは悲しい・・。そしてどちらも愛の物語だ。今、西原は失った愛を探してるのだろうか?夜の街を歩いたたくさんの明かりが いろそらまめに見える「私はあなたの空豆だと思う」そう言ったら返事は キスだった私はいい年をしたおばさんでみんながこの恋を笑うだろうと思うけど私は私の空豆を見つけることが出来てうれしくてしかたがない「あなたのことが 大好き」「ずっと ずっと」すきやずっとなんてないことは、とっくの昔に知ってるからだから私は 毎日小さなうそばかりついてる。
2006.12.20
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今日は来週に迫った娘のダンス発表会の予行演習が午後からあった。一般、ジュニア、初心者、プチなど色々なクラスが色々な出し物をする訳だが、まあ分校でお客さん状態の娘の教室の子供達は、たった2曲の出番(正確には、その後カーテンコールがある)の為に午後3時半から9時半まで拘束。これって何とかならんのかい!小さな子供のクラスは先にやって早く帰すとか。前日の今度の土曜日は、朝の10時半から夜の10時までリハーサルがあるらしい。瀬戸内さん、ちっと考えてよ。しかしまあ今日は楽屋も混乱するからと言うので、洋服の着替えを全部客席やその辺の通路でやっていたので凄い壮観な眺めで、お父さん達にはちょっと居りづらい雰囲気だったぞ。さて、年のせいか涙もろくなった昨今ではあるが、昨日は西原の漫画にぐっと来そうになった訳だが、少し前にはこの漫画にぐっと来そうになった。「弁護士のクズ」と言う漫画をご存じだろうか?漫画の方は「ビッグコミックオリジナル」で現在連載中、コミックスも4巻まで出ている。豊川悦司主演でテレビのドラマにもなっているはずだ。まあ、僕は漫画のドラマ化ってのは絶対に見ないんだけどさ。番組のHPだってちゃんと存在している。クズと言うのは人間のクズと言う意味で主人公の名字も九頭なのである。この漫画の登場人物の名前はいい加減に付けたと言おうか、役柄をそのまま表したような名前が多い。作画の井浦秀夫の描く絵はヘタウマと言おうか、いや本当にヘタで九頭の顔なんか本当にへのへのもへじなんだけど、女の子は凄く可愛らしくて上手い。以前の作品「AV列伝」も彼の可愛い女の子の絵が生きた作品だった。まあ、絵が下手なのに女の子だけ可愛いのは柳沢きみおに似てるかも知れない。そのヘタな絵のせいで読者は絵を気にせずに物語に集中出来るのかも知れない。どの作品も、人間の心の裏側、本当の素顔に迫った作品が多い。この作品は弁護士が主人公なのだが、法律関係物と言うのは、要するに何かの事件があって依頼者が来てそれに関する仕事の中で様々な人間の機微に触れ・・と言うストーリーで、題材やストーリーとしては作りやすいと思う。だがそれだけに個性を出すのも難しいのだろう。事件はあくまで題材で、主人公に個性を出している作品が多い。「家栽の人」、「あんたの代理人」もそれぞれにみな主人公が独特の味を出していた。この九頭は下ネタとエロ話と女性が好きな親父である。でも、社会の裏をしってるからこその深い洞察力を持っているのだ。12月20日号の話しはこんな話しだ。被告人は倉井漁次、見た目も根暗そうなフリーターだ。原告は猫田美弥、ミィと言う名の猫を飼っている(ほら、いい加減な名前の付け方だろう)。事件の顛末はこうだ。猫田はここ数日、倉井が自分の家の周りをうろついてるのを不気味に思っていた。猫のミィちゃんが足の骨を折ると言う怪我をさせられたのも、ひょっとしたら倉井の仕業かも知れない。倉井を怖いストーカーと思っていたのだ。そんな夕暮れ時、逆名猫坂(ほら、いい加減な名前だ)を登っている彼女は坂の上の方に倉井が居るのに気が付く。不安に思いながら坂の上に登った瞬間に彼女は倉井と鉢合わせをして坂の下へ転落してしまう。倉井の罪名は過失傷害罪と器物毀棄罪だ。これは共に親告罪なので罰金刑で済む。当番の弁護士は示談を勧めたけど原告は裁判を主張するし、被告も示談を勧める弁護士を断ってそれで九頭の事務所に回ってきたと言うわけだ。その為に被害者の方は同時に損害賠償の民事訴訟も起こしてきている。世間一般の見方は、倉井はストーカーで彼女の猫を傷つけ、最後にとうとう彼女に被害を及ぼしたと言うものだった。裁判の過程で、九頭は被害者の証言の変化をついて、倉井が彼女を突き落としたのではなくて、彼女が勝手に倉井に驚愕して階段を転げ落ちた事を立証する。被告人の主尋問で九頭は倉井に「あなたは何もしてないのに、どうして過失を認めたんですか?」と質問する。倉井は、法律の事はよく解らないけど、わざとやったのじゃないと言うことは解って貰えたので・・ちょっと違うなとは思ったんだけど。検事さんがわざとじゃなくても手を出したのなら過失傷害だってどなるから・・・自分の言い分を聞いて貰えないから示談じゃなくて裁判を受ける事にしたと言うことだった。以下倉井の証言。事件の当日は、猫に怪我をさせてしまった事を誤ろうと彼女の家に行く途中だった。猫には珈琲カップを投げつけたら当たってしまったのだ。自分の金魚の水槽の掃除をしてるときに、洗面器に入れて置いた金魚をその猫に喰われてしまったので思わず手近にあったカップを投げたら当たってしまって・・。最初は野良猫だと思っていたけど、暫くして彼女が連れているのを見て飼い猫だとわかった。でも、先に金魚を捕った方が悪いと言う気持があって・・それでも結局謝ろうと思ったのは、その猫に名前があってみんなに可愛がれてるのだと解ったから。ここからが九頭の真骨頂である。九「ところで貴方はその金魚をいつから飼ってるの?」倉「俺が飼ってから3年・・・でした。」九「その前は別の人が飼っていたの?」倉「妹でした。」九「妹さんは飼えなくなったの?」倉「はい、3年前に血液の癌で死んだから。」九「妹とは仲が良かったの?」倉「小さい頃はいつも俺の後ろにくっついて、金魚のフンと言われていました。」久「その喰い殺された金魚には名前がありましたか?」倉「ハイ」九「なんて言う名前?」倉「・・・・ふっふっふ(泣いている)・・フンです。」ああ・・最近涙腺の緩い僕はこのあたりでぐっと涙がにじんできてしまうのだ。判決は、過失傷害につき無罪器物毀棄罪につき無罪(緊急避難)そして猫田美弥は倉井漁次に求めていた損害賠償を取り下げた。小さな些細な事件にもその裏にはドラマがある。どうです?こんなドラマ。
2006.12.10
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毎朝朝食を作り、カズを保育園に送っていき、患者さんの往診をして(これは毎日ではないけど)、その後コンビニへ寄ってその日に発売の漫画の立ち読みをするのは僕のささやかな楽しみのひとつである。もちろん、分別のある大人なので地べたに座って読んだりしないしページに唾をつけたりもしない。携帯で写真を撮ったりもしない。そして、立ち読みばかりするのでは良心が咎めるので(若いときにはそんな事は感じなかったけど)、漫画の代わりに何か(多くはスポーツ飲料とか、ガムとか小さなチョコとか、時に下着やソックスなど)を買うことも忘れない。もちろん、コミックスが出たら本屋ではなくなるべくコンビニで買ってあげるようにしてる(と、言ってもコンビニで売られているコミックスは、超人気作品に限られるが・・)。しかし、一昨日の日記で「龍」の事を書いていて分かったけど、皆さん良いお年になるとやっぱり毎週のように漫画をチェックすると言うのは減ってくるようで・・。アオエさんはコミックになってから読むと言っていたし、ジョンリーさんもマメには読んでないようだ。やっぱりみんな分別が出るのか、それとも時間が無いのか・・。まあ、僕もさすがに別冊少女コミックは読まなくなった(吉田秋生の作品はこの月刊誌で連載されることが多い)・・あの雑誌は見かけないけど今もあるのだろうか?でも、今でも土曜日はヤングマガジンとビッグコミックスピリッツ、水曜日はヤングジャンプとコミックモーニング、そして1日と15日はビッグコミックスペリオール、5日と20日がビッグコミックオリジナル、10日と25日??がビッグコミックかな?あと発売日を忘れたけどイブニングも読んでいる。木曜日は漫画ゴラクと週間実話。まあそれが今のラインナップだ。もちろん、それを全部読んでいる訳ではなくて、その中からピックアップされたごく一部の作品だけだけど。今日はその中からお薦めの作品を紹介してみたい。まずは、ヤングマガジン。1 「彼岸島」吸血鬼の島へと連れてこられた青年達が吸血鬼と戦う話。こう書けば身も蓋もないけど、怖くて、ちょっぴりエロチックで、しかも友情溢れる物語で中々面白い。絵がもう少し上手ければ・・・。2 「空手小公子」格闘物は好きなのよ・・。小日向実流君は、僕のアイドルです~。続いてスピリッツ。これは現在読んでいる作品が無い。先日、浦沢直樹の「20世紀少年」が終了したけど、あの結末は一体何じゃ~。何のことか全然わからん。一体どこでどうまがってあんな結末になったのか・・。浦沢氏に解説して貰いたい。この作品も最初の頃は凄く面白かったんだけどな・・。続いて、オリジナル。自分の病院でも待合室に置いてあるけど、それを待ちきれずに発売日にはコンビニへ向かってしまう悲しい性・・。1 「風の大地」まあ、展開見え見えのゴルフ漫画だけど、かざま鋭二の破綻の無い美しい絵に後押しされて、完全に安心して読める漫画ではある。2 「イリヤッド」細かい内容が多いので立ち読みには向かないけど、じっくり読めば非常に面白い。歴史上その存在さえ疑問視されているアトランティス大陸を探すため、日本で古物商を営む異端児の考古学者、入矢修三が抜擢されるが、彼の周りには紀元前から存在し、プラトンさえ殺したとされる「山の老人」と言われる暗殺集団の手が伸びて・・。考古学を横軸に、冒険とサスペンスと縦軸に絡めたとても面白い作品だ。浦沢直樹の「マスターキートン」を好きな人には是非読んで頂きたい。この原作者の東周斎 雅楽という人は、実はマスターキートンの作者である勝鹿北星と同一人物だろうとにらんでいる。原作者名のふざけ方が似てるしさ。作画の方は「家栽の人」の毛利おさむである。3 「最強伝説黒沢」。「カイジ」や「アカギ」を描いた福本 伸行の作品。もてない中年男黒沢は、叔父さん達のヒーロー^になれるか?絵柄さえ馴れたら・・まあまあに面白い作品ではある。4 「黄昏流星群」バックから堀内孝雄のべたな演歌が聞こえてきそうな弘兼憲史の作品。僕は結構好きである。中年以上じゃないとこの作品は面白くないでしょうなあ。つづいて、スピリッツ。1「医龍」。最近、テレビドラマ化されたんじゃなかったっけ?やっぱり医学漫画は外科系じゃないと、なかなか派手にならないからなあ。この原作は、もう無くなってしまったけど「僕が医者をやめた理由」を書いた永井明さんである。2 「あずみ」いつまで続くのやら・・と思いつつも小山ゆうの書く女の子は可愛い!ちょっぴりハードで、ちょっぴり色っぽいスジ回し。コミックスは処分してしまったけどやっぱり読むのは止められません。3 「まねずみ出世道常次朗 ―日掛け金融伝 」。まあ、ナニワ金融道や「カバチタレ」の流れをくむ作品と考えていただけたらよろしい。もう少し絵が上手ければ・・。あかん、段々疲れてきた・・。ご本家ビッグコミックでは・・1「天上の弦」現代のストラディ・ヴァリウスと言われる在日韓国人のヴァイオリン制作者、陳昌鉉の半生を描く一大叙事詩。まだまだ物語の途中であるが、山本おさむの作品の妥協はなくて、そして駄作はないのだ。2「魚河岸3代目」これも、蘊蓄が多いので立ち読みには向かないかも。でも止められないえびせん体質なのよ・・。あかん・・疲れてきた。モーニングである1「カバチタレ」これもテレビ化されたのかな?行政書士の事務所を舞台にして、そこにやってくる人々の悲喜こもごもを若い行政書士の成長とともに描く作品だ。2「バカボンド」言わずと知れた、日本で一番売れている書籍がこれ!(未だにそうか?)井上雅彦の描く「宮本武蔵」の世界である。久しぶりの休載から復活したと思ったら、また休載なの?20巻を越えて、まだ吉岡道場との戦いが終わってない。早く続きを書け~!3「ブラックジャックによろしく」これって、終わったの?それとも休筆中?誰か教えてください。ヤングジャンプ1「TOUGH」高校鉄拳伝タフ・・の続編と言うかそのものなんだけど、マンネリと言えども格闘物は面白い。って、言うか格闘物って格闘が面白くて、肉体が美しければそれでオッケーと言う感じがあるから。2「リアル」不定期に連載され、1年に1冊コミックが出るという(アオエさんも待ってます)井上雅彦の作品。バカボンドよりはやっぱりこっちだよな。バイク事故を起こして高校を退学になって、バスケを出来なくなった野宮、その直後に交通事故で脊椎損傷となって、一生車いすの生活となったバスケ部キャプテンの高橋、そして日本記録を期待されながらレースの直前に骨肉腫で片足を失い、そこから車いすバスケの全日本選手になった戸川の3つのリアルな青春。やっぱり一番目が離せないのがこれだ・・。続いてイブニング1「軍鶏」。漫画アクション廃刊(現在復刊してるけど)によって、連載誌がイブニングに替わった。70年代の明日のジョーを21世紀に描こうと思えば、この作品になったと言われている。菅原との死闘が終わった段階でこの作品は終わったと言う説もあるけど、いやあなかなか、田中亜希夫の画力もあってぐいぐいと引っ張ってくれます。格闘物では一番のお薦めかな。2「極悪ガンボ」カバチタレが法律を使った表の世界なら、この作品は法律をすり抜けて生きていく裏家業の世界を描いた作品。その分、カバチタレよりこっちが面白い。3「ヤング島耕作」ご本家、モーニングの「取締役島耕作」よりも、青臭い分こっちの方が面白いですな。でも、やっぱり課長の時が一番面白かった。最後に漫画ゴラク1「銀牙伝説ウイード」。以前少年ジャンプで連載していた「流れ星銀」の続編と言える作品。最初は面白かったけど・・銀の時もそうだったけど、この作者は引き際が悪いのよ、描きすぎ。法玄との戦いが終わったところでこの作品もエンドにしておけば名作になったのに・・。いやあ、疲れました。やっぱり漫画の話は1つづつ書くのが良いわ・・。
2006.05.29
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ビッグコミックオリジナルに、足かけ16年にわたって連載された、村上もとか氏の「龍」(ロン)が先日とうとう完結した。ずっとこの作品を愛読していた1読者としては感無量である。この漫画のあらすじを簡単に説明することは難しい。あ・・そう言えば以前にもこの漫画について書いていたのだった!左ページメニューの「この漫画が好きだ!」の中に龍についてのある程度のあらすじを書いてあるので、是非参考にして欲しい。今日の日記はその続きから・・と言うことにしておこう。龍は甘粕の指示のもと、隠された中国皇帝の秘宝を探しに旅に出る。その秘宝とは、ある強い放射性活性を持った金属であった。それを得ることによって、列強諸国は放射性爆弾をはじめとする強い軍事力を持つことが出来る。それ故にロシア、アメリカ、イギリスなど全ての列強諸国がそれを探していたのである。その秘宝を守っていたのは龍の兄であり、父親の敵でもある鳳華とその一味であった。龍は鳳華に対抗するために、蒙古の馬賊の中へ入り少林寺で修行を積み、とうとう馬賊一団の首領となる。そして馬賊達を引き連れて新たな秘宝探索の旅に出るのである。龍との戦い、そして列強との戦いで疲れ傷ついた鳳華は、とうとう龍の腕の中で息を引き取る。そしてその秘宝の行方を龍に託すのである。一方龍も戦いの中で自分の部下である馬賊の殆どを失ってしまう。そして秘宝を手にした龍は、その秘宝を世界の為に、誰にも渡してはならないと自分一人で隠してしまうのである。一方、龍の妻ていは、甘粕が社長となる満映で自らが監督する4年ぶりの新作映画『人販子(レンファンツ)』がついに完成させる!! 観る者の心を掴むていの脚本、雲龍(ユンロン)の天才的な演技、そして天然色フィルムに彩られたエンディング・・。しかし、そのころ時代は暗転していく。日本の敗北は必至となり、ついにとうとう最後の時が来た。龍とていと、娘の和華は、満州航空の飛行機に乗り秘宝を携えてチベットへと脱出する。そして50年の月日が流れ・・・・。その後の事は作品を読んでいただきたい。ラストを安易に未結にせずに、50年と言う歳月を隔てながらも、主な登場人物のその後をきっちりと描ききっている。この物語は、戦争と言う暗い運命に流されながらも、青春時代を明るくそして大義の為に生きた一人の男の大河ロマンである。とうとう小説に匹敵する漫画が出たと言うのが僕の素直な感想だ。」昨年はコミックモーニングの「蒼天航路」が完結し、今年はこの作品。大河ドラマ的作品が次々と終了してしまい寂しい限りである。村上氏の次回作に期待したい(現在ヤングジャンプに連載中の「仁」は、江戸時代にタイムスリップした脳外科医の話でこれもなかなか興味深い)。
2006.05.27
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昨日の日記の中で、話のついでみたいに書いたけど、西原理恵子の「毎日かあさん:背脂編」のラストにそっと挿入されているわずか6ページの漫画「父の名前」は凄いと思う。西原は「営業物語」の中にも「うつくしいのはら」を言う傑作を残してる。これは浦沢直樹の「プルートゥ」へのオマージュだと言うのは有名な話だが、この「父の名前」はリリーフランキーの「東京タワー」へのオマージュのような気がする。「東京タワー」を読んで泣いた人たちは是非読んで頂きたい。どちらも、長編の話を西原がぐっと凝縮して短編にしている。もちろん、同じ話を書いてるのではなくて、登場人物も話の展開も全然違った物なんだけどね。西原の兄が実家へ行こうと言い出す。実家とは彼女たちの母親が生まれた家ではない。父親の生まれた家だ。その父親は、西原がお腹の中に居るときに母親と離婚、その後すぐに亡くなってしまったらしい。(2度目の父親も19才の時に亡くなっている)長いこと音信不通だった祖母は寝たきりとなり、数年前に兄に看取られて亡くなった。だから西原は父親の顔を知らない。母親が語りたがらなかったから「まあいいか」で放置して41才と44才になるまで父親の名前も知らない兄弟。そこは行ってみると見事な廃屋だった。仏壇の中に位牌が転がっていて、そこで初めて父親の名前を知った。今の自分と同じ年齢で亡くなっていた。隣に遺影があり、兄によく似た顔の男性が笑っていた。(初対面が遺影)祖母の寝室らしき部屋のふすまには、西原が漫画家になって有名になって初めて地元紙のインタビューを受けたときの色あせた切り抜きが張ってあり、押し入れにはアルバムがあった。そこには、若くて美しい母親が兄を抱いて笑っていた。父の位牌と写真を母親に内緒で持ち帰る二人。お父さん、孫は4人いるよ。お祖母さん、ひ孫は男の子2人と女の子2人だよみんなすごくいいこだよありがとね一面に塗りつぶされた水色の紙面の真ん中にぽつんと書かれたその言葉でこの話は終わる。漫画の嫌いな方も一度は読んでみたらいい。漫画でしか出し得ないその間の取り方、そこからこぼれ出る西原流の叙情を味わって欲しい。西原を代表する叙情作「うつくしいのはら」そして「晴れた日は学校をやすんで」にまたひとつこの「父の名前」を加えておこう。
2006.05.18
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リビング工事中なので、今日は遠出で遊びに行くわけにも行かずに家でのんびり。朝は工事のおっちゃんに8時過ぎに起こされたので、昼食後はゆっくりと昼寝する。積ん読の本も3冊片づける。まあ2冊は漫画なんだけど。近藤ようこの母親と子供の本・・怖かった~。この間出したオークションをチェックする。出品した品物はみんなオークションで落札した中古で、結局いまいちで着る気がせずに袖を通さなかったカールヘルムのジャケットが買った値段と同程度。義兄からタダで貰ったバーニーズのジャケット(バーニーズって有名らしいけど自分の趣味じゃないので・・)は1000円から始めたら35件も入札があってええのか?こんな値段でと言う値段で売れたし(中古で毛羽立ちもあるって書いてるんだけど・・)。あたしゃ落札者が怒らないか心配ですわ。数回着ただけのN3Bジャケットも買った値段よりも500円高く売れた。アタシってオークション出品の天才かしら。基本は綺麗な写真を撮ること。ジャケットなんかはそれだけだと間が抜けるので、セーターやワイシャツを組み合わせてネクタイまで付けて写真を撮ってる。そして懇切丁寧な説明。有名ブランドなら低価格から開始。これだけでアクセスアップ間違い無しです。男子バレーはアメリカにあっさり捻られる。やっぱりサーブが弱すぎるよね。欧米はジャンプサーブが主体で、みんなそれでサーブレシーブの練習をしてるから、背が低くて手の短い日本人のジャンプサーブなんてみんなチャンボーサーブになるんじゃないかな。日本人らしく変化球サーブのスピードの速いやつで勝負したらどうなんだろう?特に、ただジャンプするだけでしょうもないチャンボーサーブ打ってる奴、お前だよ山村!でもラスト、これでミスったら試合が終わるという場面で思い切りジャンプサーブを打って2本のエースを取った越川にはちょっと鳥肌が立った。それなのに、越川の3本目、日本選手が打ったアタックが誰が見てもワンタッチがあったプレーなのに主審はそのままアウトで試合終了。ラインズマンもワンタッチを上げていたし、アメリカの選手もワンタッチと言う感じで腕を出していたじゃん。お前、どこの国の審判だよ!あれがワンタッチだったらジュースになっていたんぞ。せっかくの追い上げをぶちこわしやがって、バカヤロー!ビッグコミックオリジナルで連載されていた「ひみつの箱」が20日発売の12月5日号でラストを迎えた。石坂啓の原作で絵は堀田あきお。最初はこのチマチマした絵がいまいちだと思っていたけど、慣れてくるとなんとも味わいのある絵だわ。この2人、手塚治虫の虫プロの同期生で、時々コラボレイトして仕事をしているらしい。「俺になりたい男」や「アイ’ムホーム」を書いた石坂啓らしい時間を使った上手い設定。主人公のワケアリ君は、事故の為に外見が小学生に戻ってしまう(このあたりがコナンのアイデアを拝借?)、そして不治の病に冒されている。経済的にはIT事業で成功し億万長者、でも身よりのない一人暮らしである。幼なじみで初恋の相手、キョーコちゃんが保健の先生をしている小学校にワケアリは転校してくる。彼の両親を勤めるのはお金で契約した若手俳優たち。小学生としてのワケアリの生活が始まる。周りの子供たちには子供たちなりの秘密が、そしてそれを取り巻く大人たちにはキョーコ先生も含めて大人たちなりの秘密がある。それらの秘密に触れていくワケアリ。そしてワケアリの秘密も少しずつ周りの人に・・。ワケアリとキョーコ先生はラスト2回目で遂に結ばれるが、最後の時は少しずつ近づいてくる。そして小学校最大の行事、修学旅行でワケアリは・・。(後は読んでのお楽しみ)まあちょっと不満もあるんだよね。ラスト2回前の話で、実はこのワケアリとキョーコ先生の話は、ワケアリの同級生のマユちゃんがネットの中で想像で作って居た話となっていて、おお・・と思ったのに、その設定は次回に続いてないし。マユちゃんが何で練炭自殺をしようと思ったのかも書かれていない。まあ、年末に箱入りでコミックスが出るそうなのでじっくり読み返して見ようと思っている。(アオエさん、読んでた?)では、最後にワケアリのメッセージを。 バイ、後はみんなに任すよ 大人もコドモも、いっぱい生きてくれ!
2005.11.23
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数日前から鼻水と夜の咳き込みが多かったカズだけど、昨日の夜熱が出たので(実は・・・測ってはないんだけど)今日は大事を取って保育所を休み。他の同級生に比べたら圧倒的に丈夫なこいつも、やっぱり馬鹿ではなかったようでちゃんと風邪を引くようだ。そんな訳で午後はぼ~っと彼と過ごし・・と言っても上手い具合に寝てくれたので後をお義母さんに頼んでちょっとの間のピアノレッスン。ついでに夕食の食材も買って帰る。お昼に製薬メーカーの説明会で豪華弁当を食べたので、夜は何でも良いやと思いつつ、寒がりの配偶者の為に辛いもので身体の暖まるメニューを。高橋ケンタロウ君の本から2品拝借。ブロッコリのアリオ・アリオ堅めに茹でたブロッコリを微塵切りのニンニクと鷹の爪を入れたオリーブ茹でさっと炒める。盛りつけて黒胡椒を降る。韓国風スープ。大根銀杏切り(5mm幅)とニンニク、生姜、牛薄切り肉を湯にかけて、大根に火が通ったらキムチとモヤシを入れて、醤油、胡椒で味を調える。自分流にニラとニンニクの茎も追加。でもなんか味が薄かったぞ・・。ちょっと出しが足らない感じ。子供達は・・。スパゲッティの上に昨日の残り物の煮込みハンバーグ(配偶者作)をぶっかける。残り物には見えないでしょ。ま、昼が豪華だったので夜はシンプルでよろしい。そう言えば、徳島市の南、阿南市の那賀川にどっからかアザラシがやってきて住み着いているそうだ。これにナカちゃんと安易なネーミングを付けた上に、今度は住民票まで出してしまった。まあ、洒落でやってるんだろうけど、タマちゃんにしろナカちゃんにしろ、行政って奴は何十年も日本に住んでいる外国人に住民票やらない癖に、どうしてこんなアザラシ風情に簡単に住民票出すわけ?他に仕事があるだろ?それを1面トップに載せる新聞も新聞だぜ。昨日は一昨日のバレーの疲れが出て早めに前後左右斜め不覚になってしまったけど、今日はまったりとしてる。配偶者と子供達は既に夢の中。カズも明日は保育所へ行けそうだ。ゴミも出したし、洗濯も済んだし。さあ、ゆっくり秋の夜長を楽しもうかな。積ん読の山は高い・・。あら?でももう12時じゃん・・。
2005.11.15
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足かけ11年に渡って週刊コミックモーニングに連載されてた「蒼天航路」が今週で完結した。内容はご存じ三国志である。副タイトルとして「ネオ三国志」と言うのが付いている。三国志と言えば、蜀の劉備、関羽、張飛の3人を中心に語られて行くのが常道だったけど、この作品の主役は魏の曹操孟徳である。関羽が死に、曹操が死んだところでこの物語は終わる。一般に三国志、水滸伝などの登場人物の多い物語は漫画になりにくい。人物のかき分けが出来なくなってしまうからだ。横山光輝の無惨な三国志を見ればいい。誰が誰やら全然わからん。この蒼天航路では見事なまでにそのキャラがかき分けられている。よく見たら似てる人物も居るが、その書き込みの密度が違うのだ。個人的には呂布のまがまがしさが凄いと思う。そしてアオエさん言うところの「人間の解剖学を無視した」ダイナミックな動きと構図が素晴らしい躍動感を加えている。何度も引き合いに出して恐縮だが、横山三国志と比べると、これが同じ大きさの紙に書いたのかと思うぐらい人間の大きさが違う。今にも枠から飛び出して駆け出しそうだ。つくづく、漫画は絵なんだと思う。若き日曹操左から、関羽、劉備。張飛禍々しい呂布機会があれば、是非手にとって見て欲しい。夜更けに手に取れば知らないうちに朝が来るだろう。
2005.11.10
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いつもなら、ひとつの日記に何もかもぶち込んで書くのだけど(まあ、ガンボですな)、今日はブログ風に2つに分けて書いている。何でかと言うと、全くジャンルの違うこの話題を一つのタイトルに出来ないからだ。楽天の検索も頼んないしさ~。「営業ものがたり」(西原理恵子)これは西原の「女の子ものがたり」、「上京ものがたり」に続く第三弾、そしてこれがシリーズ最終編になるらしい。先の二つの単行本を売る為に営業に出かけた東京、京都、大阪のでの営業活動のルポを前半に、そして名作「ぼくんち」の番外編となる「朝日のあたる家」を後半に、そして真ん中に西原の最高傑作の呼び声高い「うつくしいのはら」を収録すると言う変則な構成である。聞くところによると西原は現在休筆中らしいので、何が何でも今ある作品を単行本にして出そうとする出版社の意欲(商売欲)と、うつくしいのはらを早く単行本で出せと言う読者の要望の両者がマッチしてこんな構成になったのではないかと思う。この「うつくしいのはら」は「プルートゥに捧ぐ」と副題が付けられており、あの「プルートゥ」へのオマージュとして描かれている。「営業ものがたりの中でも描かれていたけど、手塚賞を貰った西原が「プルートゥ」は浦沢じゃなくて私でも良かったじゃないのぉお?とか、挙げ句の果ては「大体、いつまで読んでもまざんねえ、交響曲のようなまんが描きやがって!アタシだったらぴゅーっと描いて、しゃーっと終わらせるよ」と暴言を吐き、瓢箪から駒で、では西原版プルートゥを描いて下さいと言うことになったらしい。で、話はこしらえたけど、ロボットの絵が描けなくてこんな感じに話が変わったらしいのだ。この「うつくしいのはら」を読んだ配偶者は、西原って凄いね天災いや天才だね。確かにわずか12ページでプルートゥになってるとおっしゃった。確かに凄い漫画だと思う。最高傑作かどうかは分からないけど、「晴れた日に学校を休んで」や「ぼくんち」に匹敵する作品だな。でも、僕には何故これがプルートゥになるのか今ひとつ分からない。そう言えば、そもそも手塚治虫のプルートゥを読んでないし、浦沢直樹のそれは今現在進行中なんだから。暴力的で強烈に下品な漫画と、こんな崇高で叙情的な漫画が同じ単行本に同居してるのが西原の魅力の一つである。漫画を読まない人、西原にアレルギーがある人にも是非この漫画を読んでみて欲しいなあ。アオエさん、読んだ?
2005.11.01
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我が家の近くのバイパス沿いに春先から大きな建物が出来ているなあと思ったら、それは空港近くにある大きな郊外型の附屋書店と言う本屋の支店だった。そこは文芸書、専門書、雑誌実用書、文具と言う具合にフロアが分かれていて(最近は2階にCDやDVDのコーナーも出来た)、壁面は天井まで本棚が組み込まれて、移動式のハシゴでお客は本を手にとって見ることが出来る。店内にはソファーが置かれて休憩したり、パソコンで検索も出来るようになっている本屋さんだ。その支店であるから本好きの我が家は喜んだ。開店日から何度も足を運んでいるが、本店?と同じような構成になっていて、この地方の本屋にしては類がないぐらい本の種類が充実している。ピアノの楽譜をあんなに揃えて大丈夫か?と思うぐらいあるものね。しかしこの地方のお客のニーズに合わせているようで、本店に比べてマンガと雑誌が更に充実してるような気がする。マンガの方も大手出版社でない、ちょっとマイナー指向の渋い単行本が数多く取りそろえられている。その移動式ハシゴに登って一番上の天井に近い棚から下ろしてきたのが、つげ忠男著の「舟に棲む」だ。この作家は名前だけは知っていた。どうみても、これはあのつげ義春の身内に違いない。そして単行本の表紙からかいま見る絵も、義春の影響を多分に受けていると思われる。そんな理由で名前は知っていたけど、つい手に取るのを怠っていた作家だ。この作品は、釣り雑誌である月刊「COMIC釣りつり」に毎号16ページずつ、3年8ヶ月に渡って連載されたものだ。単行本になったのは2000年だから5年も前に出た単行本である。(僕が買ったのはこの8月だが、これも第一刷である)作者のつげ忠男は、予想通りつげ義春の実弟。兄の影響を受けて漫画を書き始めたらしい。神経症を病んで執筆の滞りがちな兄に比べて、比較的持続的に作品を発表してるらしいが、この作品を読む限りでは画風、作風とも兄の影響を受けていると思う。この作品の主人公は中年のオヤジである。年の頃は60前後になるのだろうか?戦争を兵隊としてでなく、敗戦国の子供として経験した世代だ。無頼派の小説を発表して文壇に出たが、時代にどんどんと取り残されて最近は釣り雑誌にエッセイや旅行記を書く程度で、いつかはまた壮大な構想の小説をと思いながら無為の日々を送っている。生計は妻と息子が切り盛りしているジーンズショップから得ている。この辺りは作者本人の投影であろう。利根川に毎日のようにヘラブナ釣りに出ていく彼が、ある日古い釣り船を手に入れた。その舟に屋根を張り、家財道具を入れて生活が出来るように改造し、月に何日かはその舟の中で暮らす生活が始まる。自分の人生から逃げ出してその舟に棲むのか、はたまた新たなターニングポイントを作る布石になるのか。自分でも分からずに川に揺られて送る毎日。そしてその河原で色々な人々と出会うことになる。河原を旅して暮らす老人と中年男の師弟。いつも酔っぱらってる飲んだくれの川漁師、その友人の住職、捨てられたがらくたを使って、河原に巨大モニュメントを造った男、川底の石を拾ってそれに絵を描いて売る青年、そして唯一まともなこちら側の世界の住人として描かれる友人の留さん。主人公は川で出会った人々を通して自分の人生を見つめ考える事になる。ポイントは川なのだと思う。川は止まる事無く流れていく。人生も同じように流れていくのだ。ひとときとて同じところに止まる事はない。どうやって自分が止まろうとしても回りの景色は変わっていくし、自分もそこに棹さしながらも流されていくのだろう。他人を通してしか自分は自分の人生を見ることが出来ないのかも知れない。主人公が狙って手に入れる事の出来なかった60cmの巨大ヘラブナは、彼の失った夢か、それとも夢見た幻想なのか。兄、つげ義春の傑作「無能の人」の影響を受けた作品と言えるかも知れないが、こちらの方がより明るく現実感に満ちている。それはこの兄弟の精神的資質の差なのかも知れないが。この作品は連載されていた月刊誌の廃刊によって中断された。ひとまず2巻で終わりと言うことになっているが、作者本人の構想では4巻になるはずで、3章「虚構の街」4章「再び荒野へ」と続く予定で、発表の場があろうと無かろうと書き継ぐと作者は決意を表明している。恐らく彼のライフワークになるに違いない。検索する限りこの3、4章はまだ世に出てない様だが、是非続きを読みたいと思う。そして長く読みたいと思う。 つげ忠男劇場(公式サイト)
2005.08.29
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イラクで拘束されたサイトウさんと言う男性の経歴を見て、あるテレビワイドショーでゴルゴ13みたいな人だと言っていたけど、ちょっと違うと思う。この人のことを新聞で読んで真っ先に思い出したのは、ジェド豪士である。こんな事を言っても漫画を読まない人には全然意味が通じないと思うけど、ジェド豪士と言うのは、浦沢直樹の漫画「パイナップルアーミー」の主人公の名前である。種々の戦場を傭兵としてくぐり抜けてきたジェドは、現在保険会社の嘱託で戦闘インストラクターを努めているが、その職種と過去の経歴故に、仕事をしていく上で様々なテロリストやテロ組織と関わって、ついには世界の終末を導くようなテロを防ぐために自ら・・・と言うのが漫画の内容だ。YAWARAで人気を博し、「モンスター」や「PLUTO」で現在も漫画界のトップを走る浦沢だけど、今ひとつ全体像のつかめない「モンスター」や、現在少し迷走中の「20世紀少年」よりは、僕はこの「パイナップルアーミー」や「マスター・キートン」の方がどちらかと言えば好みである。ちなみに、このパイナップルと言うのは手榴弾を指すそうだ。このサイトウさんを国を挙げて救うかどうか巷で議論されているが、当の本人ってどう思ってるのだろうか?もちろん、死にたくはないだろうけど、母国日本の助けと言うのをアテにしてるのだろうか?それと、こういう死に瀕した場面ではやっぱり母国や故郷、肉親の事などを思い出すのだろうかな?そのあたり、聞いてみたいところだ。で、話しが飛ぶけど、朝日新聞社が主催の「手塚治虫文化賞」と言うのがあって、その大賞を浦沢直樹の「PLUTO」が、そして新生賞をこうの史代さんの「夕凪の街、桜の国」が、短編賞が西原理恵子の「毎日かあさん」と「上京物語」が受賞したと昨日の新聞に載っていた。「PLUTO」に関しては、昨年12月14日の日記で紹介したけど、話しはまだまだ始まったばかりで、起承転結の起~承あたりのところだ。それでこういう大賞を射めてしまうあたりがこの作品のスケールの大きさを物語っている。何で月1連載なんじゃ~ちゃんと雑誌の発売に合わせて各週で出せ!って言いたい。「毎日かあさん」についても2004年3月31日の日記で紹介した。今回は「上京物語」と抱き合わせの受賞である。前者が毒と笑いと涙に充ちているのに対して、後者は淡々とした叙情が漂っている。どっちも私小説風なんだけど、味付けが違うわけだ。しかし、「毎日かあさん」はもう大分前の作品だ。最新作の「女の子物語」が「上京物語」とセットのような作品だから、こっちと抱き合わせの方が適切な気がするのだが。「毎日新聞に連載してる漫画なので賞はくれないと思っていた」と言う西原のちょっぴり毒を含んだコメントが微笑ましい。「夕凪の街、桜の国」は幻泉館さんに教えて貰った。蘇芳色さんもこ漫画の事を書いておられた。淡々と流れていって、後でじわっと効いてくる話である。よく注意していないと作者の仕掛けた時間の罠に気づかないかも知れない。誰かが書いたようで誰も書いていない話し。戦争の記憶が薄れて原爆の記憶が彼方になりつつかる今日、今もまだ続いてるんだよ、忘れることはできないんだよと、この漫画は語りかけてくれる。受賞の3作品を全部読めていたことは幸せな事だと思う。惜しくも受賞を逃した作品の中で「ヒストリエ」(岩明均・・この人復活していたのね・・)、「水鏡綺譚」(近藤ようこ・・この人好きなんです)は是非読んでみたい作品だ。
2005.05.11
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東京へ行った時、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでいたと日記に書いたが、実はその前に漫画、「お~い、竜馬」を読んでいた。これがめっぽう面白かったのだけど、実はこの漫画はまだ3巻までしか復刻されていない。もともとは、ヤングサンデーに連載されていたらしく、全23巻は中古市場のあちこちで見かけるし、映画化もされているようだが、今回廉価版の漫画文庫(B5程度の大きさで、1冊に数巻分が入った分厚いお得な奴)になって復刻されている。あまり先が読みたいので、ネットオークションで全23巻買ってしまおうかと悩んだが、えいそれなら原作となった司馬遼太郎の方を読んでしまえと思ったわけだ。原作と言うのも変だが、竜馬フリークである武田鉄矢がこの小説を読んでない訳はなく、これを下敷きにそのほか彼自身が勉強した史実にフィクションを加えて話を作ったに違いないと思うから、この司馬作品を原作の原作とさせていただく。もう少し漫画の解説をしておくと、こちらの原作は武田鉄矢である。彼は言わずと知れた竜馬フリークで、自分のバンド名「海援隊」も竜馬の私設艦隊の名前から取ったのは周知の通りである。彼は他にも「織部金治郎」と言うプロゴルファーを主人公にした漫画の原作を書いている。ゴルフにも一時のめり込んでいたようで、自分の熱中したものについて作品を作っていると言うわけだろう。作画は小山ゆう。昔は「おれは直角」、「がんばれ元気」、そして今は「あづみ」で名を馳せる人気漫画家の1人だ。彼の描く女性は少女漫画の流れを汲んでいるようで、美しくとても魅力的である。原作を読んでみて解ったが、登場人物のキャラも、主人公はどうしても小山ゆうの主人公の顔(がんばれ元気と同じ)になってしまうが、脇役はかなり原作に忠実に描き分けられている。岩崎弥太郎、那須信吾、清川八郎、中岡慎太郎などは、原作に文章で描かれているイメージ通りである。高杉晋作に至っては、現存する肖像画とも酷似している。もちろん、小山自身のタッチの絵なのだが、こういう登場人物の多い話ではキャラのかき分けが難しいものだが(横山光輝の三国志など読むと、みんな同じ顔で全然わからん)、小山はかなり勉強して描き分けに成功していると思う。さて、現在漫画の方は3巻まで出版されているが、竜馬がまさに脱藩しようとするところである。小説の方はと言えば、竜馬は既に2巻で脱藩しており、現在読んでいる3巻では既に脱藩後の話しになっている。このように原作と漫画では少し時間の流れが違う。原作ではあまり詳しく書いていない竜馬の少年時代についての様々なエピソードについて詳しく描いている。竜馬が時の領主に斬りつけたなど、ちょっと信じられないエピソードがあって、恐らくこれは武田鉄矢が創作したものだと思うが(領主に斬りつけて生きていけるはずがない)、なかなか物語を引き締める役割をしていると思う。漫画の方は月に1冊の割合で出版されているので、先に原作の方を読み終わると思うが、こういう風に漫画とつき合わせて読んでいくのも面白いものだ。そして、映画。ネットで検索していたら「竜馬暗殺」と言う映画にぶち当たった。これは、僕の大好きな「祭りの準備」そして、今見てみたい映画である「美しい夏、キリシマ」や、「父と暮らせば」を作った黒木和雄のATG作品なのである。主演は原田芳雄。これを見ない手は無いだろうと早速アマゾンで購入。こんな風に興味がどんどん広がっていくのは凄く楽しい瞬間だ。実は僕は、司馬遼太郎の作品を読むのは初めてだ。昔から、「この本は読んでおくべきだ」とか、「この人を読んでないと恥ずかしい」とか、そういう意識で読書をしたことがない。何かとっかかりの出会いがあって、それで興味を持った物にのめり込むというやり方である。一番イヤなのは、名作文学全集などと言うのを買って、1巻からまじめに読んでいくやり方だ。もちろん、誰もがやるように、小学校の頃は親からそういうのを与えられて、それは面白かったし、本に対する興味を持つ端緒になったとは思うが、ある程度の年齢になってからは、自分の興味の矛先と本との出会いを大事にしなきゃと思う。今まで歴史小説と言うのに少し偏見もあって、殆どこういう類の小説を読んだことが無かった。歴史小説なんて、事実をネタに書いているだけジャンと思っていたのだ。しかし、どの立場で誰を主人公にして書いていくかによって歴史の見方も異なってくる。そこには作者の世界観、歴史観と言うのが絡んでくるのだろう。これは面白そうではないかと、目から鱗だったのだ。司馬さんの文章は、そんなに上手いとも美しいとも思わないけど、とにかく読ませていく力量はあると思う。膨大な司馬作品の世界への扉を開いてくれたと言う意味でも、この「お~い、竜馬」に感謝したい。原作と言うか(原作は武田鉄矢だよね)元になった司馬作品も良いが、もちろん漫画だって読みたい。どっちが高尚だと言うような議論は自分の中では無意味な物だ。早く次の4巻を出せ~!と言うのが今の正直な気持ちだ。
2005.02.18
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日曜日に買ってそのままになっていた蕪が気になっていたのと、親戚のオバサンが持ってきてくれた里芋が美味しいので、今夜はホワイトシチューを作りました。野菜だけで十分に美味しいけど、今夜はシーフードを入れてみました。蕪、白菜、ニンジン、里芋、ブロッコリ、生鮭、ホタテ、ブラックタイガー。シーフードは一旦別の鍋で茹でて油と臭みを落として起きました。ホワイトソースを作る気力がなかったのでルーはインスタントですが、隠し味に白みそをいれて完成。延び延びになっていた、屋上の防水工事が始まりました。台風23号の床上浸水のお家が多くて、我が家の防水工事どころではなかったらしいです。ま、いいけど。我が家の水洗トイレは、ボタン一つで便座や蓋が開閉するもので、7年前の当時としては結構斬新な奴でした。もちろん、手動で上げ下げしても良いのですが、今朝長男が乱暴にしたために、便座の付け根のところが折れてしまいました。TOTOに電話をしたら明日修理に来てくれるそうです。ここのお客様サービスって、5時すぎてもちゃんと電話を取ってくれたのです、たわいないことですが嬉しかったりして。しかし、何かと物いりな年の瀬です。Leidyさんのところへ遊びに行っていて、掲示板に書かれた下品で悪意のあるコメントにビックリ。ネットの裏で巣くっている奴等って、こんな阿呆どもなんだな。それにしても、レベルの低い奴等である。削除してしまっても良いのに、負けずにそのままにしてるLeidyさんも偉いぞ!(削除の仕方知らないだけだったりして・・)負けないでそのまま続けて欲しい!漫画の話をすると、ついてこれない常連さんが何人か居るけど、まあ日本の漫画は外国でもMANGAと呼ばれているぐらい立派な一つの文化のジャンルらしいので許して。今日紹介する「プルート」は、ビッグコミックオリジナルに月一の頻度で連載されている。作者は「マスターキートン」「モンスター」や「20世紀少年」の浦沢直樹。それにもう一人の名前がクレジットされている。それは手塚治虫、そう誰もが知ってる日本の漫画の巨匠である。昭和を待たずして亡くなった手塚と、今を代表する漫画家の浦沢が何故?と思うが、これは亡き手塚が「鉄腕アトム」の中で書いた一つの話し「地上最大のロボット」を浦沢が自分自身の感性でリメイクしたものである。この連載がスタートした2003年はアトムの誕生した年であり、それを記念しての事らしい。手塚が書いたこの話を僕は残念ながら知らないが、大体のあらすじはこんな感じらしい。プルートと言う名前の大きな強いロボットがいて、それは作者でもある博士の言うとおりに、他の強いロボットを次々に破壊していた。しかしプルートはアトムやウランと交流していくうちに人間としての自我に目覚め・・と言う話らしい。もちろん、鬼才浦沢であるから、話を単に自分の絵でなぞるわけではない。本来の物語では脇役であったロボット刑事のゲジヒトを主人公にすえて、近未来の人間とロボットの関係を書こうとしているに違いないと思う。現在コミックスの1巻が出たところであるが、未だにあらすじも全貌もはっきりしない。プルートはまだ姿を見せず、1巻の最後でやっとアトムが登場したところである。(これがアトムの初登場)スイスの山案内をしていたモンブランと言うロボットが何者かに破壊される。モンブランは世界に7体しか居ないと言う高性能ロボットの一つで、中央アジア紛争に置いては的のロボットを沢山破壊して、その解決に一役買ったロボットのひとつであった。モンブランの頭部には角のように木の枝が突き刺されてあった。同じ頃、ロボット法擁護団体の幹部も同じように頭に角を突き立てられて殺される。その事件の捜査にあたったロボット刑事も、7体の高性能ロボットの一人ゲジヒトであった。更に、音楽家の執事として静かに暮らしていたノース2号、格闘戦士として名をあげていたブラントと、中央アジア紛争で活躍した高性能ロボットが次々と破壊されていく・・やっとここまで1巻である。手塚の話は連載1回分?の短い話だったけど、それをこれぐらいに膨らませて描く浦沢の才能。連載は跡何年続くのだろう・・。ずっと付いていくぞ~。どんどん描け~!!!ちょっと停滞気味の20世紀少年も頑張って欲しいぜ!なお、この「PLUTO」のコミックス、豪華本と言うのがあって、これには手塚の原作が付いてくるそうだ。知らなかった~不覚~!!
2004.12.14
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毎朝、和を保育園に送った後、往診に行き(今日は無かったけど)、そのあと近所のコンビニで、その日発売の漫画を読むのが、特に今日のように朝から夕方まで家から出ずに仕事をする日にはささやかな楽しみである。木曜日は漫画ゴラクの発売日で、これには「ウイード」が連載されている。これは高橋よしひろ作の犬が主人公の漫画であるが、まさに本宮ひろしの「男一匹ガキ大将」を犬に置き換えて描いたような漫画である。正義を信じ悪を憎む・・潔いまでの勧善懲悪。こんな大人の雑誌ではなく、少年雑誌に連載して欲しかった漫画だ。しかし、悪の首領である法玄(犬の名前です)を倒したところで終わりにして欲しかったと思う。今度の相手は猿なんだって。ちょっと冗長すぎると思うぜ。以前、彼が少年ジャンプに連載していた「銀牙」も同じように、人喰い熊の「赤カブト」を倒した所で連載終了したら良かったのに、その後オオカミが出てきたりして冗長になってしまった。このあたりが、この作家の欠点だと思う。 銀牙にも登場した、ウイードの父「銀」の盟友である、ジョンは法玄の計略にかかり死闘を繰り広げるが壮絶な最期を迎える。もう一つ、週刊実話に連載してる「ワル」が今回最終回であった。この「ワル」は、僕が少年の頃に(笑)、少年マガジンで連載していた漫画(と、言うか劇画)であるが、その後も続編が連載誌を変えて断続的に描き続けれられてきた。高校生でありながら、教師や警察を手玉に取る剣の達人である氷室洋二。彼もとうとう中年の域ににさしかかって、最後は日本のテロ組織の悪の親玉と差し違えて死亡と言う壮絶な最後であった。で、ふと新刊のコミックの棚を見たら「リアル」の4巻が出て居るではないか!迷わずゲットである。これは、今一番脂の乗っている漫画家、井上雅彦渾身の力作である。9月15日の日記に書いたけど、その時の連載分が既に単行本になっている。それだけ人気が高いと言うことなのだろう。井上と言えば少年ジャンプに連載した「スラムダンク」で一世を風靡した漫画家である。少年ジャンプと言うのは、編集部が漫画家に介入する方式をとっているので有名で、人気ある連載は出来る限り引き延ばそうとする。ドラゴンボールも、幽幽白書も、銀牙もキン肉マンも、全部同じように引き延ばされて、作品はだらしなくなり、漫画家は消耗させられた。井上は、このジャンプ方式に唯一反旗を翻して潔く連載を終えた希有な作家である。で、スラムダンクの次の井上の作品が週刊モーニングに連載中の宮本武蔵を主人公とする「バカボンド」であるが、この作品も週刊誌に関わらず連載は不定期に中断する。それにも関わらずこの漫画は、日本で一番売れている本なのである。その井上がバカボンドより更に不定期に週刊ヤングジャンプに連載しているのが「リアル」である。不定期連載にも関わらず、この作品も既に500万部が売れているらしい、超人気作品なのである。「スラムダンク」が真っ直ぐな青春バスケ漫画なのに対して、この「リアル」は主人公がみなそれぞれ屈折した過去を持つ車いすバスケの漫画である。問題行動にて高校を退学になった野宮朋美、その野宮は車いすバスケをしている戸川清春に出会う。親の意向でピアノの練習に励んでいた戸川は、ある日走ることに目覚める。次々と自己記録を塗り替え、誰よりも早く走ることを望んだ戸川であったが、彼の足は骨肉腫に蝕まれていた。全日本中学選手権の決勝、誰よりも早くゴールへ飛び込もうとしていた彼の足は、ゴール寸前で動かなくなってしまう。そして足の切断。苦悩の殻の中に閉じこもった戸川が、色々な人に出会い、自分は一人ではない、走れなくなったことが全て終わりではない事を悟り、再生していく課程を描いたのがこの4巻だ。病院で同じ年の車いすの少年ヤマに出会う。ヤマは原因不明の難病で、20歳までまでしか生きられないと宣告され、その限られた命の中で陸上に憧れ、その年に誰よりも速かった戸川を知っていた。戸川は誰にも言わなかった思いのたけをぶちまける。「僕が今まで生きてきた時間や、陸上にかけてきた思いは、全部意味がなかったと言うのか・・」「意味が無かったなんて・・君はそんなこと思ってないはずだよ。君はまだゴールしていない。君はあれで終わりにしてしまうつもりじゃないはずだ。だから、ローテーションと言うそのやり方で手術したんだろう?」そう言ったヤマに連れて行かれた先で出会ったのが、車いすバスケをしてるトラであった。車いすバスケの日本代表選手であり、カリスマ彫り師でもあるトラの家で、トラとその弟子の女性達(これがまたみんな、入れ墨をした超可愛い子達なのだ)を前にして、ずっと心にためていた思いをぶちまけ、自ら義足となったその足を晒した戸川。ピアノをあきらめ、陸上に進むことを許してくれた父親は、決してこの足を見ようとしない・・そう言って涙を流す戸川にトラは言う。「父ちゃんが息子をどう思うか、決めるのは父ちゃんだ。ジタバタすんな。お前が父ちゃんに対して出来ることは、信じるか信じないかだ。」そして愛用のバスケ用車いす、タイガー1号を戸川に託す。「同じ脚を持つ仲間としてオメーにやろう。オメーはひとりじゃねーぞ。」もう当分涙は出ないだろう・・そう思えるぐらい戸川は涙を流す。そして、新たな出発の決意として、トラに星の入れ墨を胸に入れて貰う。ずっと疎遠にしてきた、ガールフレンドの安積の前で戸川はズボンを脱いでありのままの自分を見せる。安積も、その脚がローテーションと言う手術法であることを勉強して知っていた。心を閉ざしていたのは自分だけで、周りの人はみな自分の方に心を開いていたのを戸川は知ることになるのだ。この傷ついた戸川が再生して行く場面は、何度読んでも不覚にも涙が出そうになる。朝のコンビニで漫画を読んで涙ぐむ中年オヤジではあまりに絵にならないので、僕は大急ぎで家に帰ってきたのだ。そして野宮の元チームメイトで野宮と対立していたキャプテンの高橋はある日交通事故で下半身不随となる。高橋と車いすバスケの出会いはまだ描かれていない。リアル・・一番目が離せない漫画だ。
2004.11.18
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