静かな時が流れる｢風の庭」

今日も白い花で涼しげに。

なぜかまた、白のホタルブクロが咲き始めました。

老人施設のＳ子さんを訪ねました。

食べたいものがあるというので、希望を聞いて、お届けしてきました。

一日も欠かさずつけてきた日記も、書く気持ちが湧いてこず、

食欲もなく、何か変なの、と言うのです。

話しているうちに、元気にはなってきましたが、

年齢が年齢だけに（９１才）、心配です。

Ｓ子さんの向かいの部屋の入居者で、８５才くらいの方ですが、

先日、お部屋立てこもり事件が起きたそうです。

人間関係のもつれですが、ほかの方に侮辱されたと感じ、

中から鍵をかけてしまい、誰にも会いたくないって。

勿論、職員が鍵を持っていて、外からも開けれるのですが、

まずは説得してから、というので、あれこれの話が続いたあと、

男性職員が、出てきてくれないと、僕がクビになっちゃうよ、と

泣きを入れたら、やっと出てきたそうです。

まるで、天の岩戸に隠れた天照大神みたいね、と笑いましたが、

ご本人にすれば、それほど、腹に据えかねたということですよね。

逃げ場のない、建物の三階部分だけの小さな世界です。

その小さな世界にも、こうして事件は起こります。

家族が呼び出されたそうですよ。

私が行くと、いつもＳ子さんの部屋をトントンと叩いてやってきて、

アクリルたわしの編んだのをくれます。

にこにこと穏やかに見えるこの人の心の中に、何が起こったのでしょう。

ここへお邪魔するたびに、いろんな勉強をさせてもらっています。

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