Marlaのオイシイ生活

Marlaのオイシイ生活

マーラとだんなの結婚までの道のり(3)



私の「家出」に加担してくれているMちゃんに気を使わせたくなかったから。

その晩、Mちゃんのアパートに母から電話が入った。

私の置き手紙を見つけて、すぐ私を迎えに来たMちゃんに電話してきたのだ。

「Marlaは居ません。おばちゃん、何かあったの?」

Mちゃんちに私が居ないと言うのを母はとても疑っていた様子だけど、

私は居ないの一点張りのMちゃんに、母は

「Marlaから連絡があったらすぐうちに連絡して」

と言って電話を切った。


翌日(月曜日)、私はアルバイトに戻った。私はもうその時、一旦アメリカに

戻ろうと決めていたのだけど、もうちょっとお金があった方がいいかも、と

もうちょっとアルバイトさせてもらうことにしたのだ。

お昼過ぎだったか、私は郵便局に行く用事があって出かけた。

切手を買って郵便物を出して、私は会社まで周りのビルを見ながらてくてくと

歩いていた。もう事務所が目の前・・・と言うところで、私は一瞬凍りついた。

母がビルの前に立っていたのだ。

母はその時足を骨折していて、まさか自分の家から遠い大分市内まで

運転しては来ないだろうと思っていたのに。

その時母が私に何と言ったかはこうして書こうとするだけで手が震えてしまうほど

辛くて悲しいものだったのでダイアログでは書けないけど、私が自分の手から

離れてしまったから、そんな事なら私と心中する、というものだった。

私の事を愛するが故に出た行動。私はそこまで母を追い込んでしまったのだ。

ひどい娘・・・。

私はどうしていいのか分からず、とりあえず上の事務所に荷物があるから

取ってこないといけないと母に言い、一人で5階の事務所まで戻った。

事務所では会社のみんなが「さっきMarlaちゃんのお母さんがみえてね」

と心配していて、たった今起こった事を話すと、事務員のYさんが営業のWさんを

ページャーで呼んでくれて、驚いたWさんはすぐ事務所に戻ってきてくれた。

事務所から彼に電話すると、びっくりして「たった今こっちに来い」と言われた。

YさんとWさんは私を事務所の裏口から外に出してくれて、Wさんは車で私を

Mちゃんちまで送ってくれた。もう頭がパニック状態で、何がなんだか・・・。

これ以上、Mちゃんに迷惑はかけられないと思った私は、母が殆ど面識のない

友達、Kちゃんちにお世話になる事にした。

Kちゃんちにお世話になってたのは1週間くらいだったかな。

その間に高校の時の友達が私を元気づけるために居酒屋に連れて行ってくれた。

更に、私の親友、Nちゃんが「お金はいくらあっても邪魔じゃないから」と

5万円手渡してくれた。もちろん、後で利子をつけて返したけど。

友達って本当にありがたい。泣けちゃいました。


翌日、私は往復チケットを買った。何があっても母は母。私の事をこよなく

愛してくれている母。私が誰と結婚するとしても、母に結婚相手を会わせてから

結婚したかった。私が大好きな母に

「私はこういう人と結婚するんだよ」

ってちゃんと言いたかった。だから私は往復チケットを買ったの。

観光ビザが切れる時に、私といっしょに彼に日本に来てもらおうって決めたのだ。

私は叔母の一人に電話した。母に私がアメリカに戻る事を伝えてもらう為。

叔母は電話の向こうで泣いていた。母と私の事で大心配させてしまった。

「Marlaちゃん、こんな事になるなんて・・・。お母さんには後で叔母ちゃんが

話しておくから、体に気をつけて行って来るんだよ」

叔母も私も電話口で大泣きだった。


そして、私は再びアメリカに戻った。Thanksgivingの前の事だった。


うるうるストーリー4



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