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2004年06月14日
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カテゴリ: 民法
今まで「真意でない契約は無効である」と言ってきました。
しかし、真意の契約であっても成立させるべきではない契約もあります。
それは、犯罪のための契約などです。
例えば清水君が犯罪を企てており、三島さんに「人殺しをしたいから凶器として壷を売ってくれ。上手くいったらお礼はたっぷりする」といった場合はどうでしょう。
そして三島さんはとんでもないと思いつつもお金が欲しいから売買を承諾してしまったらどうなるでしょうか。

清水君は壷を欲しいことには変わりありませんから真意の契約に変わりはありません。
しかし、こんな契約を成立させるべきではないでしょう。
法律もこのような契約を無効としています。

(公序良俗)
第九十条 
公の秩序又は善良の風俗に反する事項 を目的とする法律行為は、無効とする。


公の秩序又は善良の風俗に反する事項 」なんて難しく書いていますが、結局、反社会的な契約は無効ということです。
犯罪のための契約は反社会的ですから無効なのです。

ですが、無効ということは契約が無かったことになるだけです。
本件の場合、お金を返して壷を取り返せることになり、三島さんは差し引き0になるだけです。

とするとどうでしょう。三島さんはお金が欲しいのですから、「とりあえず契約を結んでおいて、もしばれたら壷を返してもらえばいいじゃないか。ダメでもともとだから、お金のためには殺人のための契約でもとりあえず結んでしまおう」と考えるかもしれません。

そこで、三島さんが契約を承諾しないようにする手段が必要です。
そうしないと、反社会的な契約を阻止することができないからです。そのために、こんな条文があります。

 (不法原因給付)
第七百八条 
不法な原因のために 給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

不法な原因のために とは字面から何となく想像がつくように、不法なことをするため、
すなわち「反社会的な行為をするため」と言うことになります。

ということは、本件のように殺人の凶器として壷の売買をした場合、清水君が壷だけ受け取ってお金を払わない時でも、壷は「不法な原因のために給付をした」ことになってしまいますから、三島さんは「お金を払わないなら壷を返せ」とは言えないことになります。

そうなると、そもそも三島さんは「殺人の凶器として壷の売買をするのは損する可能性があるから止めよう」と考えるようになります。

このようにして90条・708条が共同して反社会的な契約は排除されていきます。





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最終更新日  2004年12月23日 10時26分35秒


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