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2005年02月12日
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テーマ: 法律(494)
カテゴリ: 憲法


憲法判例編 第1章 1外国人の人権について

外国人にも人権は保障されているのでしょうか。
とりあえず、条文を見てみましょう。

すると、人権は主に「第三章 国民の権利及び義務」と言う章に書かれています。
国民とは当然日本国民を指します。
とすれば、憲法上外国人は人権が保障されないということになるのでしょうか。
例えば、外国人だからといって差別をしても良いのでしょうか。
あるいは、外国人だからといって外国人が本を書くときは検閲してもいいのでしょうか。それは何か変でしょう。
そこで、こんな判例があります。


「権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、わが国に在留する外国人に対しても等しく及ぶ(マクリーン事件・最判昭和53年10月4日)」

そもそも人権とは人間が人間であると言うだけで保障される物です。
別に国家があるからはじめて権利が保障されるというわけではありません。
例えば、国家があるからこそ表現の自由が守られるのではなく、
人間の根源的な欲求の一つとして表現の自由があるのです。
そして、憲法は前文(「自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて」)で国際協調主義をうたっています。この点からも外国人にも人権を保障すべきといえます。

結局あたりまえの結論になるのですが、法律はまず条文が最優先されます。
条文で「国民の権利」と書いてしまった以上、国民以外は権利が保障されないのではないかという疑問には論理で答えなくてはいけません。
単なる感情で「外国人に権利を保障すべきだ」と言っては法律をないがしろにしたことになり、説得力は生まれません。

以上の通り、外国人にも「権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き」人権が保障されます。
しかし、これでは何が「権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるもの」となるかは分からず、さらに解釈していかなくてはなりません。

例えば、日本人には障害福祉年金がありますが、外国人にはありません。
これは生存権を保障した25条、平等権を保障した14条に違反するのではないでしょうか。
そこで、こんな判例があります。


「国民年金制度は・・・もともと広範な裁量権を有している物と言うべきである。社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断によりこれを決定することができるのであり、その限られた財源の下で福祉的給付を行うにあたり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許されるべきことと解される。(塩見訴訟・最判平成元年3月2日)」

つまり、年金制度は財源が限られているから自国民を優先することもやむを得ないので、外国人を不利に扱っても14条や25条に反しないということなのです。
今これを見ておられる外国人の方は噴飯物でしょうが、やはり税金の大半は日本人が拠出しているのですし、外国人の方はいざとなれば本国に帰って年金を受け取れるはずです。
ですから、年金制度については日本人が優先されても仕方ないでしょう。





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最終更新日  2005年02月12日 00時23分37秒


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