マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2017.05.24
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<ギンギラギンにさりげなく♬>

 クヌギの若葉

 10時の一斉スタートと同時に、私はあっという間に一人取り残されてしまった。こんなのは想定内で、驚くこともない。1年ぶりのコースの感触をじっくりと楽しむ。やはりこのコースは良いねえ。木陰が気温を下げ、森のフィトンチップの香りが嬉しい。年々走れなくなった自分の足。もう走っているとは言えないほどのスピード。それでも自分が走っていると思えればそれで良し。ああ楽しい。ジョギング万歳だ。


       青空と森の木   

 スタッフの方は古くからの顔なじみばかり。Wさん、Aさん、Fさん、そしてYさん。女性ボランティアのSさんとも1年ぶりの再会。皆気の良いランナー達だ。1周し終えて自分のカードを1枚ちぎり、2周目は逆走する。そうすると誰が今回参加してるか分かるのだ。そうそう散歩中のKさんがいた。所属走友会の長老で、久しぶりに森林公園へ来たと話していた。

 ゼッケンをつけたKさんがいた。「仙台国際ハーフ」はお母さんと一緒に走り、ギリギリで完走した由。彼女は幾つも過去の記録が大会要項に残されている強者。今回はフルの部だが、不調なので途中で止めるかもと彼女。その言葉通り、時々歩いていた。そして5時間走の部のIさんは参加する都度顔を合わせる常連で、彼の記録も要項に載っている。周回ごとに顔馴染みのランナーとエールの交換だ。


  コースの平坦箇所

 さて、どうしても気になるのが謎の女性ランナーXさん。まだ走り始めて間もないことや、仙台の人であることは分かった。周回チェックの際に名前も知った。カードが張り付けているボードが彼女と一緒。だがそれ以上の情報はつかめない。そこで私は一計を図った。名付けて「ギンギラリンにさりげなく作戦」。心はギンギラギンでも近づくのはさり気なくじゃないとねえ。ウィンク




 作戦その1は逆走すること。そうしたら必ずコース内で会えるはず。ほら彼女が坂を下ってやって来た。慌てて後ずさりし、ポシェットからデジカメを取出して彼女の方に向けた。するとわざわざスピードを落として両手を振ってくれた天女さま。

 それのみか、なななんと、私を撮ってくれると言う。それも逆光にならないように立ち位置まで考えてくれた。天女さまは何と言う気配りなのだろう。Vサインをした私だが、顔はどこかぎこちないまま。それもそうだよねえ、たとえ人生の大ベテランではあっても。ぽっ


  公園内風景  

 気になってもまさかマジマジと顔を見る訳にも行かない。パッと会ってさっと離れて行く選手達。それがレースだ。そこで爺さんランナーは次の手を考えた。名付けて「歓びのハイタッチ作戦」。逆走して出会った際に、天女さまの手に触れるのだ。これならエールの交歓で、ごく自然な行為。初心者の彼女を励ますことも出来るしね。慣れてなくてぎこちない分、その初々しさが愛しい天女さま。手書きハートぺろり




 でもちゃんと真面目なアドバイスもしたんだよ。「今日は暑いから早めの給水と給食を摂って」とか、「足が痙攣して来た」と言う天女さまに「給水所で冷たいスポドリをコップに注いで、中に塩を入れて飲むように」とかね。そして自分もこの日は違っていた。歩きと変わらないスピードだが、ずっと走ることを自分に課していた。思わぬ天女さまの出現で、気持ちも高ぶっていたんだろうけど。





 私は1周おきに逆走し、天女さまとハイタッチを繰り返した。それだけで足らずに、ある周回時などは彼女を下の名で呼んだのさ。しかも「さん」付けなしで。その方が呼び易かったからだが、彼女の反応に悪い感じは受けなかった。

 私は天女さまと2度目の写真の撮りっこをした。ちゃんと写っているかどうかを確認した彼女曰く。「まあ、飛び切りの笑顔!」と。そりゃあそうだよね、天女さまと出会えたのだから。でもこうして見ると、サングラスが曲がっているのにも気づかない自分が笑える。クール<続く>





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Last updated  2017.05.24 07:47:22
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