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13.滋養強壮保健薬1)医薬品として扱われる保健薬 滋養強壮保健薬は、体調の不調を生じやすい状態や体質の改善、特定の栄養素の不足による症状の改善または予防等を目的として、ビタミン成分、カルシウム、アミノ酸、生薬成分等が配合された医薬品である。 同様にビタミン等の補給を目的とするものとして医薬部外品の保健薬があるが、それらの効能・効果の範囲は、滋養強壮、虚弱体質の改善、病中・病後の栄養補給等に限定されている。神経痛、筋肉痛、関節痛、しみ・そばかす等のような特定部位の症状に対する効能・効果については、医薬品においてのみ認められている。 また、医薬部外品の保健薬は配合成分や分量は人体に対する作用が緩和なものに限られ、カシュウ、ゴオウ、ゴミシ、ジオウ、ロクジョウ等の生薬成分については、医薬品においてのみ認められている。ビタミン成分に関しても、1日最大量が既定値を越えるものは、医薬品としてのみ認められている。2)ビタミン、カルシウム、アミノ酸等の働き、主な副作用(a)ビタミン成分 滋養強壮保健薬のうち、1種類以上のビタミンを主薬とし、そのビタミンの有効性が期待される症状及びその補給に用いられることを目的とする内服薬を、ビタミン主薬製剤(いわゆるビタミン剤)という。 ビタミンは「微量(それ自体エネルギー源や生体構成成分とならない)で体内の代謝に重要な働きを担うにもかかわらず、生体が自ら産生することができない、又は産生されても不十分であるため外部から摂取する必要がある化合物」を定義される。これに対し、不足した場合に欠乏症を生じるかどうか明らかにされていないが、微量でビタミンと同様に働く又はビタミンの働きを助ける化合物については「ビタミン様物質」と呼ばれる。 ビタミン成分等は、多く摂取したからと言って適用となっている症状の改善が早まるものでなく、むしろ脂溶性ビタミンでは、過剰摂取により科上昇を生じる恐れがある。1)ビタミンA ビタミンAは、夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。 ビタミンA主薬製剤は、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビタミンA油、肝油等が主役として配合された製剤で、目の乾燥感、夜盲症(とり目)の症状の緩和、また妊娠・授乳期、病中病後の体力低下時、発育期等のビタミンAの補給に用いられる。 一般用医薬品におけるビタミンAの1日分量は4000国際単位が上限となっているが、妊娠3か月までの間に、ビタミンAを1日10000国際単位以上摂取した妊婦から生まれた新生児において先天異常の割合が上昇したとの報告がある。そのため、妊娠3か月以内の妊婦、妊娠していると思われる女性および妊娠を希望する女性では、医薬品以外からのビタミンAの摂取※を含め、過剰摂取に留意される必要がある。※ニンジンなどの野菜類に含まれるβーカロテンは、体内に入ると、必要な分だけがビタミンAに転換されるため、ビタミンAの過剰摂取につながる心配はないとされる。
2014年07月31日
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禁煙補助剤2)主な副作用、相互作用、禁煙達成へのアドバイス・受診勧奨【主な副作用】 口内炎、のどの痛み、消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振、下痢)、皮膚症状(発疹・発赤、掻痒感そうようかん)、精神神経症状(頭痛、めまい、思考減退、眠気)、循環器症状(動悸)、その他胸部不快感、胸部刺激感、顔面紅潮、顔面浮腫、気分不良などが現れることがある。【相互作用】 口腔内が酸性になるとニコチンの吸収が低下するため、珈琲や炭酸飲料など口腔内を酸性にする食品を摂取した後しばらくは使用を避けることとされている。 ニコチンは交感神経系を興奮させる作用を示し、アドレナリン作動成分が配合された医薬品(鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、痔疾用薬等)との併用により、その作用を増強させる恐れがある。 禁煙補助剤は、喫煙を完全に止めたうえ使用することとされており、特に、使用中または使用直後の喫煙は、血中のニコチン濃度が急激に高まるおそれがあり、避ける必要がある。また、他のニコチン含有製剤が併用された場合も、同様にニコチンの過剰摂取となるおそれがある。 心臓疾患(心筋梗塞、狭心症、不整脈)脳血管障害(脳梗塞、脳出血時等)、バージャー病※(末梢血管障害)、高血圧、甲状腺機能障害、褐色細胞腫、糖尿病(インスリン製剤※2を使用している人)、咽頭炎、食道炎、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病または腎臓病の診断を受けた人では、使用している治療薬の効果に影響を生じたり、症状を悪化させる可能性があるため、禁煙補助薬を使用する前にその適否につき、治療を行っている医師または薬剤を調剤した薬剤師に相談がなされることが望ましい。【禁煙達成へのアドバイス】 禁煙に伴うイライラ感、集中困難、落ち着かないなどのニコチン離脱症状は、通常、禁煙開始から1~2週間の間に起きることが多い。日常生活の中では、日々感じるストレスに対して、喫煙以外のリラックス法を実践すること、スポーツ、散歩、趣味等のタバコを忘れる努力をすることなどが有益とされる。 禁煙補助剤によりニコチン離脱症状を軽減しながら、徐々にその使用量を減らしていくこととし、初めから無理に減らそうとしない方が、結果的に禁煙達成につながるとされる。ただし、禁煙補助剤は長期間にわたって使用されるべきものでなく、試用期間は3か月を目途とし、6か月を超える使用は避けることとされている。※末梢動脈に炎症が生じて、末梢部に潰瘍や壊疽(えそ)を引き起こす病気※2ニコチンがインスリンの血糖降下作用に拮抗して、効果を妨げる恐れがある。
2014年07月30日
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12.禁煙補助剤1)喫煙習慣とニコチンに関する基礎知識 タバコの煙に含まれるニコチンは、肺胞の毛細血管から血液中に取り込まれると、すみやかに脳内に到達し、脳の情動をつかさどる部位に働いて覚醒、リラックス効果などをもたらす。 習慣的な喫煙により、喫煙していないと次第に体の調子が悪く感じられるようになり、血中ニコチン濃度の低下によって、イライラ感、集中困難、落ち着かない等のニコチン離脱症状(禁断症状)が現れ、喫煙習慣からの離脱(禁煙)が困難になる。 禁煙を達成するには、本人の禁煙の意思に加えて、ニコチン離脱症状を軽減するニコチン置換療法が有効とされる。ニコチン置換療法は、ニコチンの摂取方法を喫煙以外に換えて離脱症状の軽減を図りながら徐々に摂取量を減らし、最終的にニコチン摂取をゼロにする方法である。 禁煙補助剤は、ニコチン置換療法に使用される、ニコチンを有効成分とする医薬品(咀嚼剤そしゃくざい)である。噛むことにより口腔内でニコチンが放出され、口腔粘膜から吸収されて循環血液中に移行する。 菓子やガムの様に噛むと唾液が多く分泌され、ニコチンが唾液と共に飲み込まれていまい、口腔粘膜からの吸収が十分なされず、また、吐き気や腹痛等の副作用が現れやすくなる※ため、ゆっくりと断続的にかむこととされている。なお、大量に使用しても禁煙達成が早まるものでなく、かえってニコチン過剰摂取による副作用の恐れがあるため、1度に2個以上の使用は避ける必要がある。 あごの関節に障害がある人では、使用を避ける必要がある。口内炎やのどの痛み・腫れの症状がある場合には、口内・のどの刺激感等の症状が現れやすくなる。 脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害、重い心臓病等の基礎疾患がある人(3か月以内の心筋梗塞発作がる人、重い狭心症や不整脈と診断された人)では、循環器系に重大な悪影響を及ぼす恐れがあるため、使用を避ける必要がある。 妊娠または妊娠していると思われる女性、母乳を与える女性では、摂取されたニコチンにより胎児または乳児に影響が生じる恐れがあるため、使用を避ける必要がある。 非喫煙者では、一般にニコチンに対する耐性がないため、吐き気、めまい、腹痛などの症状が現れやすく、誤って使用されることのないよう留意される必要がある。
2014年07月29日
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2)相互作用、受診勧奨【相互作用】 口腔内を清浄してから使用することが重要であり、口腔咽喉薬、含嗽薬などを使用する場合には、十分な間隔を置くことが望ましい。【受診勧奨】 口内炎や舌炎は、通常であれば1~2週間で自然寛解するが、一度に複数個所に発生して食事に著しい支障をきたすほどの状態であれば、医療機関を受診することがのお麻しい。 口内炎や舌炎が長期間にわたって症状が長引いている場合には、口腔粘膜に生じた潰瘍である可能性もある。また、再発を繰り返す場合には、ベーチェット病※などの化膿性も考えられるので、医療機関を受診することが望ましい。 何らかの疾病のため医療機関で治療を受けている人では、処方された薬剤による副作用である可能性も考慮し、治療を行っている医師または処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。 一般用医薬品にも副作用として口内炎等が現れることがあるものがあるが、それが副作用による症状と認識されずに、口内炎用薬による対処を図ろうとすることも考えられる。口内炎であっても、くすりの専門家へ自身の症状の伝達をし、適正なくすりを選択することが大切である。※口腔粘膜の潰瘍を初期症状とする全身性の疾患で、外陰部潰瘍、皮膚症状(全身の皮膚に湿疹や小膿疱(しょうのうほう)ができる)、眼症状(炎症を起こし、最悪の場合失明に至る)等を引き起こす。
2014年07月28日
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2.口内炎用薬 口内炎用薬は、口内炎、舌炎の緩和を目的として口腔内局所に適用される外用薬である。 口内炎や舌炎は、いずれも口腔粘膜に生じる炎症で、代表的な口腔疾患である。口腔の粘膜上皮に水疱や潰瘍ができて痛み、ときに口臭を伴う。発生の仕組みは必ずしも解明されていないが、栄養摂取の偏り、ストレスや睡眠不足、唾液分泌の低下、口腔内の不衛生などが要因となって生じることが多いとされる。また、疱疹やウイルスの口腔内感染による場合や、医薬品の副作用として口内炎を生じる場合もある。1)代表的な配合成分、主な副作用(a)抗炎症成分 口腔粘膜の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸等の抗炎症成分が用いられる。また、口腔粘膜の組織修復を促す作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)が配合されている場合もある。 ステロイド性抗炎症成分が配合されている場合には、口腔内に適用されるため、その含有量によらず長期連用を避ける必要がある。(b)殺菌消毒成分 患部からの細菌感染を防止することを目的として、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、アクリノール、ポビドンヨード等が配合されている場合がある。(c)生薬成分 シコンは、ムラサキ科のムラサキの根を用いた生薬で、組織修復促進、抗菌などの作用を期待して用いられる。・漢方処方製剤(内服)【茵蔯蒿湯】いんちんこうとう 口渇があり、尿量が少なく、便秘する人における、蕁麻疹、口内炎に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人であ、激しい下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。構成生薬としてダイオウを含む。 まれに重篤な副作用として肝機能障害が起こることが知られている。短期間の使用に限られるものではないが、1週間くらい使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談することが望ましい。
2014年07月27日
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(b)内服薬 1)抗炎症成分 歯周組織の炎症を和らげることを目的として、塩化リゾチームが用いられる。 2)止血成分 炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して、血液の凝固機能を、正常に保つ働きのあるフィトナジオン(ビタミンK1)や、カルバゾクロムが配合されてある場合がある。 3)組織修復成分 炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用のほか、歯肉炎に伴う口臭を抑える効果も期待して、銅クロロフィリンナトリウムが配合されている場合がある。 4)ビタミン成分 コラーゲン代謝を改善して炎症を起こした歯周組織の修復を助け、また、毛細血管を強化して炎症による腫れや出血を抑える効果を期待して、ビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等)が配合されている場合がある。 歯周組織の血行を促す効果を期待して、ビタミンE(コハク酸トコフェロールカルシウム、酢酸トコフェロール等)が配合されている場合がある。 2)相互作用、受診勧奨 【相互作用】 外用薬の場合、歯痛薬、歯槽膿漏薬のいずれについても、口腔内に食べ物のかすなどが残っているままの状態では、十分な効果は期待出来ず、口腔内を清浄にしてから使用することが重要である。また、口腔咽頭薬、含嗽薬などを使用する場合には、十分な間隔を置くことが望ましい。 内服で用いる歯槽膿漏薬については、同じまたは同種の成分が配合された医薬品(風邪薬、鎮痛去痰薬、胃腸薬等)が併用された場合、作用が強くですぎたり、副作用が現れやすくなる恐れがある。 【受診勧奨】 歯痛は歯のう蝕等※に対する生体の警告信号であり、歯痛薬の使用によって一時的に和らげることができたとしても、その繰り返しによってやがて歯髄組織が壊死し、状態の悪化につながる恐れがある。 歯痛は基本的に歯科診療を受けることが優先され、歯痛薬による対処は最低限(旅行中や夜間など、歯科診療を受けることが困難な場合)にとどめる必要がある。 歯周病(歯肉炎、歯槽膿漏)については、状態が軽いうちは自己治療が可能とされるが、日頃の十分な歯磨き等によって歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることが重要である。ただし、十分に歯磨きができているかの判断は容易ではなく、また、歯石の沈着等によって歯周病が慢性化しやすくなっている場合もある。歯槽膿漏薬の使用により症状を抑えられても、しばらくすると症状が繰り返し現れるような場合は、医療機関を受診することが望ましい。 ※歯のう蝕のほか、第三大臼歯(親知らず)の伸長による痛みも、歯痛として認識されることがある。第三大臼歯(親知らず)の伸長による痛みの場合、歯痛薬(外用)の効果は期待できない。
2014年07月26日
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・歯槽膿漏薬、外用薬 歯と歯肉の境目にある溝(歯肉溝)では細菌が繁殖しやすく、歯肉に炎症を起こすことがある。歯肉炎が重症化して、炎症が歯周組織全体に広がると歯肉炎(歯槽膿漏)となる。 歯槽膿漏薬は、歯肉炎、歯槽膿漏の諸症状(歯肉からの出血や膿、歯肉の腫れ、むずがゆさ、口臭、口腔内の粘り等)の緩和を目的とする医薬品である。患部局所に適用する外用薬のほか、内服で用いる歯槽膿漏薬もある。内服薬は、抗炎症成分、ビタミン成分等が配合されたもので、外用薬と併せて用いると効果的なものである。(a)外用薬1)殺菌消毒成分 歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的として、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、チモール等の殺菌消毒成分が配合されている場合がある。 グルコン酸クロルヘキシジンが口腔内に適用される場合、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。 殺菌消毒作用のほか、抗炎症作用なども期待してヒノキチオールやチョウジ油が配合されている場合もある。2)抗炎症成分 歯周組織の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸等が配合されている場合がある。 ステロイド性抗炎症成分が配合されている場合は、口腔内に適用されるため、含有量によらず長期連用は避ける必要がある。3)止血成分 炎症を起こした歯周組織からの出血を抑える作用を期待して、カルバゾクロムが配合されている場合がある。4)組織修復成分 炎症を起こした歯周組織の修復を促す作用を期待して、アラントインが配合されている場合がある。5)生薬成分 カミツレ、ラタニア、ミルラ等の生薬成分が配合されている場合がある。カミツレはキク科のカミツレ(別名カモミール)の頭花を用いた生薬で、抗炎症、抗菌などの作用を期待して用いられる。
2014年07月25日
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11.歯や口中に用いる薬1.歯痛薬1)代表的な配合成分、主な副作用・歯痛薬(外用) 歯痛は、多くの場合、歯の齲蝕(うしょく、虫歯のこと)とそれに伴う歯髄炎(しずいえん)によって起こる。歯痛薬は、歯の齲蝕による歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品であり、歯の齲蝕が修復されることはなく、早めに医療機関(歯科)を受診して治療を受けることが基本となる。(a)局所麻酔成分 齲蝕により露出した歯髄を通っている知覚神経の伝達を遮断して痛みを鎮めることを目的として、アミノ安息香酸エチル、塩酸ジブカイン、テーカイン等の局所麻酔成分が用いられる。 冷感刺激を与えて知覚神経を麻痺させることによる鎮痛・鎮痒の効果を期待して、メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油等の冷感刺激成分が配合されている場合もある。(b)殺菌消毒成分 齲蝕を生じた部分における細菌の繁殖を抑えることを目的として、フェノール、歯科用フェノールカンフル、クレオソート、オイゲノール、塩化セチルピリジニウム等の殺菌消毒成分が用いられる。粘膜刺激を生じることがあるため、歯以外の口腔粘膜や唇に付着しないように注意が必要である。 オイゲノールには抗炎症、局所麻酔等の作用も期待され、オイゲノールを含む精油成分として、チョウジ油(チョウジから得られた精油成分)、ケイヒ油(ケイヒから得られた精油成分)が配合されている場合もある。(c)サンシンはアカネ科のクチナシの果実を用いた生薬で、抗炎症作用を期待して用いられる。
2014年07月24日
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6)頭皮・毛根に作用する配合成分 毛髪用薬は、脱毛の防止、育毛、ふけやかゆみを抑えること等を目的つぃて、頭皮に適用する医薬品である。 毛髪用薬のうち、配合成分やその分量等にかんがみて人体に対する作用が緩和なものについては、医薬部外品(育毛剤、養毛剤)として製造販売されているが、「壮年性脱毛症」「円形脱毛症」「粃糠(ひこう)性脱毛症」「瀰漫(びまん)性脱毛症」等の疾患名を挙げた効能・効果は、医薬品においてのみ認められている。(a)塩化カルプロニウム 末梢組織(適用局所)においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられる。 アセチルコリンとは異なり、コリンエステラーゼによる分解を受けにくく、作用が持続するとされる。副作用として、コリン作用による局所または全身性の発汗、それに伴う寒気、震え、吐き気が現れることがある。(b)安息香酸エストラジオール 脱毛は男性ホルモンの働きが過剰であることも一因とされているため、女性ホルモンによる脱毛抑制効果を期待して、女性ホルモン成分の一種である安息香酸エストラジオールが配合されている場合がある。 毛髪用薬は頭皮における局所的な作用を目的とする医薬品であるが、女性ホルモン成分については、頭皮から吸収されて循環血液中に入る可能性を考慮し、妊婦または妊娠していると思われる女性では使用を避けることが望ましい。(c)生薬成分(1)カシュウ タデ科ツルドクダミの塊根を用いた生薬で、頭皮における脂質代謝を高めて、余分な皮脂を取り除く作用を期待して用いられる。(2)チクセツニンジン ウコギ科トチバニンジンの根を用いた生薬で、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられる。(3)ヒノキオール ヒノキ科のタイワンヒノキ、ヒバ等から得られた精油成分で、抗菌、血行促進、抗炎症などの作用を期待して用いられる。
2014年07月23日
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(b)代表的な抗真菌成分、主な副作用、受診勧奨 強い刺激を生じたり、症状が悪化する可能性があるので、膣、陰嚢、外陰部等、湿疹、湿潤、ただれ、亀裂や外傷のひどい患部、化膿している患部には使用を避ける必要がある。 患部が化膿している場合には、抗菌成分を含んだ外用剤を使用する等、化膿がおさまってから使用することが望ましい。(1)イミダゾール系抗真菌成分 硝酸オキシコナゾール、塩酸ネチコナゾール、ビホナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸エコナゾール、クロトリマゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール等は、イミダゾール系の抗真菌薬と呼ばれ、皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げたり、細胞膜の透過性を変化させることにより、その増殖を抑える。 副作用としてかぶれ、腫れ、刺激感等が現れることがある。あるイミダゾール系成分が配合されたみずむし薬でかぶれたことがある人は、ほかのイミダゾール系成分が配合された製品も避けることが望ましい。(2)塩酸アモルフィン、塩酸ブテナフィン 皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。(3)シクロピロクスオラミン 皮膚糸状菌の細胞膜に作用して、その増殖・生存に必要な物質の輸送機能を妨げ、その増殖を抑える。(4)ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛 患部を酸性にすることで、皮膚糸状菌の発育を抑える。(5)ピロールニトリン 菌の呼吸や代謝を妨げることにより、皮膚糸状菌の増殖を抑える。単独での抗真菌作用は弱いため、他の抗真菌成分と組み合わせて配合される。(6)その他 抗真菌成分としてトルフタナート、エキサレミドが配合されている場合がある。また、生薬成分として、モクキンピ(アオイ科のムクゲの樹皮)のエキスにも皮膚糸状菌の増殖を抑える作用を期待して用いられる。【受信勧奨】 ぜにたむしやいんきんたむしで患部が広範囲に及ぶ場合は、自己治療の範囲を超えており、また、内服抗真菌薬の処方による全身的な治療が必要な場合もあるので、医療機関(皮膚科)を受診することが望ましい。 みずむしやたむしに対する基礎的なケアと併せて、みずむし・たむし用薬を2週間くらい使用しても症状が良くならない場合には、抗真菌成分に耐性を生じている可能性や、皮膚糸状菌による皮膚感染でない可能性もある。また、配合成分によっては、かゆみ、落屑、ただれ、水疱など、みずむし・たむしの症状と判別しにくい副作用が現れるものもある。安易に別のみずむし・たむし用薬に切り替えるようなことはせず、いったん使用を中止して、医療機関(皮膚科)を受診することが望ましい。
2014年07月22日
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5)抗真菌作用を有する配合成分(a)みずむし・たむし等の要因と基礎的なケア みずむし・たむし等は、皮膚糸状菌(白癬菌はくせんきん)という真菌類の一種が皮膚に寄生することによって起こる疾患(表在性真菌感染症)である。スリッパやタオルなどを介して、他の保菌者やペットから皮膚糸状菌が感染することも多い。発生する部位によって呼び名が変わる。○みずむし:手足の白癬 ほとんどの場合は足に生じるが、まれに手に生じることもある。病型により3つに分類される。(1)趾間型(しかんがた):指の間の鱗屑(りんせつ)(皮がむける)、浸軟(ふやけて白くなる)、亀裂、ただれ(糜爛びらん)を主症状とする。(2)小水疱型:足底に小さな水疱や鱗屑を生じ、ときに膿疱(のうほう)、ただれ(糜爛)が混じることもある。(3)角質増殖型:足底全体に瀰漫性紅斑(びまんせいこうはん)と角質の増殖を生じる。皮膚糸状菌の感染巣は硬く、亀裂ができることがある。強いかゆみは無く、みずむしとして自覚されていない場合もある。○ぜにたむし:体部白癬 輪状の小さな丸い病巣が胴や四肢に発生し、発赤と隣接、かゆみを伴う。○いんきんたむし:頑癬(内また・尻・陰嚢付近の白癬) ぜにたむしと同様の病巣が内またにでき、尻や陰嚢付近に広がっていくもの。○このほか、爪に発生する白癬(爪白癬)や、頭部に発生する白癬(しらくも)もあるが、抗真菌成分が配合された一般用医薬品でこれらに対する適用を持つものはない。 頭部白癬は小児に多く、正常に保てば自然治癒することが多いが、炎症が著しい場合には医師の診療を受けることが望ましい。 爪白癬は、爪内部に薬剤が浸透しにくいため難治性で、医療機関(皮膚科)における全身的な治療(内服抗真菌薬の処方)を必要とする場合が少なくない。【みずむし等に対する基礎的なケア】 みずむしの場合、足(特に指の間)を毎日石鹸で洗う等して清潔に保ち、なるべく通気性をよくしておくことが重要である。靴下は毎日履き替え、洗濯後は日光に当てて干す、また、靴も通気性の良いものを選び、連日同じものを履くことは避ける等の対処も、みずむしが発生しにくい環境作りにつながる。 みずむし、たむしは古くから知られている皮膚疾患のひとつであり、様々な民間療法が存在するが、それらの中には科学的根拠が見いだされていないものも多く、かえって症状を悪化させる場合がある。【剤型の選択】 一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部には、軟膏またはクリームが適すとされる。液剤は有効成分の浸透性が高いが、患部に対する刺激が強い。皮膚が厚く角質化している部分には液剤が適している。 湿疹とみずむし等の初期症状は類似していることが多く、湿疹に抗真菌作用を有する成分を使用すると、かえって湿疹の悪化を招くことがある。陰嚢にかゆみ、ただれ等の症状がある場合は、湿疹等の他の原因による場合が多い。湿疹か皮膚糸状菌による皮膚感染かはっきりしない場合に、抗真菌成分が配合された医薬品を使用することは適当でない。
2014年07月21日
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4)抗菌作用を有する配合成分(a)にきび、吹き出物等の要因と基礎的ケア にきび、吹き出物は、もっとも一般的に生じる化膿性皮膚疾患(皮膚に細菌が感染して化膿する皮膚疾患)である。その発生要因としては、1.ストレス、食生活の乱れ、睡眠不足など様々な要因によって肌の新陳代謝機能が低下し、毛穴の皮脂や古い角質がたまる。2.老廃物が詰まった毛穴の中で皮膚常在菌であるにきび桿菌(かんきんと読む)(アクネ菌)が繁殖する。3.にきび桿菌が菱を分解相手生じる遊離脂肪酸によって毛包周囲に炎症を生じ、さらにほかの細菌の感染を誘発して膿疱(のうほう)や膿腫(のうしゅ)ができる。これらがひどくなると色素沈着を起こして赤くシミが残ったり、クレーター状の瘢痕(はんこん)が残ったりする。 洗眼等により皮膚を清浄に保つことが基本とされる。吹き出物をつぶしたり無理に膿を出そうとすると、炎症を悪化させて皮膚の傷を深くして跡が残りやすくなる。 ストレス等を取り除き、バランスのとれた食習慣、十分な睡眠等、規則正しい生活習慣を心がけることも、にきびや吹き出物ができやすい体質の改善につながる。油分の多い化粧品はにきびを悪化させることがあり、水生成分主体のものが選択されることが望ましい。 皮膚常在菌であるにきび桿菌(アクネ菌)でなく、黄色ブドウ球菌などの化膿菌が毛穴から侵入し、皮脂腺、汗腺で増殖して生じたh気でものを毛嚢炎(もうのうえん)(疔ちょう)といい、ニキビに比べて痛みや腫れが顕著となる。毛嚢炎が顔面に生じたものを面疔(めんちょう)という。 とびひ(伝染性膿痂疹のうかしん)は毛穴を介さずに、虫刺されやあせも、かき傷などから化膿菌が侵入したもので、水疱やかさぶた(痂皮かひ)、ただれ(糜爛びらん)を生じる。小児に発症することが多い。水疱が破れて分泌液が付着すると、皮膚のほかの部分や他人の皮膚に拡がることがある。(b)代表的な抗菌成分(1)サルファ剤 スルフィソミジン、スルファジアジン、ホモスルファミン、スルフィソキサゾール等のサルファ剤は、細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。(2)バシトラシン 細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。(3)硫酸フラジオマイシン、クロラムフェニコール いずれも細菌のたんぱく質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。(c)主な副作用、受診勧奨 患部が広範囲である場合、患部の湿潤やただれがひどい場合には、一般用医薬品の使用によって対処を図るよりも、医療機関を受診することが望ましい。 化膿性皮膚疾患用薬を漫然と使用していると、皮膚常在菌が静菌化される一方で、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌は耐性を獲得する恐れがある。また、通常であれば、生体に備わっている免疫機能の働きによって、化膿菌は自然に排除される。化膿性皮膚疾患用薬を5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、免疫機能の低下等の重大な疾患の化膿性も考えられ、使用を中止して医師の診療を受けることが望ましい。
2014年07月20日
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いつもの土曜日のように、近所のお店へ出かけたら、並ばなくても妖怪メダルが買えました。 4歳の子供はそうでもなかったのですが、私が買いたかったので、買ってしまいました。 ウォッチは持っていないので、メダルだけではつまらないのですが、何が出るのかというワクワク感は楽しめました。 でも、次買う機会があったら買うかな?
2014年07月19日
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3)肌の角質化、かさつき等を改善する配合成分(a)角質軟化成分 うおのめ(鶏眼)、たこ(胼胝(べんち))は、皮膚の一部に機械的刺激や圧迫が繰り返し加わったことにより、角質層が部分的に熱くなったものである。うおのめは、角質の芯が真皮に食い込んでいるため、圧迫されると痛みを感じるのに対し、たこは、角質層の一部が単純に肥厚したもので芯がなく、通常痛みは伴わない。いぼ(疣贅(ゆうぜい))は、表皮が隆起した小型の両性の腫瘍で、ウイルス性のいぼと老人性のいぼに大別される。足の裏にできた場合、たこと間違えられやすい。ウイルス性のいぼは1~2年で自然寛解することが多い。 角質軟化薬のうち、配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品については、医薬部外品(うおのめ・たこ用剤)として製造販売されているが、いぼに用いる製品については、医薬品としてのみ認められている。ただし、いぼの原因となるウイルスに対する抑制作用はなく、いぼが広範囲にわたって生じたり、外陰部や肛門周囲に生じたような場合には、医師の診療を受けることが望ましい。1)サリチル酸 角質成分を溶解することにより角質軟化作用を示す。併せて抗菌、抗真菌、抗炎症作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある。頭皮の落屑(らくせつ)、いわゆる「ふけ」を抑える効果を期待して、毛髪用薬に配合されている場合もある。2)イオウ 皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す。併せて抗菌、抗真菌作用も期待され、にきび用薬等に配合されている場合もある。(h)保湿成分 皮膚の乾燥は、角質層の細胞間脂質や角質層中に元来存在するアミノ酸、尿素、乳酸等の皮質因子が減少したり、また、皮脂の分泌が低下する等により、角質層の水分保持量が低下することによって生じる。 角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善することを目的として、グリセリン、尿素、白色ワセリン、オリブ油(モクセイ科のオリーブの果実を圧搾して得た脂肪油)等が用いられる。
2014年07月19日
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・漢方処方製剤等(a)紫雲膏しうんこう ひび、あかぎれ、しもやけ、うおのめ、あせも、ただれ、外傷、火傷、痔核による疼痛、肛門裂傷、かぶれに適すとされるが、湿潤、ただれ、火傷または外傷のひどい場合、傷口が化膿している場合、患部が広範囲の場合には不向きとされる。(b)中黄膏ちゅうおうこう 急性化膿性皮膚疾患(腫物)の初期、打ち身、捻挫に適すとされるが、湿潤、ただれ、火傷または外傷のひどい場合、傷口が化膿している場合、患部が広範囲の場合には不向きとされる。捻挫、打撲、関節痛、腰痛、筋肉痛、肩こりに用いる貼り薬(パップ剤)とした製品もある。(c)その他 抗炎症、血行促進等の作用を期待して、アルニカ(キク科のアルニカの頭花)、サンシン(アカネ科のクチナシの果実)、オウバク、セイヨウトチノミ等の生薬成分が配合されている場合がある。 日本薬局方収載のオウバク末は、健胃または止瀉を目的として内服で用いられるほか、水で練って患部に貼り、打ち身、捻挫に用いられる。【一般的な打撲、捻挫等への対応】 まず、患部を安静に保つことが重要とされる。特に、足や脚部を痛めた場合は、なるべく歩いたり、走ったりすることを避けることが望ましい。次に、氷嚢(ひょうのう)などを用いて患部を冷やす。冷却することにより、内出血を最小限にし、痛みの緩和が図られる。また、患部が腫れてくるのを抑えるため、弾性包帯やサポーターで軽く圧迫し、患部を心臓よりも高くしておくと効果的とされている。【一般的な湿疹、皮膚炎等への対応】 皮膚を清潔に保つため、毎日の入浴やシャワーが推奨されるが、こすりすぎによる刺激や、洗浄力の強い石鹸や全身洗浄剤、シャンプー等の使用は避けることが望ましい。 生活環境の改善としては、患部を掻かないようにする、紫外線やストレス、発汗を避ける等、皮膚への刺激を避けることが重要とされる。【受診勧奨】 一般用医薬品の使用による対処は、かゆみや痛み等の症状を一時的に抑える対症療法であう。5~6日間使用して症状が治まらない場合には、医師の診療を受けることが望ましく、また、一般用医薬品の使用で症状がおされられた場合でも、ステロイド性抗炎症成分や、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカム等の非ステロイド性抗炎症成分が配合された医薬品では、長期間にわたって使用することは適切でない。 痛みが著しい、または長引く、脱臼や骨折が疑われる場合には、一般用医薬品を継続的に使用するのではなく、医療機関(整形外科または外科)を受診することが望ましい。 慢性の湿疹や皮膚炎、または皮膚症状が広範囲にわたって生じているような場合には、感染症や内臓疾患、または免疫機能の異常等による可能性もあり、医療機関の受診が望ましい。特にアトピー性皮膚炎は、医師による専門的な治療を有する疾患である。 なお、異常を生じている部位と皮膚にかゆみや痛みが現れる部位とは必ずしも近接していないこともあり、原因がはっきりしないかゆみや痛みについて、暗にに一般用医薬品による症状の緩和(対症療法)を図ることは適当でない。
2014年07月18日
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(f)局所刺激成分 いずれも目や目の周り、粘膜面には刺激が強すぎるため、使用を避けることとされている。 1)冷感刺激成分 皮膚表面に冷感刺激を与え、軽い炎症を起こして反射的な血管の拡張による患部の血行を促す効果を期待して、また、知覚神経を麻痺させることによる鎮痛・鎮痒の効果を期待して、メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油等が配合されている場合がある。 打撲やねんざなどの急性の腫れや熱感を伴う症状に対しては、冷感刺激成分が配合された外用鎮痛薬が適すとされる。 2)温感刺激成分 皮膚に温感刺激を与え、 末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して、カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジル(ニコチン酸ベンジルエステル)等が配合されている場合がある。カプサイシンを含む生薬として、トウガラシ(ナス科のトウガラシの果実)も同様に用いられる。 温感刺激成分は、人によっては刺激が強すぎて、副作用として、痛みが現れることがある。特に、温感刺激成分を主薬とする貼付剤では、貼付部位をこたつや電気毛布等の保温器具で温めると強い痛みを生じやすくなるほか、いわゆる低温やけどを引き起こす恐れがあるので、注意が必要である。入浴前後の使用も適当でなく、入浴1時間前には剥がし、入浴後は皮膚のほてりが鎮まってから貼付することが望ましい。 このほか、皮膚に軽い灼熱感を与えることでかゆみを感じにくくさせる効果を期待して、クロタミトンが配合されている場合がある。 (g)収斂(しゅうれん)・皮膚保護成分 酸化亜鉛は、患部のタンパク質と結合して被膜を形成、皮膚を保護する作用を示す。創傷面に薄い皮膜を形成して保護することを目的として、ピロキシリンン(ニトロセルロース)が用いられることもある。 いずれも患部が浸潤または化膿している場合、傷が深い時などには、表面だけを乾燥させてかえって症状を悪化させる恐れがあり、使用を避けることとされている。 (h)組織修復成分 損傷皮膚の組織の修復を促す作用を期待して、アラントインやビタミンA油が配合されている場合がある。 (i)血管収縮成分 切り傷、擦り傷、かき傷等の創傷面からの出血を抑えることを目的として、塩酸ナファゾリン等のアドレナリン作動成分が配合されている場合がある。創傷面に浸透して、その部位を通っている血管を収縮させることによる止血効果を期待して用いられる。 (j)血行促進成分 患部局所の血行を促すことを目的として、ヘパリン類似成分、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム、ニコチン酸ベンジル(ニコチン酸ベンジルエステル)、ビタミンE(酢酸トコフェロール、トコフェロール等)が用いられる。ヘパリン類似成分については、抗炎症作用や保湿作用も期待される。 ヘパリン類似物質、ポリエチレンスルホン酸ナトリウムには、血液凝固を抑える働きがあるため、出血しやすい人、出血が止まりにくい人、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑症など)の診断を受けた人では、使用を避ける必要がある。
2014年07月17日
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3)その他【サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール】 皮膚から吸収された後、サリチル酸に分解されて、末梢組織(患部局所)におけるプロスタグランジンの産生を抑える作用も期待されるが、主として局所刺激により患部の血行を促し、また、末梢の知覚神経に軽い麻痺を起すことにより、鎮痛作用をもたらすと考えられている。【イブプロフェンピコノール】 イブプロフェンの誘導体※であるが、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑えるほか、吹き出物(面ぼう)の拡張を抑える作用があるとされ、もっぱらニキビ治療薬として用いられる。(c)その他の抗炎症成分 比較的穏やかな抗炎症作用を示す成分として、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等が配合されている場合がある。(d)局所麻酔成分 切り傷、擦り傷、かき傷等の創傷面の痛みや、湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫刺され等による皮膚のかゆみを和らげることを目的として、塩酸ジブカイン、リドカイン、アミノ安息香酸エチル、テシットデシチン等の局所麻酔成分が配合されている場合がある。そのほか、皮下の知覚神経に麻痺を起させる成分として、アンモニアが主に虫刺されによるかゆみに用いられる。皮膚刺激性が強いため、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある。(e)抗ヒスタミン成分 湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも虫刺され等による皮膚のかゆみの発生には、生体内の伝達物質であるヒスタミンが関与している。外用薬で用いられる抗ヒスタミン成分は、適用部位の組織に振蕩して、肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑える。 湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫刺され等による一時的かつ部分的な皮膚症状(ほてり・腫れ、かゆみ等)の緩和を目的として、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェニルイミダゾール、塩酸イソチペンジル等の抗ヒスタミン成分が用いられる。いずれも副作用として、患部の腫れが現れることがある。※その化合物の分子内の一部分が変化して生じた化合物
2014年07月16日
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【インドメタシン】 適用部位の皮膚に、腫れ、ヒリヒリ感、熱感、乾燥感が現れることがあるため、皮膚が弱い人がインドメタシン含有の貼付剤を使用する際にはあらかじめ1~2cm角の小片を腕の内側等の皮膚の薄い部位に半日以上貼ってみて、皮膚に異常を生じないことを確認することが推奨されている。【ケトプロフェン】 チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート(いずれも医療用医薬品の有効成分※)またはオキシベンゾン(化粧品や医薬部外品に紫外線吸収材として配合される化合物)の様な物質でアレルギー感作※2された人は、それらと分子の化学構造が類似しているケトプロフェンでもアレルギーを起こす恐れが大きいことから、これらの成分でアレルギー症状(発疹・発赤、かゆみ、かぶれ等)を起こした人については、使用を避けることとされている。 まれに重篤な副作用として、アナフィラキシー様症状、接触性皮膚炎、光線過敏症を生じることがある。紫外線より、使用中または使用後しばらくしてから重篤な光線過敏症が現れることがあるため、ケトプロフェンが配合された外被用薬を使用している間および使用後も当分の間は、天候に関わらず、戸外活動を避けるとともに、日常の外出時も塗布部を衣服、サポーター等で覆い、紫外線に当たるのを避ける必要がある。ただし、ラップフィルム等の通気性の悪いもので覆うことは適当でない。その他の副作用として、腫れ、刺激感、水疱・ただれ、色素沈着、皮膚乾燥が現れることがある。【ピロキシカム】 今のところ重篤なものは知られていないが、光線過敏症の副作用を生じることがあり、野外活動が多い人では、他の抗炎症成分が配合された製品が選択されることが望ましい。このほか、副作用として腫れ、かぶれ、水疱、落屑(らくせつ)(皮膚片の細かい脱落)などが現れることがある。※チアプロフェン酸は内服薬として用いられる非ステロイド性抗炎症成分、スプロフェンは外用薬としてもちられる非ステロイド性抗炎症成分、フェノフィブラートは高脂血症薬(内服)の成分である。※2その物質をアレルゲンとして免疫機構が認識するようになること。
2014年07月14日
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(b)非ステロイド性抗炎症成分 分子内に副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と共通する化学構造を持たず、プロスタグランジンの産生を抑える作用(抗炎症作用)を示す成分を、ステロイド性抗炎症成分に対し、非ステロイド性抗炎症成分という。1)皮膚の炎症によるほてりやかゆみ等の緩和を目的として用いられる成分【ブフェキサマク】 湿疹、皮膚炎、かぶれ、日焼け、あせも等による皮膚症状の緩和を目的として用いられる。まれに重篤な副作用として、接触性皮膚炎を生じることがある。その他の副作用として、腫れ、刺激感(ヒリヒリ感)、光線過敏症、しみ(色素沈着)、皮膚乾燥が現れることがある。【ウフェマナート】末梢組織(患部局所)におけるプロスタグランジンの産生を抑える作用については必ずしも明らかにされておらず、炎症を生じた組織に働いて、細胞膜の安定化、活性酸素の生成抑制などの作用により、抗炎症作用を示すと考えられている。 湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも等による皮膚症状の緩和を目的として用いられる。副作用として、刺激感(ヒリヒリ感)、熱感、乾燥感が現れることがある。2)筋肉痛、関節痛、打撲、捻挫等による鎮痛等を目的としてもちられる成分 非ステロイド性抗炎症成分のうち、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ピロキシカムについては、皮膚の下層にある骨格筋や関節部まで浸透してプロスタグランジンの産生を抑える作用を示し、筋肉痛、関節痛、肩こりに伴う方の痛み、腰痛、腱鞘炎、ひじの痛み(テニス肘等)、打撲、捻挫に用いられる。 これらは過度に使用しても鎮痛効果が増すことはなく、また、その場合の安全性は確認されていないため、塗り薬またはエアゾール剤については1週間当たり50g(または50mL)を超えての使用、貼付剤については連続して2週間以上の使用は避けることとされている製品が多い。いずれも長期連用を避ける必要がある。また、殺菌作用はないため、皮膚感染症に対しては効果が無く、痛みや腫れを鎮めることでかえって皮膚感染が自覚されにくくなる(不顕性化する)おそれがあるため、みずむし、たむし等または化膿している患部への使用は避ける必要がある。 内服で用いられる解熱鎮痛成分と同様、喘息の副作用を引き起こす可能性があるため、喘息を起こしたことがある人では、使用を避ける必要がある。また、吸収された成分の一部が循環血液中に入る可能性があり、妊婦または妊娠していると思われる女性では、胎児への影響※を考慮して、使用を避けることが望ましい。 小児への使用については有効性・安全性が確認されておらず、インドメタシンを主薬とする外皮用薬では、11歳未満の小児(インドメタシン顔料1%の貼付剤では15歳未満の小児)、その他の成分を主薬とする外用鎮痛薬では、15歳未満の小児向けの製品は無い。※インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム等を妊娠末期のラットに経口投与した実験において、胎児に高度~中等度の動脈管の収縮がみられたとの報告がある。
2014年07月14日
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皮膚に用いる薬かゆみ、腫れ、痛みを抑える配合成分1(a)ステロイド性抗炎症成分 副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の持つ抗炎症作用に着目し、それと共通する化学構造を持つ化合物が人工的に合成され、抗炎症成分(ステロイド性抗炎症成分)として用いられる。主なステロイド抗炎症成分としては、デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン等がある。外用の場合はいずれも末梢組織(患部局所)におけるプロスタグランジンなどの炎症を引き起こす物質の産生を抑える作用を示し、特に、かゆみや発赤などの皮膚症状を抑えることを目的として用いられる。 一方、好ましくない作用として末梢組織の免疫機能を低下させる作用も示し、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染(みずむし・たむし等の白癬症、にきび、化膿症状)や持続的な刺激感の副作用が現れることがある。水痘(水ぼうそう)、みずむし、たむし等または化膿している患部については症状を悪化させる恐れがあり、使用を避ける必要がある。 外被用薬で用いられるステロイド性抗炎症成分は、体の一部分に生じた湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫刺され等の一時的な皮膚症状(ほてり・腫れ・かゆみ等)の緩和を目的とするものであり、広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものではない。ステロイド性抗炎症成分をコルチゾンに換算して1gまたは1mL中0.025mgを超えて含有する製品では、特に長期連用を避ける必要がある。短期間の使用であっても、患部が広範囲にわたっている人では、ステロイド性抗炎症成分を含有する医薬品が患部全体に使用されると、ステロイド性抗炎症成分の吸収量が相対的に多くなるt目、適用部位を限る等、過度の使用を避けることが望ましい。
2014年07月13日
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【一般的な創傷への対応】 出血している時は、創傷部に清潔なガーゼやハンカチ等を当てて圧迫し、止血する(5分間程度は圧迫を続ける)。このとき、創傷部を心臓より高くして圧迫すると、止血効果が高い。 火傷(熱傷)の場合は、できるだけ早く、水道水などで熱傷部を冷やすことが重要である。軽度の熱傷であれば、痛みを感じなくなるまで(15~30分間)冷やすことで、症状の悪化を防ぐことができる。冷やした後は、水疱(水ぶくれ)を破らないように※ガーゼ等で軽く覆うと良いとされている。 創傷面が汚れている時には、水道水などきれいな水でよく洗い流し、汚れた手で直接触れないようにすることが望ましい。水洗が不十分で創傷面の内部に汚れが残ったまま、創傷表面を乾燥させるタイプの医薬品が使用されると、内部で雑菌が増殖して化膿することがある。 通常、人間の外被表面には「皮膚常在菌」が存在しており、化膿の原因となる黄色ブドウ球菌、連鎖球菌等の増殖を防いでいる。創傷部に殺菌消毒薬を繰り返し適用すると、皮膚常在菌が殺菌されてしまい、また、殺菌消毒成分により組織修復が妨げられて、かえって治癒しにくくなったり状態を悪化させることがある。 最近では、創傷面に浸出してきた液の中に表皮再生の元になる細胞を活性化させる成分が含まれているため乾燥させない方が早く治癒するという考えも広まってきており、創傷面を乾燥させない絆創膏も販売されている。【受信勧奨】 出血が止まらないまたは著しい場合、患部が広範囲な場合、ひどいやけどの場合には、状態が悪化する恐れがある。特に低温やけどは、表面上は軽症に見えても、組織の損傷が深部に達している場合があり、医師の診療を受けることが望ましい。 また、殺菌消毒成分は全ての細菌やウイルスに対して効果があるわけではなく、5~6日経過して痛みが強くなってくる、または傷の周囲が赤く、化膿しているような場合には、医療機関(外科または皮膚科)を受診することが望ましい。※水疱が破れると、そこから感染を起こして化膿することがある。
2014年07月12日
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(d)塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム これらと同種の成分(溶性界面活性成分)として、セトリミドが配合されている場合もある。いずれも石鹸との混合によって殺菌消毒効果が低下するので、石鹸で洗浄した後に使用する場合には、石鹸を十分に洗い流す必要がある。(e)グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン 一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はない。(f)マーキュロクロム 一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果はない。有機水銀の一種であるが、皮膚浸透性が低く、通常の使用において水銀中毒を生じることはない。ただし、口の周りや口が触れる部位(乳頭等)への使用は避ける必要がある。 ヨードチンキと混合されると不溶性沈殿を生じて殺菌作用が低下するため、ヨードチンキとの同時に使用しないこととされている。(g)エタノール(消毒用エタノール) 手指・皮膚の消毒、器具類の消毒のほか、創傷面の殺菌・消毒にも用いられることがある。皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けるべきとされている。また、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある。(h)その他 イソプロピルメチルフェノール、チモール、フェノール(液状フェノール)、レゾルシンは、細菌や真菌類のたんぱく質を編成させることにより殺菌消毒作用を示し、患部の化膿を防ぐことを目的として用いられる。 レゾルシンについては、角質層を軟化させる作用もあり、にきび用薬やみずむし・たむし用薬などに配合されている場合がある。
2014年07月11日
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皮膚に用いる薬1)きず口等の殺菌消毒成分 殺菌消毒薬は、日常の生活において生じる、比較的小さな切り傷、擦り傷、かき傷等の創傷面の化膿を防止すること、または手指・皮膚の消毒を目的として使用される一般用医薬品である。 殺菌消毒薬のうち、配合成分やその濃度、効能・効果等があらかじめ定められた範囲内である製品については、医薬部外品(きず消毒保護剤等)として製造販売されているが、火傷(熱傷)や化膿した創傷面の消毒、口腔内の殺菌・消毒などを併せて目的とする製品については、医薬品のみ認められている。(a)アクリノール 黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。 比較的刺激性が低く、創傷患部にしみにくい。衣類等に付着すると黄色く着色し、脱色しにくくなることがある。(b)オキシドール(過酸化水素水) 一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。殺菌作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化、および発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しく、また、組織への浸透性も低い。刺激性があるため、目の周りへの使用は避ける必要がある。(c)ヨウ素系殺菌消毒成分 ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下するため、石鹸等との併用する場合には、石鹸分をよく洗い落としてから使用することが望ましい。 外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)やアナフィラキシー様症状のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人※では、使用を避ける必要がある。(1)ポピドンヨード ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれる担体に結合させて水様性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すように工夫されたもの。口腔咽頭薬や含嗽薬として用いられる場合より高濃度で配合されているため、誤って口腔粘膜に適用しないよう注意される必要がある。(2)ヨードチンキ ヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもので、皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要がある。また、化膿している部位では、かえって症状を悪化させる恐れがある。 マーキュロクロム液と混ざると不溶性沈殿を生じて殺菌作用が低下するため、マーキュロクロム液との同時に使用することは避ける必要がある。※医療用の造影剤などにも要素が含まれているものが多いことから、造影剤によるアレルギーがある場合にもヨウ素を含むものの使用は避けることを考慮すべきである。
2014年07月10日
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10.皮膚に用いる薬 外皮用薬は、皮膚表面に生じた創傷や症状、または皮膚の下にある毛根、血管、筋組織、関節等の症状を改善・緩和するため、外用局所に直接適用される医薬品である。 外皮用薬を使用する際には、適用する皮膚表面に汚れや皮脂が多く付着していると有効成分の浸透性が低下するため、患部を清浄してから使用することが重要である(水洗に限らず、清浄綿を用いて患部を清拭する等の方法でも良い)。また、表皮の角質層が柔らかくなることで有効成分が浸透しやすくなることから、入浴後に用いるのが効果的とされる。【剤型による取扱い上の注意】 (1)塗り薬(軟膏剤、クリーム) 薬剤を容器から直接指に取り、患部に塗布した後、また指に取ることを繰り返すと、容器内に雑菌が混入する恐れがある。いったん手の甲などに必要量を取ってから患部に塗布することが望ましい。 また、塗布した後手に薬剤が付着したままにしておくと、薬剤が目や口の粘膜等に触れて刺激感等を生じる恐れがあるため、手についた薬剤を十分に洗い流すことが望ましい。(2)貼付薬、バップ剤 患部やその周囲に汗や汚れ等が付着した状態で貼付すると、有効成分の浸透性が低下するほか、はがれやすくなるため十分な効果が得られない。同じ部位に連続して貼付されると、かぶれ等を生じやすくなる。(3)噴霧剤、エアゾール剤 強い刺激を生じる恐れがあるため、目の周囲や粘膜(口唇等)への使用を避けることとされている。それ以外の部位でも、至近距離から噴霧したり、同じ部位に連続して噴霧すると、凍傷を起こすことがある。使用上の注意に従い、患部から十分話して噴霧し、また、連続して噴霧する時間は3秒以内とすることが望ましい。使用時に振蕩(しんとう)が必要な製品では、容器を振ってから噴霧する。 吸入によりめまいや吐き気等を生じることがあるので、できるだけ吸入しないよう、また、周囲の人にも十分注意して使用する必要がある。【外皮用薬に共通する主な副作用】 局所性の副作用として、適用部位に発疹・発赤、かゆみ等が現れることがある。これらの副作用は、外皮用薬が適用とする症状と区別することが難しい場合があり、外被用薬を一定期間使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続することなく、副作用の可能性も考慮して、専門家に相談されることが重要である。
2014年07月09日
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5)抗菌作用を有する配合成分(a)サルファ剤 細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの可能性の症状の改善を目的として、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等のサルファ剤が用いられる。なお、すべての細菌に対して効果があるというわけではなく、また、ウイルスや真菌の感染に対する効果はないので、3~4日使用しても症状の改善がみられない場合には、眼科専門医の診療を受けることが望ましい。サルファ剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人では、使用を避けることが望ましい。(b)ホウ酸 洗眼薬として用時水に溶解し、結膜脳の洗浄・消毒に用いられる。また、その抗菌作用による防腐効果を期待して、点眼薬の添加物(防腐剤)として配合されていることもある。6)その他の配合成分(無機塩類、ビタミン類、アミノ酸類)と配合目的(a)無機塩類 涙液の主成分はナトリウムやカリウム等の電解質であるため、配合成分として塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が用いられる。(b)ビタミン成分1)ビタミンA(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等) ビタミンAは、視細胞が光を感受する反応に関与していることから、視力調整等の症状を改善する効果を期待して用いられる。2)ビタミンB2(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等) ビタミンB2は、正常な角膜中に存在するビタミン成分で、明暗順応に補酵素として働く。新陳代謝を改善する効果を期待して用いられる。3)ビタミンB5(パンテノール、パントテン酸カルシウム等) ビタミンB5は、自律神経系の伝達物質の産生に重要なビタミン成分であり、目の調節機能の回復を促す効果を期待して用いられる。4)ビタミンB6(塩酸ピリドキシン等) ビタミンB6は、アミノ酸の代謝や神経伝達物質の合成に関与していることから、目の疲れ等の症状を改善する効果を期待して用いられる。5)ビタミンB12(シアノコバラミン等) ビタミンB12は、目の調節機能を助ける作用を期待して用いられる。6)ビタミンE(酢酸トコフェロール等) 末梢血管を拡張させて血流を改善する作用を示し、結膜充血、疲れ目等の症状を改善する効果を期待して用いられる。(c)アミノ酸成分 新陳代謝を促し、目の疲れを改善する効果を期待して、アスパラギン酸軽む、アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸(タウリン)等が配合されている場合がある。
2014年07月08日
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眼科用薬4)目のかゆみを抑える配合成分(a)抗ヒスタミン成分 アレルギーによる目のかゆみの発生には、生体内の伝達物質であるヒスタミンが関与している。また、結膜に炎症を生じたような場合も、眼粘膜が刺激に対して敏感になり、肥満細胞からヒスタミンが遊離してかゆみの症状を生じやすくなる。 ヒスタミンの働きを抑えることにより、目のかゆみを和らげることを目的として、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。鼻炎用点鼻薬と併用した場合には、眠気が現れることがあるため、乗物または機械類の運転操作を避ける必要がある。(b)抗アレルギー成分 クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵)等による目のアレルギー症状(結膜充血、かゆみ、流涙、異物感)の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。 アレルギー性でない結膜炎等に対しては無効であり、アレルギーによる症状か他の原因による症状がはっきりしない人(特に、片方の目だけに症状がみられる場合や、目の症状のみで鼻には症状がみられない場合、視力の低下を伴うような場合)では、使用する前にその適否につき、専門家に相談する等、慎重な考慮がなされることが望ましい。2日間使用して症状の改善がみられないような場合にも、アレルギー以外の原因による可能性が考えられる。 点眼薬の配合成分として使用された場合であっても、まれに重篤な副作用としてアナフィラキシー様症状を生じることがある。
2014年07月07日
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眼科用薬1)目の調節機能を改善する配合成分 自律神経系の伝達物質であるアセチルコリンは、水晶体の周りを囲んでいる毛様体に作用して、目の調節機能に関与している。目を酷使すると、アセチルコリンを分解する酵素(コリンエステラーゼ)の働きが活発になり、目の調節機能が低下し、目の疲れやかすみといった症状を生じる。 メチル硫酸ネオスチグミンは、コリンエステラーゼの働きを抑える作用を示し、毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する効果を目的として用いられる。2)目の充血、炎症を抑える配合成分(a)アドレナリン作動成分 結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を除去する事を目的として、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン等のアドレナリン作動成分が配合されている場合がある。 緑内障と診断された人では、眼圧の上昇を招き、緑内障を悪化させたり、その治療を妨げる恐れがあるため、使用前にその適否につき、治療を行っている医師または処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。 連用または頻回に使用すると、異常なまぶしさを感じたり、かえって充血を招くことがある。また、長引く目の充血症状は、目以外の異変を含む、重大な疾患による可能性も考えられるため、5~6日間使用して症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続することなく、医療機関(眼科)を受診する必要性を含め、専門家に相談がなされることが望ましい。(b)抗炎症成分(1)塩化リゾチーム、グリチルリチン酸二カリウム 比較的緩和な抗炎症作用を示す成分として、塩化リゾチーム、やグリチルリチン酸二カリウムが用いられる。ベルベリンによる抗炎症作用を期待して、硫酸ベルベリンが配合されている場合がある。 塩化リゾチームについては、点眼薬の配合成分として使用された場合であっても、まれにショック(アナフィラキシー)のような全身性の重大な副作用を生じることがある。塩化リゾチームが配合された医薬品や鶏卵によるアレルギー症状を起こしたことがある人では、使用を避ける必要がある。(2)イプシロンーアミノカプロン酸 炎症物質の生成を抑える作用を示し、目の炎症を改善する効果を期待して用いられる。(3)組織修復成分 炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)やアラントインが配合されている場合がある。(4)収斂成分 眼粘膜のたんぱく質と結合して被膜を形成し、外部の刺激から保護する作用を期待して、硫酸亜鉛が配合されている場合がある。3)目の乾きを改善する配合成分 結膜や角膜の乾燥を防ぐことを期待して、コンドロイチン硫酸ナトリウムが用いられる。同様の効果を期待して、ヒオロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール(部分鹸化剤けんかざい)が配合されている場合がある。ヒアルロン酸ナトリウムは、有効成分としてではなく添加物(粘ちょう化剤)として用いられ、コンドロイチン硫酸ナトリウムと結合することにより、その粘ちょう性を高める。
2014年07月06日
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眼科用薬【相互作用】 医師から処方された点眼薬を使用している場合には、一般用医薬品の点眼薬を併用すると、治療中の疾患に悪影響を生じることがあり、また、目のかすみや充血等の症状が、治療中の疾患に起因する可能性や、処方された薬剤の副作用である可能性も考えられる。医師の治療を受けている人では、一般用医薬品の点眼薬お使用する前に、その適否につき、治療を行っている医師または処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。【受信勧奨】 一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の症状を改善できるものは無く、目のかすみが緑内障による症状であった場合には効果が期待できないばかりでなく、配合されている成分によっては、緑内障の悪化につながるおそれがある場合がある。 また、目の痛みが激しい場合には、急性緑内障、角膜潰瘍、眼球への外傷等を生じている可能性があり、その場合、速やかに眼科専門医による適切な処置が施されなければ、視力障害等の後遺症を生じる恐れがある。 眼の症状には、視力の異常、目(眼球、眼瞼等)の外観の変化、目の感覚の変化等がある。これらの症状が現れた時、目そのものが原因であることが多いが、目以外の病気による可能性もあり、特に脳が原因であることが多く知られている。 眼に何らかの異常が現れた時は、専門家に相談し、判断を仰ぎ適切な対応に従うことが重要である。
2014年07月05日
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9.眼科用薬 眼の不調は、一般的に自覚されるものとして、目の疲れやかすみ、かゆみなどがある。眼科用薬は、これらの症状の緩和を目的として、結膜嚢(けつまくのう、結膜で覆われた眼瞼(まぶた)の内側と眼球の間の空間)に適用する外用薬(点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液)である。なお、コンタクトレンズ装着液については、配合成分としてあらかじめ定められた範囲内の成分※のみを含む等の基準に当てはまる製品については、医薬部外品として認められている。 一般用医薬品の点眼薬は、その主たる配合成分から、人工涙液、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、アレルギー用点眼薬に大別される。 人工涙液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。一般用点眼薬は、目の疲れやかゆみ、結膜充血等の症状を抑える成分が配合されているものである。アレルギー用点眼薬は、花粉、ハウスダスト等のアレルゲンによる目のアレルギー症状(流涙、目のかゆみ、結膜充血等)の緩和を目的とし、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が配合されているものである。抗菌性点眼薬は、抗菌成分が配合され、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)等に用いられるものである。 洗眼薬は、目の洗浄、眼病予防(水泳の後、ほこりや汗が目に入った時等)に用いられるもので、主な配合成分として涙液成分のほか、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分等が用いられる。 【点眼薬における一般的な注意】 (1)点眼方法 点眼薬は、結膜嚢に適用するものであるため、通常、無菌的に製造されている。点眼の際に容器の先端が眼瞼(まぶと)や睫毛(しょうもう)(まつげのこと)に触れると、雑菌が薬液に混入して汚染を生じる原因となるため、触れないように注意しながら1滴ずつ正確に点眼する。 1滴の薬液の量は薬50マイクロリットルであるのに対して、結膜嚢の容積は30マイクロリットル程度とされており、一度に何滴も点眼しても効果が増すわけではなく、むしろ鼻粘膜や喉から吸収されて、副作用を起こしやすくなる。 点眼後は、数秒間、眼瞼(まぶた)を閉じて、薬液を結膜嚢(のう)内にいき渡らせる。その際、目頭を軽く抑えると、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされる。 (2)保管および取扱い上の注意 別の人が使用している点眼薬は、容器の先端が睫毛(まつげ)等に触れる等して中身が汚染されている可能性があり、共用することは避けることとされている。 また、点眼薬の容器に記載されている使用期限は、未開封の状態におけるものであり、容器が開封されてから長期間を経過した製品は、使用を避けることが望ましい。 (3)コンタクトレンズ使用時の点眼法 コンタクトレンズをしたままでの点眼は、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズに関わらず、添付文書に使用可能と記載されてない限り行わないことが望ましい。 通常、ソフトコンタクトレンズは水分を含みやすく、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸ナトリウム等)などの配合成分がレンズに吸着されて、角膜に障害を引き起こす原因となるおそれがあるため、装着したままの点眼は避けることとされている製品が多い。ただし、1回使い切りタイプとして防腐剤を含まない製品では、ソフトコンタクトレンズ装着時にも使用できるものがある。 ※アスパラギン酸カリウム、アミノエチルスルホン酸、塩化ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルポロリドン
2014年07月04日
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鼻に用いる薬2)相互作用、受診勧奨【相互作用】 アドレナリン作動成分は、鎮咳去痰薬に気管支拡張成分として配合されているほか、外用痔疾用薬に止血成分として配合されていたり、点眼薬にも結膜の充血を取り除く目的で配合されている場合もある。また、抗ヒスタミン成分は、かぜ薬の鼻汁止めや睡眠改善薬または乗り物酔い防止薬の成分としても配合されている。これらの医薬品との併用がなされた場合、同種の作用を有する成分が重複し、効き目が強すぎたり、副作用が現れやすくなる恐れがある。【受診勧奨】 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性アレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎であり、蓄膿症などの慢性のものは対象となっていない。鼻炎用点鼻薬には、それらの症状を緩和する働きはあるが、その原因そのものを取り除くわけではない。また、アドレナリン作動成分のように、鼻以外の器官や臓器に影響を及ぼす恐れがある成分も配合されていることから、長期連用は避けることとされており、3日くらい使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せずに医療機関(耳鼻科)を受診することが望ましい。 かぜ症候群等に伴う鼻炎症状の場合、鼻炎が続くことで副鼻腔炎や中耳炎などにつながることもあるため、そのような症状の徴候に対しても注意を払うとともに、中耳炎が発生した場合などは医療機関を受診することが望ましい。 鼻粘膜が腫れてポリープ(耳茸(みみたけ))となっている場合には、一般用医薬品により対処を図ることが適当でなく、医療機関における治療(ステロイド性抗炎症成分を含む点鼻薬の処方等)が必要となる。
2014年07月03日
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鼻に用いる薬1)代表的な配合成分、主な副作用(a)アドレナリン作動成分 交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン等のアドレナリン作動成分が用いられる。アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。 点鼻薬は局所(鼻腔内)に適用されるものであるが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがある。(b)抗ヒスタミン成分 アレルギー性鼻炎の発生には、生体内の伝達物質であるヒスタミンが関与している。また、急性鼻炎の場合も、鼻粘膜が刺激に対して敏感になることから、肥満細胞からヒスタミンが遊離してくしゃみや鼻汁等の症状を生じやすくなる。 ヒスタミンの働きを抑えることにより、それらの症状の緩和することを目的として、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。(c)ヒスタミンの遊離を抑える成分(抗アレルギー成分) クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。 アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効であり、アレルギーによる症状化他の原因による症状かはっきりしない人では、使用する前にその適否につき、専門家に相談する等、慎重な考慮がなされることが望ましい。3日間使用して症状の改善がみられないような場合には、アレルギー以外の原因による可能性が考えられる。 医療機関において減感作療法等のアレルギーの治療を受けている人では、その妨げとなるおそれがあるので、使用前に治療を行っている医師または処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。 まれに重篤な副作用としてアナフィラキシー様症状を生じることがある。その他の副作用として、鼻出血や頭痛が現れることがある。 なお、症状の改善がみられた場合であっても、2週間を超えて使用した場合の有効性、安全性に関する科学的データは限らられていること※、また、鼻アレルギーの要因に対する改善策(花粉、ハウスダスト等のアレルゲンの除去・回避)を講じることも重要であることから、使用の適否につき専門家に相談しながら慎重な判断がなされることが望ましい。(d)局所麻酔成分 鼻粘膜の透過性や痛みやかゆみを抑えることを目的として、リドカイン、塩酸リドカイン等の局所麻酔成分が配合されている場合がある。(e)殺菌消毒成分 鼻粘膜を清潔に保ち、細菌による二次感染を防止することを目的として、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムのような殺菌消毒成分が配合されている場合がある。いずれも溶性海面活性成分で、黄色ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌またはカンジタ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示す。結核菌やウイルスには効果がない。(f)抗炎症成分 鼻粘膜の炎症を和らげることを目的として、グリチルリチン酸二カリウムが配合されている場合がある。※連用に伴って、他の配合成分(特にアドレナリン作動成分)による影響が生じることも考えられる。
2014年07月02日
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8.鼻に用いる薬 急性鼻炎は、鼻腔内に付着したウイルスや細胞が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で、かぜの随伴症状として現れることが多い。アレルギー性鼻炎は、ハウスダストや花粉等のアレルゲンに対する過敏反応によって引き起こされる鼻粘膜の炎症で、スギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるものは一般に「花粉症」と呼ばれる。副鼻腔炎は、こうした鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもので、慢性のものは一般に「蓄膿症」と呼ばれる。 鼻炎用点鼻薬は、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎または副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻水(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重(頭が重い)の緩和を目的として、鼻腔内に適用される外用液剤である。鼻炎用内服薬との主な違いとしては、鼻粘膜の充血を和らげる成分(アドレナリン作動成分)が主体となり、抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を組み合わせて配合されていても、それらは鼻腔内における局所的な作用を目的とし、外用痔疾用薬や外皮用薬で配合されている場合と同様である。 剤形はスプレー式で鼻腔内に噴霧するものが多いが、小児向けの商品には液剤を綿棒で塗布するタイプもある。[スプレー式鼻炎用点鼻薬に関する一般的な注意事項] 噴霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので、使用前に鼻をよく噛んでおくことのほか、使用後には鼻に接した部分を清潔なティシュペーパー等でふき、必ずキャップを閉めた状態で保管し清潔に保っておく必要がある。また、汚染を防ぐために容器はなるべく直接鼻に触れないようにするほか、他人と点鼻薬を共有しないようにする必要がある。
2014年07月01日
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