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智子、「それにしても、凄いよね~~。宇龍ちゃん。いつも、あんなに沢山準備してるのに、今日は、それでも完売。」籐の箱を今度は両腕で抱き締めるようにしながら…。宇龍を見て小埜瀬を見て。小埜瀬、その話を聞きながらピラフを盛り付けたお皿を持ちながらテーブルに。かしわださん家のキッチンは広く作られている。そもそも、シャアハウスにしようと考えて智子がリフォームを決意したのだった。そして…。何と言っても、もし、この時点で他の住人がキッチンに入って来ようものなら、いきなり宇龍に食事のオーダーがその住人からも入る。そして宇龍は、そのオーダーを決して拒んだりはせずに、むしろ笑いながら受けている。キッチンの中、それも奥の方に…。そこが宇龍専用のスペースがある。空になっているはずのケースやらなにやらを運び、「そうなのよ~~。今日…、何かの日…なのかしらね~~???」その声に智子、顔を傾げて、「さぁ。私はいつも通りに、部屋で連載書いてるから、外の様子までは…。」小埜瀬、椅子に座り、お皿をテーブルに。そして両手を合わせて、「いただきます。」智子、「ふ~~ん~~。何なのかしらね、今日…。」そこまで言って智子、宇龍に、「ねね、宇龍ちゃん。今さっきね~~。」思わずキッチンの方に体を寄せながら、そして小埜瀬の方を見て、「小埜瀬さんにさ。」瞬間、小埜瀬、智子を見て目を真ん丸に。智子、「小埜瀬さんが最初に来た日に一緒だった女性の人、私、てっきり彼女さんだと思ってたんだけど…。」口を尖らせながら顔を傾げて、「でも、違うんだって~~。」荷物の整理が終わって、両手をパンパンと宇龍、「さ~~てと、ちょっと、明日の準備ね~~。あ~~。うん。この間の女性の人でしょ。うん、…でも、あれは小埜瀬さんの彼女さんじゃないわねぇ。」サラリと。そして、智子を見て、「すぐに分かったわよ。仕事の関係者ねって。だって、全然、色気、感じなかったから。」またまたサラリと宇龍。「ただ、物凄い奇麗な女の人って事だけは分かったけど…。…でも、あの人、元々男性には興味がないんじゃない…???…小埜瀬さんに手伝っている割には、何とも近寄り難いって…。」その声にいきなり小埜瀬、「ぶっ。」宇龍、蛇口に指を、水で手を洗いながら、「男の人には全く、不慣れって感じ、受けたけど…。」またまたサラリと…。目をパチクリと智子、「へぇ~~~~。あんな、ちょっとした時間で、そこまで…???」宇龍、智子を見て、「えぇ。私にはそう感じた~~。」小埜瀬を見ずに、「そうなんじゃないの…???」智子、キョトンとした顔で、「そお…、なんだ。」そして智子、ニコリとさせて、「さすがは宇龍ちゃん。またひとつ、ヒント頂きました~~。」体をくねらせながら左人差し指でチョンチョンと。「サンキュ~~。」その声に宇龍、両手をタオルで拭きながらも、執事のような格好で右手をお腹に。「これは、これは、もったいないお言葉、頂戴いたしました~~。マダム、柏田。」そして、ニコリと。智子、小埜瀬に、「やっぱり、彼女さんじゃないのね~~。」そんな智子に小埜瀬、ニコニコと、「はい。違います。…と、言うか、僕、彼女とあんなに長い時間、一緒にいたのって、初めてなんです。」その声に宇龍、目を丸く、そしてチラリと。そしてニコリと。智子、小埜瀬の声に目を真ん丸に、「うそ。」そして、「えぇ…???」いきなり小埜瀬に前のめりするように、「そうだったの…???」小埜瀬、キョトンと。「あ、はい。元々は、彼女ともうひとりの人が来る予定だったんですけど、ドタキャンで…。結局、日常品やらなにやら、独り暮らしで準備する物を選んでくれて…。実際、僕は、今まで海外だったので、荷物はなくって…。」智子、小埜瀬の話を聞きながらに、頷きながら、「へぇ~~~。そうだったんだ~~~。あの日が、あの女性とは、初めての長い日~~。」食べながら小埜瀬、顔をコクリと。「えぇ。そうなります。」智子、口を窄めて、そして左人差し指を口に、「ふ~~~ん~~。そういう事…。」けれども、「えっ…???…今まで、海外…???」そしてまたまた目を真ん丸に。「わ~~お~~。凄いわね~~。」ニタリと。小埜瀬、スプーンにピラフを。「主にインテリア関係で…。」「インテリア関係…。」宇龍も準備しながら目を小埜瀬にチラリと。そして、頭の中で、「…海外…。」小埜瀬、「フリーのカメラマンって言うんですかね~~。フリーターです。自分で言うのも変なんですけど…。そんな風に、言うしか…ないですけどね~~。」智子、今度はその辺の椅子を取り、座りながらに。籐の箱を今度は左腕で脇に抱え込むように。 好きになれない。 vol,187. 智子、宇龍に、「ねね、宇龍ちゃん。今さっきね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.03.05
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小埜瀬、フライパンを扱いながらも、「えぇ~~。ま、簡単なものですけどね~~。今迄の生活とは、訳が違いますから~~。何とか、これからは自分で…。」智子、いつもの和風ジプシーの恰好で、お洒落なお菓子箱程度の大きさの籐の籠を両手で持ちながら、ニコニコとしながらも、「あはは~~ん。そぉ~~???…でも、彼女さんにも、たまには作ってもらうんでしょう~~。」その声に小埜瀬、チラリと智子を見て、「えへ…???」そして、右手をヒラヒラと、「いえいえいえ。そんな…。滅相もない。」恐縮するように…。そんな小埜瀬に智子、口を尖らせたように、「あら。どうして~~。」僅かばかり、小埜瀬に擦り寄るような感じで…。そんな智子に小埜瀬、ニコニコと、「僕には、その…。彼女さん…。…そういう女性…、おりませんから。」いきなり智子、口に右手を当て、「あら。…まぁ~~~。そうだったの~~???…て~っきり私~~。あの…、女性の方、小埜瀬さんの彼女さんだとばかり、思ってたのに~~。ほら、この前、小埜瀬さんと、ここに入居する最初の日に…。いろいろと小埜瀬さんにお手伝いなさっていた方。とても奇麗~~ぃだと思ったのに~~。ふふふん~~???」その声に小埜瀬、照れるように、まだ炒め物をしながらも、目の前で左手を左右に振りながら、「いえいえいえ。あの方は…、とんでも…。私なんかとは…。」「えっ…???」智子、思わずびっくりしたような表情で、瞬きをして、「あら。そうなの~~。」そして右手を口に。目をキョトンと。「あら、んまぁ~~私、て~~っきり、お似合い~~。彼女さんかと思っちゃったわよ~~。」ニコニコと。そして小埜瀬に笑いながら右手をクイッと。「ハッハハハ。うんうんうん。」小埜瀬に左肩を吊り上げるようにして、「な~~んて、思っちゃったわよ~~。ハハハハハ。」そして、口を尖らせて、小埜瀬を真ん丸の目を横目に…。けれども、いきなり、ソッポを向くように、「な~~んだ。つまんな~~い。」右目を歪めて。そして、小埜瀬に、「ふん。」そんなつっけんどんな智子に思わず小埜瀬、僅かに体を右に。「えっ…???」そして小埜瀬、何かしら申し訳なさそうに…。僅かに顔を傾げて、「あはははは。…いや。…あ、はい。…すみません。」すると智子、小埜瀬の傍から立ち去ろうする…、かの、ように見せ掛けて~~。いきなり、「な~~んてね~~。」右手を招き猫。そして、意地悪そうな顔をして、「ははははは。まっ。いろいろとあるますわよね~~。しっかりやんなさ~~い。」そして、右手で投げキッス。「うふ~~ん。」色気を仄めかすように…。そして…。キッチンを出ていく…。いきなり智子、「お~~~っと~~。」「あぁぁぁぁ。ごめんなさい。智子さん。」男性。智子、「あら、宇龍(うりゅう)ちゃん、お帰り~~。えっ…???…今の時間って、まだお店…。」その声に宇龍、「いやいやいや。今日は店じまいです。なんとも、いつもより3時間も早く、完売。何だか、客の入りがいつもとは違うのよ~~。」そんな宇龍に智子、「へぇ~~~。そぅなんだ~~。」宇龍、「うぅ~~ん。芳(かおる)とふたりでびっくりして~~。早じまいで…。お客様にも謝って来ちゃったわよ~~。何だったのかしら、あれって~~。芳とふたりで、なんなの…って。」「へぇ~~ぇえ~~。」そんな宇龍、料理中のひとりの男性に、「あら~~。確か…。小埜瀬さんって言ったかしら。」ようやくフライパンからお皿に盛り付けようとしている小埜瀬、男性を見て、「あ、はい。あ~。こんにちは。」そして、フライパンを戻して、姿勢を正して男性に丁寧にお辞儀をして、「おかえりなさい。」そんな小埜瀬に宇龍、両腕で荷物を抱えながらも、ニコニコ、「あら、やだ。そんな他人行儀な~~。普段と変わらず、お帰り。だけでいいじゃな~~い。ふふ。」そんな宇龍に小埜瀬、思わず照れ臭そうに、「あ、あ~~。はは。はい。ありがとうございます。」宇龍、小埜瀬の作った料理を見て、「あら、美味しそうねぇ~~。ピラフねぇ~~。ふふ。」そして、作り上げたピラフを見て、「う~~ん。中々どうして~~。美味しそうじゃな~~い~~。うん。いい匂い、させてくれてるわよ。」小埜瀬にニッコリと。ロングヘァを後ろで束ねている。そして、薄い化粧。エクステも付けているようではあるが、それほど目立たない。ナチュラルな感じ。目鼻立ちもクッキリとしている。殆ど…、周囲から見ても、男性も恋人にしたくなるような色気がある。名前を八重柴宇龍(やえしばうりゅう)、かしわださん家の住人。キッチンカーの男性である。そして…、LGBT。 好きになれない。 vol,186. 小埜瀬、フライパンを扱いながらも…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.03.04
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何気に…。他のメンバーたちと違って、メンバーのチーフ的存在の優維香。まだ新人扱いの小埜瀬に対しても、あれこれと面倒見が良い。メンバーが小埜瀬に対して、まだまだ気さくには声を掛けられない事を察しての優維香、小埜瀬の歓迎会の時から小埜瀬には自分の方から…。…と、言うより、そうしなければ自分の気持ちがしっくりと来なかった。と、言う事でもあるのだが、実に。スタッフコレクションでの小埜瀬から受けた衝撃的なインパクトも、他のメンバーよりはいち早く抜けての小埜瀬に馴染んでいた。それを見逃さなかったのが、優維香と小埜瀬の事を、歓迎会の時になにやら気にし始めた亘夢や友也以上に、優維香の補佐役となったのが悠里と瑛子、そして阿寿沙の3人。チーフとリーダーと言う立場上であろうがなかろうが、この3人だけは、結束よろしく、と言う意味もあるが、優維香と小埜瀬をギクシャクとさせたくもなかったのだった。歓迎会から1週間が過ぎて。そして更にまた1週間。そして、その頃からの小埜瀬の独自の行動が、出始めたのでもあった。けれども、その間、徐々に優維香と小埜瀬のバランスも整い始めては来ていた。時期的には早いような感じにもするが、されど、その早さがトラディショナル事業部の団結力でもあったのだった。そして、さすがに、自分勝手に外に出掛けて行く小埜瀬に対して、その都度、「自分勝手過ぎる。幾ら海外で今迄って言ったって、ここは日本。そんな勝手に。」とは、言いながらも、小埜瀬が部署に戻って、イメージしてきたデザインを知ると、ある種の怒り心頭にも似た感情も、優維香、そのデザインには敬意を表するしかないのだった。その度に優維香、膨れっ面をしながらも、「んもぅ~~。…ん~~。けど…。」小埜瀬のイメージしたデザインは、凡そデッサンでしかなかった。実質、小埜瀬が本気になれば、しっかりと形にしたものが完成すると、いうものでも、あったが、逆に、小埜瀬自身、そこまではすると言う姿勢はまずなかった。それが、以前のスタッフコレクションで感じたここ、ジョエル、トラディショナル事業部の力だと、本人としては、敬意を払ってもいたのだった。そして、そのスタッフコレクションでの、メンバーの中での立役者が、柿崎優維香。で、ある事を小埜瀬自身も、認めてもいたのだった。そんな中でのリッツカルバンからのサンプルと言う形での提案を受けてのトラディショナル事業部。メンバーたち、かなりのナーバスな中で小埜瀬。簡単にも、「ふ~~ん。…んじゃ、こんな感じ。」と、頭の中に思い付いたイメージをデッサンして優維香に、「チーフ殿、後はよろしく。」そして、優維香、そのデッサンを元に、完成させたモデルが…、小埜瀬も、ニコニコと、「お見事。」そして、偶然なのかは分からないが、そのデザインのモデルがリッツカルバンアメリカ本社の支配人、ジョゼフ・マックロードに見染められたのだった。しかも、本人が、特に予期せずに座った椅子に。座った瞬間に、今までの気持ちがス~~ッと、引いていくような感覚に吸い寄せられたと言う。そして、その椅子から立ち上がるのに、少し、時間が掛かったというのだから、周囲も驚きを隠せなかった…、らしい。そして、「是非、この感覚を、私の知る限りの人たちに届けたい。」と…。そして…、優維香、仕事をしながらも、小埜瀬からこういう事も聞いていた。優維香、「リーダー、シェアハウスに…。あれこれと日用品、どうしてるんですか~~???」優維香としては、何気に。そして、小埜瀬から返ってきた言葉が…。小埜瀬、「あ~~。それなら向こうに移る最初の日に、弓さんと一緒に買い物して整っちゃいました。」…と、平然に。それを周りで聞いていた悠里と瑛子、阿寿沙も、小埜瀬を見て、「えっ…???」それからである。4人の頭の中で、「…やっぱり、リーダー、賀寿恵さんと…。」と言う、僅かばかりの疑惑が…。そして…、それが、今回のビッグニュースに、またしても、4人には、ある程度の冷めた感じが…。そんな優維香、僅かに口を捻じ曲げながらも、「はいはい。」…けれども、そんな優維香を見ながらの悠里、そして瑛子や阿寿沙に至っても…。優維香に対しては、何とか落ち着けての、「ドンマイ、ドンマイ。」と、声に。そして、3人同様に思わず小さく、両脇に二の腕をピッタリとくっつけての、「ガッツ、ガッツ。」…とは、言え、当の優維香は、そんな姿を見ても、口を捻じ曲げて、「ふん。…何がドンマイ、何がガッツ。…んもぅ~~。…ったく~~。好きになれない~~。」な、優維香ではあった。そして…。当の小埜瀬は…。かしわださん家にて。夕食の準備。智子、「あら~~、小埜瀬さん、料理~~???」 好きになれない。 vol,184. 悠里と瑛子、そして阿寿沙の3人。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.03.03
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歓喜に包まれているトラディショナル事業部。真宮、池辺に、「そのマネージャー。つまりは、リッツカルバン・インターナショナル・ホテルの支配人だそうだ。…で、お決まりの順番で、今回は日本本社の視察で、他の傘下のホテルのマネージャーたちも視察に訪れていたそうなんだ。」池辺、「うん。」そこで真宮、「あれ…???リーダー、小埜瀬…、いないけど…。」あちらこちらに首を伸ばして。そんな真宮に池辺、「あん。いつものように、お出掛け~~~。」そして池辺、クスクスと笑いながら、「そんなリーダーにおつむを悩ませているひとが~~。今回の~~、当事者~~。かかかか。」その話に真宮、両脇に両手を。そして腕組みをして、「まぁな。最近じゃ、結構、ひとりで外に出て。」池辺も、「う~~~ん。…いっつも、いっつも、勝手にひとりで~~って、気に病んではおりますが~~。」真宮、可笑しがりながら、「かかかか。優維香~~。」「まっ。でも…。それでもリーダーの発想と、優維香のセンスが合致しての、今回の受注~~。ま。もしかして…、あのふたり、中々、良いコンビ、かも、知れないかな~~。」そこまで言って池辺、「まっ。ただ、優維香とリーダーを他のメンバーから言わせれば、犬と猿。って事にも、なりそうだけど…。」真宮、「かかかかか。犬猿って…。そこまで言う…???」「あ。でも…。小野瀬さん、椅子に座っているときは…。その時は、優維香、何も言わないけど…。外に出ると途端に、顔、変わるんだから…。それが、可笑しくって…。膨れっ面~~~。」真宮、「かかかかか。まっ。…で…。」池辺、「うんうんうん。」「そのマネージャー、何て言ったと思う…???」その声に池辺、「うん…???」真宮を見て。真宮、顔はそのままで池辺に、「座った瞬間に、体がス~~ッと。疲れが抜けて、心地よく…。それでいて…。リラックス。…しかも…、同時に、目の前に、食べたい料理が…。まっ。その人、その人…かも、知れないが…。頭に浮かんだ料理が目の前に出て来たんだと。」池辺、瞬間、真宮を見て、「えへ…???…嘘。」「いやいやいや。俺には分かんないよ。…でも、その声が、ある意味、伝染したのかどうかは…。…けど、その声に釣られて、他の人も、同じように。そうしたら、うんうんうん。なるほど~~ってなって~~。…まっ。その、鶴の一声が…。」池辺、話を聞いて、「へぇ~~ぇえ~~。」「まっ。リッツカルバン・インターナショナル・ホテルの支配人ともなれば…、本拠地のホテルの支配人、傘下の支配人にも、正に、雲の上の人。」「へぇ~~ぇえ~~。そぅ…、なんだ。」「社長に言わせれば、当然。でかした。…ってぇ~~事に、なる訳。」池辺、こちらも腕組みしながらも、「いやいやいや。いやいやいやいや。何ともまぁ~~。」真宮、ニッコリとして、顔を傾げて、「やってくれますね~~。」メンバーたちに絶賛されている中での優維香、辺りを見ながらもまだ帰ってない小埜瀬に、スマホで、「んもぅ~~。こういう時にも、いないし~~。」悠里も瑛子も阿寿沙も、「ふふ~~ん、旦那に電話でもすれば~~~。」つまりは、ここ数週間、小埜瀬にイライラしながらも優維香、常に小埜瀬とのコンビネーションは充実、しては、いたのだった。優維香、ラインから小埜瀬に。…けれども、幾らコールしても…、相手は…。いい加減に発信を…。「ハロ~~~。」の声。開口一番。優維香、「リーダ~~~???」聞こえてくる小埜瀬の声、「はいは~~~い。」「今、何処ですか~~、んもぅ~~~~、大事な話があるんですけど~~。」その声に小埜瀬、「大事な話…???」「あのですねぇ。」優維香。こちらは噴水のある公園をトツトツと散歩がてらに歩きながらも優維香の話を聞いて、「あ~~~、はいはいはい。その話なら、社長と弓さんから電話があって。」いきなり優維香、「社長と弓さん…???」「あ、えぇ~~。お話、伺っております。」思わず優維香、その声に目をパチクリと。そんな優維香を見ての悠里と瑛子、そして阿寿沙。「どしたの…???優維香…???」優維香、まだ目をパチクリと。そして…、「もぅ…、社長と弓さんから、話、聞いてるって…。」その声に悠里も瑛子も阿寿沙も、「うそ。」途端に優維香、テンションが…。悠里も瑛子も阿寿沙も、思わず、「あ、あ、あ~~~。」優維香、こころなしか自分が最初に小埜瀬に連絡したものと…。優維香、まだ切ってない通話に、「あ。あ、あ、は~~い。そうだったんですか。いえ…。それなら分かりました~~。…とにかく、急いで戻ってきてくださ~~。」小埜瀬の声、「了~~解~~ぃ。」少し…、冷めた感じの、悠里と瑛子、そして阿寿沙。「優維香~~~。」 好きになれない。 vol,183. 歓喜に包まれているトラディショナル事業部。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.03.02
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佐津香たち、小埜瀬の自宅に…。そして…。「ヨイショッと。ふ~~~~。」「いやいやいや。」「とにかく、起きないよね~~。」佐津香、順平、そして菜帆子。佐津香、押し入れから布団を。そして、「はい。行くよ。」「ほぃ。」「ヨッと。」無事、小埜瀬を布団の中に。順平、「ふ~~~。…で…、これで朝には、また。」菜帆子、可笑しがりながら、「くく。…でしょうね~~。はっ…???…なんで…???」佐津香も、「まぁ~ねぇ~~。」「…ってか、佐津香さん。」思わず可笑しがりながら、「亡くなったご主人。」その声に佐津香、菜帆子を見て、「う~~ん~~???…あは。」佐津香、思い出したように、「ふん。確かにね~~~。」順平、その話に、「あ~~~。俺も以前、聞いたこと、あります。酒は飲むけど、後が…。」佐津香も、「ん~~~。何でだろうね~~。家でお酒飲んでも一切、何でもないのに、いざ、外で飲んでくると~~。その度に、玄関でバタンキュ~~。お蔭で、私も優維香も、リビングまで運んで~~。…で、朝まで起きない。…でも、朝には隣でしっかりと、寝てる~~。…で、自分で、何で俺、ベッドで寝てんの…???…だも~~ん。…って、家までどうやって帰って来たのか…さえも、覚えてない。…まぁね。そんな旦那だったけど…、社会人野球、打ち込んで。しかも…、家族サービスには物凄かったし。私の仕事に、挿絵の仕事。理解はあったね~~。」そして佐津香、「かかかか。それに~~、まま。料理好きとくれば~~。」菜帆子、ニッコリと、「うん。言う事なし。しかも…、煙草は吸わない。」「まっ。吸う奴の気が知れないってのが、持論だったから。若くしておじいちゃんみたいになっても、優維香も優維香で、大きくなったらパパみたいになるぅ~~って、旦那の頭をナデナデして。」順平、笑顔で、「へぇ~~~。」「さてと。」佐津香、「帰っか。」菜帆子、コクリと。「うん。」順平、「ですね~~。」佐津香、「あ、順平、彼女とは…???」その声に順平、「うん…???…はは。その後も、変わりなく。」ニッコリと。佐津香もニッコリと、「了解。」3人、玄関に…。そして菜帆子、「何だか、課長~~。佐津香さん、亡くなった旦那さんに…、似てない…???」その声に順平、菜帆子と佐津香を見て、「ふん…???」佐津香、そんな菜帆子に、顔を左右に気小刻みに振りながら、「いやいやいやいや。全然。全然。」そんな佐津香を見て菜帆子、「ふん…???…ふ~~ん。」鍵を掛けながら、「でもさ。どうしても…、匂いって、気になるよね。しかも…。何の匂い…???…もしかして…、香水…???」順平、その話だけには顔を傾げて、「う~~ん~~。」佐津香も同様に、「さぁ~~てね~~。」僅かに記憶を辿る佐津香…。凡そ1時間前…。いつものようにレジで…。けれども、その時にはまだ…。そして…、順平と夜空を見上げながらの小埜瀬。そのすぐ傍を菜帆子と共に通り過ぎる佐津香。その瞬間だった。また小埜瀬の体が…。そこで佐津香が、「んもぅ~~。また~~。」と、始まったのだった。しかも…、何とも気持ちの良い顔で…。インテリアショップ・ジョエル。ここにきて、ようやく、スタッフの余韻が…。けれども今度は、リッツカルバン日本、東京本社の思い掛けない展開が…。「嘘。」目を真ん丸としての優維香。悠里、優維香に、両手を挙げて、「凄~~~い。キャ~~~。優維香~~~。」優維香を思い切り抱き締める。メンバーたちも、次々に、「チーフ。」「チーフ。」「優維香~~。」「優維香~~。」「先輩~~ぃ。」池辺も、「いやいやいやいや。」真宮も、ニコニコ、「いやいやいや。なんだかね~~。やってくれましたか~~~。かかかかか。うんうんうん。お見事。」2日前の事。視察のために、リッツカルバン・インターナショナル・ホテルホールディング、そのアメリカ本社のマネージャーがレストランの椅子に座って…。その時。「うん…???」瞬間、座った椅子をじっくりと見て、またじっくりと座って。今度はテーブルを…。周囲は、その仕草に顔を傾げながらも…。側近のひとりが、「マネージャー…???」その声にマネージャーは、「この椅子と、このテーブルって…???」側近のひとりがその椅子とテーブルの事を説明すると…。「うん。この椅子とこのテーブル、ウチのレストランでも使おう。」鶴の一声である。その声が切っ掛けで…。リッツカルバン・インターナショナル・ホテルホールディング傘下のホテルが一斉に、その椅子の座り心地とテーブルとのバランスを好評価。たちまち、発注に至ったのであった。つまりは、海外向けにての製造、発注である。その椅子とテーブルのデザインの元が…。 好きになれない。 vol,182. 佐津香、思い出したように、「ふん。確かにね~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.03.01
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榊の左隣りには…。その人物の存在に、梶、尊、ふたり、共に、目の置き場に困りながらも…。榊、ふたりに座るように勧める。梶、尊、戸惑いながらも、その人物の隣には尊。そして尊の隣に梶。榊、梶に、「美耶乃君、突然で申し訳ないのだが…。」美耶乃、その声に、「あ、はい。」「この子…、君のところで、預かってはくれまいか。」瞬間、尊、そして美耶乃、榊の左隣りの人物をチラチラと見ながら。美耶乃、榊の声に、戸惑いを隠せず、瞬きをしながら、「あ。は…???」榊、美耶乃と尊を見て、「はははは。うんうん。確かに、戸惑うのも当たり前です。何せ、いきなりですから。」美耶乃、困った表情で、「あ、はぁ…。」榊神埜進の左隣に椅子に座ってチョコンといる人物。以前、榊が歩道で絵を描いている少年である。榊、自分の左に、椅子に座っている少年に、「敦盛優大(あつもりゆうだい)君と言って、都内の高校の2年。17歳だ。…けれど…。今は、学校、中退して、学校には通っていない。」尊、少年をチラリと。美耶乃も同様。榊、美耶乃を見ながら、「そして~~。」優大を見て、「実は…、この子には、両親もいない。」また少年を見る美耶乃。「この子が小さい頃に、交通事故で、ふたり、共に亡くなっている。…で、現在、今は、この子の祖母、つまりはおばあさんと一緒に暮らしている。但し、そのおばあさんも高齢で年金暮らし。」目をパチクリとさせながらの美耶乃、「は、はぁ…。」「そして…。」榊。「これが肝心、なのだが…。…実は、この子…。…自閉症。」その声に思わず尊、そして美耶乃の目が歪む。頭の中で、「…自閉症…。」「まっ。両親もいない。しかも…、おばあさんの年金のみで生活…、しては…いるんだが…。実は、優大君。アルバイトをしている。小料理屋でだ。優大君のおとうさん。弟がいて、その弟さんが営んでいる小料理でアルバイトをしている。自閉症ではあるが…、唯一の身寄りだ。優大君の叔父に当たる人ですから。」ここで一旦、話を止める。そして…。榊、「…で、何ゆえに、この子を美耶乃君、君に…。と、なるのだが…。」美耶乃、「は、はぁ…。」「実は…。」榊。奏多に目を。奏多、「はい。」そして奏多、バッグの中からスケッチブックを…。「こちらをご覧になってください。」美耶乃、目をパチクリとさせながらスケッチブックを受け取り、中身を…。いきなり目に飛び込んで来た絵。瞬間、美耶乃、目を見開いて。と、同様に、全身に衝撃、「こ、これって…!!!」榊、「全て、この、優大君の描いた絵だ。」美耶乃、思わず口元に左人差し指を…。そして、絵を尊にも…。尊、絵を見た瞬間に、こちらも目を見開き、「うそ。」そして、隣の少年を見て、「まさか…。」美耶乃、榊に、「こ、これって…、先生…???」榊、ニコリとさせて、「どうですか…???…その絵を見て…。」美耶乃、「あ、いや…。」そして美耶乃、次の絵、そして、次の絵を。「嘘でしょ。こんな…。事って…。」見る限り、到底普通の高校2年の描いた絵とは思えない、それこそ、精巧な絵。で、あると共に、正に芸術的に描かれている。「こ、これって…。…なんとも…、正に…、アート…。」尊も、絵を見る限り、「す、凄すぎる…。…社長…。これ…、もしかして…。インテリアで…。」美耶乃、その声に、「うんうんうん。」榊、ニコニコとして、「どうでしょうかね~~。若干17歳。学歴は…、確かに、保証は…、出来ません。…但し、その才能を…。単に、放って置いても…。」優大を見ながら…。「ただ…。優大君、ある種、こころの…。…自閉症…。…トータルインテリア、伊玖伊那。…面倒、見て頂ければ…、と、思いましてね~~。」実質、ここで榊の声に、従わざるを得ない状況の梶。そして、尊。榊の隣では、全く一言も…、口を閉ざして俯いているばかりの17歳の少年。梶、頭の中で…、「この子が…。」そして…。テーブルに料理が出る。優大に榊、「優大君。」ニコニコと。「どうぞ、召し上がれ。」その声に優大、俯いたままで顔はそのままで目だけで両隣をチラチラ。…すると…、何も言わずに料理を…。その喰いっぷりが…。榊、優大のその喰いっぷりを見てニコニコと。「はは。」頷きながらも、「うんうん。うんうん。はは。」たちまち料理は平らげて。また両手を引っ込めて俯いて。榊、奏多に笑顔でコクリと…。奏多も笑顔で、「畏まりました。」ウェイトレスに…。そしてメニューを見て…。梶、そんな景色を見ながらも、榊を見て、「あの…。先生。」榊、美耶乃を見てニッコリと、「う~~ん~~???…はははは。」そして美耶乃に一言。「頼みましたよ~~。」梶、未だに躊躇しながらも、「あ、はぁ~~。」 好きになれない。 vol,181. 小埜瀬の進行が始まる。「では…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.29
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小埜瀬、メンバー全員の視線を体全体で感じながら、口をタコのようにしながらも、「…仕方…。ん~~~。ないで…、しょうかね~~~。…まっ。みんなが…みんなで…。」そして、渋々と…。そして、ホワイトボードに…。小埜瀬の進行が始まる。「では…。」すぐさま理江子、同時通訳。…すると…。5分経ち、10分経ち…。メンバーたち、それぞれが頭の中で、「…うそ。」「…え~~~???」「…いやいやいや。」「…何と…???」「…ここまで出来る…???」吉竹、思わず顔が綻びる。そして、「…これはまた、たまげたね。」佐津香も佐津香で、目を見開いて、「…マジ…???」菜帆子、佐津香に寄りながら、困ったようなニコニコ顔の小さな声で、「佐津香さ~~ん。ちょっと、ちょっと~~。」愛結美は愛結美で吉竹の隣で顔を左右に。小さな声で、「部長~~~。」吉竹、その声に、「ん~~~。さすがに…仙台。」恵梨、圭衣子に、小さな声で、「なんだか、ドキドキしてきた。」圭衣子も、頷きながら、「うんうん。」とにかく、理江子の同時通訳と絶妙のバランス、そしてタイミング。しかも…、小埜瀬の説得力のある声と目の視線。そして顔の表情。全て、そのものが、大ホールで後ろの大型ビジョンで見ても引き込まれそうなプレゼン。順平は腕組みして、「この人…、何者…???」そして…、小埜瀬のプレゼンリハーサル終了。いきなり順平、椅子から立ち上がり、「ヨッシャ‐――――――ッ!!!」思わずガッツポーズ。その他のメンバーも、両手を叩いて、「うんうんうん。行ける、凄‐――――――っ!!!」愛結美は愛結美で、目を潤ませて、「うんうんうん。凄い、凄い。え~~~???…なんで~~~。まるで、海外の何処かの企業のCEOがステージでやってるような感じ~~。凄~~~い、説得力~~~。ビシビシ伝わってくる~~~。」理江子も理江子で小埜瀬に拍手。そして、「小埜瀬課長、お見事。言う事、ありません。」ニッコリと絶賛。恵梨と圭衣子も、「え~~~~ぇえ~~???…課長~~~。凄~~ご~~。」菜帆子、大きく顔を振り、「いやいやいやいや。私たちじゃまず無理。絶対に無理。出来ない、出来ない、出来ない。」吉竹も、小埜瀬に、目を閉じて頷き、「天晴。…まさか…、これほどとは…。何とも。…ある意味、仙台支社に申し訳ないね。こんな人が…。かかかかかか。」その声にメンバーたち、一斉に、「ねぇ~~~~~。」そんな状況下で小埜瀬、頻りに頭を撫でながら、「いやいやいやいや。…その…。はい。…ありがとうございます。」こういう事が、あった。つまりは…。小埜瀬以上に、確かに。場所は日本の、所謂、事業部のとある会議室、ではあるが…。メンバーたち、小埜瀬以上に出来る。と、言う人物が…。いない。ので、ある。愛結美たち、駅に向かって歩きながら、「あんなの、見せられちゃったら。ねぇ~~~。」理江子、「ふふ。凄かったよね。」恵梨と圭衣子も、「マジで、海外の企業のCEO」「あそこまで出来る~~。」タクシーの中でも、佐津香、「不思議な人だよ。あれで、みんな、何かしら、確信しちゃったからね~~。」…とは言え、まだ小埜瀬は後部座席でグッタリと…。菜帆子も、可笑しがりながら、「その人が…、今じゃ。」順平も可笑しがりながら、「分かんねぇや。かかかか。」佐津香、「まっ。…でも、とにかく。次は、臨時で社長が押さえてくれたホールで…。」実はその後、小埜瀬のプレゼンを切っ掛けに、大幅に変更しての、大ホールでの実戦形式のリハーサルを行う事になったのである。当然ながら、緊急のために、予約は不可能。…ではあるのだが…。何とか、時間設定しての2時間だけのリハーサルという事でOKサインが出た。海外コンペまで、残すは、2週間。そして…。ここでもある出来事が起きていた。梶、社長室に入ってきた尊に、「明日の夕方、時間、空けてくれる…???…急遽、緊急案件、入ったわ。」尊、タブレットを持ちながら、「あ、はい…。予定では…、曲輪田(くるわだ)グループの会食となってますが…。…では、向坂(さきさか)専務に。」梶、「そうね。お願い。」尊、その声に笑顔で、「畏まりました。」すると、梶、「尊。あなたも明日の夕方、私と一緒に。」瞬間、目をパチクリとさせての尊、「はい…。あ、はい。畏まりました。」そして…、翌日、いつもレストランで…。時間の10分前には梶と尊、約束の…。…が、既に、約束の相手レストランの席に。梶、歩み寄り一礼を。「先生。お世話様でございます。」相手は、榊神埜進。椅子に座ったままで榊、「うんうん。お疲れ様。尊君も、お久しぶりで…。」尊、榊に一礼をして、「ありがとうございます。」テーブル席には、榊、そしてその右には奏多。そして…。 好きになれない。 vol,181. 小埜瀬の進行が始まる。「では…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.28
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理江子、そんな小埜瀬を見て、「…って、普通…、有り得ないでしょ。…いやいやいや。小埜瀬課長、確か、私たちと殆ど変わりない程度しか、お酒。」順平、佐津香と一緒に、「なんですけど…。この通り。前も同じように。ウッショ。」佐津香、自分の肩に小埜瀬の右腕を。そして他のスタッフにも、「ごめ~~ん。私、送ってく~~。」恵梨と圭衣子、「いやいやいや。びっくりだね~~。」「課長~~。前も…、あの…、歓迎会の時も~~???」愛結美、恵梨と圭衣子に、「うん。…で、課長を家まで。」菜帆子、「佐津香さん、私も行くわ。」菜帆子、助手席の窓にコンコン。「運転手さん、助手席、乗れる…???」運転手、窓を開けて、「えぇ。構いませんよ。」菜帆子、理江子たちに、「私も、課長の家、知ってるから。」愛結美、頷いて、「確かに。」理江子、「へぇ~~。」愛結美を見て、「じゃあ~~。前も…、こんな風に、佐津香さんたちが…???」愛結美、理江子と恵梨、そして圭衣子を見て、「うん。…とにかく、課長…、あんな感じでしょ。…で、とにかくガタイが良いから。」圭衣子、「確かに。」愛結美、苦笑いしながら、「重い、重い。」その、「重い、重い。」に理江子、クスリと…。そして、こちらも苦笑いで、「重い…。よね~~。ある意味…。たいへんだぁ~~。」恵梨、「もぅ~~。課長~~。」ようやく小埜瀬をタクシーに乗せての佐津香たち。窓を開けて、「みんな~~。ごめんね~~。じゃあ、行くね~~。」愛結美、窓の近くまで顔を、「うん。分かった。」真ん中にいる小埜瀬はまだ…、眠ったまま。愛結美、そんな小埜瀬を見て、「もぅ~~。課長~~。」けれども全く小埜瀬。そんな小埜瀬を見て佐津香。そして愛結美と理江子たちを見て、何とも苦笑い。理江子、「お願いします。」タクシーは動き出す。愛結美、「あ~ぁあ~~~。」そして、「なんでこうなるかな~~。お酒にだらしない…って、事じゃないとは、思うんだけどね~~。」恵梨、「それはないでしょ。さっきも言ってたけど…。私たちと殆ど変わんなかったよ、ビールの量~~。…まさか…、ジョッキで3杯で、あんなに…、なるぅ~~???」圭衣子は顔を左右に振り、「いやいやいや。まず、それはない。」愛結美、口を尖らせて、「ん~~~。確かに。…お酒だけ…じゃあ~~。…やっぱ…、匂い…???」理江子、愛結美に、「匂い…???」右目を歪めて…。そして瞬き、「もしかして…、愛結美さん…。その匂いって…、香水の事…???」恵梨と圭衣子も、「うそ。」愛結美、咄嗟に、「あ、いや…。ん~~~。分かんなかいんだけど~~。前にね。課長、佐津香さんに、匂いが…気になるって…。言ってたんですって。」理江子、恵梨、圭衣子、「匂い。」恵梨、圭衣子、顔を見合わせて、「香水…、の、事…???」顔を傾げながら…。理江子、「…でも…。今、小埜瀬課長…。今のマーケティング事業部には…、もぅ…、なくてはならない、存在になってるしぃ~~~。」その声に、恵梨も圭衣子も、愛結美さえ、「うんうん。」タクシーの中でも佐津香、隣で眠っている小埜瀬を見て、「なんでいつも、こうなるかな~~~。」順平、「凄いっすよね課長。たった3杯ですよ、ジョッキでビール。…それで…、これなんすから。」菜帆子、助手席で、「分かんないよね~~。…って言うか、ほんとにアルコールだけでぇ~~???…こんな風になるぅ普通~~???」佐津香、「さぁ…。」菜帆子、「でも…。ここにきて、何かしら、手応えって言うの…???」順平も、菜帆子の声に、「うんうん。凄かったです。あんなプレゼン、見た事ない。」佐津香も、「私も~~。これ、行けるって思ったもん。」理江子の、「今、小埜瀬課長…。今のマーケティング事業部には…、もぅ…、なくてはならない、存在。」と、菜帆子の、「でも…。ここにきて、何かしら、手応えって言うの…???」と、順平の、「あんなプレゼン、見た事ない。」と言うのが、実は…。つい1週間前の事。まだまだ改善は必要なのだが、本番をイメージしての、コンペのプレゼンのリハーサルとして、「さて、誰が…???」となったのである。舞台は海外。そういうイメージの中で、ここにきて、準備はいいのだが、いざ、コンペの時の司会進行…と、なると…、誰も…。その時、菜帆子、「課長~~。小埜瀬課長~~。」と、声低く…。すると、一気に、メンバーの視線が…。吉竹、「小埜瀬さん、どお…???…仙台での…力量~~。」いきなり振られての小埜瀬、目を真ん丸に、「い~~~~???…僕が…。ですか…???…いやいやいやいやいや。」すると今度は愛結美、小埜瀬に両手を合わせて、「お願い。します。」小埜瀬、またまた、「いやいやいやいやいや。」佐津香は佐津香で、目をパチクリさせながら、口を尖らせながら…。 好きになれない。 vol,180. 「…って、普通…、有り得ないでしょ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.27
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隆英と賀寿恵、荷物を持ちながらも廊下を…。賀寿恵、隆英の後ろから、「隆英さん、柏田先生、ご存じだったんですか…???」その声に隆英、「いいえ…。先日、私も初めてお会いして…。」「どんな経緯で、先生の…???」「望都さんです。」「望都って…。おばさんの…???…って…言うか…、あの…、麗子さんの…娘さん。」隆英、「えぇ。ホテルのフロントで、物凄い偶然。…と、言うか、あのホテルも麗子さんの紹介だから、初めから…。」賀寿恵、後ろから、「えぇ。確かに、望都さん、ニューフロレンスホテルのホテルエ。」「その望都さんが、柏田さんの本の大ファンなんだそうです。」思わず賀寿恵、「え~~~~。それは…、知らなかった~~。」斜め後ろに顔をチラリと隆英、「はは。」愛結美との通話を切っての菜帆子、「いやいやいやいや。なんとも…。そういう事になるぅ~~~???」愛結美は愛結美で、こちらも通話を切って、そして…、何やら腕組みをして、「ん~~~~。」まださっきの小埜瀬との通話の、小埜瀬の声の調子が頭の中に余韻となって…。そして、「とにかく、あの…、課長の声のトーン。会社内では…、あんまり…、聞かないよね~~~。」そして…、ニッコリと、「ははは。」そして今度は、口を真一文字にして、何かしら悪戯っ子のような面持ちで、「もしかして…。佐津香さん。もしかして。もしかして~~~。ふふん。」その2日後…。榊の部屋に奏多、ドアをノックして、「失礼します。先生。」榊、「どうでした…???」奏多、資料を榊に。「うん。」そして榊、資料を見ながらも…、「ふ~~~ん。…なるほど~~~。…自閉症…ですか~~。…で…、それでいて…、今は…、アルバイト…。…小料理屋の…ほぉ~~~。」奏多、「先生…。」それから…、2週間が経った。優維香、部署に入って来て、「あれ…???」悠里に、「リーダーは~~~???」悠里、優維香に、「ふん。ちょっと出てきますって。」優維香、そんな悠里に右目を歪めて、「また…???…んもぅ~~~。また何の連絡もなしに~~。」そんな優維香に悠里、困ったような笑顔で、「最近、リーダー、ちょくちょく、自分で出掛けちゃってるよね~~。ははは。」「はははじゃな~~い。単独行動、目立つ~~~。」そんな優維香に悠里、「まぁね~~~。…でもさ。そんなリーダーの発案が切っ掛けで、それにプラスしての優維香のイメージで、スタッフコレクションと加味しての、新しいデザインも好調~~と、来てるし~~。ある意味、これもまた…、新しい風…???」「確かに~~。まぁ~~。それは。それで、良いんだけど~~。コミュニケーションって言うのも、あるでしょう~~。最近。単独行動~~。んもぅ~~。」そして池辺に、「課長~~~。」池辺、その声に、「ん~~~???」優維香、池辺のデスクに、「あのですね~~。」池辺、優維香に、「まぁまぁまぁ。優維香の気持ちも分かる~~~。まっ。…でも…、そこを何とか…。彼にも、彼なりの…、やり方って言うの、あるのかも…、知れないから。…今まで、世界歩いて来て…。いきなり会社の枠にって…。」その声に優維香、膨れっ面をして、「それは…、まぁ…。そうなんですけど~~~。」つまりは…。隆英、歓迎会からほぼ1週間はとにかく自分の席でいろいろと…。けれども、それ以降は…。優維香の言う通りに、何かしら、席を外しての単独行動が目立つようになっていた。ただ…、そんな中でも新しいデザインを提案しては、必ずそれを優維香に見せて、日本版にアレンジしての、独特のインテリアをリリースするという形に仕上げてはいた。そして…、その雰囲気は…、今まで慣れていないトラディショナル事業部の他のスタッフたちにも、僅かなりの違和感をもたらせても…、いたが…。敢えてスタッフたち、その違和感を口に出してはいなかった。そして…、こちらでは…、コンペの準備が急ピッチで…。当然ながらも、部署内にも日々テレビ局のカメラ。既に2週間も経過している。最初のぎこちない感じからは慣れたのか、これこそが密着取材、と言う状態にも落ち着いていた。小野瀬は小埜瀬で、時折吉竹と門倉で食事を…。その時は特段、問題はなかったの…、だが~~~。「んもぅ~~~。また~~~???」佐津香。こちらでも小埜瀬が…。菜帆子、「これって…、何かの症状…???…なんで…???」今回は理江子も同席。コンペメンバーとの食事の帰り。小埜瀬、また、道路上で倒れてしまったのだった。しかも、気持ち良さそうに…。佐津香、「もぅ~~。課長~~。しっかりしてくださ~~い。」理江子、目をパチクリとさせて、「えっ…???…前も同じ…???」そんな理江子に愛結美、菜帆子たちも、顔をコクリと。「うん。」 好きになれない。 vol,179. 「佐津香さん。もしかして。もしかして~~~。ふふん。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.26
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菜帆子も実は、コンペの仕事を自宅に…。そんな折の愛結美からの電話。「いやいやいや。全然、頭の中、追い付かないんだけど。密着~~~???」愛結美、椅子に座って麦茶を飲みながら、「うんうんうん。さっきね、課長から電話があって。」菜帆子、思わず右目を歪めて、「課長…???…なんで…???」愛結美、「実は~~。」優維香、母から話を聞いて、「いやいやいや。ビックリだね。」佐津香、冷蔵庫からウーロン茶を。「うんうんうん。私と課長も、び~~っくり。」優維香、「うんうんうん。」ソファの上で胡坐を搔きながら。佐津香、「生まれて初めてだよ、密着取材なんて…。凄いスケール。」菜帆子、愛結美の話を聞きながらも、「へぇ~~ぇえ~~。課長の前の~~。はは。しかも…、何…???…佐津香さん、サイン~~。色紙に~~~???…はは。さ~~すが~~、プロ。」愛結美、ニコニコと、「うんうんうん。…これから…、ますます、忙しくなってくるよ~~。」菜帆子も、ニコニコと、「うんうんうん。だね。」愛結美、スマホに、「…と~~~、もうひとつ。」その声に菜帆子、「うん…???」「ちょいと、これは~~。…私のさ。…ある意味…、勝手な想像…なんだ…、けど~~。」菜帆子、「ふん…???」愛結美、口を真一文字に。そして、何かしら嬉しそうに、「実は~~~。………。」菜帆子、話を聞きながらに、「…うそ。」そして、「え~~~~~~~~???」隆英と賀寿恵、レストランでの昼食を終えて…。隆英、外から店を。「なんとまぁ…。人気グルメの店。」賀寿恵、頷きながら、「そうだったんですね~~。」そして…。隆英、賀寿恵に、「さて。次は…。」賀寿恵も、「はい。」そして、夕方。隆英、賀寿恵に、「あっ、ここです。この家。」賀寿恵、ゆっくりと車を徐行させて、「あ、へぇ~~~。素敵な家~~。」賀寿恵、「シェアハウス。うんうんうん。」丁度、車が一台止められるスペースがある。そこに車を止めて。隆英、「では。」賀寿恵も、「はい。運びましょうか。」さすがにひとりでは数回、往復になってしまう。日用品やら食材やら…。そして、細々としたものを…。そして…、アプローチの前を…。家の表札を賀寿恵、チラリと見て、「かしわださんちの家…???」思わず顔を傾げて…。そんな賀寿恵を見て隆英も、ニコニコと。「変わった表札でしょ。」賀寿恵、目をパチクリと。そして、「えぇ…。」顔を傾げながらも…。そして…。玄関のチャイムを鳴らして…。中からの声。「は~~い。」隆英、「小埜瀬です~~~。」スピーカーからの声、「あ~~。はいはいはい。どうぞ、どうぞ。ドア、開いてますから~~。」玄関を入ると…。思わず、賀寿恵、開口一番、「おっ洒落~~~。」そして、隆英と顔を合わせて…。隆英も、「はは。」遠くからいそいそと、「はいはい。お疲れ様~~~。」ペタペタとスリッパの音。金髪の髪のトップからややずれたところでゴムで留め、そのゴムにも、何かしらアクセサリーのようなものが施されてある。僅かの前髪が前にさらりと。黒縁のメガネ。服装と言えば…。正に和風ジプシー。隆英、頭をペコリと。「こんにちは。小埜瀬です。」金髪女性、眼鏡の奥の瞳が優しそうに、「はいはいはい、小埜瀬さん。いらっしゃ~~い。」柏田智子(かしわだともこ)、70歳である。隆英の隣で賀寿恵、その女性を見た瞬間に、「えっ!!!嘘っ!!!柏田先生~~。作家の~~。」荷物を持ちながらの賀寿恵、女性を見てビックリ。柏田、そんな女性を見て、こちらも目をパチクリ。隆英、賀寿恵に、「弓さん。柏田さん、ご存じだった…???」柏田、そんな女性を見てニッコリと、「おやおやおや~~。」そして小埜瀬に、「彼女さん…???」その声に隆英、思わず照れながらも、首を振って、「あ、いえいえ。」そして、賀寿恵を見て、「私の恩人の…、パートナー的、存在の人。…とも、言えば、良いでしょうか…???弓さん。」賀寿恵、その声に少し赤面して、「え…???…えぇ…。」けれども賀寿恵、頭の中で、「…凄い。ベストセラーの作家の家~~???…マジで…???」柏田、「かかかか。さすがに荷物。」隆英、「あ。はは。えぇ~~。今迄は…、片手間の荷物程度…だったんですけど…。今回は…、さすがに…、本腰入れてって…感じに、なりますか…。」柏田、ふたりにスリッパを。「はい。どうぞ~~。」賀寿恵、玄関を見て、「凄~~い。広~~。」そんな声に柏田、恥ずかしそうに、「何言ってんですか、広さばっかり取柄の家ですよ~~。はははは。」隆英、賀寿恵に、「麗子さんの家みたいでしょ。」確かに。柏田家、七瀬麗子の自宅と同じ大きさの建物…、でも、ある。柏田、「小埜瀬さん、部屋は分かってますよね。けど…。はい。ご案内~~。」 好きになれない。 vol,178. 「…私のさ。…ある意味…、勝手な想像…。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.25
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愛結美、麦茶のポットを持ちながら、スマホをカウンターに置いて、グラスに麦茶を。そしてグラスに注ぎながら、「ん~~~???…密着取材…かぁ~~~。…ん~~。と、なると~~。テレビ局~~。」そして…、「いやいやいや。…っと、言う事は、これから…、もっと…。なんらかんらで…。」頭の中で、社にテレビ局…、カメラ…、のイメージが…。いきなり、ニッコリと、「ワハッ。」それとは別に、あるイメージが…。「それにしても…。課長、ほんと…、声のト~~ン。やたらと…。」車の中では…。電話の後、何やらウキウキ感が止まらない小埜瀬。何かしら、ニコニコとしながらも顔を右に左に。そして上を向いたり、頷いてみたり。そんな小埜瀬を運転しながらチラリチラリと佐津香。「課長~~。な~~に、さっきから、何だか、落ち着かないですけど…。」その声に小埜瀬、思わず佐津香を見て、「へっ…???…あ、そうですか…???…いや…、特に…。…別に…。」「…って、顔があっち向いたり、そっち向いたり、やたらと忙しいですけど…。」小埜瀬、「うそ。」と、言って小埜瀬、「あ。…いや…。ん~~。まっ。…でも…。やっぱり…。…嬉しいですよね~~。」佐津香、その声に、「はっ…???」思わずドキン。小埜瀬、「あ、いや…。だって…、嬉しくない訳、ないじゃないですか~~。」佐津香をチラリと。「まっ。部長は、確かに。そうですけど…。愛結美さんの言葉には~~。」佐津香、「えっ…???」「ある意味…。ねぇ~~。部長は…、なんていうか…、こぅ…。我々よりも…、格上。…けど、愛結美さんの場合は…、その…。表現は変ですけど…、同じ土俵の…???」佐津香、「はい…???」小埜瀬、また佐津香を見て、「密着取材ですよ、密着~~。ははは。これが、嬉しくなくって何とする~~。」その声に佐津香、笑いながら、「はは。うん。…そうですよね~~。」小埜瀬、「いやいやいや。それにしても奇遇~~。と、言うか、偶然…。重なるもんですね~~。あの編集者が、あの時の~~。」佐津香も、「ですよね~~。」「でもですね~~。」小埜瀬。佐津香、右折しながらも、「あ、はい。」「でも…。やっぱり…。あの景色は…。…はは。」小埜瀬、にこやかに、「いいですわ~~。」その、「いいですわ~~。」の声に佐津香、チラリと小埜瀬を見て、「えへ…???」小埜瀬、佐津香を見て、「いや。そりゃあ~そうでしょ~~。佐津香さん、色紙~~。…あれは。…実に嬉しい~~。」その声に佐津香、目をパチクリとさせて、また、「えへ…???」「目の前で、自分と一緒に働いている女性が、人からサインをねだられる。そして、サインを書く。あれなんて、最高ですよ~~。」目をパチクリとさせながら佐津香、「えへ~~~???…いや…。どうして~~???」一瞬、佐津香、鼓動が高鳴る。そして脳裏に…。小埜瀬、「とにかく、嬉しいと言う言葉しか出てこない。…いや…。一生ないですね~~。あぁいう景色は~~。…いや…だって…。……。」佐津香、昔を思い出していた。その昔…。エレガンサ化粧品に入社してまもなく…。大学時代からの続けていた挿絵の仕事。御馬舎(みまや)出版から出版されている絵本が10万部のベストセラー。その絵本の作家と挿絵家のダブルサイン会。その当時、付き合っていた柊真も、是非、恋人の佐津香のサイン会に同席したいと佐津香に。佐津香、一言返事でOK。そして…、サイン会の後にふたりでデート。その時、滅茶苦茶柊真から喜ばれた事を思い出していた。そして…、その時に、佐津香、柊真からプロポーズ、されたのだった。「佐津香さん。佐津香さん。」瞬間、佐津香、「あ。えっ…???」「信号、青。信号、青。」「あ、あ~~~。あ、はい。」思わず、クスクスと笑う佐津香。そして、小埜瀬に、「すみません。」頭をコクリと。小埜瀬、佐津香を見て、「どうか…、しました…???…何だか…、遠くを見ていそうな…。」佐津香、そんな小埜瀬に、「へっ…???…あ、あ~~~。ははは。」ニッコリと。「ちょっと…、昔の事をね~~。」小埜瀬、キョトンとしながらも、「…昔の…事…。」佐津香、ゆっくりと頷いて、「え~~。昔の事。懐かし~~い、昔の事。ふふふふ。」そして佐津香、頭の中で、「…あんな事も…、あったな~~~。はは。パ~~パ…。」家に帰っての…。「嘘~~~~~。」優維香、目を真ん丸に。そして、こちらも、「う~~っそ。マジで~~~???」菜帆子。自宅に仕事を持って、それがひと段落しての愛結美から電話で…。菜帆子、「いやいやいやいやいやいやいや。す~~ご~~~。密着取材。当然、テレビ局~~。カメラ~~。」愛結美、スマホに、「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,177. 「課長、ほんと…、声のト~~ン。やたらと…。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.24
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小埜瀬、「今回の…、その…、雑誌社の方が…、何とも…、偶然と言うか…。担当が…、男性の方なんですけど…。」吉竹、またコーヒーを、「あ~~。うん。」話を聞きながらに、「へぇ~~~ぇえ~~。小埜瀬さんの仙台の~~。」そして、聞こえてくる小埜瀬の声。吉竹、「う~~~わっ。何それ~~。へぇ~~~。佐津香さん、何とまあ、人気~~。」スマホを耳に小埜瀬、ニコニコと、「えぇ~~、全く。」その話を聞きながら佐津香、運転しながら、口パクで、「ありがとう~~。」小埜瀬、「そんな訳で、部長、電話で、申し訳ありませんが、報告させて頂きます。」その声に吉竹、「あ、いや。全然。」小刻みに顔を左右に、そして、「構いません。それより、わざわざ、ありがとうございました。」スマホの向こうで小埜瀬の声。「…では、と急ぎ、ご連絡まで。」吉竹、「あぁ~、ありがとう、気を付けて。」スマホから、「はい。」そして、通話は切れる。助手席で小埜瀬、「まずこれで、部長には報告完了。」佐津香、コクリと。「ありがとうございます。」そして小埜瀬、「そして…っとぉ。」スマホの画面に指をトン。テーブルの上のスマホにラインの通話の着電。「はいはいはいはい。」水道で手を洗い、そしてタオルでその手を拭いて、「はいはいはいはい。」愛結美、スマホを持って指先でタップして、「もしもし、お疲れ様です。愛結美です。」小埜瀬、前を見ながら、「あ、愛結美さん。小埜瀬です。終わりました~~。今、ラスクから帰っている車の中です。」椅子に座っての愛結美、「車の中…???…あ~~~。はいはいはい。もしかして、佐津香さんの車。」頷きながら小埜瀬、「えぇ~~。…でね。理江子さんの…、その…、紹介したい人って…。」愛結美、「えぇ、はい。」そして、話を聞きながら、「えぇ~~~。」目を真ん丸に、「いやいやいやいやいやいや。え~~~???…密着取材~~~。うっそ~~。」小埜瀬、スマホを耳にしながらも佐津香に、「同じインパクト。」運転しながらの佐津香、「確かに。私たちだって、驚いたくらいだから~~。」そして佐津香、小埜瀬のスマホに向かって、「愛結美さ~~ん。私もびっくり~~。」小埜瀬、「…と~~。」スピーカーで。愛結美の声、「うんうんうん。だよね~~。まさか、雑誌とテレビの密着なんて~~。テレビ番組内だけの話って思ったけど~~。」佐津香、運転しながら、「だよね~~。」愛結美の声、「へっ…???…佐津香さん、今、運転…。」小埜瀬、「スピーカーです。」「あ~~~。道理で。」佐津香、「…でね~~。その…、雑誌社の方が~~、何と…。」小埜瀬をチラリと見て、「課長の仙台時代の時も~~。プロジェクトチームで、お世話になった人なんだって~~。」スマホから愛結美の声、「へ~~~。凄~~い。何とまぁ。課長~~。」小埜瀬、「いやいやいや。僕の方がビックリですよ、いきなり言われて、うそって。」「えっ…???…いや…、課長はご存じなかったんですか…???」「あ、いや…。僕は知らなかったです。あの頃の雑誌の担当者は別の人で…。」佐津香、「恰幅の良い、女性の方~~。」その声に愛結美、「あ~~。確か。酒豪の。」佐津香、スマホに、「うんうんうん。」小埜瀬、「そして、もうひとつ。」愛結美の声、「えっ…???」「何と。その雑誌社には、佐津香さんのファンがいる~~。」「ファン。…???…ん…???…あっ。もしかして、挿絵。」「ビンゴ~~~。人気ですよ佐津香さ~~ん。はははは。」愛結美の声、「へぇ~~~。挿絵のファン。…って~~事は…、お子様…???」佐津香、「うん、そう。多分、出版社、何処の出版社かは分かんないけど、絵本、見てくれてるみたい。ありがたい~~。」「…で、佐津香さん、色紙にサイン、頼まれちゃったりして。」「うそ。」「ほんとです。…とにかく、驚く事ばかりで。」スマホからの声、「ですよね~~~。ははは。…何だか課長、妙に嬉しそうな声、ですよね~~。はははは。」その声に一瞬、小埜瀬、目をパチクリと。「へっ…???」「佐津香さんの話になったら、声のトーン、上がりましたけど。」瞬間、佐津香、口を搾って、目が…。小埜瀬、小さく、「えっ…???」スマホから聞こえてくる愛結美の声、「とにかく。お疲れ様でした~~。連絡、ありがとうございます。いつ来るか、いつ来るかって…、待ってたんですよ~~実は。」小埜瀬、その声に、「はは。」そして、「はい。しっかりと、ご連絡、致しました~~。」スマホを耳に、そのまま椅子から立ち上がり、冷蔵庫へと愛結美。「あ、で…、この話、部長には…???」スマホから小埜瀬の声、「あ~、はい。既にもぅ。」「了解。わざわざ、ありがとうございま~~す。」冷蔵庫から麦茶のポットを…。 好きになれない。 vol,176. 吉竹、「佐津香さん、何とまあ、人気~~。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.23
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そして…。佐津香、色紙に自分のサインを…。そして、寿永流に、「欲しい方の…、お名前…。」寿永流、「あ~~。はいはい。えっと~~。」スマホで…。「……と、……。……。」小埜瀬、「いやいやいや。まさか…。」そして…。席を変えての…。これからの事…。佐津香も小埜瀬も、寿永流の話を聞きながらも…、「つまりは…。」「前の…、仙台と…。…あの…、仙台支社と同じように…。雑誌と併せての…テレビの…。」寿永流、ふたりを見ながら、「はい。そういう事に、なります。」理江子も佐津香と小埜瀬を見ながらにしてニッコリと、「どう…???…もぅ、テレビ局の方には話は…。是非にと言う事。ね。寿永流。」寿永流、理江子に、「うん。日本の化粧品会社が海外のコンペ。これは行ける。って、それこそ太鼓判。」佐津香、理江子と寿永流を見て、「凄~~~い。」そして、小埜瀬を見て、「課長…。」小埜瀬、資料を見ながらも佐津香を見て笑顔で、「え、え~~。」そして、「…しかも…、今回は…。」理江子、「はい。小埜瀬課長の時の…、仙台と言う、ローカルではなく…。」小埜瀬、「何と…。」また佐津香を見て、「佐津香さ~~ん。」佐津香も小埜瀬を見て笑みを。「うん。海外。…それも…、密着。」寿永流、「当然ですが、報道の条件もあり、詳細は、メディアでは正にシークレット。…で、なければ密着とはなりませんので…。しかも…。これは…、いうなれば…、会社全体でも…。ある意味、徹底して頂かないと…。」佐津香も小埜瀬も、「はい。」「えぇ。」けれども佐津香、理江子に、「…でも…。まさか…、この事、舞桜の耳には…???」その声に理江子、ニッコリと、「ご心配なく。社長に関しては、逆に…、佐津香さんの方が…。」佐津香、理江子を見て、「あ~~ん。ふふ。了解。」理江子、「それでは…、この先は…、食事をしながらでも…。…と、言うか…。」理江子、佐津香と小埜瀬を見て、「もしかして…。当然、おふたり…。」佐津香、小埜瀬を見て…。小埜瀬も佐津香を見て、「あ。」「えぇ~~。まぁ…。」ふたり、共に、苦笑い。「お昼に、私…、家で、カレーを…。」佐津香。小埜瀬、「私も…、お昼は…もぅ…。」理江子も苦笑い、「…ですよね~~。お昼にお電話しましたから…。」「まっ。でも…、サラリとしたお食事~~。」伽璃菜がトレイに料理の皿を持って、テーブルに、「お昼を食べても、これなら…、入るでしょう~~。はい、どうぞ~~。お飲み物も~~。」そして伽璃菜、「理江子と寿永流さんには、ちょっと待っててね~~。」小埜瀬、テーブルに置かれたメニューを見て、「おやおや。はは。」佐津香を見て。佐津香、「ふふ。うん。おやつね~~。」小埜瀬、「なんとまぁ~~。」理江子、「特に。男性の方には…。まず、おやつなんて、普段、食べないでしょうけど…。」クッキーから小さなハンバーグ、そしてポテト。理江子、「どうぞ。召し上がれ~~。」佐津香、ニッコリと。「ふふ。…では。遠慮なく。」小埜瀬も、「頂きま~~す。」そして…。帰りの車の中で小埜瀬、スマホで吉竹に。話を聞きながらに吉竹の声が小埜瀬の耳に、「何~~???…密着取材~~~???」小埜瀬、その声に、「えぇ。」小埜瀬、佐津香をチラリと見て…。佐津香、その声にニコリと。「どうやら、その密着にも、何やら、由利塚さんの御父上が仕掛けてくれたみたいで…。」吉竹の声、「由利塚…、理江子~~。あ~~ん。…なるほど~~。イギリス、外資系総合総社。…かぁ~~。」吉竹、リビングでコーヒーを飲みながら…。小埜瀬の声、「しかも…、既にお膳立ても整っていたようで…。」「お膳立て…???」「えぇ。既に社長の耳には入って、話は着いているみたいで。…しかも…、テレビ局の方にも全て話は通して…。…つまりは…、実際に動く私たちに、最後に接触。…と、言うような感じみたいで…。」吉竹、あちらこちらに目を。そして、「は~~ん~~~。な~~るほどね~~。」車の中で小埜瀬、「愛結美さんが部長に電話しても繋がらない。…と言う事で私の方に…、連絡くれたんです。」いきなり佐津香、「ミュージカルでしょ、奥様と一緒に~~。」僅かに声高らかに。小埜瀬、「…と、言う事ですけど…。」吉竹、右目を歪ませて、口を捩じりながらも頭の中で、「…何で知ってんだ~よ~~。」そして…、「ん~~???…ま、まぁな~~。…って、えっ…???…今、何処にいるの…???…ふたりで…???」小埜瀬、チラリと佐津香を見ながら、「ラスカの帰りです。車の中。佐津香さんの車で…。」「佐津香さんの車…???…あ、あ~~~。旦那さんの~~。」スマホを耳に吉竹。聞こえてくる小埜瀬の声、「それと…。」 好きになれない。 vol,175. 佐津香も小埜瀬も、寿永流の話を聞きながらも…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.22
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思わず理江子、「えっ…???…佐津香さん、ご存じ…。」佐津香、可笑しがりながら、「あ、いえ…。」小埜瀬、目を真ん丸に、笑顔で、「へぇ~~~。相羽さんと~~~。へぇ~~。なるほど~~。」そして、「うんうんうん。確かに。…彼女なら、ベテラン。しかも…、離さないでしょうから。」佐津香、「お酒の事で、みんなで、課長から話、伺ってましたから。」理江子、「へぇ~~。そうなんですか~~。」「まっ。ただ…。名前までは…。」小埜瀬、頭を掻きながら、「いやいやいや。あの時の…、雑誌社の~~。」そして小埜瀬、姿勢を正して、「その節は、本当に、ありがとうございました。いやいやいや。…とにかく…。あの時は、社長命令で、何かズド~~ンと、何かないかって言われて…。新体制でのプロジェクトチームって、言われて…。とにかく金は出すって言われて…。…だったら、ここで一発。って。…ただ…、広報部長からは、あんまり派手には…、って…。…けど、社長命令って言うだけでバ~~ンと。かかかかか。気持ち良かったって言うのが実感でありました。仙台のローカルテレビ局でしたけど、いきなりドド~~ンと来ましたから~~。…結果。広告にも金、掛かりましたけど万々歳の売り上げ。」寿永流も、「えぇ~~。そう聞いてます。…って言うか、こちらこそ~~。弊社の部数も凄かったですから~~。」小埜瀬、「お互いに。」ニコニコと寿永流、「えぇ。」理江子、「逆に…、良かったのかも…。寿永流と、小埜瀬課長が今日会えて。」その声に寿永流、「うん。だよな~~。」小埜瀬、吉竹がいない事を良い事に、寿永流に右手を差し出して、「これからもよろしく。」寿永流も、笑顔で、「こちらこそ。」そこまで言って、「あ。え…???…と、言う事は…???…もう…、ウチと…???」いきなり佐津香、左人差し指を口に、「くっ。」そして、「あっ。いや…。」顔を傾げて、「う~~ん。…でも…。」理江子を見て、寿永流を見て、「密着でしょ。…それに…、紹介が…、理江子さん。…と、言う事は~~。舞桜も、この事。」理江子、佐津香を見て、キョトンと。「え、えぇ~~。話は…。通して…。」「あん。」佐津香、「それならもぅ~~。吉竹に話を通すまでもなく~~。課長で~~。うん。全然OK。」寿永流、「えっ…???うそ。」理江子を見て…。理江子、ニッコリと。「…ですよね~~。吉竹部長には、事後報告としても…。」佐津香、ニンマリとして、「うんうんうん。全然問題なし。…って、言うか、私が言うから。」「でぇ~~。…ここで、もうひとつ。」理江子。寿永流に、「ねっ。」佐津香と小埜瀬、キョトンとして、「えっ…???」「はっ…???」理江子、「実は~~。…オマケがあるの。」佐津香と小埜瀬、「オマケ…???」寿永流、「その…、オマケ…、なんですけど~~。」椅子からバッグを。そして、バッグの中から四角いものを。小埜瀬、「えっ…???」佐津香も、「へっ…???」そして、「色紙~~。…なんで…???」理江子、「佐津香さんの…、サインが欲しい。」途端に佐津香、「え――――――――っ!!!」そして、「うそうそうそうそ。なんで~~~~???」理江子、ニコニコと、「プロの挿絵家さんのサインが欲しいんですって~~。」佐津香、目を瞑って、「うそ~~~~。」小埜瀬、「おほほほほほ~~。佐津香さ~~ん。」自然に佐津香の左肩に右手を、「うんうんうん。」佐津香、自分の肩に男性の方から触られた事は…、ここ数年来、ない。けれども、そんな事は全く…、感触的にはどうでも良く、寿永流からら差し出された色紙の枚数に、目を丸くして、「こんなに~~~???」小埜瀬も、「凄いや。何と。…5枚…。」そして小埜瀬、また佐津香の左肩に右手をトントンと。佐津香、「いやいやいや。だ~~って、課長~~。そんな…、サインだなんて~~。」寿永流が色紙を差し出す。そして、「お願いします。」小埜瀬、自然に佐津香の背中に今度は右手を当てて、「ささ。佐津香さん。どうぞ、どうぞ。」佐津香、恐縮しきりに、「そうですか~~。」全く違和感なく。寿永流、「ウチの部署と隣の部署の人なんですけど…。どの人も、小さなお子さんがいらっしゃるそうなんです。…で、柿崎佐津香に会うって言ったら、いきなりです。サイン貰ってきてくださいって、せがまれちゃって。」佐津香、「えへぇ~~~???…と言う事は~~。寿永流さんのところにも~~。つまりは…、アクトレス出版か、御馬舎(みまや)出版、寳屋敷(たからやしき)出版の絵本のファンがいらっしゃるという事ね~~。」そして、「ん~~~~。でも…、それだけでも嬉しい~~。子供たちに喜んでくれてるって事だもの~~。」佐津香、バッグから眼鏡を取り出して。そしてカウンターに。小埜瀬、椅子に手を、「ささ。どうぞ、どうぞ。」 好きになれない。 vol,174. 寿永流に右手を差し出して、「これからもよろしく。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.21
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「…と、言う事は~~。」小埜瀬。「じゃあ~~。…もしかして…、どちらも…、おとうさんが…。イギリス人…???」伽璃菜を見て、理江子を見て。厨房から、「はい。私も、国は、イギリスで~~す。理江子のおとうさんと同じねぇ~~。」理江子、ニッコリと。「えぇ。そうなんです。」佐津香、「へぇ~~~。そうだったんだ~~。」そして佐津香、「…で…???…こちらの…。」寿永流を見て、「大貫さんとは…???」と、そこまで言って佐津香、思わず目を丸く、そして、口を真一文字に。小埜瀬をチラリと見て、「あっ。」申し訳なさそうに、「ごめんなさい。つい…。」そんな佐津香に理江子、「あ、ううん。」顔を左右に。そして寿永流を見て…。「まっ。…そう…なっちゃいますよね。」恥ずかしそうに。佐津香、「あ、いや。ゴメン。」私が悪かった。そしてまた小埜瀬を。小野瀬も優しい表情で…。佐津香、「…で…???…」小埜瀬をまた見て、「私たちに…、何か…???」寿永流、「あ、はい。実は~~。」話始める。…そして、いきなり佐津香、小埜瀬、「え~~~~っ…!!!」佐津香、目を真ん丸に、「う、うそ…。」小埜瀬、「み、密着…。」またまた佐津香、小埜瀬を見て、理江子、そして寿永流を見て、「え…???…いや…。…あの…、その…。」小埜瀬、「…な、なんで…、また…。…その…、密着取材…???」その時、「実は。」ふたり同時に。理江子と寿永流。目をパチクリと佐津香と小埜瀬。そして…、ふたり同時に、「…ん…???」寿永流、可笑しがりながら理江子にコクリと。そんな寿永流を見て理江子、「実は…、この事も…、私の…、父親からの…、提案で…。」佐津香、またまた目を丸く、「わお。理江子さんのおとうさん。」コクリと理江子、「えぇ。」伽璃菜、またいきなり、「私たち、幼稚園と小学校、中学校の時、一緒だったの。出身が同じとこだったから。」そこまで言って伽璃菜、「まっ。日本の学校とはちょっと、違うけど。」小埜瀬、「あぁ。…確かに。日本とイギリスとは…。」理江子、「まぁ…。その後、高校、大学と…。なるんですけど…。私は…、アチコチ、転々と…。でも、イギリスに帰ったら、必ず寿永流と伽璃菜とは一緒に。…で…。まぁ…、その後、それぞれ職業も…。」そこまで言って理江子、「あ。話…、長くなるんで…。…つまりは…、私の父も寿永流の父も…。当然ですが、伽璃菜の父親も…、親友で…。」リチャードがまた、「はは。そうね~~。」未梨も笑顔で、「うんうん。」理江子、「寿永流が大学を卒業して出版会社に…。…で、それから…、5年前に私、寿永流と日本で再会して…、それから連絡取るようになって~~。一昨日…か…。」寿永流に。寿永流、その声に、コクリと、「うん。」理江子、寿永流を見て、「パパから連絡があったって…。やってみないかって…。」寿永流、「実は…、エレガンサ化粧品さん。仙台支社とは、私…、縁があるんです。」その声に小埜瀬、目をパチクリとさせて、「はっ…???」佐津香も同様に、「あら。」ニッコリと寿永流、「以前…、エレガンサ化粧品さん、仙台支社から生産、販売された夢遊楽(muyura)。」小埜瀬、「あ~~~。はいはいはい。あります、あります。いや…。いやいやいや。何とヒット商品。バカ売れしましたからね~~。あれを機に、プロジェクトチーム、盛り上がりました。」佐津香も、「あっ。うんうんうん。」頷きながら、「そういえば…。…確か…、一昨年。」小埜瀬を見て。小野瀬も、「えぇ~~。仙台支社に於いて、初めての。…しかも、雑誌から広告。そして…、テレビへと…。」「その時の…、雑誌の…、編集者。僕なんです。」瞬間、小埜瀬、「へっ…???…うそ…。」また小埜瀬、目をパチクリと。小埜瀬、今度は、驚いたように、「い゛~~~ぃい…???」「あの時、僕、編集任されてまして…。そして…、偶然テレビのプロデューサーも、僕の知り合いで…。若くしてプロデューサーになっての初仕事って奴で。」佐津香、目を真ん丸にして、「す~~ご~~。」小埜瀬に、「えっ…???…課長~~。じゃ、知ってらしたんじゃ。」その声に小埜瀬、頻りに右手を振って、「いやいやいやいや。まっ。確かに~~。雑誌、広告、テレビと…。ありま…したけど…。ん~~~~。」そして、小埜瀬、寿永流を見て頭を下げて、「ごめんなさい。申し訳ない…。全く…。記憶が…。」そんな小埜瀬に寿永流、ニコニコと、「いえいえいえ。…と、言うか、ま。エレガンサ化粧品の、私と一緒に担当してくれたのが、あの時、相羽(あいば)さん、でしたから。中々、恰幅の良い、女性の方。もぅ~~。お酒、滅法強くって…。」瞬間、佐津香、「ぷっ。」 好きになれない。 vol,173. 寿永流、「あ、はい。実は~~。」話始める。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.20
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理江子、店に入って来たふたりを見て、「あ、来た来た。」厨房の中にいるリチャードと未梨、ホールに入って来たふたりに笑顔で挨拶、「いらっしゃいませ~~。」オーダーを受けた後の伽璃菜もふたりにお辞儀を。「いらっしゃいませ~~。」カウンター席には、理江子と男性。佐津香、理江子と一緒にいる男性を気になりながらも理江子に、「お疲れ様~~。」小埜瀬も同じように…、そしてお辞儀をして、「お疲れ様です。」佐津香、理江子に、「先日はありがとうございました。」厨房を見ながらも、「こちらですっかりご馳走になっちゃって~~~。」そして、「それに、あんなに甘えちゃって~~~。」小埜瀬も佐津香と理江子を見ながら笑顔で…、それと、僅かに恐縮するように、「とにかく、美味しかったです。まっ。来れなかった人もいたんですが…。」リチャード、厨房から、ニコニコと、「いいえ~~。とんでもないです~~。ありがとうございました。」ペコリとお辞儀をして…。そして、理江子を見てまたニコリと。理江子、そんな小埜瀬と佐津香に一礼をして、「お疲れ様です。わざわざごめんなさい。お休みのところ。」佐津香、小埜瀬、思わず両手を前に、そして顔を左右に、「いえいえ。」理江子、「それに…。今度は是非、みなさんで…。」佐津香、その言葉に、こちらも恐縮しながらも、「ありがとうございます。…でも、あんなに甘えては…。」リチャードと未梨、ふたり同時に、「と~~んでもない~~。」そして、ふたり同時に顔を見交わして、そしてニコニコと。リチャード、「是非、お気になさらず~~。」佐津香と小埜瀬、その言葉に、ふたりで顔を合わせて笑顔で…。そして…。理江子の傍にいる男性を気にしながらも…。そして理江子、椅子から立ち上がり、隣の男性にも…。ふたりが立って並ぶ。佐津香、理江子に対して笑顔で僅かに顔を傾げる。理江子、男性を…。「こちら、大貫寿永流(おおぬきじゅえる)さん。」佐津香と小埜瀬、お互いをチラチラと目で交わしながらも理江子に、「おおぬきじゅえる…さん。」寿永流、ふたりに笑顔で、「初めまして。」そして内ポケットから名刺入れを…。名刺を差し出してふたりに…。佐津香と小埜瀬も、「あ。」「おっと。」お互いに名刺交換。佐津香と小埜瀬、名刺を見て、それぞれ…。「出版会社lumière(リュミエール)東京本社。第三編集部、コスメリット。大貫寿永流(おおぬきじゅえる)。」寿永流、「はい。大貫寿永流と申します。まだ…、新しい名刺が出来てなくて申し訳ありませんが、この度、主任に昇格しまして…。」理江子、少し…恥ずかしそうにも…、そして…、照れ臭そうにも…。そして…、寿永流と目で、チラチラと…、しながらも…。「実は~~。…そのぉ~~。」「今度、結婚しま~~す。」いきなり伽璃菜。「えへ。」その声にいきなり佐津香と小埜瀬、びっくり仰天、「え~~~~ぇえっ???」瞬間、理江子、伽璃菜に、「もぅ~~~。伽璃菜~~~。」小埜瀬、理江子と、男性を見て、「えっ…???…あ…の…。」目をパチクリと。そして、佐津香も小埜瀬を見て、同じように目をパチクリと…。そして顔を傾げて…。理江子、思わず恐縮しまくりで、「あ。…はは。あの…。いえ…。」寿永流も思い切り、照れながらも…、頭の後ろを撫でながら、「ま…、参ったな…。いきなり。」そして、理江子、「あの…。」そして佐津香と小埜瀬を見て、「あの…。ねぇ~~~。」寿永流を見て。いきなり佐津香、そんなふたりを見て、すぐさまニッコリと。そして、「わ~~~お。」小埜瀬を見て、ニッコリと。「ねぇ~~~~課長~~。」小埜瀬、いきなりの佐津香に、「あ、あ~~~。」厨房でリチャードも、「おめでとうだね~~。はははは。」佐津香、すぐさまニッコリと、「う~~~ん。おめでとう~~。」小埜瀬も便乗するように、「はははは。おめでとうございます。」この時、何故かは分からないが、急に、佐津香と小埜瀬が、自然に、佐津香の左肩が、小埜瀬の右二の腕に触れる。けれどもふたりは一切、感じない。そしてふたり、そのまま拍手。その時、理江子、そんな佐津香と小埜瀬を見て、頭の中で、「…あれ…???…このふたり…。」けれども、そんな感覚はすぐに…。ニッコリと、そして、照れながらも、伽璃菜に、「もぅ~~。伽璃菜。」伽璃菜、厨房の角で、理江子に、可愛らしく、「べぇ~~~。」瞬間、佐津香、理江子を見て、伽璃菜を見て、「えっ…???…理江子さん…。彼女…とは…???」理江子、「あ、うん。えぇ。子供の頃からの幼馴染。同い年なの。」その声に佐津香も小埜瀬も、またまた目をパチクリと、「へぇ~~~。」「お~~ほ~~~。」小埜瀬、佐津香の肩越しに、「同い年~~。」好きになれない。 vol,172. 理江子、店に入って来たふたりを見て…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.19
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実は、絢美、横井土家の家政婦であるが…。この女性を紹介したのが麗子である。横井土、「まっ、面白い事もあるもんだ。…と、言うか、ここまで偶然が繋がると、と、言う意味だが。」麗子もにこやかに、「確かに。」横井土、「まっ。お前さんの伝手で…。」そこまで言って横井土、「かかかかかか。私にも、ご褒美のようだが。」麗子、嬉しがって、「…でしょう~~。かかかかか。」「ヨッシ。飯だ~~~。へへへへ。朝飯抜きだったからな~~。」廊下をテンテンと。その後ろから絢美が…。横井土の孫、敬嗣(けいじ)である。ダイニングに入ってきた敬嗣に麗子、「おっと~~、敬嗣~~。何その、ボサボサな髪~~。」横井土も、「おぃおぃ。身嗜みくらい、おま…。」そう言いながらも、「まっ。それでも…、一起業家のひとりなら、止むを得えんが…。」横井土敬嗣、投資家である。大学時代から投資に没頭。大学卒業と同時に、同じ仲間の投資家数人と会社を立ち上げている。但し、事務所などは構えずに自宅、自室がオフィス同然。そして、当然ではあるが、しっかりと認可も下りていれぱ業績も上げている。そして…、ここが肝心なのだが…。礼美の兄である。年齢30歳。未だに独身。「おっと、兄貴、来たんだ。」礼美。…さほど…、さっきまでのヨガスタイルとは…変わっていない…ような…。上半身にフィットしているTシャツ。そして脚線美のレギンスパンツ。敬嗣、礼美に、「おまえな~~。家でそんな格好するより、外でやれよ~~。男、目を釘付けにするぞ~~。かかかかか。…まっ。我が妹ながら、自慢なんだがな。」麗子も礼美を見て、「うんうん。確かに。それだけプロポーションが良いと…。…でも…、男性の視線…、気にならない…???」その声に礼美、「ふん…???…あ、いや…。だって、この格好、家と、ヨガ教室でだけだから。」麗子、顔を傾げて、「ん~~。まぁ…。そんなもんか…???…まぁ~~。中国や韓国じゃ、今、そういうの…、流行ってんでしょ…???」その声に礼美、両眉を上下に、「うん。まぁ、あっちは日本より遥かにオープンだもん。」絢美、「はいはい。敬嗣さん、礼美さん、お願いしますね~~。」敬嗣、「おっと~~。了解。」礼美も、「おいしそう~~。」そして、絢美に、「さすが、絢美さん。冴えてる~~。」絢美、ニコニコ、「お褒めに預かり~~。恐悦至極。ふふ。」佐津香、駐車場に、「さてと…。」小埜瀬も、「着きましたか~~。ほんじゃ。」麗子、「…って言うか、んじゃ、今頃、お姉ちゃんと登美(とみ)は、歌舞伎…???」横井土、その声に、「かかかかか。まま、そういう事だ。」そして、「絢美さん。どうぞ、一緒に座って。食べよう~~。」絢美も、「はい。」そして…、自然に敬嗣の隣の椅子に座って。敬嗣、ニコニコと。その顔を見て礼美、右目を何かしら歪めて。敬嗣、「ヨシ、食おう~~。」その他の4人は、「いただきます。」この、絢美と言う家政婦だが、凡そ6カ月前から横井土家に世話になっている。それと言うのも、元々は介護士であり、介護福祉士の資格も持っている。名前を有紀元絢美(ゆきもとあやみ)。56歳。麗子よりは年下である。この縁は何かというと。有紀元絢美、実は柿崎佐津香の大学の同期。自分の祖父母も介護でヘルパーに世話になり、そのヘルパーの物凄い行き届いたケアに魅力を感じ、大学時代から介護と看護の勉強を…。看護の資格は…、残念ながら、その専門の道には進めずに、介護を選択。元々佐津香とは仲が良く、大学時代から連絡は絶えなかった。自分の祖父母を立て続けに介護施設からの訃報で亡くし。それに自分の母の介護を必要となり介護施設を辞職しての母親の介護に当たる。そんな彼女に結婚生活をしていた夫は介護だらけの妻に耐え切れずに離婚。ひとり娘が大学生である。その後、絢美の母親も2年の介護の後に、容態悪化で病院に搬送。死亡している。母親の介護から解放され、以前の職場に復帰。と、言うところに佐津香から連絡。佐津香は麗子から誰か家政婦になれる人、と、持ち掛けられていたのだった。横井土家の今までの家政婦は、この家政婦も、故郷の父親の面倒を見る事で家政婦をやっていられなくなり、横井土家の家政婦を辞めてしまったのだった。そういう経緯がある。これが有紀元絢美の人物像である。介護士としてはベテラン。しかも、誰からも愛されるという人柄。そして…、容姿も…、悪くない。ただ…、予想だにしない事が…。佐津香と小埜瀬、ラスカの玄関に。そしてドアを開けて、「こんにちは~~。」「こんにちは~~。エレガンザ化粧品で~~す。」 好きになれない。 vol,171. 「ここまで偶然が繋がると、と、言う意味だが。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.18
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賀寿恵、そんな2人を見て、「あ~~~ん。なるほど…。インスタ。」その声に隆英、賀寿恵に、「インスタ…???」「はい。」隆英を見て…。「多分…。隆英さんの後ろ斜めの席の女性ふたり。インスタにここのメニュー、上げているんでしょうね~~。私は知らなかったんですけど…。道理で…、客入りがいい。」隆英、周囲を見渡しながら、「はぁ…。」「隆英さんは、インスタ。」目をパチクリとさせながら、「あ、いえ…。インスタ…???」「はい。インスタグラムの事です。写真を撮影してネットに上げるやつ。」頷きながらの隆英、「あ~~、はいはい。それなら…。名前程度は…。」「今や、女性たちの間では人気ですから。」ポツリと隆英、「なるほど。」賀寿恵、自分のスマホをササササと。そして隆英にそれを…。「これです。」画面を見て隆英、コクリと、「はいはい。なるほど…。」けれども恥ずかしそうに、「はは。僕は…、やった事も…。」スマホを自分の方に、賀寿恵、「こうやって、今の女性はインスタに上げて…、ある意味…。いいねや、フォロワー数が増えれば増える程、感激するって訳です。」「へぇ~~ぇえ~~。」「まっ。一種の…、生活リズムの、モチベーションでも、あるのかも…。」隆英、「じゃあ…。弓さんも…???」賀寿恵、照れながらも、「あん。でも…、私の場合は…、それほど…。…単に…、流行りに…乗るだけ…。…一応…、インテリアに関して、アンテナは…、張っておかないと…。」「なるほど。」「…で、ないと麗子さん。社長に仕えている訳ですから。」隆英、両眉を上下に、「う~~ん。」ダイニングに絢美、「大旦那様~~、お食事の準備が~~。」ベランダで寛いでいる横井土と礼美、そして麗子、「おほ。準備、出来たか~~。」「うん。」「そうらしい。」麗子、今度は玄関から。そして…、キッチンに…。「こんにちは。」絢美、「あら、麗子さ~~ん、いらっしゃってた~~。」そんな絢美に麗子、「かかかか。うん。いきなりベランダに入っちゃったから。」「そうでしたか~~。」麗子、「う~~っわ。凄いご馳走~~。絢美さんも一緒に、でしょう~~。」「えぇ~~。頂きます~~。」瞬間、「おっと。敬嗣(けいじ)さん、教えてあげないと。」礼美、「あん。それじゃ、私が…。…と、言っても、お兄ちゃん、絢美さんじゃないと、ダメか~~。」その声に麗子、「えっ…???…そうなの…???」絢美、何かしら、恥ずかしそうに…。礼美、麗子に耳打ち。麗子、「ふん…???」そして、目を真ん丸に、「うそ―――――――っ!!!」礼美、思いっきりしかめっ面をして、「シ――――ッ。おじい様には内緒。」麗子、途端に、「え~~~ぇえ~~???」絢美、真っ赤な顔をして…。麗子、絢美を見て、「うっそ。」小さな声で、「絢美さん、敬嗣と…???」瞬間、絢美、口を真一文字に。「ん~~~~~。…」困った顔をして…。それでいて、嬉しいような、微妙な表情で…、「…どう…なんで…、しょうかね~~~。」麗子、「いやいやいや。マジで…。」横井土は既に椅子に座り新聞を。礼美、「私も着替えて来よう~~っと。」麗子、ゆっくりとダイニングに。横井土、「それはそうと…。ジョエル、どうだぃ。今。お前のお気に入りの…、柿崎優維香君。お前さん、どうやらその子、見染めたんじゃ。その子のお蔭で、今度のスタッフコレクション。」麗子、椅子に座りながら、「えぇ。彼女のセンスは抜群。前回で、辞めてった子、その子と同じセンス。持っているような…。」横井土、「かかかかか。そうか。うん。逞しい~~。私も顔は見せてもらったよ。」「へっ…???…お兄ちゃん、何処で…???」「あ~~。お前には内緒にしてたが、当日、私も礼美に誘われて…会場にね。かかかかか。あいつ、あの日は仕事、休みだからって、自分の局でも生中継するから見に行こうって。」麗子、目を真ん丸に、「そうだったの~~???」「…元々、お前からその子の名前、聞いて知ってたから、どんな子かなって、思ってね。…そしたら、何々、礼美が見つけてくれて、かかか、挨拶までしたよ。彼女、礼美がテレビ局の人だって知って、驚いてたが…。かかかかか。」麗子、「へぇ~~~。そうだったんだ~~。」横井土、新聞を畳みながら、「確かに。彼女、良い目をしていた。なるほどと。…で、そういう意味でも、リッツカルパンをね~~。」麗子、目を真ん丸に、そして口を真一文字に。「ふ~~~ん、な~~るほどね~~。そこまでは…、私も…。」横井土、「かかかかか。今回は、私が、一本取ったな。ははははは。」その笑いに麗子、ニッコリと。「ふふふ。まぁね。」この、「私が一本取ったな。」の意味は、つまりは、絢美の事を指している。 好きになれない。 vol,170. 「あ~~~ん。なるほど…。インスタ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.17
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佐津香、「だから…。ふたり、共に、巡りあわせが、ない。…で、巡り合った途端に、この人しかいない。…になっちゃったんでしょうね~~。…で…、もぅ~~、そうなったら、ある意味、女性は強い。吉竹部長、あぁいう性格だから、自分が好む好まない関係なく、胡桃さんから引き摺りまわされる。そして、吉竹部長も部長で、何も文句は言わない。しかも、嘘も付かない。…で、あの体格だから、頼りになる。」話を聞きながらの小埜瀬、佐津香にチラリと、「凄いですね、佐津香さん。ズバリと…。」その声に佐津香、ニンマリとして、「まっ。長いですから。」頷きながらの小埜瀬、「確かに。」すると、小埜瀬、何やら、「ん~~~。」何ともリラックスした感じで…。頭の中が、ボゥ~~ッと。沈黙する車内。佐津香、ポツリと。「あは。私…、喋り過ぎました…???」チラリと小埜瀬を…。小埜瀬、気持ち良さそうに…。僅かに薄目で…。左手指に、顎を乗せながら…。佐津香、「か…、課長…???」その声に小埜瀬、いきなり、眠りから覚めたような感じで、ビクンとしたように、「えっ…???…あっ。…はははは。すみません。つい、うっとりと…。」佐津香、「大丈夫ですか…???…昨夜はしっかりと…、眠って…。」間髪入れずに小埜瀬、「はい。しっかりと休んでます。ご心配なく。」けれども小埜瀬、頭の中で、「…何なんだ…???…いきなり懐かしい気分に…。遠い昔…。」佐津香、「課長。」小埜瀬、「あ、はい。」「あれから…、煙草って今も…???」「えっ…???…今も…、吸ってないですけど…。」ふと。「あ、佐津香さんのご主人も煙草は…。」「あん。主人は元々煙草は吸わない人。その代わり、アルコールがねぇ~~。」小埜瀬、「おやおや。…あ。…道理で、車に乗った瞬間、全く煙草の匂い。」その声に佐津香、小埜瀬を見て、「はぁ…???…ははははは。主人が亡くなったの、10数年も前ですよ。そんな…、幾ら何でも、匂いは…。」瞬間、小埜瀬、「あっ。」そして左手で額をペン。「かかかかか。…ですよね~~。そんな…、ある訳、ないですよね~~。匂い。」そして佐津香を見てまた、「かかかかか。」すると、「おっと。」スマホにバイブ。小埜瀬、佐津香に、「ちょっとすみません。」佐津香、ニコリと、「どうぞ。」小埜瀬、スマホに、「おぅ、久しぶり。」スマホの向こう、「あ~~、親父。」小埜瀬、「おぅ。どうした…???」スマホに手を。「倅からです。」佐津香、両眉を上に、顔をコクリと。スマホから聞こえる声、「俺、今日から、新居だから。」「新居…???」「あぁ。今迄ホテルにいたけど…。今日から新しいところに…。」小埜瀬、スマホに、「へぇ~~~。」「後で住所、教えるから、東京来た時には…。…って、言っても…。はは。ん~~~。」その声に小埜瀬、「おぃおぃ。何だよ、その、ん~~ってのは。」隆英、自分と入れ替わりに化粧室に入っていた賀寿恵が席に近づいてくる。「また、電話するわ。じゃ。」そしていきなり通話が切れる。小埜瀬、スマホを耳から外して、「…ん…???…切れやがった。」佐津香、ハンドルを握りながら、「息子さん…???」小埜瀬、スマホ見ながらも、「えぇ。…なんですけど、ねぇ~~。いきなり電話して、いきなり切れたって、あいつ…。…新しい…、新居。」佐津香、「…と、言う事は…、ご結婚…???」瞬間、小埜瀬、「あ、いえいえ。…今、日本にいるんですけど、ね。」「あらま。じゃ、今まで何処に…。」小埜瀬、顔を傾げて、「さぁ。」佐津香、思わずくすりと、「さぁ…って…。」「まっ。何処をどうほっつき歩いているのやら。この前、電話が掛かってきて、いきなり、日本に帰ってきたから。…で、その時も、いきなりの電話でいきなり切る。」「あら。」「…って言うか。」小埜瀬。「僕の場合は…、まだ仙台にいる事になってますけど…。かか。」その声に佐津香、右目を歪めて、「あら~~~~。じゃ、息子さん、課長が今、東京にいる事は、まだ。」ゆっくりと頷いての小埜瀬、「知りません。」佐津香、「いやいやいや。…いいんですか~~~???」小埜瀬、クスリと、「まっ。何れはバレるでしょうけど…。」佐津香、前を見ながら、「…そろそろ…、ですね~~。」小埜瀬、ナビを見て、「おっと。」ナビのポイントは、ラスカに、近づいていた。「それにしても…。」隆英。辺りを見ながら…。賀寿恵も、「えぇ。…混んできましたね。」「…けど…。うんうんうん。」隆英、「中々どうして~~。このナポリタン。」賀寿恵も同じものを注文して、食べて、隆英同様に、「うんうんうん。美味しい~~。」「ですよね~~。」女性2人連れが…。斜め前の席で。「わ~~。美味しそう~~。さすが人気グルメ~~。正解。」そして、スマホで、「アップしよう~~。」 好きになれない。 vol,168. 「はい。小埜瀬です。佐津香さん…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.16
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佐津香、パソコンのキーワードを打ちながら、「うん。今、ようやっと、ひとつ仕事、片づけたから、いいよ。…これを…、送信。…と~~。OK~~。」スマホから愛結美の声、「助かる~~。」佐津香、「お相手さん、ラスカで待ってるんでしょ。」その声に愛結美、「うん。多分。」「これから伺いますって、理江子さんに。私、彼女の番号、知らないから。」愛結美、「OK、分かった。ありがとう~~。じゃ、今から電話するね。」佐津香、「うん。オッケィ~~。」そして通話は切れる。優維香、「なんか…、仕事かな…???」「ふん。分かんないけど…、行ってくるわ。」そして、「おっと。電話しなきゃ。」そしてスマホで、トン。2回のコールで…。「はい。小埜瀬です。佐津香さん…???」佐津香、スピーカーで、「あ、はい。お疲れ様です。佐津香です。今、愛結美さんから。」「あ、はい。僕にもありまして、今、準備。」優維香、「わお。素敵な声。」佐津香、「これから出ますけど…。」「あぁ~~。じゃあ…、何処かで待ち合わせ。」「あ、いえ。私…、車で行きますんで。」小埜瀬、「車…???」「えぇ~。亡くなった主人の車。」スマホから、「あ、あ~~~。なるほど…。…って、佐津香さん、免許。車…???」その声に佐津香、「えぇ。大学卒業と同時に、免許、取ってるんです。まぁ…、ある意味、亡くなった主人の送迎も、車で、でしたから。」スマホから聞こえる小埜瀬の声、「へぇ~~~。なんと、凄い。」「30分くらいで…。」「あ、はい。分かりました。お待ちしております。」優維香、「まっ。一度、行ってる…。あ、二度か。」佐津香、そんな優維香に、「まぁね~~。」そして、「ヨシッと。」スマホにライン。「おっと、澪ちゃん。ふふん。どう致しまして~~。原稿、ありがとうございました~~。」佐津香、着替えて…。「優維香~~。留守お願~~い。」「OK~~。」ガレージから車が出た音。そして…。小埜瀬の自宅前。「こんにちは~~。お疲れ様で~~す。」「はいはいはいはい。お疲れ様~~。じゃ、行きましょうか。」小埜瀬、スーツ姿に。佐津香、「はい。」そして…。小埜瀬、「へぇ~~。セダン。」佐津香、「えぇ。」それぞれシートに。佐津香、シートベルトを。「では…。」「お願いします。場所は…。」その声に佐津香、「しっかり、ナビ。」その声にナビを見て小埜瀬、「あ~~~ぁ、はは、なるほど。……。」チラリと佐津香を見て、「亡くなった…、ご主人の…車。」佐津香、「えぇ。はい。元々、車を買おうかって思っていたんですけど…。そんな折に、主人と出会って。その頃は、もぅ…主人、免許持って、車も、ありましたから。主人は、高校卒業と同時に。」小埜瀬、「はいはいはい。なるほど。…そういう事…でしたか。はい。」そして…、走りながら…。佐津香、「理江子さん…。一体…誰を…。」小埜瀬、「ふ~~ん。私も…分からないんですけど~~。責任者って…。…多分、部長…。電話に出ないって…。奥様と…???」瞬間、佐津香、「あっ!!!…そっか~~~。ミュージカル~~。」佐津香をチラリと見て小埜瀬、「ミュージカル…???」また前に顔を…。そして小埜瀬、眉間に皺を寄せて。「ミュージカルって…部長…???」佐津香、顔を振って、「ううん。奥様。奥様の方、胡桃さん。彼女、ミュージカルのファンだから~~。劇団ソワレ。課長、ちょっと検索してみません。」その声に小埜瀬、ポケットからスマホを出して、「えぇ~~。劇団…、ソワレ。と。あ、ありました~~。」そして指先で…。「へぇ~~。…って事は、やって…るんだ。JR東日本ソワレ劇場…。浜松。」「劇団の中でも超有名ですから。胡桃さん、大学時代から熱狂的ファン。」「へぇ~~~~。」「多分、部長、胡桃さんに連れ回されてますね~~。」その声に小埜瀬、「え…???…嘘。」チラリと佐津香を見て…。佐津香、運転しながら、しかも笑顔で、「あぁ見えて部長、吉竹部長、女性にはからっきし。デェ~~ンと構えてますけど…、仕事ならいざ知らず、プライベートとなるともぅ~~、あたふた。しかも、女性には甘い。だから~~。胡桃さん以外の女性は、全くのシャットアウト。それでいて、胡桃さんも同じ。あれだけの容姿で男性を寄せ付けないんだから。…で、奈菜さんから紹介されての…。」そこまで話して佐津香、「あ。門倉に行ってるんですから、もぅ~~。話は聞いてますよね。」小埜瀬、佐津香に、頷いて、「え~~。凡そは…。奥様、部長は嘘は付かないから好きって。」「つまり。」佐津香。「胡桃さんも、自分から男性にアプローチはしない方。…でも、向こうからって言うんなら~~。…逆に、胡桃さんくらいの容姿だから、男性も必ず誰かひとりやふたり。と思っている。」 好きになれない。 vol,168. 「はい。小埜瀬です。佐津香さん…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.15
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隆英、賀寿恵に、「ふふん。さすがは弓さん。お買い物上手。…因みに弓さんは…、そのワンピ、どちらで…???」賀寿恵、「あ。私は…。…専ら…、ネットでなんです。」「ほぅ。」「確かに…、ショップに直接足運んで買ってもいいかな。とは、思うんですけど…。…以外と…、休憩時間なんかで、気が向いた時に…。そういう時って、結構~~。あれ、これいい。なんて言うのがあったり…。…と言うか、お気に入りのショップがネットにあるので…。それ以来は…、そっちで…。」隆英、話を聞きながらに頷いて、「な~~るほどね~~。今やネットの時代…。ですもんね~~。」「隆英さんは…???」「あ、いや…。僕は~~。もぅ、普通に…、ショップに足を…。まっ。決まったショップって…、ないんですよ。どっちみち、その場所に長くいる事…自体、ないですから…。」そして、「ハハ。荷物になるのも…、嫌ですからね~~。」賀寿恵、「なるほど。」「さて…。」6階へとエスカレーターを…。そして…。同時に、2人、「えっ…???」賀寿恵、「うそ。」前方を見るふたり…。どちらからともなく…。「並んで…。」賀寿恵、「ますね~~。」そして、「え、え~~ぇえ…???」賀寿恵、ポツリと、「今日…、何かの…、日…???」前の景色を見ながら…。隆英も同様に…。そして、顔を傾げて…。「さぁ…。」すかさず賀寿恵、スマホをバッグから…。「ちょ…、ちょっと…。待ってください。」隆英、「あ、はい。」賀寿恵、ササササと、スマホで…。「あ、ここなら…。」そして指でトン。「あ、すみません。今…、そちら…。空席って…。」すると…。「あ。そう…ですか~~。…じゃあ…。10分かもうちょっと、掛かるんですけど…。2名、予約で…。……あ、はい。お願いします。」そして…、「予約…、取れましたので…。急ぎましょう。」隆英、「あ、はい。…それにしても…。」「隆英さん、これからは…下までエレベーターで、急ぎますから。」「ですね~~。」昼食のカレーを食べ終え、少しのお昼休み。コーヒーを飲みながら寛いでいる優維香と伊寿美。佐津香は休む事なくまた書斎に…。あれこれとお喋りしながらの優維香と伊寿美、そんな伊寿美に、「おっと。」優維香、「うん…???…もしかして…、岳燈君から…???」伊寿美、スマホ画面に、「ふ~~ん。おほ。仕事、終わった~~。はぁ~~ぁあ~~???…これからお昼食べよう~~ぅお~~???…た~~くぅ~~。カレー食べたんだけど~~。」そんな伊寿美に優維香、ニコニコと、「はいはい。お邪魔はしませんよ~~。」そしてまたライン。「…って~~。ショップ、送ってくるし~~。」優維香、「ニシシシシ。行ってらっしゃ~~い。」伊寿美、「んもぅ~~~。」ぷ~たれた顔をして。「な~~んて顔、してんだか~~。」顔をグシャリの伊寿美。歌舞伎の見得のような顔して、「ヌ~~~。」で、そこで、椅子から。「はいは~~い。」優維香、ニコニコ。伊寿美、「ふん。行って来~~ます。」そして書斎に顔を、「おばさ~~ん、これからデ~~ト~~。」書斎の中から、「行っといで~~。ありがとうねぇ~~。」伊寿美、優維香に、右手をひらひらと。「じゃね。」優維香、ニッコリと、「うん。」玄関まで伊寿美を…。そして…、書斎のドアを。「入るよ~~。」佐津香、「あん。どうぞ~~。」母の傍まで優維香、「どぉ…???」「ふ~~ん。こんな感じ~~。」パソコンの画面を見て優維香、「おほほほほほ~~。さっすが~~。プロ。や~~りますね~~。」「そりゃそうでしょう~~。今日、締め切りだから~~。」「うんうん。確かに。」すると…。今度は佐津香のスマホにライン通話の着信音。「うん…???…はい、佐津香~~。」「あん。佐津香さん、ごめんなさい。お昼に~~。」愛結美からである。「ううん~~。お昼、食べた後だから~~。」「大変、申し訳ないんだけど~~。ラスカに、行ってくれる~~。」佐津香、「ラスカ…???」「うん。何だか、分かんないんだけど~~。理江子さんが紹介したい人がいるんだって~~。…で、私に電話くれたの~~。」佐津香、口を尖らせて、「紹介したい人…???」「うん。…で…、出来れば責任者の人もって~~。」その、責任者と言う声に、「責任者…。…って、武一~~。部長が責任者~~。」「それが、何度も電話してるんだけど出ないのよ~~。…って言うか…、電源、切ってるし~~。」佐津香、口を大きく、「わお。」「でぇ~~。仕方なく、課長に~~。」目を大きく見開いて佐津香、「課長~~???」「うん。一言返事でOK。今、おばあちゃんとお昼してるんだって~~。」佐津香、思わず、「かかかか。おばあちゃんか~~。」数秒後、「ふ~~ん。分かった~~。」「えっ…???ほんと…???」 好きになれない。 vol,167. 「ふふん。さすがは弓さん。お買い物上手。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.14
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伊寿美、「もぅ~~。それは、当然。」優維香を見て、ニコニコと、「大有りでしょう~~。何てったって、インテリア部門、国内では最高クラス。」「だから…、ジョエルの七瀬社長、もしかしたら…、そこら辺の事も、ある程度、考えているんじゃないかな~~って、私は、思うんだよね~~。その…、インテリアコレクションで…、勝ち抜いてきた、ある意味での…、功績者。…と、言えば…。」佐津香、チラリと優維香を見て、そして伊寿美を見て…。伊寿美、そんな佐津香に、ニコニコと、「うんうんうん。」佐津香、「そんな…、功績者を~~。」ますますニコニコとなる伊寿美、「うんうんうんうん。」「更なる期待を…。」佐津香、今度は目を真ん丸にして優維香を覗き込むように、「している。のでは~~。あるまいか~~。」優維香、いきなり、「おかあさん。んもおぅ~~~。冗談はやめて~~~。それでなくともハードだって言うのに~~~。まさか、スタッフコレクションに参加決定からこんなに激務になるなんて想像してなかった~~~。」佐津香、そんな優維香を見て、「だよね~~、もぅ…、1カ月半前から…???…帰って来る時間も遅いし~~。ふふん。」その声に優維香、母を見て、「あっ。それを言うんならおかあさんも同んなじ~~~。新しい課長さん来たりの何げにドタバタ。それに今度は海外コンペ。」伊寿美、優維香のその声に佐津香を見て、「えっ…???…おばさん、海外コンペ…???」目をパチクリと。佐津香、「う~~ん。」仕方ないような声で、「…まぁねぇ~~。新しい課長が仙台から来て…。ん~~。その新しい課長って、以前と違って、男性だから~~。まだ部署内が落ち着いて…。」そこまで言って佐津香、思わず顔をへこませるように、「微妙…なんだ…けど~~。そんなところにバンと降って湧いたような海外コンペ。いやいやいやいや、こっちもハードだわ~~~。」伊寿美、思わず、「えっ…???…おばさんとこにも新しい課長さん…???…えっ…???…男性って…。前は…???」優維香、伊寿美を見て、顔をコクリと、「うん。前は~~。女性の人~~。なんだ…、けど…ね。」母を見て。そしてまた伊寿美を見て、「…しかも~~。その課長さん、おかあさんと年齢が同じ~~~。」「わ~~~お。」伊寿美。また目をパチクリとさせて、「何々。そしたら優維香のとこと同じ~~同い歳じゃ~~~ん。」佐津香、カレーを食べて、「ふん、まぁ~~。偶然と言うのも、あるものよね~~~。」優維香も、口を噤んで、「ふ~~ん。」そして両眉を上下に。伊寿美、「ふ~~~ん。どちら様も同い歳っかぁ~~~。」隆英と賀寿恵、エスカレーターからまた別方向のエスカレーターに。賀寿恵、隆英に、「あの~~~。エレベーター使っても…。」隆英、そんな賀寿恵に、「あ、いえ。何年振りかの日本のデパート、何だか見てみたくなりましてね。歩きながらちょいちょい覗き見するのもありかな、と。」その声に賀寿恵、2度程頷いて両手を後ろで結んで。バッグは右肩から提げられている。婦人服のコーナ。隆英、ニコニコと、「うんうん。中々素敵ですよね。」さり気なく婦人服を覗き込むように…。…すると…。「あれ…???」賀寿江、隆英に近づき、心配そうに、「どうしました…???」すると、隆英、「なんと。こういう事もある。」そんな隆英に賀寿恵、目をパチクリと…。ラックに掛けられている何枚ものアイテムから一枚のアイテムを取り、「いやいやいや。」賀寿恵、「えっ…???…え…???」隆英、「まさか…、の、まさか。」そして賀寿恵の右脇に、「はい~~。」また賀寿恵、「えっ…???…え…???」「弓さんが今、来ているワンピース。襟なしのロングワンピース。けれども、これは、襟あり。刺繍が、施してありますけどね。全くの、それ以外は同じデザイン。いやはや。あるものです。」賀寿恵も、そのアイテムを見るや否や、「わっ!!!…ほんと~~。これ~~~。」そして自分のワンピースを見て、「凄っ。ほんと…、同じ~~。襟以外…。」隆英、ニコリと、「ねぇ~~~。あるものです。」賀寿恵、「うんうん。えぇ、えぇ。」隆英、タグに触り、見て、「おや。」そして、「なんと。」そして、今度は、「かかかかか。いやいやいや。」賀寿恵、そんな隆英に、「えっ…???」すると隆英、賀寿恵に、意地悪そうな顔で、「弓さん。はて…???…ハウマッチ。」賀寿恵、咄嗟に、「えっ…???…えぇ…???ハウマッチ。値段…って…。…私は…、これ…、4500円で…。」隆英、「4500円。何と…。」眉間に皺を寄せての隆英、賀寿恵を見て…。賀寿恵、困ったように…。「えっ…???…えぇ…???」すると隆英、今度はニッコリと。「6800円。」賀寿恵、「うそ。」 好きになれない。 vol,166. 伊寿美、「もぅ~~。それは、当然。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.13
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礼美、「もぅ~~。喋り出したら止まんない。しかも、飲んだら必ず出てくる、博多弁。もぅ~~。何言ってんのか、全然分かんない。…しかも、あの顔で言うから、面白いのなんの。」麗子と正嗣、話を聞きながら、「うんうんうん。ここにも一度、来た事、あったじゃない。」正嗣、「かかかかか。あの人もとにかく面白い人だ。曲がった事が大嫌い。けど…。愛されてんだろう~~。」礼美、「うんうんうん。凄いよ。」「それから…っと~~。…これ…、と、これ。」日用品を選びながら賀寿恵、「こんなもの…。ですかね~~。」隆英、賀寿恵にペコリと。「ありがとうございます。」「いえいえ。」部屋に必要なものを揃えながら…。賀寿恵、「…でも…、ちょっと…。好みが…。」隆英、右手を振り振り、「いえいえ。とんでも…。これで十分。…仮に、僕が選んだら、もっと…。」「日本は…、物価が、高いですから。」その声に隆英、「えぇ。弓さんのお蔭で、これほどまでに安い。…勉強になりました。…と~~。」腕時計を見ながら、「お昼…、しましょうか。」賀寿恵、その声に僅かに赤面になり、「あ、はい。」伊寿美、「ヨシ、出来たっと~~。優維香~~。出来たよ~~。」優維香、テーブルセッティングで、「OK~~。こっちも準備万端~~。おかあさ~~ん。」佐津香、自分の書斎で、両手を組んで高く挙げて、「う~~ん。よし。お昼~~。」そして、鼻をクンクンと。「へっへぇ~~。出来たな~~、カレ~~。ここまで匂ってくるぅ~~っと~~。」ドアを開けて、「う~~ん、いい匂い~~。」「どうしても、カレーが食べたいって伊寿美がねぇ~~。」優維香。そんな優維香に伊寿美、「まぁ~~。しゃあないでしょ、おかあさんも岳燈も今日はクライアントの都合でプライベートキャンセル~~。まっ、こういう事もありだからね~~。テレビでカレーを観てたら食べたくなって~~。」優維香、「一緒に食べよう~~ってね~~。」伊寿美、「へっへ~~。」そして…。それぞれがカレーを。佐津香、「うんうんうん。おいし。これ…、もしかして…、ウィスターソース~~???…隠し味~~。」優維香も、「うんうんうん。そんな感じ~~。」伊寿美もニコニコと、「はは。ビンゴだよ~~。私は、これなんだよね~~。」優維香、「確かに。カレーにウィスターソースって、人気あるよね。」伊寿美、食べながら、「ねね、優維香~~。」その声にこちらも食べながらの優維香、「うん…???」「その後…、どぅよ、新しいリーダー殿…???」いきなり優維香、目をパチクリと…。そして、眉間に僅かに皺を。そして、顔も僅かに傾げて、「ふん…???…どぅよって…???」「世界を股に掛けてのカメラマンに、フリーター。どんな感じかなって、思ってさ。」そんなふたりを、こちらも食べながらの佐津香。優維香、「いや…。どんな感じもどぅも…。特に~~~。」「うそうそうそ。…普通の…さ。何て言うの…、違う部署から配属された人ならいざ知れず、それ以上の別格なんでしょ。」そう言われて優維香、目をパチクリとさせながら…。そして、口をおちょぼにして、「ふん…???…ん~~。まぁ~~。…確かに。…そういう意味では…。」「ねね。…で、歳は…???」「歳…???」「当たり前じゃんよ~~。」優維香、僅かに困ったような顔をして、伊寿美に、「な~~んで、あんたがそういう事、聞きたい訳~~???」「いや。だ~~ってさ~~。まま、確かに、スタッフコレクション前と後。どっちみち、優維香、物凄い忙しくしてたから。中々話す時間なかったし…。」そんな伊寿美に優維香、「まっ。確かに。…今なって、やっと一息。…でも、まだ…、何があるか、分かんないけど。いきなりどでかいのがドンと出てきちゃったから。」いきなり伊寿美、目を真ん丸に、「えっ!!!…何それ…???」「うん。つまりは、あるホテルと契約、結んじゃったの。そのホテルの日本本社と…。」佐津香、「伊寿美ちゃん、リッツカルバン・インターナショナル・ホテルホールディングって検索してみて。」伊寿美、眉間に皺を。「リッツカルバン・インターナショナル・ホテルホールディング…。」ポケットからスマホを。「リッツ…。……と~。…おっと、出た。」じっくりと画面を見ての伊寿美、「うへぇ~~~。凄~~い、デラックス~~。…いやいやいや。何と、アメリカじゃん。」佐津香、「そぅ~~。本拠地はアメリカ合衆国、メリーランド州ベセスダ。そして、その日本の東京本社と、インテリアジョエルが、この度、目でたく契約したと。…当然ながら、スタッフコレクションの栄誉も、契約の切っ掛けにはなったでしょう~~。」口を窄めての伊寿美、目を丸く、「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,165. 伊寿美、「ヨシ、出来たっと~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.12
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「なんだ~~???…随分と早いじゃないか~~。昼までにはまだ…。」軍手をした右手を空に。その声に麗子、「かか。先に用事があったから早くから出て来たんだよ。」「はは、そうか。励治君はゴルフかぃ。」「う~~ん。いつも通り、朝早くから。かかかか。亭主元気で留守がいい。…ってね~~。」麗子、玄関には行かずに、そのままガーデンに。そして、ガーデンのログチェアに座って、「草いじり。精が出るね。」「ん~~~???…あ~~。はははは。んまぁ~~。好きでやってる。」「お兄ちゃんは、ゴルフは~~???」その声に、「え~~~???…はははは。まっ。たま~~にはな~~。お蔭様で、誘ってくれるから、付き合ってるよ。…けど…。この歳だ、そんなに、頻繁には…。…さすがに…、体に堪える。」「確かに。」麗子、「80の歳には、18ホールはキツイか~~。」「麗子おばちゃん。」その声に麗子、声の方角に顔を。「あら、礼美(れみ)ちゃ~~ん。はははは。仕事、休みかぃ。…って、凄~~い。礼美ちゃん、それって~~。ヨガ~~???」瞬間、礼美、「あは。うん。ちょっと一休みで何か飲もうって、下に降りてきたら、麗子おばちゃん見えたから。」礼美と呼ばれた女性、ニコリと。そしてトレイにあるジュースの入ったグラスを。「はい、どうぞ~~。」麗子、「あら、ありがとう~~。」そして礼美を見て、「何ともまた、凄いよね~~。出るとこ、出てりゃ、しっかりと…、レディだよ。何これ…???…今はやりのヨガパンツ…???…んまぁ~~。ピシッと~~。」礼美、「はは。うん。」そして礼美、「おじいさま~~。」その声に、「おぅ~~~。…んじゃ、おし。」しゃがみこんだ姿勢から、今度はスクッと立ち上がり、麦藁帽子を脱いで、首に巻いたタオルを解き、汗を拭いながら麗子と礼美の元にゆっくりと…。この老人、経済産業省、製造産業局、局長、横井土正嗣(よこいどただし)。麗子の従兄に当たる。但し、年齢は80歳。麗子よりも19歳の年上。事実、歳の離れた麗子の従兄である。麗子、「はは。さすがにお兄ちゃん、礼美ちゃんの声には反応良いよね~~。」麗子、礼美と正嗣を見ながらニコニコと。「まっ。これだけの美人だもん。当然と言えば当然。それに…、何と言っても、仕事が、テレビ局だからね~~。ははは。アナウンサーになって、かれこれ…???」礼美、「6年。」礼美、正嗣に、「おじいさま、はい。」「おっ。ありがとう~~。」礼美からグラスを受け取って一口。「いや~~。はははは。冷たい。こりゃいいわ~~。」そして、「礼美、台所は…???」礼美、「あぁ~うん。絢美(あやみ)さん、準備してるよ。テキパキと。」正嗣、その声にニッコリと、「そぅかい。うんうんうん。」そして正嗣、「どぅだぃ、その後…、彼は…???」麗子、その声に、「かかかかか。お兄ちゃん、何言ってるの、まだこっち来て、それこそ…。」正嗣、麗子の声に、「ははははは。…確かに。そうだったな。うんうん。」また一口、ジュースを飲んで、「とにかく、良い青年だ。うん。」数回頷いて。礼美、「ねね、麗子おばさん、その…彼って…、どんな人なの…???」麗子、「うん…???…小埜瀬隆英って言ってね。大学卒業と同時に海外に渡って、フリーのライター、そしてカメラマンってとこ。インテリア専門だけどね。…けど、その実、海外では有名。」「ふ~~ん~~。たま~~におじいさまから、その名前、聞くんだけど、私は、殆ど変わんない年齢だから。」麗子、「あっ。そっか~~。礼美ちゃんと、それほど…。」正嗣、その声に、「ん~~ん…???…はははは。どぅだぃ、麗子、一度、ここにも連れて来たら…。」「ん~~~。だ~~ねぇ。…まっ。軌道に乗ったら。」「ほぅ。…例の…、リッツカルバン。」麗子、正嗣に、一礼して、「その節は…、ありがとうございました。」「いやいやいや。」正嗣、麗子に左手を振って、「私なんて、そんな…。お礼なら、私より、礼美だろぅ~~。礼美の後輩が~~。リッツカルバンの常務のお嬢さんって。礼美が話してくれて~~。それならって~~。」麗子、「うんうんうん。凄いよ、礼美ちゃん。ほんと、ありがとうね~~。」礼美、「あん。でも…、たまたまね。ほんと、たまたま食事に行って~~。その事聞いて、思いっきり、こっちはびっくりだよ。うそ…???…えっ…???…ってなって…。そこからトントンと話が…。…けど…。その子に、私の家系は…、シークレットに。してますけど…。会社にだって~~。統括部長が、まぁ~~。私の…、今のところ、良き上司。とに~~かく、口が堅い。その割に、お喋りなんだ…、けどね~~。」麗子、「うんうんうん。武田鉄矢似の部長~~???」礼美、ニコニコと、「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,164. 「なんだ~~???…随分と早いじゃないか~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.11
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「…って事で、頼んだよ、隆英。」そして、一方的に、映像と通話は切れる。数秒、静まり返る車内。隆英の方から…。「弓さん…???」賀寿恵、ぎこちない目線。そして僅かに顔を火照らせて、「あ、はい…。」隆英、「ゆっくり、行きましょう。」そして、頭をコクリと、「お願いします。」賀寿恵、ハンドルを握りながら、「あ、はい。…こちらこそ…。お願いします。」3秒後…。隆英、賀寿恵をチラリと見て…、「緊張…、して…ます…???」まだぎこちない目線の賀寿恵、「あ、あ~~。あ、はい。…あ、いえ…。」思わず隆英、クスクスと、「リラックス~~。リラックス~~。クククク。」けれども…。「あ。…駄目か。リラックスしてちゃ、ダメなんだ。」思わず賀寿恵、顔を小刻みに左右に、「あ。え…???」隆英、「いや…。だって、今、運転中。運転に集中、集中。」咄嗟に賀寿恵、「あ、あ、あ、あ~~~。あ、はい。はい。はい。」「…って言うか~~。麗子さん、ひとりで、どちらへ…???」その声に賀寿恵、「はぁ~~~。…いや…。私も…、ちょっと…。」隆英、チラリと賀寿恵を…。「はは。その調子です。」「えっ…???…あ、はぁ~~~。あ、はい。」タクシーの中で麗子、「運転手さん。そこ、曲がっとくれ。」運転手、「は~~い。」そして…。賀寿恵、あるビルの地下駐車場に…。そして、車から降りて…。隆英、「凄いですよね、弓さん。運転、上手~~。まぁ…、僕も免許はありますが…。中々どうして。」賀寿恵、そんな隆英に、右手を振って、「いえいえ。そんな…。…では、まずは…、寝具から…。」そこにいきなり隆英のスマホにライン。「…ん…???」賀寿恵と一緒に歩きながら…。隆英、スマホの画面を見て、「はは。おやおや。」賀寿恵、隆英に、「…どうか…???」すると隆英のスマホにまた、ライン。しかも、立て続けに。賀寿恵、「…???」隆英、画面を見て、「くくくくく。」ふたり、揃ってエレベーターに。隆英、賀寿恵に、「あ、いえ…。はは。これです。」スマホの画面を賀寿恵に。賀寿恵。画面を見て、「ライン…。」画面上、4人からのラインのメッセージ。賀寿恵、思わず目をパチクリと…。そして隆英を見て、「もぅ…。ラインを…???」エレベーターが上に…。隆英、「えぇ。池辺課長から誘われましてね。トラディショナルのグループラインに。…で、昨日、ホテルが最後だったものですから、トラディショナルの方々と、一緒に食事に。…そのお礼です。」瞬間、賀寿恵、「あ、はぁ~~。」隆英、笑顔で、「みんな、良い人達です。」そして賀寿恵、また、「あ、はぁ~~。」エレベーターを降りてふたり…。歩きながら…。隆英、「ちょっとごめんなさい。」賀寿恵、「あ、はい。」すると隆英、「あ、弓さん。これって…。どうすれば…。僕…、あんまり良く、ラインって…。」賀寿恵、隆英に近づいて、「あ、はい。…ちょっと、よろしいですか…???」賀寿恵にスマホを…。すると…、可愛いアイコンが幾つも…。賀寿恵、隆英に、「何を…、どぅ…???」チラリと隆英を…。隆英、「あ、はい。昨日、食事をしてくれた人たちに、こちらこそ、ありがとうございましたの一言、返したくって。」「あ~~。それなら…。…今、ラインくれた人たちに…で、良いんですか…???」「えぇ。」「それなら…。この、アイコンをタップして…。」隆英、「こぅ…ですか…???」「そして…、メッセージを…。」「あ、はい。ちょっと、すみません。」メッセージを…。賀寿恵、「そして…。ここをタップすれば…。」「おぉ~~~。」「そして…、今のメッセージを…、こうして…。長押しするんです。すると…。…出てきます。コピーをタップ。そして…、次の人にも同じので…???」隆英、「あ、はい。構いません。」「それじゃ~~。」最初のメンバーには送信。そして次のメンバーには、賀寿恵、「また、同じようにタップして、今度は文字打ちせずに長押しで…。はい。コピー。」隆英、ニコニコと、「な~~るほど~~。」「そして…、また、同じように…。」「はいはいはい。分かりました。ありがとうございます。」そして…。「これで…、良し。」数秒後、ライン。「おっと~~。既読。」家の中で優維香、掃除をしながら、「ふふん。返信、くれたじゃん。」悠里はブランチ中、「おほ。」瑛子、動画を見ながら、「ふふん。」池辺、洗濯物を干しながら、スマホに、ペコリと、「昨日はご馳走様でした。」賀寿恵の後ろを着いていく隆英、「何年振りだ…、日本のデパート。はははは。」麗子、タクシーを降りてアプローチをコツコツと。「それにしても、晴れたね~~。今日は~~。」ガーデンで作業着に麦わら帽子。軍手をしながら草むしりをしている老人。麗子、「お兄ちゃん。」すると、その老人、腰を下ろしたままで振り向き、「おぅ~~~。」 好きになれない。 vol,163. 隆英、賀寿恵をチラリと見て…、「緊張…、して…ます…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.10
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…つまりは…。賀寿恵のハンドル捌き。確かに、信号待ちもあるが…。凡そ、気持ちの良い走りに。隆英、頭の中で、「凄いや。スルスルと…。」けれども…。走り出してから15分。賀寿恵の目線は…。全く隆英を捉える事はなく…。とにかく黙ったままで…。それから…、5分後…。運転席の車載ホルダーのスマホが…。賀寿恵、「OK Google」すると…、スマホの画面に麗子の姿。「おつかれ~~。…その分じゃ、隣に隆英、乗ってるね。」賀寿恵、画面は見ずに、「もぅ~~。麗子さん~~。」「隆英、スマホをあんたに向けな。」賀寿恵、「お願いします。」隆英、「あ、あ~~。はい。」そして隆英、スマホを自分に…。隆英の顔が映る。「おはよう。」隆英、画面に向かって、「おはようございます。…って、おはようございますじゃないでしょ、麗子さん。」いきなり画面の麗子、「かかかかか。ごめん、ごめん。」隆英、眉間に皺を。「ごめん、ごめんじゃないですよ。弓さん、困りまくっちゃって。」「おや。今度は賀寿恵じゃなくって、弓かぃ。」「麗子さん。」「かかかかか。」「麗子さん…、今、何処に…???…その感じだと…、タクシーの中…???」麗子、「ちょいとした、用事があってね。」賀寿恵、頭の中で、「…用事…???」スマホの画面から麗子の声、「ある人から会食に誘われててね。」賀寿恵、また頭の中で、「…ある人。」賀寿恵はまっすぐ前を…。隆英、麗子の顔を見ながら、「ある人…。…って言うか…、弓さんは…、一緒じゃなくとも…???」チラリと賀寿恵を見て…。麗子の声がスマホから、「あ~~ん、大丈夫、大丈夫。その辺は全く問題なし。まっ。たまには賀寿恵も、私から解放してあげないとね。」その声に隆英、「おや。」「…って言うか、賀寿恵、あんた、運転してからどのくらい経つんだい。」隆英、「運転してから…???」そして腕時計を見て…、「かれこれ…、25分…、経つかな…???」麗子の声、「賀寿恵、もしかしてあんた、運転してから、一言も話してないんじゃないのかい…???」その声に隆英、「あっ。」チラリとまた賀寿恵を…。賀寿恵思わず顔を赤く。隆英、小さく、「確かに。」麗子、いきなり、「かかかかか。隆英、聞こえたよ。その…、確かに。かかかかか。…だろうね~~。」隆英、またポツリと、「だろうね…???」麗子、笑いながら、「いや。こう言っちゃあなんだけど…。賀寿恵、とにかく、才色兼備…。…なれど…。どうしても…。これだけはダメって言うのがあってね~~。」思わず隆英、「えっ…???」賀寿恵、未だに目は隆英を捉えることもなく前方に。そして目だけは右左に…。そして、手捌きの良いハンドルテクニック。麗子の声がスマホから…。「まっ。何処に連れて行くのかは、賀寿恵が頭の中で段取っていると思うから、その辺は心配なし。…なんだ…、けど~~~。ある意味、隆英。」いきなり名前を呼ばれて隆英、「あ、はい。」「何年振りかの東京、…けど…。数年前でも、東京、ガラリと変わっているからね~~。」その声に隆英、「えぇ。こっち来てから、アレ…???…っと思う事が多くて…。」「隆英。あんた、しっかりと賀寿恵、リードしてあげな。」「えっ…???…はい…???」「そう見えて、賀寿恵、男性には全くのオクテだからね。」その声に思わず隆英、目をパチクリと。「えっ…???…はっ…???」いきなり賀寿恵、「麗子さん。」顔はまた赤面状態。「頭脳明晰。しかも、プロポーション抜群。それに、機敏。運動神経も抜群。…とは言え、男性にはからっきし。」隆英、またまた目をパチクリと、「はっ…???」麗子の声、「それだけ顔立ちも奇麗で、頭も良い。男のふたりや3人、いたって可笑しくない。…なんだけど~~。全くの男っ気なし。かかかかか。おかしな話、旦那から。」間髪入れずに賀寿恵、「麗子さん。」その声に麗子、「おっと。まっ。これは賀寿恵と私だけの秘密って事で…。隆英。だから、しっかりとあんたが賀寿恵をリードしな。いいかぃ。分かったね。」いきなり隆英、「いやいやいやいや。リードって…、そんな…。僕が…???…ですか…???」「どっちみち、運転しながら賀寿恵、あんたに全く話掛けてないだろ。」「え、え~~~。」賀寿恵をチラリと見て、「まぁ~~。そぅ…なります…けど…。」「いつも、私と一緒にいるから、そんな事はまずない。…これは会社でもそぅ。」「…で…、しょうね~~。」「…けど…。いざ、ひとりで男性の前。…つぅたら…、全くの、ネンネ、だからね~~。」一瞬、隆英、目を真ん丸に、「うそ。」「うそな事、あるもんかい。その証拠に、まだあんたに声掛けてない。」賀寿恵、「麗子さん。」麗子、スマホの画面で笑いながら、「かかかかか。」 好きになれない。 vol,162. 隆英、頭の中で、「凄いや。スルスルと…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.09
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すぐにその後、脳裏に…。店のレジで自分が振り返った時に、いきなり体が崩れた小埜瀬を思い出して、「えっ…???」そして…、頭の中で…、「…まさか…、あの時って…、私の…???」そして佐津香、自然に頭を左右に…。部屋のドアにノック。隆英、「おっと、来たか。」ドアを開けると…。「おはようございます。」目の前には賀寿恵。ペコリと頭を…。隆英、目をパチクリと…。「あ、あれ…???…麗子…さん…は…???」その声に思わず賀寿恵、「ごめんなさい。」深々と頭を下げて…。凡そ1時間前。七瀬家。麗子、賀寿恵の部屋に。「賀寿恵~~。行くよ~~。」ノックをしてドアを開けて。賀寿恵、「あ、は~~い。」そして麗子、賀寿恵を見て、「ふん。いいんじゃない。ふふ。早く、早く。あんたが運転しなきゃ、私は運転できないんだから…。」免許は持っておれど、殆ど、運転経験なしの麗子。賀寿恵、「あ、はい。」そしてガレージに…。シャッターが開く。そして車は出る。そしてシャッターが下りる。そして…、車は発信。走行しながら街中を走る。とある信号待ち。その時麗子、「あっ。」賀寿恵に、「ちょっと待ってて。大事なものを買うの忘れたよ。」賀寿恵、「はい…???」麗子、「すぐ戻るから。」そしてドアを開けて外へ。賀寿恵、「うそ。すぐ戻…。麗子さん。」信号は赤から青に。後ろでクラクション。賀寿恵、いきなり慌てて、右左見て、「えぇ…???…そんな~~。」既に麗子は歩道で賀寿恵に右手を、笑顔で口パク、「行ってらっしゃい。」また後ろでクラクション。賀寿恵、「えぇ~~~???」どうする事も出来ずに車は発信する。賀寿恵、困った顔で、「何でよ~~。あ~~ん、もぅ~~。」バッグの中の自分のスマホにライン受信の音。「麗子さ~~ん。もぅ~~。」そして…、「何で~~???…た~~くぅ~~。やられた~~。」2ブロック走ってまた信号待ち。賀寿恵、運転席の車載ホルダーにスマホを。そしてトン。すぐさま麗子の顔。賀寿恵、「麗子さ~~ん。」麗子、スマホを見ながら既に歩いている。地下鉄の中か…???麗子、「ははははは。若いもん同士で頑張りな。私が行ったら、当然、私の好みばかりになっちゃうじゃない。あんたらふたりで楽しみながら準備しな。その方がよっぽど~~。柏田さんに、よろしくね~~。チャオ~~~。」そして…、動画は一方的に切れる。賀寿恵、膨れっ面をしながらも、「もぅ~~~~。私だって、ふたりだけって言うの、困る~~。どうしたらいいのよ~~~。もぅ~~。…男の人とふたりだけなんて~~。経験ないのに~~。」そうなのだ。弓賀寿恵24歳。何故かしら…、才色兼備…、なれども…、産まれてこの方、男友達すら、いない。それも…、そのはず。賀寿恵がかつて通っていた学校と言うのが、いずれも女子高と女子大。なのである。大学の明興(めいこう)も、東京では有名な女子大であり、名門大学。部屋に入りながらも隆英に今迄の経緯を説明しながら…も、クスクスと可笑しがる隆英。何度も、にやけた顔で…。けれども賀寿恵の顔をチラチラとも見ながら、「うんうん。…なるほど…。」自分の傍で、完璧に体を縮こまらせている賀寿恵に隆英、「…と、言う事は~~。麗子さんに、してやられましたね。」賀寿恵、そんな隆英に直立不動に頭を下げて、「申し訳ございません。」そんな賀寿恵に隆英、思わず両手を前に、そして振りながら、「いえいえいえ。そんな…。弓さんが謝る事じゃ、ないですから~~。…それもこれも…。」そこまで言って隆英、窓を見て、「ふ~~ん~~。…どうやら…、最初っから、そのつもりで…。麗子さん。」そして、ベッドに腰を落として、「何ともね~~。」そして賀寿恵を見て、「まっ。仕方がないって、言ってしまえば、その通り。仕方、ないでしょ。」賀寿恵、再び頭を下げて、「本当に…、申し訳ございません。」隆英、気の毒な感じで、「いやいや。だから、弓さんが謝る事じゃないですって。…まっ。とにかく。…出かけましょう。」賀寿恵、「あ。はい。」そして…。「おほ。凄い車。」見るからに、高級セダン。隆英、「毎日、この車で麗子さんと…???」賀寿恵、「あ、はい。」「凄いや。」必然的に、隆英は助手席の方に。賀寿恵は運転席のドアを。隆英、シートに座って、「わお。座っただけでシックリと来る。いやいやいや。凄い座り心地。」賀寿恵も運転席に収まり、シートベルトを。それを見て隆英、「おっと。」賀寿恵、隆英の顔は見ずに、「では…。」隆英、賀寿恵をチラリと、「お願いします。」「はい。」ゆっくりと車は動き出す。…けれども…、一旦、車道に出た…と、思いきや…、賀寿恵の…。 好きになれない。 vol,161. 部屋のドアにノック。隆英、「おっと、来たか。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.08
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「…って言うか。」優維香。「旦那様がどういう人、かも…、私たちは知らないんだけど…。」「とにっかく、シークレットだよね~~~。」悠里。優維香と共に、数回頷く。瑛子、「…で。そして、リーダーは明日からは、そのシェアハウスに。」小埜瀬、笑顔で、「そうなります。はい。」悠里、「それにしても…、何だか凄い。」優維香、悠里を見て、「うんうんうん。」「お待たせしました~~。」いきなり望都がトレイを持って、コーヒーを。5人、いきなり、「わ~~~~。」小埜瀬、「とぉ~~。びっくり。」池辺、深くお辞儀を、「申し訳、ありませ~~ん。わざわざ。」望都、首を振り、それぞれの前にコーヒーを。優維香、悠里、瑛子、「ありがとうございます。」そして小埜瀬、「ありがと。」望都、5人に笑顔で会釈を…。「どうぞ、ごゆっくり…。失礼します。」望都、その場を離れる。悠里、「なんか、物凄い熟練されてるって感じ。」瑛子も、「うんうんうん。」「何言ってるんですか。」小埜瀬。その声に優維香も悠里も瑛子も、「えっ…???」「インテリアコレクションで金賞受賞した人たちが~~。物凄い栄誉ですよ。国内最高クラスですから。」その声に優維香、悠里、瑛子、思わず顔を赤らめて…。それぞれがそれぞれの顔を…。池辺、ニッコリと、「そうね~~~。ふふ。」優維香と悠里、同時にコーヒーを。「いただきます。」そして…。その日の夜。小野瀬のスマホに着電。七瀬からである。「隆英、あんた…。明日から、柏田さんとこなんでしょ。」隆英、スマホに、「えぇ。…そうですけど…。」「ちゃんと、準備、出来てんの…???あんた、多分、持ち物って、スーツケースだけじゃないの…???」「そぅ…。ですけど…。」「馬鹿ねぇ~~。あんた、明日、私に付き合いな。揃えるもの揃えなくってどうするんだい。」「あ、はぁ~~。」「明日、10時。そっち行くから、待ってな。」「あ、はぁ~~。…あ、はい。分かりました。」通話は切れる。隆英、スマホを手に、下唇をビロンと。「やれやれ…。言い出したら聞かないから。」そして…。「…けど…、まぁ。…確かに。…本格的に、準備する…、事に…、なるか。」右目を歪めて…。「俺…、このまま…、これからは…、日本…???」「へっ…???…凄~~い。じゃ、コンペの準備、ようやく、軌道に…。」シャワーを浴びて、パジャマのままで頭にはバスタオル。リビングのテーブルで缶ビールを一口。ソファに座り、挿絵の仕事をしている佐津香、「うん。まっ。何とかね~~。いつまでも、意固地になってはいられない。みんな…、意見は出していいんだけど…。常に衝突ばかりじゃ前に進まない。しかも、内輪で考えても拉致開かないんだから、いっそ、全部外に。ってね~~。」優維香、「な~~るほどね~~。うんうんうん。確かに、秘書の人、マルチリンガルって…。うんうんうん。使わない手は…ないよね~~。」「お蔭様で、じゃんじゃんヒットしてるって~~。ウチのIT係、嬉しい悲鳴~~。」「かかかかか。ふふん。良かったじゃん。…で…???…例の…、匂いの彼はどぉ…???…新課長殿。」佐津香、パソコン画面にそのまま目を。「うん。まぁ~~。」けれども、顔を傾げて、「でも…、どうだろ…。もし…、その…、匂いが…、香水の匂いに敏感…なんて…。いるんだろうか…。ん~~。…でも…。…逆に言えば…、いない…訳もない…かぁ~~。今の時代、何がどうあっても…、おかしくない時代、だから…。」「ふ~~ん~~。匂いに…敏感。…かぁ~~。…って…。おかあさん…、その人、今の何歳だっけ…???」「ふん…???」佐津香、「56。私と同い年。」優維香、「56…???…その年齢で…、匂いに敏感…???…凄っ。…もっと、若いんなら、話、分かる気…は、するんだけど…。」その声に佐津香、目をパチクリとさせて、「ふん…???…うん。まぁ…。…確かに。」「それにしても、凄いよね。」「うん…???…何が…???」「新課長殿。未だに、独り身。」優維香、ニタニタとしながらも、「しかも…。おかあさんの部署。まだ、部長さんのみで、だ~~れも、結婚してない~~~って。年上好みって…???…もしか…して…。いたりして…???」その声に佐津香、顔を傾げて、「うん…???…まぁ~~。どうだろ…???…って言うか~~。ん~~~。」そして佐津香、思わず、「ぷっ。…って言うかさぁ~~。余りにも、年齢、離れすぎだよ。一番で、9歳、離れてるよ。今、愛結美さん、37だから…。56歳では…、あまりに…。」思わず可笑しくなって。すると、すぐさま頭の中にそして口に…、「でも…。菜帆子で、今、33。」そして、「はは。有り得ない。」けれども…。 好きになれない。 vol,160. 「インテリアコレクションで金賞受賞した人たちが~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.07
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「とにかくお洒落な感じの家~~。」望都。悠里と優維香、「あん。」「うん。確かに、リーダーのスマホのネットの画像でもそれは分かった~~。」「いや。」悠里、「それにしても望都がホテルで働いているってねぇ~~。ビックリ。」「まっ。元々、人との関りが好きだったから。だから、いつも沢山の人と関わり合いたかったし、そういう仕事、したいなぁ~~って思ってたから。」ニコニコとしながら話す望都。「はは。そういうところは…実に。社長譲りと言うか、先生譲りと言うか。」瞬間、優維香も悠里も池辺も瑛子も小埜瀬を見て、「先生…???」途端に小埜瀬、目を真ん丸と…。一瞬、その場が沈黙。何かしら、変な空気が…。望都、小野瀬を見て、「小埜瀬さん。…もしかして…。ママと小埜瀬さんとの事…。」気まずいような声で。またまた優維香、悠里、「社長とリーダーの事~~~~???」思わず小埜瀬、右目を歪ませて…。「いっち~~~。」池辺、何とも…、表情は、「飛んで火に入る夏の虫」的に…。そして、「うっ。うん。…小埜瀬さん。」小埜瀬、「あ、あ~~~。」池辺、にこやかに…。けれども表情は、今度は、「してやったり。」ばりに…。瑛子、「リーダー???」優維香も悠里も、「リーダー…???」望都、ゆっくりと体を動かし、「私は…、仕事がありますから…。この辺で…。」池辺、そんな望都に笑顔で、「あぁ。ありがとうございます。いきなりで申し訳ありません。お忙しいところ~~。」望都、中腰になって、「いいえ。どうぞ、ごゆっくりと…。」そして頭を下げて、「失礼致します。」望都が離れる。4人はそのまま小埜瀬を見て。当人の小埜瀬。目をキョロキョロと。数秒後…。「仕方…、ありませんね~~。」そして、「まっ。アトランタの話をしましたから…。ねぇ~~。」優維香、「はい。」悠里、途端に表情が明るく、「…で…???…で…???」小埜瀬、「実は…、僕…、社長とは…。…と、言うよりは、七瀬家とは…、ある関り…、あるんです。」優維香、「へっ…???」悠里は、「はっ…???」瑛子、「いっ…???」池辺、口を真一文字に…。…そして…、「七瀬家と、関り…。」小埜瀬、「えぇ~~。まぁ…。…と、言うか…。ある意味…、助け…られた…。」優維香、悠里、同時に、「助け…られた。」「僕が大学生の時です。」そして…大学時代の頃の麗子との出会い、そして麗子の夫、七瀬励治の事を…。いきなり優維香、悠里、瑛子も、「え―――――――っ!!!」悠里、優維香と瑛子を見て、「社長の旦那様、参議院事務職員…。」落ち着いて話を聞いている池辺。優維香、「課長は知ってたんですか~~???」その声に池辺、ハッキリと首を横に。「社長、あぁ見えて、自分の事は、まず話さない人だから。…いや。だから、望都さんが娘さんって言うのも…。」また首を振って、「全然。」優維香、悠里と瑛子、共々顔を見合わせて、「あ。うんうんうん。確かに。さっき、私たちと一緒に驚いてたから…。」「まっ。知っているのは、賀寿恵さんくらい…、なんじゃない~~。」優維香、小野瀬を見て、「…で…???…リーダー。じゃあ~~。大学卒業まで、そのまま七瀬家に。」小埜瀬、「はい。そして…、海外にまで…。旦那さんの援助があって。とにかく、半年間はお世話になったんです。その間に、2度程ですかね~~。望都さんとも会ったこと、あります。まだ…結婚してなかったですけど…。」悠里、「…でも…。…まさか、リーダーが大学時代にそんな事…。」池辺、「今で言う、フィッシング詐欺。」瑛子、「凄かったんですねぇ~~。」小埜瀬、「いきなりの事でしたから。もぅ~~。目の前が真っ暗。」池辺、「おばあさまの保険金が…根こそぎ…。」「えぇ。まさか…。そんなの…、小説やドラマでの話。…って、思ってたんですけど…。現に…。」優維香、「カードで現金、弾き落そうとしたら…。」悠里、「残高が…。」「何がどうしたのか…。…と、言う事より、何がどうなっているのか…。…電話で、銀行…、訴えようかとも…、その時…。」優維香、ポツリと、「分かる。」「でも…。」小埜瀬。「受話器を持って…、それから…、声が出なくなって…。そのまま…、床に…。…気づいたら、歩いてました。…どこをどう…歩いたのか…。気づいたら…、誰かに…、助けられて…。何処かに連れて行かれて…。…で、シャワーを浴びて…。…それからです。段々と記憶が…。シャワーを浴びて…。出てみてびっくり。…ここ、何処…???って。」瑛子、「そういう事~~。へぇ~~~。…で、大学卒業と同時に、海外。」「えぇ。…それが…、中学からの夢でしたし。しかも…、七瀬さんもそういう僕を可愛がってくれてましたから。」優維香、「社長の…、旦那様…、かぁ~~。」 好きになれない。 vol,159. 「とにかくお洒落な感じの家~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.06
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望都、その男性に左手を…。「ホテルエの葛籠慶輔(つづらおりけいすけ)君。…いや…。葛籠慶輔さん。」慶輔、5人に頭を下げて、「葛籠と申します。よろしくどうぞ。」またその声に、5人、「……。」瑛子、小さく、「奇麗な声~~~。」池辺に。池辺も、「うんうんうん。」望都、「私の…、2年、後輩。」悠里、男性を見て、「へぇ~~~。」そして、「あ、望都。あんた。…じゃあ、結婚して今…。」「あ~~。うん。しっかりと、結婚生活。じゃじゃ~~ん。」そして望都、左手の甲を悠里に。薬指にしっかりと結婚指輪。瞬間、悠里、「あ~~ん。いいなぁ~~~。…で、で、子供は…???」「ふん。3歳の…、年小~~。女の子。」「へぇ~~~。」「もぅ~~。毎日、絵本に取り憑かれてる~~。」またもや悠里、「へぇ~~~。そうなんだ~~。」小埜瀬、「話の途中で…。申し訳ありません。」瞬間、悠里、望都、「あっ。」そしてふたり、共に、カウンターから外れて…。悠里、舌をチロリと。「…ごめんなさ~~い。」望都も丁寧に頭を下げて、「…し、失礼…しました。」小埜瀬、申し訳なさそうに、「あ、いやいやいや。別に…。そういう訳ではなく…。」そして小埜瀬、4人に、「実は…。望都さん。私の…、例のシェアハウス、紹介してくれたんです。」その声に4人、目をパチクリと、「えっ…???」それぞれが、「そうなの…???」「へぇ~~。」望都、また頭をペコリと。「はい。実は、そういう事で…。」悠里、「え…???…あ…???…でも…、望都…、どうやって…???」望都、小野瀬を見て、「あ。…じゃあ…。ちょっと…。」小埜瀬、コクリと。望都、慶輔に、「ちょっと…、外れるけど…。」慶輔、笑顔で、「どうぞ。構いません。」「ありがと。」「さ~~てと~~。…帰りますか~~。」菜帆子。佐津香も、「だ~~ね~~。」愛結美、「順平~~。どんな感じ~~???」小埜瀬も、「ん~~~???」順平、ニコニコと、「うんうんうん。いい感じ~~。さすがにグローバル。ヒット、ヒットですね~~。まっ。すぐに翻訳も出来るから、嬉しい限り。」「…でも、凄いよね、理恵子さん。まさか、あんなに語学。まっ。筆頭はさすがに英語。だけど、フランス語~~。ドイツ語に中国語。それに…、イタリア語。…しかも…、それ全部、ササササッと、打てるんだから、とにかくびっくり。どうなってんの…???…しかも…、その早さたるや。」順平も、「それを言うんなら僕だってビックリですよ。なんでこういう人が、化粧品会社って…。ある意味、政治の方でも活躍できるって、思ったくらいだから。」小埜瀬、「ん、まぁ~~。とにかく、天晴と言うしかないですな。」そして小埜瀬、「さすがは佐津香さん。ドンピシャ。」佐津香、「んふ~~~ん。まっ。何とかね~~。」佐津香の提案での世界に掛けてのアンケートが順調なのだった。しかも…。そのアンケート自体も、ペルソナを対象に、先ずは国内。そして、その後、海外に向けての発信とされた。予想以上の反響でもあった。佐津香、小埜瀬に、「課長~~。その後、匂い…。どうです…???」菜帆子に愛結美も、「あ~~。」「うんうんうん。」小埜瀬、その声に、顔を傾げて、「あ、いや…。…特に…、会社にいる分には…、それほど…。」菜帆子、小埜瀬に、「むふふふふふ。…何かしら…、免疫…出来てきたのかな…???」「はは。…それなら…、いいんですけど…。」悠里、「えっ…???…じゃあ、何…???…その女流作家の先生と、知り合いなの…???…望都。」望都、「うん。私が15の時に出会った、柏田先生の小説が110万部のベストセラー。」5人、その声に、「凄~~い。」小埜瀬も、「凄いや。」望都、「…で、その年に、先生、堂々の直木賞、ゲット。」池辺、「へぇ~~~。」「あの小説で、先生の大ファンになっちゃったの。それからだよね。サイン会に必ず。…で、毎回、サイン会に行くから顔も覚えられて。まっ。パパとも何かしら、知り合い…みたいな…。」4人、「パパ。」それぞれが顔を見せ合いながら…。望都、小埜瀬に、「小埜瀬…さん…???」小埜瀬、目をパチクリと…。「あ。いや…。そこまでは…、まだ…。」4人が4人、共に、「うん…???」小埜瀬、「まっ。それで…。その…、作家さんが~~。家主だという事で~~。望都さんが、それなら私、紹介してあげる~~っと。話がトントンと。…で、伺ったら、まだ2部屋、空いてるって事で。」「いやいやいや。どれだけ広いの、その家~~???」瑛子。小野瀬、「いや…。かなり広いですよね~~。2階建てで~~。まっ。柏田さん自身、兄弟姉妹…、5人。でぇ~~。その昔は、著名な家柄~~だったらしいから。建物自体も大きければ、あの当時の…、洋風張りの作り…???」望都、「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,158. 「あ~~。うん。しっかりと、結婚生活。じゃじゃ~~ん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.05
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男性の右肩を左手で捕まえて…。もうひとりの女性がエレベーターのボタンを。男性、右足で蹴る仕草を…。ドアが閉まる。池辺と瑛子、「何て人たち。」悠里、優維香の右肩をトントン。「おふたりさん。」瞬間、優維香、小野瀬、「わっ。」「あっ。」すぐさま。池辺、ニッコリと、「おや。」瑛子、右手を口に、「ぷっ。」悠里は顔をにこやかに歪めて、そして、「離れたくなかったら、どうぞ~~~。」いきなり優維香、小野瀬の顔が、赤面状態に。悠里、右手で顔を仰ぐように、「あ~~。熱い。熱い。」優維香、眉間に皺を。そして悠里に、「もぅ~~~。」悠里、「かかかかか。ドンマイ、ドンマイ。」「何がドンマイ、ドンマイよ~~。んもぅ~~。」先に歩く悠里と優維香。瑛子はクスクスと。「ふふふふふ。」池辺、小埜瀬に、「二十歳…、過ぎですかね~~。いるんですね~~。あぁいう人たち。」小埜瀬、「ん~。まぁ~~。どこにでもね~~。…まっ。常に、自分を守る位置には、いるんですけど…。」池辺、そんな小埜瀬に、「優維香の事、ありがとうございました。」その声に小埜瀬、慌てて、「いえいえいえ。とんでもない。」右手を振って、「いきなりでしたから…。そんな…。」そして…、フロントの脇を…。「あっ。課長。そして、柿崎さん、冴島さん。武蔵野さん。ちょっと…。」優維香と悠里、後ろを向いて、「えっ…???」池辺、瑛子、「ふん…???」小野瀬の後を…。小野瀬、フロントの女性の前に。女性、4人に丁寧にお辞儀をして、「いらっしゃいませ。」4人もそれぞれお辞儀を…。小野瀬、女性に手を、「こちら、五島望都(ごとうもと) さん。何と、七瀬社長の一人娘。」4人、その声にいきなり、「うっそっ!!!」望都、4人に再びお辞儀をして、「母がいつも、お世話になっております。」4人、その声に、急にあらたまって、そして手を振り、「いえいえいえ。」「とんでもない。」「こちらこそ。」「お世話になっております。」それぞれお互いを見ながらも恐縮しまくりで…。その瞬間、悠里が、「…あれ…???」そして今度は望都が、その女性を見て、「えっ…???」いきなり悠里、「うそ。望都~~~~~???…いや、び~~っくり~~。え~~~~っ???」望都も、女性を見て、「えっ…???…えっ…???…もしかして…、悠里~~~???きゃ~~~。」口に両手を…。小埜瀬、池辺、優維香に瑛子、目をパチクリと、顔を見合わせて、「何…???」池辺、小野瀬を見て顔を振り。小野瀬も顔を傾げて…。悠里、フロントに体を。望都も体を前に。「きゃ~~~。何年振り~~~???」悠里、「えっ…???えぇ…???…っと~~。…大学出て以来…だから~~。ざっと、うんうんうん。4年振り~~。すっごい。…全然分かんなかった、奇麗~~~~。」望都、そんな悠里に、「何言ってんのよ、あんただって、物凄い美人~~~。」傍にいるホテルエの男性、始終にこやかに。けれども、小さな声で、「五島先輩。」身長は小埜瀬と同じくらいはあるだろうか。いや…。僅かに低い。悠里、望都を見て、「え~~~~。マジで…???…望都、ここで…???…仕事。」望都、「うんうんうん。私の職場~~~。」小埜瀬、「あ、あの…、冴島さん…???」その声に悠里、小野瀬を見て、「えっ…???」そして優維香と瑛子、池辺を見て、「あ。」口に手を。「やだ、私~~~。」いきなり悠里、優維香の左手を取って、そして肩を右手で抱き締めるように、そしてニッコリと、「私の相棒~~。ハハハ。」小埜瀬、望都に、「会社の…。」望都、顔をコクリと、「あ~~。はいはい。インテリア・ジョエルの。」小埜瀬、ニコリと、「はい。僕の部署の方々。」望都、「そうだったんですか~~。いつもどうも…。」悠里、望都に手を。「私の大学の同期なんです。七瀬…。」そこまで言って悠里、「えっ…???…あ、そっか~~。苗字、社長と同じ~~。あ~~ん。」そして、思わず額に右手を…。「あん。…けど…。まぁ~~。仕方、ないよね。」4人を見て、「七瀬望都さん。」そして、小埜瀬を見て目をパチクリと、「えっ…???…リーダー、確かさっき…。五島…???」小埜瀬、キョトンと。「え、ぇ。」望都、お辞儀をして、「五島望都と申します。結婚しております。」いきなり悠里、目を真ん丸にして、「うっそっ。」「大学卒業と同時に。ね。」「へぇ~~~。知らなかった~~~。」「大学時代に、付き合ってた人、いたから…。その人と。」「へぇ~~~。」話は尽きない。フロントの中央で男性がひとりのビジネスマン風の男性の接待。澄んだ声で。その声に5人、目を…。望都、そんな5人に、「ふふ。気づきました…???入社1年で、いきなりフロントに抜擢。」ビジネスマン風の男性が笑顔で立ち去る。その男性ホテルエ、丁寧に会釈をして、「ごゆっくりと。」 好きになれない。 vol,157. 「離れたくなかったら、どうぞ~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.04
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丁度その頃、都内のある中華料理店で…。ガツガツと中華料理を食べる若者。そんな若者を見てひとりの男性、「はははは。ほれ、もっとゆっくり~~。そんなに慌てない、慌てない。料理は逃げませんよ。」若者の隣の椅子には、若者が持っている大きなカバン。そのカバンを見ながらの男性。榊神埜進である。「君は、今…。何歳…かな…???」けれども若者は、話そうとしない。とにかく料理を美味しそうに食べている。榊、そんな若者を慰めるようにも笑顔で見つめて。そして傍の奏多をも見てニッコリと。奏多、そんな神埜進を見て笑顔で、そしてコクリと。それから15分。ようやく若者、「食べた~~~。」椅子にガクリと。榊、笑顔で、「かかかかか。そうですか~~。美味しかった。」けれども若者、その声に、いきなり縮こまって…。榊、そんな若者を、「あ、あ。大丈夫、恐くないですから。えぇ。」2度頷いて。「どうですか、お腹は満たされましたかな…???」若者、ゆっくりと顔を…。そして、小さな声で、「うん。」そんな若者の表情を見て榊、時間を掛けて…。「少し、話しても…、いいですか…???」凡そ2秒後、若者、ゆっくりと頷いて、「うん。」榊、「そうですか~~。ありがとう。…。君は…。何歳…ですか…???」3秒程…。そして、「…17です。」榊、優しそうな眼差しで、「そうですか~~。うんうん。ありがとう。」そして榊、「君は…、絵が…。…好きなのですか…???」今度は凡そ5秒程…。けれども若者、今度は首を振って、「ううん。」榊、ゆっくりと…。「そうでしたか~~。絵は…、好きではない。」そして…。「申し訳ない。…誠に失礼な事、言いますが、許していただけますか…???」今度は若者、すぐに顔をコクリと。榊、「ありがとうございます。…君のカバンの中の、スケッチブック、拝見しても、よろしいでしょうかねぇ~~。」若者、常に下を向きながらも…。けれども隣の椅子のカバンを右手で押して老人の方に…。榊、「ありがとうございます。…では、拝見させて頂きます。」榊、カバンの中からスケッチブックを…。その時、スケッチブックと一緒に、ペンケースを見て…。けれども、スケッチブックだけを取り出して、中身を…。瞬間、「お~~~~~。」そして、「素晴らしい~~~。」榊、全ての絵を見て、「感服致しました。」スケッチブックの裏のある部分を奏多にも見せて。奏多、コクリと。そして榊、スケッチブックを丁寧に。そしてカバンに戻して若者に、「ありがとうございます。…我々は、これから別の用事がありますので、失礼しますが…。…君は…。」若者。常に下を向きながらも…。けれども…、「ご馳走様でした。」そしてカバンを持って抱き締めて、椅子から立ち上がり、「ありがとうございます。」コクリと老人にお辞儀をして、そのまま玄関の方に。その後ろ姿を見て榊、「17歳ですか~~。」ドアを開けて出ていく若者。榊、まだ目で追いながらも、「奏多君。」奏多、「はい。」「お願いしますよ。名前はもぅ…。」「心得ております。」榊、そのままの姿勢で…。そして…、若者が食べた全て空になった数枚の皿を見て、「ふ~~~ん~~。17歳…。…で、あれだけの才能…。」食事を堪能しての5人、エレベーターに乗って。「はぁ~~。美味しかった~~。」それぞれが…。小野瀬、「喜んで頂けて、僕も嬉しいです。」優維香、「リーダー、もしかして…次は、若手メンバーも~~。」ニコニコと。その声に小埜瀬、目を見開いて、「もし、お願いできれば、光栄ですね~~~。」優維香、悠里、瑛子も嬉しそうに、「キャ~~。はははは。」池辺、小埜瀬に、「ご馳走様でした。本当に~~。」小埜瀬、「いえいえ。」エレベーターが1階に…。エレベーターを降りてすぐに。2組の若者。ひとりの男性が女性を右腕で抱きながらも右腕の肘を曲げながら振り回し。その肘が優維香の体に。思わず優維香、体勢を失いよろけるように…、「わっ。」瞬間、自分の体がそのまま小埜瀬が受け止めるように。自然に抱き締めるような姿勢に。優維香、瞬間的に感じた男性の体。悠里、「わっ。優維香。」瑛子も、「優維香…???」密着している小埜瀬と優維香。すぐさまエレベーターの2組の男女を見て。けれども2組の男女、エレベーターの中から、男性、「気を付けろよ、おぃ。」女性はファッションクラス。そして舌を出して、「べぇ~~。」タンクトップにレギンス。そんな男女を睨みながらの優維香と小埜瀬。男性のひとりがいきなりエレベーターの中からふたりに向かってくるかのように、「何だよおぃっ!!!文句あんのかよ。」もうひとりの男性が、「おぃ。よせ。」 好きになれない。 vol,156. 「都内のある中華料理店で…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.03
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瑛子と池辺はまだ目を真ん丸に、「か…、空手って…。」優維香、「凄かったって…、リーダー…???」小埜瀬、またゆっくりと頷いて、「はい。一度、拝見しました。」悠里、「見たの…???」小埜瀬、悠里を見て、「はい。」悠里、口に両手を、「うそ。…信じられない。賀寿恵さんが空手…???」泣くような顔で、そして顔を左右に、「全然…。そんなイメージない。」優維香、「うそうそうそ。リーダー、何処で…???」小埜瀬、優維香を見て、他の3人も見て、「あ、いや…。それこそ、アトランタのホテルで。」優維香、眉間に皺を…。「はっ…???…どういう事…???ホテルで…って…。」瞬間、小野瀬、「ん~~~。そこ、突っ込まれると…まぁ~~。困るんだけど~~。余りに、シュール。」悠里、「シュール…???」小埜瀬、「…と、言うか…、ある事件がありまして…。」瑛子、「事件。」「ほら。そのホテルで夕方、社長と会う約束。」4人、「うんうんうん。」「偶然に、レストランへの通路で私が前。後ろの方に社長と弓さん。…その時、ある女性がレストランから…。そして、ドアを閉めて、その瞬間です。いきなりトイレの方からひとりの男性が…。…で、その女性に向かって、羽交い絞め。」瞬間、優維香、「うそっ。」悠里と瑛子、「え~~~。」池辺、「わお。」「僕もいきなり、何事…???…と思ったけど。その場に。まっ。その時、社長もその場に。男性はその女性をガッシリと。…で、頬にナイフを。」優維香と悠里、「わっ。」小埜瀬、僅かに顔を傾げ…、「2、3秒くらい…???…僕の前をゆっくりとした歩調で弓さん。僕もその時、えっ…???…って思ったんですが…。それから。その男性と女性の1メートルくらいに前で止まって。…で、男性、今度は弓さんにナイフを…。」優維香、悠里、「うんうんうん。」「そしたら弓さん、何々何、右手を出して人差し指でカモン。」いきなり池辺、「え~~~ぇ…???」「その瞬間です。いきなり弓さん、右脚を高く、そしてナイフを持った男性の右手を蹴ってナイフを。」優維香、「う~~っわっ。」「今度は体を回して、左脚で男性の頭を。空手で言うところの延髄切り…???」4人共に、口に両手を。「そのショックで男性はよろめき…。そのよろめいたところに今度は弓さん。男性のみぞおちの部分に、右足で…、ド~~ン。そのまま男性は倒れて…動けなく。…いやいやいや。驚きました。…って言うか…、初めて見ました。あんな凄いの。」優維香、悠里、そして瑛子、「え~~~~ぇえ~…。」悠里、「マジで…???」小埜瀬、4人を見て、「まずもって、天晴。…しかも…、弓さん、その時、何て言うの…???全面プリーツのロングスカート…???」優維香と悠里、何度も頷いて、「うんうんうん。はいはいはい。」「社長は見惚れていたと。…まっ。確かに、奇麗にスカートは流れるように。揺れていたように…。」優維香、目を真ん丸に、「へぇ~~~~。凄~~い。」悠里、「正に、名探偵コナン、蘭ちゃんだわ。」瑛子、瞬間、「はは。うんうんうん。その例え、ナイス。」優維香も、ニコニコと、「だよね~~~。」小埜瀬、瞬間、眉間に皺を。「何ですか…それ…???」優維香、「あん。人気アニメの主人公の…、恋人かな…。」悠里も、「うんうんうん。超~~ロングコミック。テレビでアニメもやってるけど…。物凄い人気。その名探偵コナン、小学生なんだけど~~。実は高校生。…で、彼女がいるぅ~~。…で、その彼女も高校生で~同じクラス。でぇ~~。部活で空手をやってて、これが強い。」小埜瀬、「へぇ~~~。」池辺、「な~~るほどね~~。いやいやいや。びっくり。…まさか…。賀寿恵さん、空手を…。」瞬間、瞬き。「えっ…???…じゃあ~~。社長、その事も知って…???」小埜瀬、いきなり右手を振り、「あ、いや…。社長も、知らなかったようです。」優維香、悠里、「えっ…???…そうなの…???」優維香と悠里を見て、「えぇ。…その後、社長も弓さんから、まさか、あんた、空手やってたのって…。聞いたくらいでしたから。」悠里、「そうなんだ~~~。」そして…、「因みに…、リーダーは…、女性が強いのって…???」瞬間、小野瀬、眉間に皺を。「ん~~~~。…ん~~。ちょっと…、すぐに返事は…。そんな風に、女性を…、感じた…って言うか…。…考える事すら…。ないですからね~~。」そして…。腕を組んで、目をパチクリと…。「まっ。…ん~~~。…でも…。仮に…。…もし仮に…。自分が、好きに…???…それこそ…、恋人になった女性が…。実は…、柔道や空手をやっていた。…と、言うのであれば~~。…ん~~。…でも…。」顔を右に、左に傾げて。目を左右に。顔を左右に…。そして…。「分かりません。」間髪入れずに悠里、「おぃ。」優維香、変顔で、「長いよ。」 好きになれない。 vol,155. 「…信じられない。賀寿恵さんが空手…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.02
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小野瀬、瑛子に、「ある訳ないでしょ。…って言うか、そもそも、みなさんと一緒にいる時間の方が、遥かに多い。」池辺、クスクスと、「確かに。」優維香も、ポツリと、「だよね~~。」瑛子、口をへの字にして、「な~~~んだ。…て…、事は~~。私と阿寿沙の予想は的中~~。」悠里、瑛子にニコニコと、「何…???…阿寿沙さんも、その事。」瑛子、両眉を上下に、「ふん。…でも。まっ。ねぇ~~。一緒に社長もいたって事だから~~。多分…、悪ふざけ~~。おふざけ~~って。事で。」「まっ。確かに。弓さん。…ん…???…このカレー、旨い。」いきなり小埜瀬。そんな小埜瀬に優維香、思わず左手を拳にして口元に、「ぷっ。…何、いきなり、リーダー。」すると瑛子も、「うんうんうん。私も。このナポリタン美味しい~~。」優維香も、ハンバーグを一口。「うん。確かに、行けますね~~。私のハンバーグも良い感じ。」悠里、ピラフを食べながら、「うんうんうん。もしかして…、リーダー。毎夕食、ここで…???」その声に小埜瀬、ニコニコと。そして右手を振って、「いやいやいや。どうせ東京にいるんですから、出来れば、いろんなお店を…。…と、言ってもまだ…。」瑛子、「それこそ賀寿恵さんに案内…。」そこまで言って瑛子、思わず両目を左右に、そして舌をチロリ。優維香も悠里も、「クッ。」池辺、「でも…。冗談抜きで賀寿江さんは素敵な人。あそこまでしっかりと社長の右腕的存在になれるんですもの。凄いわ。」そして、「まっ。私より真宮の方が詳しいかも知れない。」そして池辺、口を尖らせて、顔を傾げて、「ん~~~。私が知っている…、賀寿恵さんと、言えば…。…まっ。噂だけどね。同じ、各部署の課長たちと…。」その声に優維香も悠里も瑛子も、「うんうん。」小埜瀬は単に瞬きをして…。池辺、「まっ。賀寿恵さん自身、いつの間にか社長秘書のポストって…、言うか…、いつの間にか社長と一緒に行動してて…。特にあらたまった紹介なんてなかったの。ただ…、私の相棒って感じ。」優維香や悠里も顔を見せ合って、「うんうんうん。そんな感じだったよね。」「そう。…で…、確か、沖縄出身で、とにかくお酒が強い。」いきなり小埜瀬、「ほんとですか…???」池辺、そんな小埜瀬に、うん。「ほんと、ほんと。」一度、口の中の物を飲み込んで池辺、「…で、多分…。」また顔を傾げて、「うちの会社で、一番…、お酒の強い人って…言うのが~~。」優維香、悠里、瑛子、声を揃えて、「部長~~~。」小埜瀬、3人をそれぞれ見て、「おや。」池辺、右手人差し指を立てて、「そうなの。真宮。…でも…、そんな真宮以上に、お酒は強いって噂。」いきなり小埜瀬、ヒョットコのような顔をして。優維香も悠里も瑛子も同じように、そして、「嘘っ!!!」池辺、ゆっくりと目を閉じて、顔をコクリと、「うん。」そして、「あ、いやいやいや。ほんとの話。…だから真宮、自分と同じくらいにお酒が飲めるって、何度か自分の通いのお店に賀寿恵さん誘ってあれこれと…。まっ。」池辺、ニッコリと笑いながら、「愚痴でも零してるんじゃない…。しっかりと励まされてますから。…な~~んて言っているくらいだから。」瞬間、優維香と悠里、目を真ん丸にして、「いやいやいや。いやいやいや。」「初めて聞いた~~~。そんな話~~。」瑛子、池辺を見て、「ほんとなんですか~~、課長~~。その話~~。」「ふん。とにかく賀寿恵さん、お酒には滅法強い。」小埜瀬、ポツリと、「お酒も強くて、空手もやる。わお。凄いや。」瞬間、優維香、小埜瀬に、「え、えっ…???…今、リーダー、何て…???…お酒も強くて空手もやるって…???」小埜瀬、咄嗟に優維香を見て、「あ、あ、ぁ~~。」悠里、「えっ…???うそ。空手…???」思わず小埜瀬、左手で頭を掻いて、「あ、いや…。」困ったような笑顔で…、「いやいやいや。つい。」池辺、2度の瞬き、「小埜瀬さん…???」瑛子、「リーダ~~???」小埜瀬、「あ、いや…。これは…、ちょっと…、あまりに…、プライベートな…。…でも…。まっ。」優維香を見て、「仕方…、ありませんよね。」そして小埜瀬、「言い出した事を…、言わなかったなんて…、出来ませんからね。」優維香、「そういう事です。」そんな小埜瀬と優維香を見ながら悠里と瑛子、「はは。うんうんうん。」小埜瀬、4人に、「実はですね。彼女、弓さん。」優維香、悠里、瑛子、「うん。」池辺、口を噤んで。「空手が出来る。」「う~~~っそっ!!!」レストラン内に響き渡る。但し、客はまだひとりかふたり。時間が早い。優維香、悠里と顔を…。「マジで…???…賀寿恵さん、空手…???」小埜瀬、ゆっくりと頷き、「凄かったです。」 好きになれない。 vol,154. 小野瀬、瑛子に、「ある訳ないでしょ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.02.01
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そんな3人を見て小埜瀬、目をパチクリと、「へっ…???…どうしたんですか…???」中々、口から手を離せない悠里と瑛子、池辺。口をヒョットコみたいにしながらも焦点の合わない目での優維香。悠里、思わず小埜瀬に、「いやいやいや。リーダー、その…、あ、ここにも素敵な人、いた~~。なんて…。言ったら、困るでしょう~~、そんな、ダイレクトに~~。」そんな悠里に小埜瀬、「あ、いや…。でも…、その通りだし。現に、柿崎さん、奇麗でしょ。そして、素敵な人に間違いないし。それに…、冴島さんに…。武蔵野さんだって。課長もそうですよ~~。」いきなり池辺、あらたまったように小埜瀬に、一礼をして、「ありがとうございます。」途端に悠里、右目を歪めて…。瑛子も…。ふたり、同時に、「…と、言うか…。つまりは…、そういう訳ね。」けれども優維香、口を尖らせて、「わぁ~~。ふ~~ん、そうなんだ~~。じゃ、つまりは。リーダー、私たちが同じように、素敵な人って言う風に、見ている訳ね~~。」間髪入れずに小埜瀬、「いけません…???…僕は、嘘は嫌いですけど…。」瞬間、瑛子、「かかかかか。…やられたよ。…でも…。みんな、噂してるんですけど…。リーダー。」顔を傾げてニンマリとしながら瑛子。その声に小埜瀬も悠里も優維香も池辺も、「はっ…???」悠里、瑛子に、「どういう事…、それって~~。」池辺も、「うんうんうん。」瑛子、「リーダーに賀寿恵さ~~~んって。」池辺、いきなり、「え~~~???」優維香と悠里、「う~~っそっ!!!」小埜瀬は目をパチクリと。そして、いきなり、「へっ…???」そして両手を…。その時、「お待たせしました。」ウェイトレス2人が、トレイを持って。優維香、小野瀬、「あっ。」それぞれの前にメニューが…。4人、「わお。美味しそう~~。」小埜瀬、「それではまず…。」それぞれの飲み物を…。5人が、それぞれグラスを持って、「乾杯。お疲れ様です。」そして、一口。「うんうん。」「おいし。」「う~~ん。」「はは。」優維香、「…で…???…何々…???…瑛子さん。その…、噂って…。」瑛子、すぐさま両眉を上下に。「ふん。実はね。」瑛子、若手たちが噂をしていた事を…。瞬間、小野瀬、ビールを飲みながら、「ぶっ。」優維香、悠里、池辺も、「え―――――――っ!!!」小埜瀬、いきなり咽たように、「んふ。んふ。うっ。」そんな小埜瀬を悠里、そして優維香も池辺も…。小野瀬、すぐさま、口に手を。そして…。瑛子に、口に手を当てたままに、「んふ…。ちょっと~~。武蔵野さ~~ん。」困った顔をして、「待ってくださいよ~~。まっ。確かに、お昼に、ちょっと会社から遠い、キッチンカーの…。…でも、あれは…。社長から誘われて~~。もぅ~~。面白半分に社長が~~。」間髪入れずに瑛子、「は~~い。それはもぅ~~、若手には、申し入れておきました~~。…多分、そういう事だろうと…。」悠里、優維香、「えっ…???…そうなの…???」途端に小埜瀬、ふたりに、「僕、言いましたよね。」池辺、悠里と優維香を見て、「えっ…???…何を…???」悠里、「あん。」池辺を見て、「実は、私たちもリーダーには、賀寿恵さんいいなぁ~~って~~。でも…、リーダー、全然ありませんって。リーダー、賀寿恵さんに会ったのっ…。」そこまで言って、目を右上に、「ん…???…じゃあ、今日で、もしかして…。4回目…???」小埜瀬、その声に、こちらも目を右目に…。「…ん…???」そして、指折り…。「そう…なるかな…???…僕が…、弓さん。…んん。その…、賀寿恵さんですよね。最初に会ったのが…。アトランタのホテル。仕事で、アメリカ、ジョージア州。アトランタのホテルにいた頃、なんですよ。」悠里と優維香、「凄っ。アメリカ、ジョージア州。聞いただけで。」「うんうんうん。」瑛子、「何ともグローバル。」小埜瀬、ビールを一口。「あのホテルのレストランで、偶然、バッタリと。遭って。七瀬社長。」4人、一斉に、「へぇ~~~。そうだったんだ~~。」「あの時、七瀬社長、何かを考えてたのか、未だに…。…でぇ~~、夕方、また会えないかって…。僕も特に断る理由もなかったので…、いいですよって。その時、初めて弓さんと。」また4人、「へぇ~~~。」「…で、夕方にも…。そこで…、私の会社に来ないって誘われて。」すくさま4人、「え―――――――っ!!!…それだけで…???」小埜瀬、淡々と、「えぇ。それだけです。その時から…。かれこれ…。日本に来て、数日後に、七瀬社長に食事に誘われて…。その時が弓さんとは3回目。…で、今日のお昼で…。…そっか。4回目。」瑛子、途端に、「な~~んだ。じゃあ~~。賀寿恵さんとは何も共通点。」 好きになれない。 vol,153. 「あ、ここにも素敵な人、いた~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.31
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そんな優維香の声に小埜瀬、「実は…。」けれども、「あっ。その前に…。みなさん…、メニューを…。」池辺、「あっ。」3人を見て、「そうね…。」ニコリと。優維香、小埜瀬に、「でも、リーダー。いいんですか~~???…ご馳走する、なんて~~。」小埜瀬、すぐさま両眉を上に、そして口を窄めて、「いえいえ。どうぞ。はい。…まま、何て言うか~~。…その~~。」僅かに考えた感じでもあり…。「僕からの…、細やかな…。…ん~~。」そして、「ご馳走です。」瞬間、4人、共に、それぞれが、「ガクッ。」悠里、「あれ…???」クスクスと可笑しがる池辺。小野瀬を見て、「たま~~~に、小埜瀬さん。面白いと…言うか、カクンとする事、言いますよね。」そんな池辺に3人も恥ずかしそうにクスクスと。小野瀬、池辺を見て、「そうですか~~???」その声に優維香、笑いながら、「あるある。うんうん。」そして、メニューを見ながら…。「え~~っと~~。」そんな優維香を見て悠里も、「んじゃ、私も~~。」瑛子も、「右習い~~。」ウェイトレス、メニューを。そんな…夕方…。街角を歩いている数人の男性。誰もが行き過ぎる。通り過ぎる、そんな歩道で…。あるひとりの若者の…。「ん~~~~???」その…、覗き込んだスケッチに。「これは、これは…。なんとも…。」ウェイトレスが…、微笑みながら一礼して、「畏まりました。お待ちくださいませ。」「…で…???…リーダー。どうしたんですか、今回は。」優維香。小埜瀬、優維香に、そして3人を見て、「つまりは…。私の方から、みなさんの中に…、入ろうかなと。」瞬間、池辺、「あ~~~ん。」瑛子も、「なるほど…。」優維香、顔を小刻みに、「うんうんうん。」悠里も、「まっ。確かにね~~。」「中々…。」小埜瀬、「みなさん、シビアなのか…、シャイなのか…。ナーバスなのか…。」そこまで言って…。途端に池辺も優香も、困った表情で、共に、「それ、いいます~~???」悠里と瑛子、「かかかかか。」小埜瀬、口を尖らせて、「いや…。でも…。」優維香、小埜瀬に、「はいはいはい。まっ。確かに。リーダーに対して…。私たち以外の…メンバー。結構~~。リーダーには、近寄り難い。…と、言うのが…、あるみたいね~~。…その…。何て言うの…???」優維香、顔を左にグッと傾けながら、「…その…、オーラみたいなのが…。」その声に小埜瀬、「うそ…。そんなの…僕に、あります…???」すぐさま悠里、小埜瀬に、ハッキリと、「あるあるある。滅茶苦茶ある。」悠里にも小埜瀬、キョトンと、「うそ。」瑛子、「いや。だって~~。」池辺を見て…。池辺も、顔をコクリと。「うん。」瑛子、「半端なかったもん。スタッフコレクションの時。」「へっ…???」小埜瀬。悠里、「つまりは…。」小埜瀬、悠里に、「はい。」「あの時、亘夢が入り口で…。」小埜瀬、ニコリと、「えぇ。亘夢ちゃん。彼女、物凄い魅力的ですよね~~。」悠里、ニコニコと、「うんうんうん。うちの看板娘。」いきなり小埜瀬、「かかかかか。確かに。それは言える。」優維香も、「凄いよ亘夢~~。あの子、美大、出ているんだけど~~。物凄い、絵の天才。トラディショナルの中で、あの子以上にインテリアの絵を描かせたら、右に出る人、いないわ。おかあさんが日本人。おとうさんがドイツ人のハーフなんです。」小埜瀬、頭を僅かに後ろに、「へぇ~~~。」悠里、「でぇ~~。あの時、リーダーが、ウチの…、出展に、入ってきたじゃない…???…その時のインパクト、物凄かったんだから。奥にいた私と優維香と課長、諸共、何…この人っ!!!!…って。」瞬間、小野瀬、ニコニコと。そして右手を振って、「いやいやいや。そんな…。」悠里、口を尖らせて、「いや。だ~~って、それが現実だもん。それに…。凄かったのが、もうひとつ。」小埜瀬、「えっ…???」「奥で、リーダーと亘夢を見ていた私たち3人。の~~中で、すぐさま動いたのが。」「はい。」悠里、優維香を見て、「優維香なの。さすがは、チーフ殿~~。」小埜瀬、優維香を見て…。優維香、照れながらも、「あ。いや…。」右手を振って、「すぐさま動いたって言うか…。なんていうか。自然に体が前に。…でも…。あの時…。自分で自分を制御出来なかった。…で、歩きながら、へっ…???…私、これからどうすんのよ…???…って自分に聞いたくらいだから…。」悠里、目を真ん丸に、「うそ。」小埜瀬も優維香を見て、「えっ…???…でも、確か、柿崎さん、あの時、笑顔で、丁寧に、いらっしゃいませって、接客してくれたけど…。瞬間、あ、ここにも素敵な人、いた~~って、思って。」瞬間、悠里、瑛子、池辺、口に両手を、「えっ…???…嘘。」 好きになれない。 vol,152. 「僕からの…、細やかな…。…ん~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.30
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それから数分後、優維香、通話を切って、何やらメモを…。その時にスマホにバイブレーション。「うん…???」そして、「へっ…???」そしてメッセージを開いて、「あら。」優維香、ラインのメッセージを見て、顔を僅かにゆっくりと上下に、「へぇ~~~。」その声に悠里、「おっと~~。チーフ殿にも来ましたか~~。課長から~~。」優維香、「ふ~~ん。リーダーがね~~。課長を通してのお誘い~~。」悠里、仕事をしながらに、「ふ~~ん。なんだろうね~~。まっ。土台…、他のメンバーの建前もあっての事かも~~。」悠里、「ふんふん。…だろうね~~~。」そして…。「へぇ~~~~。」悠里。「ここ…???…リーダーが住んでるトコって…???…ホテル~~。」優維香も、「いやいやいや。」池辺、「よう~~やく~。ここなら住んでみたいって物件、見つかったんだって~~。かかか。実に、1週間以上掛かったみたいよ~~。物件探すのに~~。」悠里、優維香を見て瑛子を見て。優維香も悠里見て、瑛子を見て、3人同時に、「1週間以上。」瑛子、「…って事は、何…???日本に来て、今までここに…???…リーダー…???」池辺、にこやかに、「そっ。そういう事になるわね~~。最初の日に、私、彼から聞いたのよ。住む家ってどうなってるのって…。そしたら、これから探しますって。それまではホテルに仮住まいですねって。」悠里、思わず目を真ん丸に。「何とも、リ~~ッチ。」そして池辺、ラインで小埜瀬に。「ホテルに着きました~~。ロビーでお待ちします~~。」ホテルの中に入っての4人。優維香、「わお。」悠里、「何とも豪華~~。」瑛子、「うんうんうん。」辺りを見回しているだけで、エレベーターから小埜瀬が…。4人に歩み寄るなり、頭を下げながら、「お疲れ様です。」優維香、悠里、瑛子、「お疲れ様です。」小埜瀬、「では、こちらに。」エレベーターに乗るなり優維香、小埜瀬に、「び~~っくり~~。リーダー、こういうところに住んでるんですね~~。」小埜瀬、優維香に、「あは。はい。まっ。日本に来る前にネットで調べて…。と、言うより、逆に、ここは、七瀬社長からの紹介でもあるんですけど…。」悠里と瑛子、「えっ…???…そうなんですか…???」「まっ。仮住まいですから。…でも。しっかりと、これから住む住まいは自分で。そこだけは、自分で探しますって、押し通しましたが…。」エレベーターから降りて、小野瀬、「こちらです。」悠里と瑛子、「うんうんうん。いい感じ~~。」「…で、今日で、このホテルとも…。」優維香、その声に、「えっ…???…あっ。そうなんだ。」池辺、「どんな感じの住まい。」小埜瀬に。その声に小埜瀬、「中々どうして…。」クスクスと笑いながら、「なんとも…、ユニークな。」店員が席に案内する。優維香、悠里、瑛子、その声に、「ユニーク…???」小埜瀬、にこやかに、「えぇ。」そして…。「私もあぁいうところは、初めてです。…それに…。何かしら、ドキドキ感が、あります。」池辺、店員から勧められて椅子に、「ありがとうございます。」そして小埜瀬に、「ドキドキ感。」3人を見ながら。「…って…。」優維香、「どういう…???」悠里と瑛子も、「うんうんうん。」小埜瀬、スマホで画像を…。そしてテーブルに。優維香、悠里、「え…ぇ…???」瑛子は身を乗り出して…。優維香、悠里、画像を見て、「かしわださんちの家。」「はっ…???」瑛子、「えっ…???…いやいやいや。何々…???」悠里、そのスマホを瑛子と池辺に。池辺、「うん…???」瑛子、画像を見て、「い゛っ???…うそ。ほんとだ。かしわださんの家。」優維香、「あっ。でも、家は凄い良い感じ。」小埜瀬、「えぇ。そうなんです。」悠里、「…って言うか、それって…、アパート…???」「いえ。」小埜瀬、「シェアハウスです。」いきなり優維香、悠里、瑛子も池辺も、「シェアハウス。」「青山にある一軒家です。」小埜瀬。「その大家さんが柏田智子(かしわだともこ)さんと言って、御年70。女流作家です。」優維香、「作家さん…???」小埜瀬、優維香にニッコリと、「はい。…でぇ、その娘さんの柏田尚子(かしわだひさこ)さんとその娘さんが同居。…確か…、42歳…???…で、娘さんが…、今、大学…。出戻りだそうで…。」悠里、変顔をして、「出戻り。」「…で、その他に~~。アルパイトの女子大生と~~。アパレルショップ経営の女性。そして、キッチンカーの男性。何と、その方は、LGBT。」いきなり4人、「LGBT~???」瞬間、小野瀬、「いや。この人、実に面白い。…って言ったら変ですけど。物凄いかっこいい…と言うか、奇麗。」4人、今度は、「へぇ~~~。」「…って、そのシェアハウスって…一体…どうやって…???」優維香。 好きになれない。 vol,151. 「リーダーがね~~。課長を通してのお誘い~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.29
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そして瑛子、「まっ。別に~~。この話、優維香と悠里に話してもいいけど~~。でも、話しても優維香、いきなり、はい…???…って声するよ。優維香も、あれで中々~~。男よりインテリア。ってタイプだから~~。仕事以外、頭にないよ。…じゃなかったら~~。スタッフコレクション、あれだけの事~~。入社して2年目でいきなりジェットコースターだから~~。」瑛子、「かかかかか。私にも出来ない。あれだけタフにはなれない。」阿寿沙も、「ふふ。まっ。母親の影響もあるんだろうね~~。それに…。子どもの頃に父親、亡くしてるから~~。逆にね。」満寿美、「えっ…???…そうなんですか…???」阿寿沙、満寿美を見て、「ふん。優維香、あれでいて、父親いな~~い、完全母子家庭~~。その母親も、売れっ子の挿絵家~~。それに~~、優維香のお母さん、知る人ぞ知るメイクアップアーティストの資格も持ってる~~大ベテラン。」その声に1年グループ、「凄~~~。」3人共に、口に手を。瑛子、「優維香、あれで、並大抵な家計じゃないよ~~。」いきなり亜樹歩、「うそうそうそ。全然知らなかった~~私たち~~。」美知留と満寿美の顔を見て。その美知留と満寿美も右手を振って…。「知らない、知らない。そんな…。プライベートな事、チーフに聞けないもん。」瑛子、可笑しがり、「かかかか。まっ。確かに。」美知留、「あっ、でも…。…と、言う事は~~。リーダーと、賀寿恵さんって~~。」阿寿沙、「ん~~~。どうだろうね~~。まっ。さっきも言ったけど~~。そこに、社長いるんだったら~~。多分、ある意味、社長の悪ふざけ~~かも。それこそ、面白半分に、社長がリーダーに、口あ~~ん。なんて、やったんじゃない。…で、調子着いちゃって、あんたもやってみなって、賀寿恵さんにも勧めた。…とか。はは。あの社長ならやり兼ねないでしょ、そういう事、実際、何やるか分かんない人だから。」瑛子も、若手たちを見ながら、「そぅそぅ。あんたたちは知らないと思うけど、七瀬社長、とにかく面白く、奇抜な事をやる人だから。しかも…、本社、全社員の名前までしっかりと覚えてる。」美知留、「あ、うんうん。びっくりした~~あの時~~。」亜樹歩に、「ほらほら、伊玖伊那のインテリアが雑誌に載った時~~。」阿寿沙、両眉を大きく上下に。美知留、「テンション最悪だったのに、いきなり入ってきて、…で、名前言ってくれて両肩を両手で。…で、ハグだも~~ん。」瑛子、「かかかかか。ねぇ~~~。…だから~~。リーダーと賀寿恵さんの事も~~。もし…仮にでも、リーダーと賀寿恵さん、ふたりだけ。って言うんだったら~~。かなりの、信憑性あるかな…、とは、思うけどね~~。…ただ…。私ら、リーダーの事って、殆ど知らないし~~。」若手たち、それぞれが顔をコクリ。「とは言え。」阿寿沙、「私たちの方からリーダーに声掛けるって言うのは…。今の時点では、まず無理。まず、共通がないからね~~。亜樹歩、あんた、リーダーに何か聞きたい事って…???」いきなり振られての亜樹歩、途端に顔を小刻みに、そして両手を前にヒラヒラと。「ないないないない。そんな…、恐れ多くも…。」「かかかかか。…でっしょう~~。まっ。今は、気軽に声掛けられるのは、多分、優維香、そして悠里か、亘夢くらい。」その話に若手たち、それぞれが、「確かに~~。」顔を見せ合い、「納得だわ。」そして…。その日の夕方、小野瀬が池辺に、「課長。」池辺、「あ、はい。」「ちょっと…、お話が…あるんですけど…。」そんな小埜瀬に池辺、「あ、はい。」池辺の前で囁くように小埜瀬。小野瀬の話を聞きながら仕事をしている優維香と悠里、そして瑛子を見て池辺、「あ、はい。構いませんけど…。…でも、良いんですか~~???」小埜瀬、体を前に、僅かに一礼するように、「えぇ。構いません。…と、言うか、私の方からお願いします。」池辺、周囲を見渡して…。凡そ半分のメンバーがそれぞれの仕事で席を外している。外回りに出たり、研修に参加したりと…。その状況を見て池辺、けれども、ラインで…。誰もが仕事中のラインの音は極力低く、しかも…、バイブレーション。池辺、まずは瑛子に。瑛子、「ふん。」そして…、「えっ…???」周囲を見て池辺に、「OK~~。」それを確認して今度は悠里に。悠里、バイブに、「うん…???」こちらも、「はっ…???」そしてすぐさま向かいの優維香を見るが、電話中。けれども悠里、画面を見て、「既に瑛子にはラインした、OK~。あなたの次に優維香にラインするから。」瑛子、ひとりで頷いて、「OK~~。」首を伸ばすように池辺に、そしてコクリと…。 好きになれない。 vol,150. 「この話、優維香と悠里に話してもいいけど~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.28
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「え、え~~~。」亜樹歩。美知留と満寿美も、「うんうんうん。」遼子、「だから…。私たちも…。もしかしてって…、思って。」阿寿沙と瑛子、お互い顔を見合わせて…。阿寿沙が瑛子に。そして瑛子も阿寿沙に。そしてお互いに、腕組みして、「ん~~~。」瑛子、「まま。有り得…なくも…、ないかなぁ~~とも…。」瑛子、顔を傾げて、「…でも…。本人から、全然。…とは、言うんだ。けどね~~。」阿寿沙、「この前の歓迎会の帰り…、でしょ。」瑛子、阿寿沙に、「うん。」途端に若手たち、「えっ…???…えぇ…???…何ですかその話。」いきなり瑛子と阿寿沙に6人揃って、「先輩、先輩っ。」瑛子、「あん。…実はね。リーダーの歓迎会の後~~。もぅ、みんな、バラバラになったでしょ。」若手たち、「あ、はい。」「うんうんうん。」「阿寿沙もあん時、遼子たちと一緒に。」阿寿沙、「うん。」「でも…。」瑛子。「私と優維香、悠里とリーダー、4人になっちゃって、どっか飲みに行くって話になってぇ~~。」思わず瑛子、可笑しがりながら、「リーダー、あの顔でしょ。ほっぺと顎にガーゼ。…でも、次の日休みだから…ってなって、近くのお店に入って~~。なんだかんだ…。」若手たち、「うんうんうん。」「でぇ~~。話の内容が~~。いつの間にか、リーダーと賀寿恵さんの話題になったの。…でも、リーダー、キッパリと。全然、ありません。だって、彼女と会ったの、まだ3回目ですよ。って。」瞬間、また若手たち、「嘘っそ!!!」瑛子、「まっ。私たちは~~。リーダーに、賀寿恵さん、良いんじゃないのぉ~~っては、言ったんだ、けど~~。まっ。でも…。」亜樹歩を見て、「そこに、社長もいたんでしょ~~。」亜樹歩、美知留、「うんうんうん。」「社長が、また、何か、悪ふざけでもしてたんじゃな~~い~~。まっ。確かに、賀寿恵さんね、素敵な女性だけど…。それに…。リーダーも~~。社長が見染めてここに入れた、人材でもあるけど…。まっ。でも…。ある意味…。どうなの…かは…。」阿寿沙も、口を尖らせて、「ふん。」瑛子、「まっ。個人のプライベート突っ込んだところで…、収穫、あるかって言えば…そんな、簡単に…。…それに…。逆に言えば、私たち、賀寿恵さんが社長秘書って事以外、何も知らない訳よね。」その話に若手たち、数回頷きながら、「確かに。」瑛子、「まっ。それで…、ふたりで、デート。」いきなり、「ぷっ。」阿寿沙、「瑛子~~。」ニタニタと。瑛子、可笑しがりながらも、「くく。ごめん。まっ。ふたりだけで会ってるところを…。って、言うんだったら~~。如何にも、怪しい~~って、言うニュアンスも、あるとは…、思うけどね~~。そこに社長がいたんじゃ~~。ちょっと~~、説得力。ないかなぁ~~。…逆にこれ、優維香と悠里に知られたとしても~~。あのふたり、声、揃えて、こぅ言うよ。いいんじゃな~~い~~って。だ~~って、あの時だって~~。私たち3人でリーダー、良いんじゃな~~い~~って、言ったくらいだもん。いきなり噴き出されたけどね~~。」阿寿沙、遼子たちに、「そういう事。私もラインで瑛子からその話、送ってもらったんだけど~~。もし、そうだったら、良いかも~~とは、思った~~。まっ。その程度かな~~。ふふ。」「でも…。」瑛子。「例えば~~。…あの時、お酒も入ってたから~~。リーダーも一緒にって言ったのが~~。私。…でもさ~~。…私たちの中で~~。いとも簡単に…って言うか~~。普通~~にリーダーと話出来るって人。誰よ~~。」その話に遼子、志津恵、「えっ…???」お互いを見合わせて…。瑛子、阿寿沙に、「阿寿沙、あんたどぉ…???」思わず阿寿沙、「無理。中々、近づけない。まっ、確かに、向こうから話し掛けてくれたら、まま、話は…、する、程度。でも、気軽にって言われたら…。ない、かな~~。オーラが違う。あれでいて、貫禄は部長クラス。まっ。真宮部長の場合は~~。キャラが全く違うから。物っ凄い、エリート感、感じる。確かに、ラフではあるけど…。正面からは、とてもとても。」瑛子も、「でしょう~~。私だって、中々~~。ま。部長と課長は別格。でも…、ふたりはね~~。しっかりと~~。所帯…。」阿寿沙も、「うんうんうん。」瑛子、「…なんだ、けど~~。…それでも~~。私たちの中で~。リーダーと普通~~に、話せる人物。」遼子、「チーフ。…あ。」志津恵も、「あ。あ~~~。確かに~~。歓迎会でも、チーフ。とにかくリーダーと一緒に。」瑛子、「ビンゴ~~~。…とにかく、優維香、あれで中々~~。全くリーダーに臆してなかった~~。」満寿美、「うんうんうん。確かに~~。チーフ。凄いって、歓迎会の時、思った~~。…でも、あの時は、さすがはチーフ。って、くらいにしか…。」 好きになれない。 vol,149. 「リーダーと賀寿恵さんの話題になったの。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.27
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「な~~んか、変なのよね~~、この子達~~。私も今さっき、休憩~~ってここ、来たら、何やソワソワと。」瑛子、椅子に座りながら…。阿寿沙も瑛子からカフェオレの缶を受け取って、「サンキュ~~。」そして、「そんな風にソワソワしてたら、後で、優維香や悠里に何か言われるよ~~。…それでなくとも今、スタッフコレクションの余韻の波…。注文じゃなくとも、今度は新規契約で部長も課長もリーダーも、優維香も悠里も忙しいって言うのに~~。」その、「リーダー」の声に、微妙に反応する若手たち。そんな若手たちのビクンとした反応に阿寿沙、「うん…。…その感じだと~~。」瑛子、若手たちに後ろ向きでカフェオレを飲みながら、阿寿沙の声と顔に、「えっ…???」思わず後ろを…。そして、「何…???」若手たち、自然にお互いの顔を見せ合うも…。阿寿沙、頬杖を就いて、「ふ~~~ん。」そして、「これは、これは。どうしたもんかのぉ~~。」そして阿寿沙、遼子を見て、手招き、「遼子~~~。」瞬間、入社3年グループの志津恵と巴月が遼子を見て。遼子、ふたりを交互に見て、「えっ…???…私…???」自分を指差しながら…。…確かに。入社3年グループからすれば、遼子。園枝遼子(そのえりょうこ)が3年グループのリーダー的、存在。因みに、2年グループでは亘夢。友也も早智子も同期ではあるが、亘夢だけは、ハーフである意味でも…逆に…、トラディショナル事業部としては、看板格となっている。そして…、1年グループで言えば、亜樹歩。的場亜樹歩(まとばあきほ)がリーダー格。遼子、阿寿沙から手招きされて、「あ、はい。」ソワソワと。阿寿沙の前に。阿寿沙、遼子に、「…で…???」遼子、思わず口を尖らせて…、そして同期たちに顔を…。志津恵も巴月も顔をコクリと…。1年グループもそれぞれが顔をコクリと…。致し方なく遼子、阿寿沙と瑛子に、目をパチクリとさせて、「あ、あの…ですね。…その…。あの…。実は…。…でも…。これは…、私も今、さっき、聞いた話…、なんですけど…。」その声に阿寿沙、「えっ…???…今、さっきって…???…うん…???」遼子、どうもこうも出来ずに。そして同期たちに…、「もぅ~~。どう説明すればいいのよ~~。亜樹歩~~。美知留~~。」瞬間、阿寿沙も瑛子も、「はっ…???」瑛子、いきなり若手たちを見て、「どういう事…???」遼子、同期たちに左手を大きく振って、「ほ~~ら~~。私が直接見た訳じゃないんだから~~。」阿寿沙、瑛子、顔を左右に、お互い見合わせて、「何々…???…何々…???」阿寿沙と瑛子傍に駆け寄る若手たち。「実は~~。」亜樹歩。「あのですね~~。私たち~~。」亜樹歩、美知留と満寿美を見て、「見ちゃったんですぅ~~。」阿寿沙と瑛子、同時に、「見たって何を…???」美知留、「あ、あの…。今日のお昼にぃ~~。」また阿寿沙と瑛子、「うん。」「あんまり…。」顔を傾げて、「…って言うか…、まず、行かないであろう…はずの…。スイーツの限定販売がありまして…。たちまち、一昨日と昨日、販売して30分でソールアウト。1日200個限定で…。しかも…並ばないと…。…で、私たちも、お昼の時間になってすぐに…。…でぇ~~。30分並んで、ようやく。」美知留、「ゲット。」満寿美も、「うんうん。」亜樹歩、両手を開いて、「でぇ~~。ショップから出て来て~~歩いてたら~~。少し離れた場所にキッチンカーが。」瑛子、「キッチンカー…。」亜樹歩、コクリと、「えぇ。はい。…お客も何人か…。…で、私たち、お喋りしながら…。…と、その時、美知留がいきなり止まって、そこに私がドン。で…、満寿美も私にドン。私が美知留に、何、どうしたのよ…???…って聞いたら、美知留が指差すの。あれ…って。」阿寿沙、瑛子、顔を見合わせて、「…???」瑛子、「…で…???…何を見たの…???」亜樹歩、美知留と満寿美を見て、「ねぇ。」美知留も満寿美も、「うんうんうん。」美知留、「賀寿恵さんが、リーダーの口に、何か食べ物を、あ~~~ん。そしたら賀寿恵さん、いきなり顔に両手で…、そして恥ずかしそうに…。それを見ていた社長がニンマリとしながら頭を後ろに笑ってて。いきなり私たち、うそ―――――――っ!!!って…。慌ててその場から見つからないように。」その話を聞きながら阿寿沙と瑛子、訝しそうな顔をして、「…ん…???…と、言う事は…、賀寿恵さんと、リーダー、出来てる…???」亜樹歩、いきなり、「そぅそぅそぅ。私たちもそう思って…。だ~~って、いきなりでしたから~~。」瑛子、「ふむふむふむ。…な~~るほど~~。…で、あなたたち。その話で…。」 好きになれない。 vol,148. 「な~~んか、変なのよね~~、この子達~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.26
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数日経ったある日。何やらジョエルのトラディショナル事業部のメンバーたちが、妙に小埜瀬にニコニコと。しかも…、若手のメンバーたちが妙に小埜瀬に微笑ましく…。けれども小埜瀬には、そんな様子は全く知る由なく…。普段のまま。…が、しかし…、そんなメンバーの様子に気が付いた真宮が、「なんだおまえら、いつになく明るい感じだけど~~。えへ…???」そんな真宮に入社1年の亜樹歩と美知留が、にこやかになりながらも、吉竹の背中を押して、「いいんです。部長には関係ないですから~~。ははは。」「うんうん。」満寿美もニコニコと。そんな3人を見て真宮、可笑し気な顔をして、「何だ…一体~~???…ふん。」そして、仕事の途中で真宮、池辺に、「…なぁ~~。」池辺も、「はい。」真宮、「妙に…、気になるんだが…。入社1年グループ~~。やたらと明るくって…。…もしかしたら、誰か…、恋人…出来たか…???」その声にいきなり池辺、顔を歪めて、「はい…???」そして池辺、目だけ、左右に…。「何…???…別…、いつもと…。」真宮、腕組みして、「そぅ…かぁ~~???…おかし…。」そして顔を傾げて…。…そして…。いつの間にか、入社1年グループから、今度は、入社2年目の早智子と亘夢に波及。早智子、「嘘っそ。」亘夢、美知留からその情報を聞いて、「キャ~~~。素敵~~。」美知留、そんな早智子と亘夢に、「いい…???…トップシークレット。」早智子と亘夢、コクリ、コクリと頭を…。「うんうんうん。」けれども…、そんな噂は…、たちまち。2時間も経たない内に、今度は入社3年目の、遼子、志津恵、そして巴月へと。こちらもいきなり、「えっ!!!」そして一気に、目を真ん丸に口に両手を。亜樹歩、「先輩、声。」志津恵、「ごめん、ごめん。」巴月、亜樹歩に、「…でも、亜樹歩、あんたら、何で…???…その情報…、何処から…???」午後のブレーク。休憩ブースで…。その3年グループに美知留もこそこそと。「先輩、先輩。だ~~って見ちゃったんですから~~。」遼子、「だから、何を…。」亜樹歩、「お昼に、期間限定のスイーツ、食べようと早くから。」美知留、「うんうんうん。いつもは行かない場所だから…、会社の人も全く…。…でぇ~~。しっかりとゲットして食べて~~。」遼子、「うんうんうん。」亜樹歩、「あれは完璧に、出来てるね~~。」志津恵、「噓でしょ。」その声に美知留、顔を振り振り、「ううん。だ~~って、口の中に、あ~~ん。ですよ~~。あ~~ん。」口を開けて。巴月、「マジで…???」亜樹歩、「まっ。確かに…。ふたり…、だけ…では。なかったけど…。」顔をコクリと。「うん。…でも、ニコニコ、ニコニコと。」遼子、「いやいや、いやいや。マシで~~。あのふたり~~~???」そして、ニッコリと笑って、「わ~~~お~。」何気に盛り上がっている休憩ブースに瑛子、「ふぅ~~~。休憩~~。」瞬間、瑛子を見ていきなりソッポを向くメンバーたち。ふいに瑛子、目をパチクリとさせて、「へっ…???…どしたの、あんたたち…???…私…、何か…???」そんな瑛子にメンバーたち、頻りに顔を左右に小刻みに。そして両手を振り振り、「いいえ、いいえ。」途端に瑛子、「な~~にぃ~~???…その慌てよう~~。な~~んか、隠してるね~~。ふふふふふ。」その瑛子の笑いと、眉毛の妙な動きに…。遼子、頭の中で、「…ヤ~ッバ。」そこにタイミング良くも阿寿沙、「あん、瑛子~~。ナ~イスタイミング。私も同じの~~。」瑛子、「オッケィ~~。」瑛子と阿寿沙、このふたり…、入社8年目の同期。おどおどしている若いメンバーたちに阿寿沙、「うん…???…どうしたの…???…なんだか…。」阿寿沙、首の後ろを撫でながら、「ねね、瑛子~~。」「う~~ん…???」「ちょっと首の後ろ…見てくれる~~。」「首の後ろ…???…あ、うん。」何やら黙り込む若手メンバー。阿寿沙、「なんか…、さっき、チクッと。」瑛子、阿寿沙の首の後ろを…、「ううん。何ともなってない。」すると…、自販機から電子音が…。瑛子、「わお。当たった~~。」若手メンバーたち、「凄~~。」パチパチと…。阿寿沙、振り向いて、「はは。ラッキー。」けれども…。何故かしら、直立不動の若手に、「ふん…???はは。何よさっきから、あなたたち、突っ立ったまんまで~~。」そして阿寿沙、「亜樹歩~~、美知留~~。満寿美~~。それに、遼子~~。」遼子、阿寿沙を見て、恐縮しまくりで僅かに舌を。そして阿寿沙、「遼子~~。あなたたち先輩も~~。志津恵~。巴月~~。」巴月、困った笑いで、「あは…、ははははは。」「あははは、じゃないでしょう~~。何かあった~~???」 好きになれない。 vol,147. 阿寿沙、「亜樹歩~~、美知留~~。満寿美~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.25
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タクシーの中で小埜瀬、「断然、酒の量が減った。」その声にまた佐津香、「あ~~~。」「仙台じゃ、とにかく、仕事。しかも…、周りは同じくらいの年代ばかり。仕事が終われば今度は酒。しかも、煙草も吸う。逆に仕事もきつかったですから、酒の力がないと…。ひたすら…だったですね~~。」佐津香、「プロジェクト、任されて…。」頭をコクリと小埜瀬、「えぇ。」そして…、「…で、念願の東京本社。ある意味…、この歳だからって事もあるんですけど…。…残りの10年は、東京でって…、50になった時に、考えてたんです。」順平、「そぅだったんだ~~。」小埜瀬、順平の方にチラリ、「…で、東京に戻ってきたら…。何と。」佐津香、少し笑顔で、「何と。」小埜瀬、小さく頷いて、「えぇ。…何と、何と。ですよ~~。」順平、「何が…???」こちらもニコリと小埜瀬、左に頭を傾げて、「いやいやいや。若い。…って言うか、若過ぎる。まず、匂いが違う。入った瞬間です。」佐津香、「あ、あ~~~。はははは。まま、確かに。」「多分…。…それでしょうね~~。」「それって…???」順平も、「課長…???」「匂い。」小埜瀬、「です。」佐津香、「匂い。」順平も、「匂い…???」佐津香、再び、「匂い…って、嘘。…もしかして…、香水の事…???」順平、「あっ。」小埜瀬、「それ以外に…、考えられない。」佐津香、今度は眉間に皺を寄せて、「マジで…???…香水で…???」順平、「あ。でも…、佐津香さん。例え、香水を付けなくと、女性からは何かしら匂い。あるって言うじゃないですか。」その声に佐津香、コクリと、「あん。うんうんうん。あるけど…。」そこまで言って佐津香、目をパチクリとさせて、「えっ…???…それってまさか…。フェロモンの事…???」瞬間、小野瀬、今度は下唇を前に、「…ん…???…なんすか…、その…。フェロモン…???」瞬間、佐津香、僅かに黙ったままで…。「…あ、いや…。」小埜瀬、小さく、「…ん…???…フェロモン…???」けれども顔を傾げて、「あ…、いや…。そう…いうのは…、全く…。分かんないですけど…。…とにかく…、匂い。…しかも…。何とも心地いい。気持ちが良いんです。…だから…、逆に、朝から頑張れる。」順平、ニコニコ、「おほほほほほ。」「でも…。」小埜瀬、「何で…???何で…、体がユラリと…、あんな風に…。」佐津香、「心地いい、そして、気持ち…、良い…かぁ~~。ん~~~。」翌朝、休憩ブースで菜帆子と愛結美、「え――――――っ!!!…匂い。」目を真ん丸にして。愛結美、「しかも…、課長~~。煙草吸ってた~~~???」菜帆子、前で左手を何度も振って、「全然、煙草吸ってるとこ、見た事ないけど。」愛結美、「部長も吸わないし、順平も。当然、龍二も。」菜帆子、「うんうんうん。」そして、「…って言うか…、課長…、匂い。まっ。嗜み程度には…。」愛結美を見て…。愛結美も、菜帆子を見て、「うん。…まぁ…。商売柄…。いつ、どこに行くかも分かんないし…。…逆に…、人を呼び込むためにも…。ある意味…、暗黙の了解って感じでの…。それが…エッセンスでも…、ある訳…だけど…。」菜帆子、「…ってか、課長…、どんな匂い…、に…???」佐津香、「それが…。何とも良く、分からない。…とにかく、匂い。」そして、「本人が言ってるんだから、まぁ…。仕方ないっちゃ~~。仕方…、ないんだ…けど~~。」口をヒョットコみたいに。菜帆子、「匂いって…ったって…。」佐津香と愛結美を交互に見て、「昨日…、店で…???…私と…。佐津香さんと、愛結美さん…???」そこまで言って菜帆子、また佐津香と愛結美を見て…。数秒の沈黙。3人共に。目だけを…。菜帆子、ポツリと…。「こ…う…す、い…???」そして…3人共に、一拍置いて…。また3人笑いながら手を振って、「いやいやいやいや。ないないないない。そりゃないでしょ~~~。」菜帆子、「まっ。私だって、愛結美さんみたいに~~。嗜み程度には…。当然…。さっきも愛結美さんも言ったように、何処にどう…。…ってか…。ウチの部署で、香水をつけてない人っている…???」愛結美、間髪入れずに、「いない、いない、いない。戦略のひとつだも~~ん。…しかも…。ある意味の、マナーでもあるし~~。」佐津香、腕組みをして、「ん~~~。」そして顔を傾げて、「分からない。」菜帆子、「…でも、昨夜は、しっかりと、課長、お宅まで。」佐津香、その声に、右手親指を、「バッチリ。まっ。タクシーの中だからねぇ、倒れる心配もなかったけど…。」菜帆子、愛結美、「はははは。確かに。」菜帆子、「んじゃ、昨日の話…。形に。」佐津香も愛結美も、コクリと、「だ~~ね。」 好きになれない。 vol,146. 「匂い…って、嘘。…もしかして…、香水の事…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.24
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後部席、右側のドアから順平、タクシーに乗り込みながら、「佐津香さんが言うんなら仕方ないでしょ。」佐津香も座席に。そしてドアを締めて窓を開け、菜帆子と愛結美に、「じゃ、行くわね。」その声に菜帆子と愛結美、「あ、うん。じゃあ、気を付けて。」「うん、うん。また明日。」佐津香、ふたりに笑顔で…。そして窓を閉めて、「運転手さん。芝公園の…。」今度は佐津香、小埜瀬を見て、「課長。」小埜瀬、「芝公園の……、…の、…まで、お願いします。」運転手、「はい。」そして小埜瀬、僅かに顔を左右に、「申し訳ない。また、こんな。」佐津香、「仕方ありません。さっきの課長の歩き方見てたら…、少しふらついてましたから。」そんな佐津香に小埜瀬、僅かに顔を、「そんな風に見えました…???」順平、「でも、どうしちゃったんですか…???…いきなり体がストンと…。びっくりしちゃいましたよ。…アルコールなんて俺と同じくらいしか…。」小埜瀬、頷いて、「多分、そのくらい。とにかくイタリアン、料理がメイン。」そして小埜瀬、頭を下げて、「ん~~~。」佐津香、そんな小埜瀬を見て、「課長…???」小埜瀬、顔を上げて、「これって…、もしかして…、環境…???」佐津香も順平も、小埜瀬を見て、「環境…???」小埜瀬、佐津香を見て順平を見て、「えぇ。」そして小埜瀬、頭を傾げて、腕組みをして、「こぅ見えて僕、煙草、吸うんです。」その声に佐津香も順平も、「煙草っ???」「…って、課長が煙草吸っているとこ、見た事ないんですけど。」佐津香。順平も2度程頷いて、「うんうんうん。俺も。」小埜瀬、真っすぐ前を見て、「仙台では、会社でも吸ってました。喫煙所もありましたし。とにかく、働いている年齢層が高かった。女性もいたけど、女性も40代、50代。既婚者、煙草も吸う。…って言うか、煙草を始めた切っ掛けって言うのが…。」佐津香、頭をコクリと、「うん。」順平、「あ、はい。」小埜瀬、「カミさんが亡くなって…、から…???…無性に…。」佐津香、その声に、納得するように、「あ~~。うんうんうん。何とも…、分かります。」「母親は別に…、煙草くらい、男の愛嬌。…って事で…。…ただ…、仕事の影響で、段々と吸う本数が…。」順平、「あぁ。仕事…、スポーツ関係の営業。」小埜瀬、順平の方にチラリと、「えぇ。」そして、「まっ。倅の方も、物心着いた頃には、親父は煙草を吸う人って当たり前のように…。…で、その仕事も退職して…。今度は、知り合いからの紹介で…。」今度は佐津香、「えぇ。ウチの仙台支社。」「はい。…でも、今度は化粧品だから、いっそのこと、心機一転で煙草。」佐津香、頷いて、「うんうん。化粧品仕事だから辞めようと…。」「したんですけど…。何と…。環境が、煙草を吸う人ばかり。」順平、「ある意味、凄いですよね。鼻に敏感になるはずですけど…。」小埜瀬を見ながら…、「…って言うか…、煙草、吸った時ないから分かんないですけど…。」「…で、こっちに来ても、吸ってはいたんです。」佐津香、「どこで…。」「家で、です。」「へっ…???…でも、この前お家に入った時、煙草の匂いって…。」「しないと思います。」ポツリと小埜瀬。佐津香、「はい…???」順平、「うん…???」「1週間…でした。」またポツリと小埜瀬。佐津香、「1週間…???」順平、「どういう…???」小埜瀬、「吸うにしても…、夜だけ…。せいぜい3本程度。…しかも…、東京に来て、マーケティング事業部に来て、あの瞬間、あっ、こりゃだめだ。吸えない。…と、実感。我慢しました。」途端に佐津香、音の出ない拍手。小野瀬、佐津香の方に顔を下げて、「しかも…、部長、仕事が終わって、門倉でも煙草を吸わない。」「あん。」佐津香、「武一も煙草、吸わないから。」「なんですよね~~。…だから、僕も…、吸えなくって…。…と、言うか、会社には、煙草、持っていけなくって…。」「かかか。そっか…。」順平、「…で…???」小埜瀬、また真っすぐ前を…。「…不思議…、なんですよね~~。」右頬を右手で強めに撫でながら…。「1週間…。…そして…、煙草の味がしなくなった。」瞬間、佐津香、小野瀬を見て、「嘘。」順平、「マジ…???」小埜瀬、顔を傾げて、「全くしない。…って、言うか、逆に気持ちが悪い。」佐津香、「えへ…???」順平、「マジかぁ~~。」「そして…。」佐津香、「まだ…何か…。」菜帆子と愛結美、駅に向かって歩きながら…。菜帆子、「いやいやいや。しっかし、凄。イタリアンのフルコース、ひとり、たったの3千円だよ。しかも、飲んで食べて…。普通…、万円、越すよ。」愛結美も、「うんうんうん。び~~っくり~~。」そして愛結美、「こりゃ、もぅ~~。しっかりと、コンペ。」菜帆子も、「だよね~~。」 好きになれない。 vol,145. 「これって…、もしかして…、環境…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.23
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すっかりとイタリアンのコース料理を堪能した5人。それぞれが、丁寧に頭を下げて、「ご馳走様でした。」菜帆子、「いやいやいや。」愛結美、顔の前、両手で音の出ない拍手、「うんうん。」順平、「正に、初体験。イタリアン。」佐津香も、「だよね~~~。」小埜瀬、「堪能させて頂きました。」菜帆子、「ワインもね。」その声にまた小埜瀬、「はい。」愛結美、「今度は課長…、前のような…。」その声に小埜瀬、困ったような声で、「ほんとに…。申し訳ありませんでした。重ね重ね。」佐津香も、その声に、「ふふふふ。」そして、5人揃って…。レジの方に…。客は、佐津香たちの他に5、6組ほど。リチャードがレジの隣で5人に丁寧なお辞儀。「ありがとうございました。」佐津香、「いえいえシェフ、こちらの方こそ、ご馳走様でした。堪能させて頂きました。あの…。それで…。」その時、佐津香が後ろを振り向いて、「あっ、私が…。後で。」その瞬間、小野瀬、またしても、体がふらふら…と。順平、びっくりして、「お~~~っと~~。」菜帆子も愛結美も、びっくり、「課長~~。」佐津香、「えぇ~~~???」リチャード、「Oh,My…。」順平、ひとりで支えるには…。「ちょ…、ちょっと…課長…???」咄嗟に佐津香、菜帆子の後ろから小埜瀬の左に、「ちょっと~~。」反射的に。菜帆子、「課長~~。」未梨も、「どうしました…???」小埜瀬、腰砕けのようになりながらも、顔を小刻みに振りながら、「お~~~。」そして、何とか自分で立ち、「びっくりした~~。…と、どうなって…。」佐津香、「それはこっちの台詞。」順平、「…って言うか、課長、俺と同じくらいしか…。」菜帆子も愛結美、「うんうんうん。」菜帆子、「いや…。あの程度で、酔う…普通~~???」小埜瀬、少し気持ち良さそうに、「あ…。いや…。」ただ小埜瀬、少しばかり目がトロリと…。リチャード、「お客様…。」小埜瀬、何とか目をパチリと、「あ、シェフ。ご馳走様でした。はい。大丈夫です。」そして小埜瀬、今度は何とか…。先ほどのように立ち、「あ~~。びっくりした…。なんなんだ今の…???…急に、目の前がぼやけて…。何とも気分が良くって…。」佐津香、小野瀬の隣で、「急に目の前がぼやけて…。何とも気分が良くって…。…って言うか、課長、大丈夫ですね。」その声に小埜瀬、「あ、はい。大丈夫です。」順平、顔を傾げて、「おっかしぃな~~。ビール一杯。それに…、ワインだって…。グラスで3杯…???」愛結美、「うんうんうん。私の隣だもん。分かる~~。んじゃ、なんで…???」菜帆子、伽璃菜から渡された伝票を見て、「うそ。え~~~~っ!!!」佐津香、菜帆子に、「ねね。どうし…。」すぐさま菜帆子、佐津香に伝票を…。すぐさま佐津香、「うそ―――――――っ!!!」そしてシェフのリチャードと未梨、伽璃菜に、申し訳なさそうに、「いいんですか~~~。」愛結美と順平も。そして小埜瀬も。その伝票を…。「えっ!!!」「マジで…???」「そんな。」小埜瀬、シェフに、「シェフ~~~。」リチャード、ニコニコしながら、「リコ。あ、いいぇ。理江子の事、今後共に、よろしくお願いいたします。」小埜瀬、「あ~~。また、倒れそうに…。」順平、「課長~。冗談。」「かかかかか。冗談。」佐津香…、財布からクレジットカードを…。「…でも、シェフ~~。」リチャードにこやかに、「いいえ。それ以上は戴けません。私たちの方こそ、ありがとうございましたです~~。」未梨も伽璃菜も丁寧にお辞儀をして、「ありがとうございました。」佐津香、「そうですか~~。じゃあ、お言葉に甘えて。」伽璃菜、「はい。お預かり致します。」そして…、店を出て。菜帆子、「課長~~。ほんとに、大丈夫ですか~~???…また、この前のように…。」今度は小埜瀬と順平が前で、佐津香、菜帆子、愛結美が後ろ。順平、「でも…、どうしたんすかね、課長…、いきなり…。」その声に小埜瀬、右手を挙げて、「大~ぃ丈夫…って…。僕も良く分からないけどな。」そう言いながらの小埜瀬、少し足取りが…。瞬間、佐津香、道路の方に。菜帆子と愛結美、「えっ…???」タクシーが路線を変更して近づいてくる。菜帆子、「佐津香さん…???」タクシーが女性の前で。ドアが開く。佐津香、「課長。」いきなり小埜瀬の左手を引いて…。小野瀬、目をパチクリとさせて、「えっ…???」佐津香、「順平も来て。」順平、思わず、「へっ…???」菜帆子と愛結美、顔を見合わせて、「佐津香さん…???」佐津香、小野瀬をタクシーに。順平、右左確認して、ドアを…。佐津香、菜帆子と愛結美に、「ごめん、課長の家に送ってくわ。途中でもしまた…。」菜帆子、「あぁ~~。」愛結美も、「なるほど…。…って言うか…。3人でいっぱいか…。」タクシーの中で小埜瀬、「佐津香さん。」 好きになれない。 vol,144. 「ご馳走様でした。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.22
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そして…。メニューはメインディッシュへと…。菜帆子、「ふふ。とにかく美味しい~~。ワイン、進むわ~~。」愛結美もワインを…。小野瀬と順平も最初はビールだったが、2杯目からはワインを…。小野瀬、「うんうん。あんまり…、ワイン、飲む事はないんですけど…。…いや…。こういう料理には…やはり…。…しかも…、全くくどくない。」佐津香もニコリと、「うんうんうん。確かに。」未梨と伽璃菜、テーブルにメインディッシュを。「お皿…、お下げしますね。」佐津香、ペコリと。「ありがとうございます。」そして…、「メインのミラノ風カツレツになります。」小埜瀬、「おほほほほ。これまた…。」愛結美、「美味しそう~~。」佐津香、未梨に、「ミラノ風カツレツ…。」未梨、「早い話が…、豚のカツレツと思って頂ければ。」菜帆子、「へぇ~~。うんうんうん。」「ただ…。こちらの場合は…、仔牛肉を使っております。」5人、「へぇ~~~。」それぞれが…、「では…。」そして一口。目を丸く…。「うん。」菜帆子、「んふふふふふふ。」愛結美、ニッコリと、「私たち。…今日はラッキーだわ。」佐津香も、「ふふふふ。」今までは凡そ、小野瀬の昔話がメインではあったが…。ここでようやく…。菜帆子、「とにかく課長、ナイフとフォーク、使い方、上手~~。これなら海外の料理も…。」佐津香と愛結美も、「うんうんうん。」小埜瀬、その声に、右手を振り、「いやいやいや。…ただ。…さすがに佐津香さん、ばら撒きは中々~~。」佐津香、「今やネットの時代。私たちの仕事だって…。まっ。今は国内向けの商品。それだってとにかくリサーチは当然。常套手段。それを今度は海外に…。って訳。…しかも…、それには打ってつけ。マルチリンガルの彼女。」「あっ。そっか。理恵子さん。」菜帆子。佐津香、菜帆子を見て、「ビンゴ。」愛結美、ニコニコと、「うんうんうん。」「発想なんか、どこから出てくるか分かんない。見ている人は、その国の言葉だけを見ればそれでいい。どこから発信されているのかなんて、全く興味はない。興味にそそられるのは情報だけ。」小埜瀬、「確かに。…と、言う事は、つまりは…。由利塚さんの知っている語学をふんだんに。」佐津香、小埜瀬に、「その通り。自分が持ち込んだコンペだもん。嫌とは言わないはず。性根で来るからね~~。しかも、お父様からやってみないかって言われたくらいだから…。そういう意味ではトコトン。」愛結美、ニコニコと、「うんうんうん。」菜帆子、「…って言うか、理恵子さん、何処の国の言葉、知ってるんだろ…???」その声に佐津香、「さぁ…。ただ、舞桜の話では、英語はもちろん、その他にフランス語、イタリア語、ロシア語。って聞いたけど…。」小埜瀬、顔を左右に、「いやいやいや。それでも凄い。」愛結美、順平、「うんうんうん。」「内側だけの意見も大切。そして…、外からの意見は、それ以上に重要。」佐津香。その声に4人、「確かに。」「私たちの意見をぶつけ合っていたとしても…。それは、それなりにOK。…でも、要するに、それは今までの仕事の延長でしかない訳。とにかくコンペの舞台は海外だから…。グローバル展開でしょ~~。」小埜瀬、「正にその通り。」「でも…、理江子さん、私たちの仕事の内容って、あまり詳しくは…。…だから、それを彼女に徹底的に注入する。…しかも…。」菜帆子、「しかも…???」「ふん。日本人の私たちの考えに、中には微妙に反応してくれるペルソナもいるでしょ、当然。…だと、すれば~~。と、すれば~~。逆に、情報は、向こうからもやってくる。私は今、こんな感じ。私は。私はって。しかも…世界各国から。もし…、理恵子さんひとりで手に負えなくなったら他にもマルチリンガルの人を期間限定で雇ってもいいんじゃない…???…アルバイトで…。そのくらいの覚悟で臨まないと、このコンペ。」小埜瀬、思わず両手を叩いて、「かかかかか。凄い、凄い、佐津香さん、そこまで…。」菜帆子も愛結美もニコニコと。菜帆子、「あったり前でしょ、何と言っても、大黒柱。考える事、半端じゃないし。自分でも分からないけど、不思議にポンとイメージが湧いてくる。と、常々申しております。」順平、両手を大腿に、そして一礼をして、「感服しております。」「バ~~カねぇ~~。それを集計して分析するのが順平の仕事でしょう~~。」順平、「かかかかか。そうでした。お任せを。」佐津香、「後は、方向性。女性なら、必ずすぐに反応はくる。とにかく、化粧は美の象徴。永遠のテーマだから~~。」菜帆子、「はは。面白くなってきた~~。」そして…、最後のコーヒーを飲んで…。 好きになれない。 vol,143. 佐津香、「今やネットの時代。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.21
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「課長、グルメには全く。…けど、奥様の方は…???」可笑しがりながらの菜帆子。佐津香をチラリと見て…。愛結美もクスクスと小埜瀬を。小野瀬照れながらも、「えぇ。…実は…まぁ…。そういう…。」そして顔を上げて、「だから…。…もぅ~~。いっつも、彼女がリード。僕は…着いていくだけ。」菜帆子に愛結美、「へぇ~~~。」愛結美、「じゃ…、奥様になるその彼女、かなり積極的だったんだ~~。」小埜瀬、口をタコみたいにして、「ま、まぁ…。えぇ。こんな僕の…どこが良かったのかも…、分かんないですけどね。ま、ただ…。妊娠した頃に、カミさんに言った事、あったんですよ。」菜帆子、真顔で、「ふむふむ。」愛結美、「わお。」「こんな僕の…、何処が…???…そうしたら…。…絶対に怒らないって言ってくれたら教えてあげるって…。」菜帆子、また佐津香を見てニコニコと。愛結美、「うんうんうん。…それで…???」小埜瀬、「カミさんが言うには…。初恋の人の顔に似ている。…って。」その声に4人共に、「へぇ~~~~。」菜帆子、「初恋の…人…、かぁ~~~。」愛結美、「…でも、その…、初恋の人って…。もしかして…、ハワイの人…???」小埜瀬、その声に、「なんで…しょうね~~。…でも、家の事情でか、お父さんの仕事…???…引っ越したって…。それっきり…。…だから、日本に戻って大学に入って、僕のその…、隣の子から誘われてラグビー…???…見た時、びっくりしたって。いきなり涙出て来たって。」菜帆子、「へぇ~~~。そういう事~~。」「まっ。初恋の人の顔に似ているって言ったら、相手が嫌がるって、思ったんじゃないですか…。だから…、敢えて。」愛結美、「ん~~。確かに…。そういう気持ちも…、ない…訳でもないけど…。…でもね~~。」菜帆子と佐津香を見て。佐津香も菜帆子も2度程頷いて、「うんうんうん。」佐津香、「今の時代…。」菜帆子、「そんな事、気にしてたら、恋愛なんて…。…ま。昔は、そうだった…かも、知れない。…って。逆に私だったら、目の前にイケメン、しかもナイスガイいて、そんな事言われたら、もぅ~~~。ウェルカム。」両手を前に小指から人差し指に掛けて指を折るように。「こっちの方から、頭を下げて、お願いします。だわ~~。」佐津香、可笑しがりながら、「うんうんうん。確かにね~~。頑張れ、頑張れ、菜帆子~~。もぅ~~。こんなに奇麗なのに~~。どうして~~~。」菜帆子、そんな佐津香に、下唇ビロンと。そして、佐津香の左肩に右手を、2度頷いて、「うんうんうん。ありがと。佐津香君。」途端に佐津香、「かかかかか。」菜帆子、「な~~んてね。」愛結美、「…って事は~~。課長の…、そのナイフとフォーク。じゃあ~~。奥様の影響…。」小埜瀬、下を向いてフォークとナイフを見て、「そう…ですよね~~。ま。…と、しか…。」「…って、言うか、課長…、じゃあ~~。奥様と付き合ってからは…、デートでの…、食事って…。」順平。小野瀬、順平に、「あ、いや…。」顔を傾げて、「…と、言うか…。恥ずかしながら…、デートのデの字も…。何をどうすればいいのかすら…。全く女性には無縁だったですから。誘われるがままに。そして、教えられるがままに。…って。」菜帆子、まだ小埜瀬のスマホの画像を見ながら、「ん~~。とにかく…奇麗。」佐津香に見せて…。佐津香も、「うんうんうん。」愛結美、「その彼女に、課長は、その時は、着いていくだけ。」小埜瀬、コクリと頭を。「そうです。…いや…。だから…。そんな僕の…、何処が…。」いきなり菜帆子、「そりゃあねぇ~~。相手が…、目の前に初恋の人にそっくり。…ってぇ~~。なれば~~。女性、全力疾走よ~~。相手も、自分。課長が自分を受け入れてくれている。…ってぇ~~なれば、尚更~~。」小埜瀬、「そんな…もん…。なんでしょうね~~。…まっ。大学卒業して、すぐに結婚して…。それから3年後には子供が…。…で…。」菜帆子と愛結美、「甲状腺がん。」佐津香、「とにかく…。お気の毒。」「そっか~~~。…そんな奥様だったからこそ。」愛結美。「課長…。それ以来…、女性…。」菜帆子も、「あん。なるほど…。」佐津香、慰めるようにでもあり、小野瀬に顔を傾げて…。順平、ゆっくりと顔を上げて下げて、「なるほどね~~。」小埜瀬、口を真一文字に、「ん~~~。多分…。そういう…事…。なの…かも、知れないですね~~。まぁ…。あれから…、目の前には仕事、頭の中も仕事、ばっかでしたからね~~。」菜帆子、「おかあさんも…ほったらかしで…。」その声に佐津香も愛結美も、小野瀬を慰めるように、柔らかい顔で…。小野瀬、頭を撫でて、「面目ない。」 好きになれない。 vol,141. 「彼女がリード。僕は…着いていくだけ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.20
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小野瀬、「その子の兄貴も稽古を付けてくれる事に。かかかかか。」次の料理が5人に。「わ~~お。これまた…。」菜帆子。愛結美も、「うんうんうん。」順平、「旨そう…。」未梨も伽璃菜もニコニコと、「お召し上がりください。」愛結美、小埜瀬に、「課長、続けて、続けて。」菜帆子も、「うんうんうん。知りたい、知りたい。」「まっ。…で。高校でも…。ま、その子は別の高校で。…でも、何がどうなったかは…。けど…、高校3年の時に、大学の話になって。そうしたらその子も、へっ…???なんだ、あんたも私と同じ大学…???…って。その時、ふたりで、嘘って…。かかかかか。…で、まっ。大学でも僕はそのまま、ラグビー。…と、言っても。ま、ラグビーが出来る大学を選びましたから。」4人、「うんうんうん。」「…そしたら、大学2年の時。その子からひとりの女性を紹介されて。」菜帆子、「おっと~~~。」佐津香にニッコリと。佐津香もニコニコ、顔をコクリ。愛結美、「つまりは、その女性が…。」小埜瀬、照れながら顎をチョコンと前に。瞬間、愛結美も菜帆子も、口に両手を、「ひゃ~~~。」菜帆子、思わず佐津香の左肩に手を。佐津香も、ニコニコと、「うんうん。」小埜瀬、照れた表情で。「えぇ…。まっ。そんな訳で…。」そして小埜瀬、真っ赤になって、「まっ。その…。僕としては、何が、どう…。」顔を傾げて…、「…けど…。その子に言わせれば、あんたのファン、第2号よ。…って言われて。その時、僕、何が何だか、いきなり、嘘っ。…そしたらその子、バカ、あんたのラグビー見ながら、涙流してたんだから…。両手叩いて、凄い、凄いって。ピョンピョン跳ねて。なんて。」菜帆子、「おほほほほほ。」愛結美、ニッコリと、「うんうんうん。」佐津香は小埜瀬を見ながらホッコリと。順平、「課長、やりますね~~。」菜帆子、ニコニコと、「な~~んか、イメージ出来る~~。ん~~。はは。」小埜瀬、顔をゆっくりと頷かせて、「もぅ~~。積極的だったですね~~。」順平、「いやいやいや。誰がっすか。課長…???…それとも、その人…???」ニコニコ顔で愛結美、「うんうんうん。」ビールをグィっと小埜瀬、「いやいやいや。僕なんて…、そんな…。女性と付き合うなんて全くの初めて。」菜帆子、「じゃあ~~。結局は、その人から…???…女性の…???」愛結美、「あ。…でも、その隣の女性は…。」「隣の…???」愛結美、コクリと。小野瀬、顔を振って、「全然。…いや…。子どもの頃から一緒ですよ。全くそんな…。…友達以外の…、何者でもなく。単なるお隣さん同士ってだけで…それに…。その子、高校の頃から、何やら付き合っていた男子、いたらしくって。…多分…、音楽の…。何か…。その子、フルート、吹くんですよ。だから…。…もしかしたら…、相手の男子も…、何か、楽器。」菜帆子、「あぁ~~。なるほど。」順平、「んじゃ。その…、積極的って…、課長…、その…、紹介された…、彼女の…方…???」その声に恐縮しまくりでの小埜瀬、「…いや…。はい。…実は。」菜帆子、佐津香と愛結美を見ながら、「あら~~。何とも、女性から積極的って…、凄い。」「まっ。後々、聞いた話なんですけど…。いや…。これも、彼女。」そこまで言って小埜瀬、顔を左にカクカクと。「あ。まぁ~~。亡くなったカミさんなんですけどね。」菜帆子、愛結美、頷いて、「うんうんうん。」「実は…。…海外生活が…、長い。」瞬間、佐津香も順平も菜帆子も愛結美も、「うそ――――――っ!!!」そして菜帆子、小野瀬に、慌てて、「課長、もう一度。」頭をコクリと、両手を合わせて、「スマホ。お願い出来ます。」途端に佐津香、可笑しそうに、「もぅ~~。菜帆子~~。」「だ~~って、気になるんだも~~ん。私らの課長だよ~~。」愛結美もクスクスと。けれども頷いて、「うんうんうん。確かに、私らの課長だわ。」小埜瀬、言われたままで、「はい。どうぞ~~。」そして菜帆子、「いや…。一番最後の方に…。…これこれこれ。」そして、画像を拡大させて…。佐津香、「菜帆子~~。」菜帆子、佐津香に、「この人。この顔。とにかく、奇麗だよね。」そして小埜瀬に、「…で…???…海外生活。」「子供の頃から中学まで海外に。ハワイって。」途端に順平、「凄ぇ―――――っ。ハワイ。」愛結美、「へぇ~~~ぇえ~~。まっ。一応…、アメリカに属している訳だし…。」佐津香、「はいはい。ハワイ~~。」菜帆子も、「な~~るほどね~~。積極的って言われれば~~。うんうんうん。納得だわ。」小埜瀬、恥ずかしそうに、「だから…。僕は…全く、グルメには…。けど…。」菜帆子、途端に、「かかかかか。」両手をパンと。 好きになれない。 vol,141. 愛結美、小埜瀬に、「課長、続けて、続けて。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.19
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小野瀬、ようやく料理を一口食べて。そして、いきなり、「うっ。…いや…。うんうんうん。んまい。はは。」そして、顔を上げて。すると…。佐津香も菜帆子も愛結美も小埜瀬を見ている。思わず目をパチクリの小埜瀬、3人を見て、「…ん…???…えっ…???…どうし…。」菜帆子、「完璧。…もしかして…、私より、ナイフとフォークの使い方、上手かも…。」愛結美も、「うんうんうん。」小埜瀬、顔を傾げて、「はい…???」菜帆子、「課長って、どっかで…、使い方…。」その声に小埜瀬、顔を小刻みに左右に…。「いやいやいや。全然。全然、全然。」菜帆子、すぐさま、「うっそだぁ~~~。」佐津香も、目を瞑りながら、顔をコクリと。菜帆子、またまた、「断然、私たちより使い慣れてるって感じだも~~ん。…なんか、こぅ、手際良いって感じで…。」小埜瀬、そんな菜帆子に一旦ナイフとフォークを置いて、右手を振りながら、「いやいやいや。それは…、ないです。ここ何十年も、こういうお店なんて…。入る事、ないですからね~~。だから…、なんかこぅ~~。懐かしいなぁ~~。…なんて…。はは。」佐津香と菜帆子、そして愛結美も、訝し気に、「何十年も…???」小埜瀬、いきなり目をパチクリと…。「えっ…???…えぇ…、はい。」すると…、いきなり、「あっ。」軽く右手と左手で音のしないパン。順平、「課長…???」佐津香、菜帆子、愛結美、小野瀬を見る。小野瀬、何かしら、思い出したように、「あ。あ…、あ~~~。なるほど。…そういう事か~~。」佐津香、菜帆子、愛結美、まだ訝し気に小埜瀬を、「そういう事…???」順平、またもや、「課長…???」小埜瀬、料理を見てナイフとフォークを見て、思わず目を閉じて。そして、今度は左手で額を撫でて、「ふ~~~ん。」口を搾って。そんな仕草に佐津香、「か、課長…???」菜帆子、目をパチクリ。愛結美、ポカ~~ンと小埜瀬を…。小野瀬、まだ料理を見ながら、「確かに。…、ここ、何十年も…、に、なるよな~~。」そして顔を上げて、店の中を見回して。佐津香、菜帆子、愛結美、顔を見合わせて…。「あの頃…。」小埜瀬。笑顔で、「いやいやいや。まず、居酒屋なんて、行った事がなかったし、入った事もなかった。」愛結美、小野瀬を見て、「課長…???」小埜瀬、そんな愛結美を見て、「あ。ごめんなさい。」すぐさま愛結美、顔を横に、「いえ…。」そして小埜瀬、佐津香、そして菜帆子を見て、順平を見て…。「いえね。…実は僕、大学時代にラグビー。」4人、「はい。」「うん。」「えぇ。」「知ってます。」小埜瀬、「…って、言うか、実はラグビー始めたのって、高校からなんです。」4人、「へぇ~~~~。」「とにかく、ひ弱で…。体なんてへなちょこで…。何をやってもダメばっかり。」そして、思い出したように、「はは。全然、ダメ男でした。…そんな時に。」愛結美、菜帆子、佐津香を見て順平を見て、「隣の子から、瑛士いるぅ~~。って、声を掛けられて。」4人、またもや、「へぇ~~~。」すかさず菜帆子、「隣の子って…???」小埜瀬、「幼馴染です。僕より1歳年上。」愛結美、「…で…、男子、女子。」間髪入れずに、小野瀬、「女子。」菜帆子、「ふむふむふむ。」順平、「で…、で…???…課長…???」小埜瀬、「あぁ。その子から、いきなり、2階の窓から…。早く来て、早く来てって言われて。」小埜瀬、顔を傾げて、「何なの…???…と、思って隣の家に。お邪魔しま~~すって。入って。」4人共に、「うんうんうん。」「そしたら、テレビで大学ラグビーの決勝戦。もぅ~~~。体と体のぶつかり合い。今迄全く、ラグビーって興味なかったんですけど…。瞬間、凄ぇ~~って。…で、テレビ見ている内に、いきなりその子が、やった――――――っ。万歳~~~ぃ。って。」4人共に、「わぁ~お。」未梨と伽璃菜、「お皿、お下げします。」佐津香、「あ、ありがとうございます。」菜帆子、「…で…???…で…???」未梨と伽璃菜に会釈をしながら…。愛結美と順平、そして小埜瀬も同様に。小野瀬、「つまりは、その子のお兄さんの大学のラグビーチームが優勝~~。」4人また、「へぇ~~~。」「そしたら、その子、興奮しながら僕に言うんです。兄貴も中学までバレーやってたけど、いっつも補欠。全然芽が出なくって。まっ。身長も低かったし。…でも、スポーツは見るのも好きだった。…で、友達から誘われてラグビーの試合に連れてってもらって、そこからがもぅ~~。変わった。って…。今じゃ、チームのキャップ。瑛士、あんたもやってみたら。私、応援するけど。…って言われて、そのまま。」4人、またもや、「へぇ~~。」「…で、そのままラグビーへと。」そして可笑しがって小埜瀬、「なんと。」好きになれない。 vol,140. 佐津香も菜帆子も愛結美も小埜瀬を見ている。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.18
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順平、「何々…???」佐津香、「どうし…。」菜帆子、佐津香に、ある画像を…。その画像を見て佐津香、「え…???…あら。」菜帆子、その画像を小埜瀬に。愛結美、「ちょっと、ちょっと…、私にも。」菜帆子、愛結美に画像を…。愛結美、画像を見た瞬間、「わっ。」そして、小埜瀬を見る。「んま~~~~。」小埜瀬、目をパチクリと、「えっ…???…あっ。…え…???」佐津香、そして菜帆子、愛結美を順々に見て。更に、「え…???…え…???」菜帆子、愛結美にスマホを渡して…。愛結美、そのスマホを小埜瀬の顔の前に、「これ~~。この人…。」小埜瀬、その画像を見た瞬間、「わっ!!!…って、えっ…???…うそ。…あった…???」その声に佐津香、菜帆子、愛結美、「えっ…???」小埜瀬、「あったんだ~~~。」自分のスマホを受け取って。順平、「すんません。俺にも…いいっすか…。」小埜瀬に。小埜瀬、何とも、ほんわかな顔で、順平にスマホを。そして、再び、「画像、あったんだ~~。」愛結美、「か、課長…???」順平、「何、凄。奇麗~~。」佐津香も、「うんうんうん。奇麗だわ。凄い。」何気にゆったりとしている小埜瀬に菜帆子と愛結美、「か、課長…???」左津香も、順平から再びスマホの画像を見せられて小埜瀬を見て、「ん…???」順平、「えっ…???」ゆったりとした顔から、いきなり我に返ったような顔で小埜瀬、「あっ。」4人にペコリと。「…と、すみません、どうも。」一皿のメニューを片付けている未梨と伽璃菜、そして…、次のメニューへと。左津香と菜帆子、「へぇ~~~。」愛結美、「何とも嬉しい~~~。イタリア料理~~~。」順平、「はは。俺、こういうの初めて。何とも本格的~~~。」左津香、そんな順平を見て、「ふふ。」菜帆子も、「私も。はは。」「でぇ~~~???…はは、嬉しい事に箸まで。ん~~~。ははは。」ニッコリと愛結美、「うんうんうん。私も。イタリアンとなると嬉しいけど、さすがにナイフとフォークでは、慣れてないもんねぇ~~~。」そして、顔の前で両手を合わせて、頭をペコリと、「…ごめんなさい。私はお箸。」佐津香、目の前のイタリア料理を見て、「まぁ~~、コンペとなると、当然、お箸は使えなくなってくるからねぇ~~、今から練習~~、と、いう意味も、あると思うけど…。」瞬間、小埜瀬、「い゛っ。あ、そうか。確かに。」そして、4人をそれぞれ見ながら、「…でも、誰がコンペに…???…行くのか…???」顔を傾げて…。佐津香、その声に、「さすがにそこまでは…。」菜帆子も顔を傾げて、「ん~~~。多分、里江子さん。そして部長と課長は確定的。」すぐさま小埜瀬、「えっ…???…嘘。僕…???」自分に指差して。愛結美も、「当然です。管理職なんですから。」料理を一口、「んふ。お~~いし。」菜帆子も、顔を2度程コクリと、「うんうんうん。」順平も一口、「わお。ははは。」佐津香も、「うんうんうん。凄いよね、この味…。あは…、まろやか~~~。」そして、食べ終えて、「あ。…でも、それ言ったら、菜帆子も、愛結美さんも。管理職。」菜帆子と愛結美を見て、そして、「順平も、管理職。」順平、自分に右手人差し指を、「お、俺も…???」「だ~~~って~~~。シニアにゼネラル、そしてチーフにしたって、海外じゃ会社のトップクラス。役員や次長、それに部長代理とか副部長クラス。日本だから、課長の下付けに位置付けしているだけ。だから、海外では、管理職と言うか、役職者になっちゃう。」佐津香の話に、菜帆子、愛結美と顔を見せ合い、お互いに指差し合いながらも、「どうするよ、どうするよ。」「ん~~~。」「何れにしても、5人以上は、リストに、入るんじゃないかしら~~~。」その声に、「5人以上~~???…そんなに…???」愛結美。佐津香、チョコンと頷いて、「ふん。だって、日本のコンペだって、3人、4人と…。…まぁ…、時には…???…ん~~。…ふたりで…って、いうのもあるけど。なんせ今回は海外。途中でどんなアクシデントがあるかも。だから、念には念を。」そして佐津香、二つ目の皿の最後の一口を。そして、「それだけの投資をしても充分な手応えを感じてるんじゃないの…???」順平、佐津香に、「いや、手応えってまだ何も…。」「ふん。確かに。だからこそ、散々出し切った意見。それを今度はばら撒けば良い。」ニコリと佐津香。小埜瀬、「な~るほど。リサーチならお手の物。」菜帆子、愛結美、順平、「あ、そっか。」佐津香、「何も、みんなであぁだの、こぅだのと、会議室で意見ぶつけ合っていても…、埒明かないんじゃないの…???…んふ。美味しかった~~。」菜帆子、佐津香の皿を見て、「早っや。」佐津香、菜帆子に、「ふふん。」そして、愛結美を見て、小野瀬を見て…。 好きになれない。 vol,139. 愛結美、「ちょっと、ちょっと…、私にも。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.17
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佐津香も慌てて、「あ、あの…。私たち、まだ…、オーダー。」未梨、お皿を配りながらも、「コース料理になります。」菜帆子、愛結美、慌てて、「コース…???」「はい。」もぅひとりの女性。「理恵子さんから聞いてて、もし、オーダーが中々出ないようなら、お任せします。何でも。ただ、何かしらお気に入りの料理があれば、その時は、その時で…。」その女性もお皿を配り終えて。未梨、「娘の伽璃菜(かりな)でございます。」瞬間、菜帆子も愛結美も、「奇麗~~~。」小埜瀬も口をおちょぼ口にして。順平、いきなり、その女性に、ニコリと、「初めまして。」頭をコクリ。間髪入れずに菜帆子、「順平~~。NG~~~。」愛結美も顔を捻じ曲げて、「うん~~~。」佐津香、ニコリ、「ははは。…でも、うん。奇麗なお嬢様。」伽璃菜、ペコリと、「ありがとうございます。」菜帆子、メニューを見て、「うんうんうん。でも…、美味しそう~~。」そして未梨を見て、「えっ…???…コースって、私たち、そんな…。」未梨、ニコニコと。「いいぇ~~。お気になさらず。最後までどうぞ、ごゆっくりと~~。それでは…。」ふたり、席を離れる。思わず愛結美、動揺を隠せずに、「え~~~???…ってか…、コースって…。どうなってるの…???」小埜瀬、「何とも。サプライズですね~~。こりゃこりゃ。」順平、「それにしても…。旨そう~~。」佐津香、笑顔で、顔を傾げて、「まっ。頂きましょ。ある意味、これ、理江子さんの…、サービスかも知れないから、受け取りましょう~~。」小埜瀬、ニッコリと。「ですね~~。ん~~。いい香りだ。…それでは。」5人一斉に、「頂きます。」そして、スプーンで一口。それぞれがそれぞれの顔を。目を真ん丸に、顔をコクリ、コクリと。そして、「うんうんうん。」「旨い。」「おいしい~~。」「いいっすね~~。」「あはははは。ほんわか~~。」順平、「こういうのも…、たまには、いいっすね~~。」佐津香、順平のその声に、「うんうんうん。それ。分かる~~。」そして食べながら…。佐津香、思わず口に手を。「ぷっ。」菜帆子と愛結美、そんな佐津香を見て、「佐津香さん…???…何か…???」小埜瀬も、「うん…???」佐津香、「あっ、いえね。ちょっと思い出しちゃって…。」菜帆子、「思い出しちゃってって…何を…???」愛結美も、「うんうんうん。」佐津香、菜帆子を見て、「ほら。この間のお重。」瞬間、菜帆子と愛結美、「あ~~~。はいはい。」「うんうんうん。そういえば、確かに。」佐津香、また口に手を当てて、「今の順平の声で、あのお重、思い出しちゃって…。物凄い、懐かしい味だったから~~~。」そんな佐津香を見て小埜瀬、何かしら嬉しくなって、「おばあちゃんね~~~。はは。」愛結美、「そのおばあちゃん、今は。」「えぇ。元気ですよ~~。もぅ、勝手知ったる他人の家って奴です。」順平、「本当っすか。」小埜瀬、コクリと、「えぇ。…ただ…。そんなに…、他人のプライベートにはってんで…。…でも、夜は、いつも、テーブルに晩御飯。」その話に4人、「へぇ~~ぇえ~~。」「しっかりと書置きまで。僕は、朝は食べないし、昼は外食。まっ。コンビニもありますけど…。」愛結美、「あ、朝もしっかりと食べないと…。」菜帆子も佐津香も、「うんうんうん。」順平、「俺だって食べてるんすから。」愛結美、「立ち食いでね~~~。まっ。でも、それでも偉い。」小埜瀬、「まぁ~~。長年の…、習慣に、なっちまってるんでしょうね~~。」菜帆子、「じゃ~~。だから…、それこそ、いい人~~~。」瞬間、愛結美、「ぷっ。」そして、「さすがに、そっちに戻るか~~~。」菜帆子、「だ~~~って~~。56で、独身。…って言うか…、ね~~。佐津香さ~ん。」いきなり佐津香を見て。佐津香、いきなりの振られようで思わずドキン。「えっ…???…え…、ぇ。ま。まぁ~~。はははは。」そんな佐津香に菜帆子と愛結美、思わず、「えっ…???」「…でも…。」佐津香、「私も…。課長の気持ち…。分かるなぁ~~って。奥様の事。」菜帆子、「あ、あ~~~。未だに…。ねぇ~~。」愛結美も、「ん~~~。確かに。その人の身になってみれば…。」小埜瀬、思い出したように、「はは。」菜帆子、「それこそ…。課長の奥様って…。」その瞬間、「あっ!!!」小埜瀬、目をパチクリと、「うん…???」菜帆子、「すみません。」「あ、はい。」「もう一度、課長のスマホ。」キョトンとして小埜瀬、「あ、あ、あ~~。はい。どうぞ。」そして自分のスマホを菜帆子の方に。菜帆子、「ちょっと、ごめんないね。」佐津香、「菜帆子、そんな、あなた、人のスマホを勝手に…。」菜帆子、アルバムを…。「仕事の写真ばっか。それと…、飲みの写真。」けれども…。「うっ。」愛結美、「ん…???」小埜瀬、「はい…???」 好きになれない。 vol,138. 「あ、あの…。私たち、まだ…、オーダー。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.01.16
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