みどりの日記                  ~gardener's hum~

  みどりの日記 ~gardener's hum~

第19回 8月4日



『夜空に咲く花』


夏真っ盛り。うだるような暑さが続き、庭の植物達はグッタリと首をうなだれて、
かなり“お疲れモード”のようです。
しかし、そんな真夏の夜に元気に咲く大輪の“花”がありました。
そう、それは夜空いっぱいに咲き誇る花火大会の『打ち上げ花火』です。


 毎年、子どもと一緒に新潟まつりの大花火大会を観に信濃川の土手に出かけています。
この日ばかりは仕事も急ピッチで終わらせて、道路が混む前に…と会場近くの施設まで車で
送ってもらいました。



車を降りてあたりを見回すと、周囲を歩く人の雰囲気は、見慣れたいつもの風景と様変わり
していました。

若い女性達は、艶やかな浴衣を身にまとい、髪を結い上げています。
そして、うちわをパタパタさせながら賑やかに歩いていきます。
小さな子供はお父さんに肩車させてもらいながら空を指差しています。
花火を観る練習なのでしょうか…。


まずは、いいにおいに誘われて、人で溢れる白山神社の境内に入って行きました。
「あ~いっぱいお店が出てるぅ~」息子は出店の前に走り出しました。
焼きそばでしょ、たこ焼きでしょ…そして、ぽっぽ焼き!!飲み物食べ物を買い込んで、
いざ、観覧席へと向いました。


どこが一番良く見えるんでしょうね?観覧する場所は、打ち上げ地点に近ければ近いほど
開いたときの音や迫力が違うのだろうと人の波に流されながらもベストの観覧席を探して
歩きました。

辺りはだんだん暗くなり、いい頃合の場所を見つけどっかりと腰を下ろして、
花火が打ちあがるのを今か今かと待ちわびていました。

「あ、光った!」どこかの子どもの叫ぶ声が聞こえ、その声につられて首をあげ
キョロキョロしていると、川向こうで光が空に登ってっていくのが見えました。
『ド~~ン』。おお、腹に響くこの音と風圧。



あ、カメラを忘れた。きっと花火は携帯のカメラなんかじゃ写んないんだろうな、
なんて思いながらシャッター押したら、結構きれいに撮れちゃいました。
今の携帯カメラって高性能なんですね。


直前に打ちあがった花火の残像が画面の左側に残っているし、開いた瞬間の光の伸び
具合から風の流れが画面に向って左から右なんだ、というのもはっきりわかりました。


この日は、良いあんばいに風が流れていて、煙もかからずに次々に上がる花火を存分に
楽しむことができました。

もう手元は真っ暗で、食べ物さえも良く見えない状況ですが、口をモグモグさせながらも
空に打ちあがる美しい花たちに見とれていたのでした。


「ああ、日本の夏だなぁ…」






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