みいな と るんな

みいな と るんな

退院



先生も驚くほどの急上昇。

最終クールが始まるときに、これで最後だからってみいなに伝えた。

みいなはどうしたら早く帰れるの?と聞くから、早く帰りたい、早く帰りたいって願ってたら良いんだよと私は答えた。

みいなの願いにきっと体が骨髄が?応えてくれたんだろうと思う。

やっぱり気持ちって大事だなぁって実感。

先生もいつでも帰れるよ~ってにこやかに。

で、いつ帰る?と聞かれて、今日帰りますととっさに答えていました。

今日を逃せば土日をはさんで早くても週明けの退院になる。

土日をゆっくりゆうきと過ごしたいと言う思いが強くって。

突然の退院で、私たちも驚き、周りも驚き。

来週あたり退院とはわかっていたので、少しづつ荷物は減らしてたんだけど、まだまだすごい量を急いで片付けて。

みいなはIVHを抜いて。

意外と簡単に抜けるものなのね、先生が部屋で処置してくれたので、傍で見ることが出来た。

少し怖がったけど、無事終了。

旦那のお迎えが5時くらいとのことで、しばし部屋でくつろぐ。

そんな私たちの部屋に、周りの部屋のおかあさん、看護師さんや、掃除のおばさん、や、お世話になった方が来てくれた。

中には以前お世話になった掃除のおばさんで、今は別の病棟勤務なのに、みいなが退院と聞いたからとわざわざ足を運んでくれた人もいた。

みいな、あなたは、たくさんの人に見守られていたんだね。

本当に良かった。

病名を告知されたときはこんな風に退院できる日が来るとは思わなかった。

白血病=死だった。

いつだったかみいなに、みいなは大人になれるの?って聞かれたことがあった。

子供は自分の死期が分かる、という話を聞いたことがあったので、ゾッとしたのを覚えている。

そしていつ頃か私はみいなの病気が分かる前に見た夢を思い出していた。

旦那と2人で車で走っているとき、幼稚園児らしき列から飛び出してきた子供が車に当たったのだ。

戸惑う私と旦那に、引率の先生らしき人が走ってきて、子供を確認して、”大丈夫、生きてるから。大丈夫だから、行って下さい”と言ったのだ。

そのときは変な夢だなぁ、と思って、夢の話をして、旦那に運転気をつけようね、と言ったのだ。

それが病名告知される本当に1日前。

笑う人もいるかもしれない、私自身、あまり信じないほうだったから。

でも、あれは、みいなの病気に気付きなさいという私たち家族を見守ってくれている方たちからのメッセージだったのではないかと思うようになった。

そして、子供は女の子だった、たぶんあれはみいなだったのだ。

そして、女の子は生きていたのだ、みいなは生きれるということなのだと、思った。

まだまだこれからも治療は続くし、再発の二文字の恐怖からは逃れようもないけど、でも、今日だけは手放しで喜びたい。

あれは正夢なのだと、考えは間違ってないと信じたい。

そして、みいなへ

よく頑張ったね、みいな。

ありがとう、みいな。

私はこの入院で大切な勉強をさせてもらった気がする。

日常のありがたさ、家族が揃っていることの喜び、健康の大切さ。

これまでは気づかずに過ごしてたから。

みいなも本当にいろんな方に可愛がってもらえた。

先生、看護師さん、周りのお母さん、本当にありがとうございました。

できれば、知らずに通りたかった小児がんとの闘病、でも、きっといつか私にとってもみいなにとっても大きな糧になると信じて。




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