ラブバードと香りと私

ラブバードと香りと私

2012年03月26日
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テーマ: 香水(951)
カテゴリ: カテゴリ未分類
エルメスの調香師であるジャン・クロード・エレナ氏の
「調香師日記」を読んだところです。



ジャン・クロード・エレナ氏というのは、
エルメスの庭シリーズやエルメッセンスなどで有名な調香師。

もし、「香水はあまり得意ではないけれども
使ってみようかと思うのだが何を使えばよい?」
と聞かれたのなら、彼の作品を答えます。

ジャン・クロード・エレナ氏の調香は、
シンプルでありながら透明感があり、
どこか自然を思わせる香りがし、また、美しい。

上記の質問者のような方は、ナチュラルな香りがお好きだと思います。
しかも一流ブランドの確かな香りなので本物を知るという意味でも、
初めての香りにふさわしいものです。

エルメス庭シリーズ。
新しいもので、去年出ました「屋根の上の庭」



エルメス本社の屋上の庭をイメージ。

フランスの調香師の間では、あまりにもバランスが良すぎると、
変な不評を買っていたようですが、

グレープフルーツの皮と薔薇が特徴的に香り、ほのかに緑を感じる事ができ、
日本人には特に使いやすい香りです。
某調香師の旦那様もお好きだと聞きました。

マンゴーが特徴的な「ナイルの庭」



も使いやすいです。

庭で他には、「モンスーンの庭」



もしかしたら、こちらは人を選ぶかもしれません。
こちらはショウガが特徴的。

私個人の感想では、ショウガよりも葉ショウガといった香りに感じます。

個性的な生き方を求める方に良いでしょう。


本に話を戻します。

こちらは、香水学校の方でも最近多いのですが、
これまで文系で過ごしてきた上、調香とは関係ない仕事をしてきたものの、
思うところあって、ご自分のブランドを持つことを目指し、
調香を勉強している人などにとってはかなり励みになる一冊なはずです。

本書には、時に文系モードの方が自由な発想で調香が出来るという事が多々あり、
化学をあまり知らなくても、「素晴らしい香りを作る」という点においては、
あきらめなくても良いという自信が持てる内容を随所に感じることができるでしょう。
(化学知識が全く不要と言っている訳ではありません)

本の中では、彼の香りやテーマとの付き合い方
日々の過ごし方が書かれており、
私にとっては、香り好きから、香りを仕事とするまでの過程で失われていたものを
思い出させてくれる一冊となりました。

本書が貴重なのは、配分まではさすがに書いていなくても
様々な興味ある処方が載っていること。
読み終わった後に色々試してみたくなります。

先にも書きましたが、シンプルな調香を大切にされています。

ファンの方は、一般的なジャスミンの処方を習った後
ジャン・クロード・エレナ流のジャスミンの処方を試すのも
彼の考え方に対する理解が深まると思います。

ジャン・クロード・エレナ氏といえば
2ヶ月ほど前、ボディークリームか何かの香りを作ったと言う事で
サンプルを見たのですが、バラエティーショップでも売っていそうな
印象を受けました。

メモにコレスとありますので
薬剤師ジョージ・コレス氏が開発した、ギリシャのコスメブランド。
KORRES(コレス)の製品だと思います。

この様に日常の中で、意外なところで有名な調香師の香りが
潜んでいるものです。

例えば、こちらは、先日、コストコに行った際に購入した
ファブリーズ。

f.JPG

日本のものと容器の形も容量も違うので、最初わかりませんでした。
800mlの2つセット848円が、期間セールで678円でした。

ところでこちらのファブリーズ、
ダウニーの「エイプリルフレッシュ」の香りがついています。

普段は、香りが残らない緑の入れ物のものしか買わないのですが、
海外品を見つけた高揚感からかつい購入してしまいました。

このエイプリルフレッシュ、
香りを作ったのは、実は有名な調香師なんだとか。

ソフィア・グロスマンといい、
世界の香料業界に君臨する、三大会社の一つのお偉いさんです。
ランコムのトレゾアやカルバンクラインのエタニティで有名。


近年、香水の業界でも景気の悪い話や、作品づくりに関して
夢のない話などを聞くことが多々あります。

そういえば本書でも、こういった状況に立ち向かう
ジャン・クロード・エレナ氏の姿がありました。

ですが、香りの付いた日用品については、需要がありますし、
洗剤の香り好きな日本人にとってはこちらの方が
興味があるのではないでしょうか?

もしかしたら、生活背景や香りへの好みから考えると、
日本人こそがこれらの香り作りに合っているのかもしれません。

現在大学生の方などは、将来この分野を開拓して、
世界に広め、日本の経済を救ってはいかがでしょうか。

基材との相性なども考慮しないといけませんので
(元々の香り、変質や変色など)
こちらは化学を極める必要があります。

思えば、最近の洗剤や柔軟剤の進化は凄い。
タッチでポンとか、こすって香りを途中で変えるなど。





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最終更新日  2012年03月26日 17時26分01秒
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