楽しい南の島

え~何? 何か問題あるのかな?

『ええ~? 何、何、なんか問題あるのかな?』

とりあえず、1回荷物を置きに部屋に戻ることにした。
それにしても暑い、暑い、暑すぎる。

へこたれた私達は、
「車で帰ろうよ~!」
すっかり歩く気を無くしていた。

ボロボロのバンがタクシー代わり。
乗る前に料金をちゃんと決めておけば大丈夫。
それに、こっちには豚吉大先生がついている。

「レギャン・ビレッジまでお願い。」
「OK!」

車はスムーズに走り出した。
歩くと遠い道のりも車だと早いね~。

途中から裏道に入ってどんどん走っていく。
「こんな道があるんだね~。」
両側は民家の塀。デコボコ道でしっかり捕まっていないと怪我をしそう。

ガッタン!
見たことの無い場所で車は急停車した。
「着きましたよ。」
「え? ここ何処?」

大きな門構えの立派なホテルだ!

「到着しました。レギャン・ビーチ・ホテルです。」
「違う違う! レギャン・ビレッジ!」
「?????」
「レギャン・ビレッジに泊まってるの!」
「えええええ? レギャン・ビレッジ~~~~!!」

運転していた若い男の人は、とっても驚いた顔をして、
また車を発進させたのでした。

そんなに驚く理由って何?
どうしてあんな顔したの?
4人は急激に不安になっていったのでした。


『これが1万円の差だって~~~~?』

さて、昼ご飯でも食べようか、
フロントに鍵を預けに行くと、
寿司山君達がいた。

「どこ行くの?」
「お昼食べようと思ってさ。」
「一緒に行こうよ!」
「いいけど、どこか行く所知ってる?」

寿司山君は、深々と頷いて、
「いい所に連れてってあげるよ。」

「どこ?」
「まぁ、いいからいいから、任せといてよ!」

寿司山君に任せたら、このホテルになっちゃったんだよなぁ。
と思いつつ付いて行った。

5分ほど歩いて着いたのは、
さっきのレギャン・ビーチ・ホテルじゃないの。
立派な門構えで、レギャン・ビレッジとは格段の差があるなぁ。

門を入ってからも、建物まで綺麗な庭を眺めながら、ずいぶん歩く。
広い敷地なのね。

「確かプールサイドにレストランがあるんだよ。」
やけに詳しいじゃん。

ビーチに面してプールサイド・レストランがあった。
広々とした芝生のあちこちにコテージが点在している。
こんな所に泊まってみたかったなぁ。
部屋を出たらすぐ海だし、サバサバとして気持ちいいし…。

「ここに泊まりたかったなぁ。」
それを聞いた寿司山君の顔が曇った。
「どうしたの?」

「実は…………。」
「ええええええええぇぇぇ?」

なんとなんと、寿司山君が1万円ケチらなかったら、
私達は、このホテルに泊まっていた筈なんだって。
うそ~~~~!

天国と地獄。
月とすっぽん。
あまりのショックに、何を食べたか忘れるほどだった。

豪華宴会の夜。伊勢えび~伊勢えび~!



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