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犬舎号シッポハウスへの思い

私はこのシッポ、切れませんでした・・・。

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W･コーギーの断尾について


これは我家のW･コーギーhal2000が2005/06/08に出産した子犬のうちの一匹、小春。　生後４日目の写真です。　立派な尻尾があるのがお分かりだと思います。　私はこの尻尾、どうしても切ることが出来ませんでした。　あまりにも愛しくて、傷つけることは到底できなかったんです。　

W･コーギーは生まれて1週間以内に断尾をする習慣があります。ですから通常ブリーダーはその期間内に子犬たちを獣医のところに連れて行って尾を切り落とすか、輪ゴムで根元をグルグルと縛って、その先を腐り落とすという独自の方法を取ります。

もともとはイギリス原産で王室御用達の犬です。古くは牧羊犬として使役し、牛や馬にその尻尾を踏まれないように断尾の習慣が根付いたとか、傷を負った犬は税金が安くなるからだとか、その始まりは諸説があります。

ただこうして5ヶ月まで成長して、大きく尻尾を振りながら私に満面の笑顔で向かってくる小春の姿を見ると、本当に切らなくて良かったと実感している毎日です。　他の兄弟二匹も断尾をせずに済みました。　次に迎えてくれるオーナーさんのご希望でした。

私は恐らく少なくともあと一度は、W･コーギーの繁殖をすると思います。その目的は前回の単純に「halの子供を残したい」という思いの他に、今度は シッポ付きコーギーを世の中に少しでも多く残したい という思いも含まれます。


●何でこのコーギー、シッポがあるんですか？

ある日halと小春の散歩をしていてラブラドールのオーナーさんから尋ねられました。　私は内心「あるに決まってるだろ（笑）犬なんだから･･･」と。　でもその人や多くの人が認識しているのはシッポのないW･コーギーがコーギーなんですね。シッポを切られて陳列されているのがW･コーギーなんです。　たまに小春を指して「犬種は何ですか？」とも聞かれます（笑）　

その前に小さな身体を一心に震わせて悲鳴をあげ、シッポを切られてしまったことは誰の知ることでもないんですね。　それが当然です。　「この子は元々あるシッポを生後数日で切り落とされて、こんなスタイルなんですよ。」などと一々言っていたら誰もいい気持ちはしませんものね。　それが商業、ペット産業です。

私はシッポを切る人たちを取り立てて強く批判しません。　アメリカン・ケンネルクラブの人々が断尾禁止の動きを阻止し、未だに断尾を認めていることも、イギリスの伝統でW･コーギーは尻尾を切るべきであると主張する人たちのことも。

それはそれで別にどうでもいいことで、私は「シッポを切りません」ただそれだけのことです。

 W･コーギーの断尾について・生後約２ヶ月の小春

●シッポがあることの利点

シッポがあって良かったなと思うことの最大の理由の一つに、 喜んでいるのがよくわかる 、というのがあります。今もそう書きながら顔がほころんでしまうのですが、嬉しい時の小春のシッポの振りようといったら見事です。　ぶんぶんと音が聞こえそうなくらいにその長いシッポを振って見せます。単純な話です。それがとても愛しいんです（笑）　あと、よく言われるシッポを巻くなどの感情表現も見て取ることが出来ます。　つまり感情のバロメーターがシッポなのではないかと思っています。

それから、シッポを幼児期のトラウマにならないように切るには、大脳がまだ未発達な生後１週間以内に限ると言われていますが、ブリーダーから聞いた話では、この時期に大きな外傷をつけることで、その分成長が遅くなってしまう、処置が悪い場合は化膿したりして更にその治癒に時間と栄養を取られ、 シッポを切った子とそうでない子との成長の差がかなり出る ということです。

ですから、ショウドッグの見込みのある子犬はあえて成長を優先し、生後６ヶ月くらいになったら、ドッグショウ用に全身麻酔をして尾を切る手術をすることもあるそうです。　

それくらい、この時期の断尾はリスクが高いということです。あえてリスクのあることをこの先ドッグショウに出る予定のない犬に施す必要もなく、更に断尾には格差があるとは思いますが、うちのかかりつけの病院では５０００円も取られます。　 無駄な出費を抑えることができました。


●あるべき姿で・・・

私が犬舎号をシッポハウスと名付けたのは、 犬が犬らしく、あるべき姿でその天寿を全うして欲しい。 そんなセンチな願いからです。せめて我が家で生まれた子達は余計な形成手術を施さないという決意の表明です。

ただしセンチメンタルだけで終わらせるのはなんだか不甲斐ないので、じたばたしながらこうやってささやかな情報発信をし、少しでも断尾や断耳などの形成手術の是非をそれぞれの皆さんが考えてくれるチャンスになればと思っています。

例えば、シッポのあるコーギーがあちらこちらでたくさんい見かけることが出来るようになり、それが当たり前の姿だと多くの皆さんが認識してくれるようになれば、私のやっていることの大半が報われることになるでしょう・・・。

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