目と耳が悪いビジネスマンの一筆

目と耳が悪いビジネスマンの一筆

2010/06/03
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本書を手に取ったのは、アフリカという自分にとって未知の大陸の空気を感じ、旅した気分を味わいたかったから。

その期待にそぐわず、本書にはドリスさんのいきいきとした描写がそこここに散りばめられていて、その大地に立って眼前の情景を目にしているような感覚を幾度も味わいました。

そこで今日は、心に残っている風景についてお話したいと思います。

まず、いずれの作品にも、風景の描写のなかで耳慣れない言葉に遭遇することがあります。

なかでも頻繁に登場するのが、「溝(ガリー)」。

「溝」というと、人工的にコンクリートでこしらえた道路の端っこにあるあれを想像してしまうのですが、きっとそんなものではないのでしょう。

そう思って調べてみると、やはりそれは想像だにしていなかったものでした。

雨季の激しい雨が軟らかい地面を削って雨水の通り道を作り、さらに豪雨がその通り道を集中的になぞって深くふかくえぐられて出来る豪快な谷間のことだったのです。

ちょっと写真をお借りしてきました。


gally
ガリー侵食と呼ばれる溝


人間の背丈の何倍も深いんですね・・・。

自然の有する猛々しさが、アフリカではありありとした姿でもって表れるようです。

こんなものを見せられたら、自然の営みとは縁の薄い都市化した社会に生きる我々は、人生が違って見えてくるんじゃないかなぁと感じます。

また、溝(ガリー)と並んで頻出する言葉に「草原(ヴェルト)」があります。

百聞は一見にしかず、これも写真をお借りしてきたので見てみましょう。


veld
草原(ヴェルト)


そう、日本ではサファリパークなんかでお目にかかることのできる、だだっ広い大地にまばらな低木の木々が生い茂る原野のことなんですね。

アフリカには1キロも先にいる猛獣を見える人がいる、なんて話を聞きますが、きっとこの草原(ヴェルト)に立って遠くのものを目視する訓練をしているからなのでしょう。

30センチ手前のパソコンモニタばかり見つめている毎日が、なんだか後ろめたく感じられます。

以上のように、本書にはアフリカらしい景色がたくさん登場するわけですが、欲を言えば現地に根づいている習わしというか、その土地ならではの空気みたいなものをもっと感じてみたかったなぁと思います。

もしもそういうものを感じたいのなら、本当はどこかの部族のなかで生まれ育った小説家の作品を手に取るのがいいのでしょうけれど、そのような作家は恐らくいないでしょうね。

そういう意味では、アフリカ小説はまだまだ食い足りていないという気がします。

そのうちまた、別の作家が描くアフリカを舞台にした小説を読んでみようと思います。

また一冊、素敵な小説に出会うことができて感謝します。

ありがとうございました!!

【三文日記】

仕事をしているとき、ジョギングしているとき、だいぶ暑く感じられるようになりました。

長袖のシャツを着ていると、息苦しくなってきます。

明日から半袖のポロシャツで出かけようかな。

●今日の天気
快晴。

●今日の運動
ジョギング30分。





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Last updated  2010/06/04 05:35:39 AM
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ミンミンぜみ @ ありがとうございました! はちの家さん いつも気にかけてくだ…
はちの家 @ お別れの言葉 ブログ(日記)は、毎日一定の質の文章を…
ミンミンぜみ @ ありがとうございました まめあちゃさん 温かいメッセージを…
まめあちゃ @ Re:お別れの言葉(07/26) 間の抜けた頃に、コメントさせて頂きます…
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