目と耳が悪いビジネスマンの一筆

目と耳が悪いビジネスマンの一筆

2010/07/16
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ここはフランクフルトから車で40分ほどのところにあります。

これから1時間40分ほどかけて、ヨーロッパの父なる川・ライン川をクルージングします。

右岸にはなだらかな傾斜の山にぶどう畑が広がり、一方左岸は城塞を中心とした家々が立ち並んでいます。


01ライン川の上で
ぶどう畑と列車


わたしたちは青天井のデッキに椅子を並べて腰掛け、涼風に吹かれながらゆっくりゆっくりと流れ過ぎる景観を微笑みながら眺めていました。

フェリーは15分くらい滑るごとに両岸の乗船場に停まり、新たな旅人を拾ってゆくのでデッキはいつの間にか多国籍の人々で溢れ返っていました。

わたしたち日本人もアラブ系の衣装に身を包んだ人々も、バカンスで訪れたヨーロッパ各地の人々も米国人も、この勇壮な景色を前にすればみんないっしょ。

小高い丘に佇む古城が現れれば、みな立ち上がって歓声を上げながらデジタルカメラを構えます。


02ライン川沿いの古城を見上げて
城塞を見上げて


陽光をいっぱいに浴びて網膜に染み込んでくるような樹木の色合い、あんなところで暮らしてみたいと想像力を掻き立てるかわいらしい家並み、そして肌をなでてやさしく熱を癒してくれる川風。

美しいもの、愉快なもの、心地よいもの・・・生まれ育ったところは遠く離れていても、人間の感性というものは同じなんだと感じます。

目を細めながら寛いでいると日本人のスタッフがやってきて、この地域で採れるぶどうを使った名産のワインを試飲させてくれました。

何種類かを味わってみたのですが、やはりアイスワインの舌がとろけてしまいそうな甘みがなんとも言えず美味しくて、購入しようか迷ってしまいました。

親戚や友人にはお酒が好きな人が多いから、とりあえず一本買ってみようか? と妻を誘ってみたのですが、それなりに高価だしまだ旅も序盤で荷物が増えるのも悩ましいということで、今回は諦めることにしました。


03ローレライの岩
ローレライの岩を見上げて


いくつもの個性的な山城を通り過ぎ、ローレライの岩を見送ったところでザンクト・ゴアールという船着場に到着しました。

わたしたちはここで下船してバスに乗り、次なる目的地ハイデルベルクへと向かいました。


04ハイデルベルク城の展望台にて
ハイデルベルク城の展望台にて


「こんな街で暮らすことができたら、どんなに楽しいだろう」

眼下に広がる中世の面影を遺した街を眺めながら、しみじみと思いました。

再びバスに乗って坂を下り、さっきまで見下ろしていたマルクト広場や旧市庁舎などを散歩しました。


05ハイデルベルクの旧市街にて
ハイデルベルクの街角にて


風情ある家々に挟まれた小粋な路地を進んで街を離れ、ネッカー川に架かるカール・テオドール橋にやって来ました。


06ネッカー川を眺めて
カール・テオドール橋から眺めるネッカー川


ここからはハイデルベルク城の外観がもっともよく眺められるということで、みな思いおもいの場所でデジタルカメラを構えます。


07カール・テオドール橋からお城を見上げて
ハイデルベルク城を見上げる


森、草花、川、そして時の流れを刻々と刻み続けてきた城と街。

ハイデルベルクという街は、人間が豊かに生を営むために必要な要素が余すところなく詰め込まれた素晴らしい街です。

しつこいけれど、一度この街に暮らしてみたいなぁ・・・。

ハイデルベルクを後にしたわたしたちは、再び対向車が飛ぶように流れすぎてゆくアウトバーンに乗って次なる目的地へと向かいました。

こちらは夕方で、時差が残っている身体にはちょうど一番辛い時刻。

ずっしりとした眠気にさらわれそうになりながらバスに揺られること2時間ほど。

城壁の門をくぐり、バスはローテンブルクの街に到着しました。

はじめにゴルドナーヒルシュ(「金色の鹿」という意味)というホテルのチェックインを済ませ、それから「中世の宝石」と称される街を散策しました。

一年中クリスマス用品をずらりととり揃えたケーテ・ウォルファルト本店クリスマスビレッジや、わたしよりも長身のぬいぐるみが出迎えてくれるシュタイフのショップを巡り、歩き疲れて来るとアイスクリームを買ってマルクト広場のベンチで休憩しました。


08マルクト広場にて
マルクト広場にて


一昨年訪れたイタリアのサンジミニャーノやシエナを思い出させる石造りのかわいらしい家々が建ち並び、中世の雰囲気がそこここに充満しています。


10ローテンブルクのr街角にて
ローテンブルクの街角にて


街の西端にあるブルク公園からは眼下のタウバー渓谷と遠くの街並みが眺められ、じつに心安らぐ空気が横たわっていました。


11タウバー渓谷を前に
ブルク公園からタウバー渓谷を見渡して


街を取り囲む城壁に登って違う角度からの眺望を楽しみ、それから夕食の待ち合わせをしているレストランへと向かいました。

夜はフランケン地方の名産である白ワインを注文し、ロールキャベツ、それからこの辺りの名物というホワイトアスパラも追加注文しました。

同行している人たちの顔ぶれをなんとなく覚えてきて、少しずつ会話が滑らかになっていきます。

楽しい食卓を後にして、今日の締めくくりにとマルクト広場に集まりました。

時刻が21時をさすと、旧市庁舎で「マイスター・トルンク(市長の一気飲み)」の仕掛け時計が動き出すのです。

三十年戦争の頃、敵軍に攻め落とされたローテンブルクでしたが、敵将ティリー将軍を名産のフランケンワインでもてなしたところ、彼はほろ酔い気分で「この特大ジョッキのワインを飲み干した者がいればローテンブルクを焼き討ちにはしない」と言いました。

それを受けてたったヌッシュ市長は、本当に特大ジョッキに満たされたワインを一気飲みして、ローテンブルクを救ったという話がこの街に伝わっています。

この「マイスター・トルンク」の仕掛け時計は、今ではローテンブルク観光の欠かしてはならない名物となっているのだそう。


12ワインを一気飲みする市長さん
マイスター・トルンクの仕掛け時計を見上げて


ほろ酔い気分でホテルに戻り、風呂に入ってすぐに眠ってしまいました。

今日も心楽しい時間を過ごすことができて感謝します。

ありがとうございました!!

●今日の天気
南ドイツは晴れ。

●今日の運動
お休み。





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Last updated  2010/07/22 05:32:20 PM
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ミンミンぜみ @ ありがとうございました! はちの家さん いつも気にかけてくだ…
はちの家 @ お別れの言葉 ブログ(日記)は、毎日一定の質の文章を…
ミンミンぜみ @ ありがとうございました まめあちゃさん 温かいメッセージを…
まめあちゃ @ Re:お別れの言葉(07/26) 間の抜けた頃に、コメントさせて頂きます…
ミンミンぜみ @ Re[1]:お別れの言葉(07/26) 和1号さん こんばんは、コメントあり…

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