みやびつづり

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2011.07.08

「若くないけど　若草物語」　第３章　ナゾの病　ベスの巻

(8)

テーマ：連載小説を書いてみようｖ(10175)

カテゴリ：カテゴリ未分類

　世間の皆さま。お騒がせしております。

　ああ！

　ベスのあの様子を見るに・・・

　ついに、あの　“不治の病”　が、このお屋敷内でも発生してしまったようなのです。

　恐ろしや、恐ろしや・・・

　この　“不治の病”　は、完治することは、ほぼ皆無。

　しかも、感染力が強く、あっという間に伝染してしまうらしいのです。

　このまま放置してしまえば、お屋敷内に蔓延してうのは、必至。

　そうなる前に手を打たなくては！　では、ベスの様子を見ることにいたしましょう。

　「ちょっとぉ～！ミヤコ。早く、来てぇ～～～っ！」

　大声で、助けを求めるベスのその視線の先は、どうやらお庭の様子。

　最近、それぞれの姉妹のお庭にまでも伺うことは、稀になってしまったので、

　久しぶりに伺うベスのお庭。

　おお！そこは一面バラが広がった、それはそれは美しいお庭に変身していたのでした。

　どうしたことなのぉ～？

　「ミヤコ！私のアイスバーグちゃんに、こんなにコガネの野郎が襲っているのよっ！

　　なんとかしてぇ～～～！」

　アイスバーグとは、バラの品種のお名前。

　どうやらベスは、バラの花に付いた害虫に悲鳴をあげているようです。

　ふと、気が付くと、いつの間にか、大々的なサンルームも増設している模様。

　その中には、鉢植えのバラが、所狭しと並んでいます。

　あら？あんなアーチがあったのかしら？というような、バラを絡ませたアーチが、

　いくつも、お庭に見受けられます。

　このお庭の豹変ぶり・・・驚きですっ！

　だってね、ベスったら、一番条件のいい南西側を相続したにもかかわらず、

　一番条件は悪いものの、平地は多くて、駐車場に適していた北東側を整地して、

　駐車場経営をしているジョーをうらましがっていたハズ。

　「私も、このお庭を駐車場にしようかしら」とか言っていましたもの。

　それが何故っ？

　やっぱり・・・やっぱり・・・信じたくはないけれど・・・

　ベスは、あの　“不治の病”　に冒されてしまったに違いありません。

　そう、その　“不治の病”の、恐ろしい病名はっ！

バラ熱病　（＠ただし健康被害は全然ナシ）

　ああ！こうして耳にするのも、恐ろしい・・・

　この不治の病に罹ってしまうと、新しいバラを求めて、何千里。

　地の果てまで、捜し求め、そして、手に入れたくなってしまう。

　そして、愛おしいバラが害虫の餌食になってしまえば、何をも優先して、

　虫退治に、走るのです。

　知らぬうちに、ベスが、この不治の病に罹っていたとはっ！

　そのとき、ベス家の呼び鈴が・・・ピンポ～ン♪

　あら、どなたかしら？　あ、宅配便のお兄ちゃんだわ。

　はぁ～い！

　「あのぉ、こちらの住所なんで、このお屋敷のどこかかと思うんですけど、

　　この宅配便はこちらでいいんでしょうか？」

　どれどれ？

　えええっ！

　この宅配便はっ！宛先が、こんなふうになっていたんです。

　っていうことは、バラ熱病は、ベスだけではなく・・・

「ロザリアン・メグさま」

　ろざりあんですとぉ～？　

　メグったら、自分のことを「ロザリアン」と名乗り、またこの宅配便の中味はっ！

　ご想像通りの。。。

　ああ、皆さま、急いで、メグのお屋敷に行ってまいりますわ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく

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