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DIARY
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PROFILE
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4-20-D-4
阪神
vs
中日
4回戦
阪神
9-6
中日
【阪神3勝1敗0分】
【4.20(火) 試合開始18時(3時間33分)】
【ナゴヤドーム・観衆32000人】
久保田1軍復帰凱旋今季初勝利で5割!
.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
計
H
E
阪神
0
0
0
4
0
5
0
0
0
9
10
0
( 安打 )
0
1
0
2
0
5
0
1
1
.
10
.
0
0
3
1
1
2
1
1
0
.
9
.
中日
0
0
2
0
2
2
0
0
0
6
9
1
【勝】久保田 (1試合1勝)
【S】リガン (10試合1S)
【敗】ドミンゴ (3試合1敗)
【HR】
アリアス8号(2ラン130=ドミンゴ4回)
福留4号(2ラン120=久保田5回)
谷繁2号(2ラン105=安藤6回)
【二塁打】井上(4回,8回)、アリアス(6回)、矢野(6回)、金本(7回)
【盗塁】井端(1回)、荒木(1回) 【失策】立浪(6回)
【走塁死】井端(1回)、井上(4回)
スタメンオーダー & 阪神選手交代
阪 神
1
今 岡
二
2
赤 星
中
3
キンケード
三
4
金 本
左
5
桧 山
右
6
アリアス
一
7
藤 本
遊
8
矢 野
捕
9
久保田
投
江草
リガン
打
八木
安藤
久慈
遊
中 日
1
井 端
遊
2
荒 木
二
3
立 浪
三
4
福 留
右
5
アレックス
中
6
渡 辺
一
7
井 上
左
8
谷 繁
捕
9
ドミンゴ
投
【評】阪神打線がつながった。四回無死満塁から連続犠飛の後、アリアスが右中間へ2点本塁打。追いつかれた直後の六回にはアリアス、矢野の適時二塁打など5安打を集め5点を奪った。中日は先発ドミンゴが四死球から崩れ、継投も失敗。
投 手 成 績
回数
打
者
球
数
安
打
三
振
四
球
死
球
失
点
自
責
通算
防御
●
久保田
5
24
92
5
4
4
0
4
4
7.20
安 藤
1
5
20
2
3
0
0
2
2
11.12
江 草
1
0/3
5
25
2
1
0
0
0
0
3.38
S
リガン
2
6
22
0
2
0
0
0
0
1.59
●
ドミンゴ
5
1/3
23
98
5
4
2
1
7
6
6.05
久 本
0/3
2
7
2
0
0
0
2
2
9.00
遠 藤
2/3
4
17
1
0
1
0
0
0
1.29
高橋聡
1
6
20
1
0
2
0
0
0
0.00
岡 本
2
6
22
1
1
0
1
0
0
0.00
【試合経過】
【1回】好調の先頭今岡と、復帰したキンケードが空振り三振に倒れるなど、阪神は3人で攻撃を終えた。虎の先発久保田は1番井端にストレートの四球を与え、二盗された。いきなりピンチに立たされたが、荒木の投ゴロをよく捕って、井端を二、三塁間で挟殺し1死。立浪三振の際に荒木が二盗、福留には四球と再び得点圏に走者を背負ったものの、アレックスを中飛に打ち取った。
【2回】阪神は先頭金本が右前打出塁したが、桧山が併殺打、アリアスが遊撃ゴロ。中日は2死から谷繁が四球で出たがドミンゴは三振。
【3回】3人で終わった阪神に対し、中日は先頭の井端から3連打で1点を先制。さらに福留が久保田のグラブを弾く強烈な打球を放ち、この間に1点を追加した。
【4回】今岡が右前打で口火を切り、赤星、キンケードの連続四死球で無死満塁とした阪神。金本が左へ犠飛を打ち上げ、今岡が生還した際に、赤星とキンケードもそれぞれ好走塁で、1点取ってなお1死二、三塁。ここで桧山が左犠飛。追いついた後には、アリアスが右中間へ2ランを打ち込み、逆に2点をリードした。その裏の久保田は、先頭井上に右中間二塁打を浴びたが落ち着いた投球で後続を抑えた。
【5回】阪神は3者凡退。久保田は1死から立浪に四球の後、福留に左中間へ2ランを運ばれ、同点となった。
【6回】赤星の四球を足場に1死二、三塁とした阪神は、桧山が三遊間を破って1点を勝ち越し。中日2番手の久本に、アリアスが左中間二塁打して1点を加え、さらに藤本が中前タイムリー。3番手の遠藤には、矢野が三塁頭上を抜く2点二塁打。一挙5点を奪った。阪神2番手の安藤は谷繁に左翼へ2ランを浴び、リードは3点に。
【7回】金本の目の覚めるような右中間二塁打から2死満塁のチャンスをつくった阪神だが、矢野が中飛に倒れて追加点ならず。阪神3番手の左腕江草は、先頭の立浪に左前打されたものの踏ん張って、続く3人を打ち取った。
【8回】阪神は、1死から今岡が右前打したが赤星が二塁ゴロで併殺された。その裏、先頭の井上に中越え二塁打を許したところで阪神は江草からリガンにスイッチ。リガンが3人を退けた。
【9回】先頭キンケードが、この日2個目の死球で出たが、金本が併殺打で、桧山は二塁ゴロ。3点リードのままで阪神はリガンが続投し、荒木を三塁ゴロ、立浪と福留を三振に仕留めた。久保田が初勝利を挙げ、阪神は勝率を5割に戻した。
1
回
表
○○
-
今岡
2-1より 空振り三振
T0-0D
●○
-
赤星
2-2より ピッチャーゴロ
T0-0D
●●
-
キンケード
2-2より 空振り三振
T0-0D
1
回
裏
○○
-
井端
0-3より フォアボール
T0-0D
○○
1塁
ランナー井端が二盗
T0-0D
○○
2塁
荒木
2-3より ピッチャーゴロ
T0-0D
●○
1塁
ランナー荒木が二盗
T0-0D
●○
1塁
立浪
2-3より 空振り三振
T0-0D
●●
2塁
福留
1-3より フォアボール
T0-0D
●●
1.2塁
アレックス
0-1より センターフライ
T0-0D
2
回
表
○○
-
金本
2-2より ライトヒット ★
T0-0D
○○
1塁
桧山
0-0より セカンド併殺打
T0-0D
●●
-
アリアス
1-2より ショートゴロ
T0-0D
2
回
裏
○○
-
渡辺
2-2より 見逃し三振
T0-0D
●○
-
井上
1-1より ファーストゴロ
T0-0D
●●
-
谷繁
1-3より フォアボール
T0-0D
●●
1塁
ドミンゴ
2-1より 空振り三振
T0-0D
3
回
表
○○
-
藤本
1-1より セカンドゴロ
T0-0D
●○
-
矢野
1-0より ピッチャーゴロ
T0-0D
●●
-
久保田
2-0より 空振り三振
T0-0D
3
回
裏
○○
-
井端
1-0より レフトヒット
T0-0D
○○
1塁
荒木
1-1より センターヒット
T0-0D
○○
2.3塁
立浪
0-0より ライトタイムリーヒット
T0-1D
○○
1.3塁
福留
1-3より セカンドゴロ
T0-2D
●○
1塁
アレックス
1-0より キャッチャーフライ
T0-0D
●●
1塁
渡辺
1-1より セカンドゴロ
T0-0D
4
回
表
○○
-
今岡
1-2より ライトヒット ★
D2-0T
○○
1塁
赤星
1-3より フォアボール
D2-0T
○○
1.2塁
キンケード
1-0より デッドボール
D2-0T
○○
満塁
金本
1-2より レフト犠牲フライ
D2-1T
●○
2.3塁
檜山
2-2より レフト犠牲フライ
D2-2T
●●
2塁
アリアス
1-2より 右中間2ランホームラン ★
D2-4T
●●
-
藤本
2-2より 空振り三振
D2-4T
4
回
裏
○○
-
井上
0-2より 右中間ツーベース
D2-4T
○○
2塁
谷繁
2-2より セカンドゴロ
D2-4T
●○
1塁
ドミンゴ
1-0より セカンド犠打
D2-4T
●●
2塁
井端
1-1より セカンドゴロ
D2-4T
5
回
表
○○
-
矢野
1-2より ショートゴロ
D2-4T
●○
-
久保田
2-0より ピッチャーゴロ
D2-4T
●●
-
今岡
2-3より サードファウルフライ
D2-4T
5
回
裏
○○
-
荒木
2-1より ライトフライ
D2-4T
●○
-
立浪
1-3より フォアボール
D2-4T
●○
1塁
福留
0-2より 左中間2ランホームラン
D4-4T
●○
-
アレックス
1-0より ショートゴロ
D4-4T
●●
-
渡邉
2-1より 見逃し三振
D4-4T
6
回
表
○○
-
赤星
2-3より フォアボール
D4-4T
○○
1塁
キンケード
2-2より センターヒット ★
D4-4T
○○
1.2塁
金本
1-1より サードゴロ
D4-4T
●○
2.3塁
檜山
2-1より レフトタイムリーヒット ★
D4-5T
(投手交代)ドミンゴ → 久本
●○
1.3塁
アリアス
0-3より 左中間タイムリーツーベース ★
D4-6T
●○
2.3塁
藤本
1-1より センタータイムリーヒット ★
D4-7T
(投手交代)久本 → 遠藤
●○
1.3塁
矢野
0-1より レフト線2点タイムリーツーベース ★
D4-9T
●○
2塁
代打・八木
2-2より サードゴロ
D4-9T
●●
2塁
今岡
2-3より フォアボール
D4-9T
●●
1.2塁
赤星
0-2より ファーストゴロ
D4-9T
6
回
裏
(投手交代)久保田 → 安藤
○○
-
井上
1-1より レフトヒット
D4-9T
○○
1塁
谷繁
1-0より レフト2ランホームラン
D6-9T
○○
-
代打・関川
2-1より 空振り三振
D6-9T
●○
-
井端
2-1より 空振り三振
D6-9T
●●
-
荒木
2-2より 空振り三振
D6-9T
7
回
表
(投手交代)遠藤 → 高橋聡
○○
-
キンケード
1-0より ショートゴロ
D6-9T
●○
-
金本
2-2より 右中間ツーベース ★
D6-9T
●○
2塁
檜山
1-1より ショートゴロ
D6-9T
●●
3塁
アリアス
0-3より 敬遠
D6-9T
●●
1.3塁
藤本
1-3より フォアボール
D6-9T
●●
満塁
矢野
0-0より センターフライ
D6-9T
7
回
裏
(投手交代)安藤 → 江草
(守備交代)久慈 ショート
○○
-
立浪
2-3より レフトヒット
D6-9T
○○
1塁
福留
2-2より 見逃し三振
D6-9T
●○
1塁
アレックス
2-3より サードゴロ
D6-9T
●●
2塁
代打・大西
1-3より センターフライ
D6-9T
8
回
表
(投手交代)高橋聡 → 岡本
(守備交代)森野 ファースト
○○
-
久慈
2-1より 空振り三振
D6-9T
●○
-
今岡
2-3より ライトヒット ★
D6-9T
●○
1塁
赤星
0-0より セカンド併殺打
D6-9T
8
回
裏
○○
-
井上
0-2より センターオーバーツーベース
D6-9T
(投手交代)江草 → リガン
○○
2塁
谷繁
2-0より セカンドゴロ
D6-9T
●○
3塁
森野
1-2より サードファウルフライ
D6-9T
●●
3塁
井端
0-0より セカンドゴロ
D6-9T
9
回
表
○○
-
キンケード
1-1より デッドボール
D6-9T
○○
1塁
金本
2-0より セカンド併殺打
D6-9T
●●
-
檜山
2-2より セカンドゴロ
D6-9T
9
回
裏
○○
-
荒木
1-2より サードゴロ
D6-9T
●○
-
立浪
2-1より 空振り三振
D6-9T
●●
-
福留
2-2より 空振り三振
D6-9T
ウイニングボールなき勝利投手…久保田、苦難の復活だ
チームにとっても本人にとっても大きな1勝だ。久保田が5回を投げて被安打5、4失点で勝ち投手。昨年9月に右ひじを痛めた因縁のナゴヤドームで、8月30日のヤクルト戦(甲子園)以来となる復活星を挙げた。
「勝った事は大きいですけど…。不満残りまくりですよ」
長く苦しいリハビリを乗り越えての勝利にも涙はない。中途半端な事が大嫌いな若武者は、試合後は不満タップリの表情で投球を振り返った。
久々の登板による力みだろうか。自慢の剛速球が鳴りを潜めた。MAX144キロ。「ブルペンではもっと速かったのになあ」と佐藤投手コーチも首を傾げる立ち上がり。2四球で二死一、二塁といきなりのピンチを作った。が、そこは岡田監督と正捕手・矢野が「将来の右のエース」と惚れ込む逸材。アレックスをフォークで中飛。最初のピンチを切り抜けた。
しかし、その後も乗り切れない。三回に3連打で2失点。逆転し2点のリードをもらった直後の五回には福留に同点2ラン。カウント球のスライダーは思い通りに決まるが肝心のストレートが高めにいく。五回を投げ終わったところで降板。ベンチでも、何度も首を傾げた。
もっとも勝利の女神はそんな久保田に微笑んだ。六回に5得点。復活星と同時にチームにとっても“裏ローテ初勝利”。井川、福原、下柳以外の先発投手で始めて白星を手にした。
一緒に苦しんだ“仲間”たちに捧げる1勝だ。右ひじにメスを入れた太陽。右肩の手術した浜中。左肩の違和感と闘った同期入団の江草。昨年12月から2カ月間行った安芸での4人だけのリハビリ。毎晩のように集まり苦しさを紛らわすように話し込んだ。男4人で過ごしたクリスマス。復活を願って缶ビールで乾杯した事も今ではいい思い出だ。納得は出来ないが一つの区切りになる勝利ではある。
「次はチームに迷惑をかけないようにしたい」
ウイニングボールはない。最低でも完投。スッキリした勝利を収めた時のボールこそが復活を証明する1球となる。
連打、連打で竜投粉砕!猛攻の主役を演じたのがアリアス
六甲おろしの大合唱をバックコーラスに、猛虎打線が連鎖反応を起こした。豪快な一発はない。連打、連打で竜投を粉砕。六回、4連打を含む5安打2四球で一挙5得点。打者一巡の猛攻の主役を演じたのがアリアスだった。
1点リードの六回一死一、三塁。中日先発のドミンゴのカウント0-3から、左中間フェンス直撃の適時二塁打。普段はあまり感情を表に出さない舶来砲が、思わず二塁ベース上で両手を叩いて喜びを表現した。
4得点した四回に、右中間に勝ち越しの8号2ランを放ったばかり。その直後に「ランナーを残したくなかった。良い追加点になるホームランだった。だけど、勝つためにもっと点を取ってピッチャーをサポートしたい」と、予告していた通りの六回の一打だった。3打数2安打3打点で、停滞気味の猛虎打線にカツを入れた。
A砲の一撃を号砲に、続く藤本が中前タイムリーでつなげば、矢野も左翼線2点適時二塁打。左翼席の虎党はもうお祭り騒ぎ。桧山から始まった炎の4連打で、中日がこの回に繰り出した3投手をKOした。「自然と体が反応した」と藤本。矢野も「必死に食らいついていきました」と、一気の攻めを興奮気味に振りかえった。昨季5戦5勝とカモにしたドミンゴに、6連勝だ。
これで勝率は5割復帰。単独3位をキープした。頭部負傷で、二軍調整中だったキンケードが戦列復帰。右ひじ痛の久保田が粘投を見せ、先発投手陣の裏ローテ組で初勝利を挙げた。連覇に向けて役者が揃い、2ゲーム差の首位・広島の追撃態勢は整ってきた。
球団首脳は現場介入のメドとして、開幕から30試合のデキを参考にする見通しを立てているだけに価値ある1勝。昨季4勝8敗と苦手にした鬼門ナゴヤドームの初戦でチームに垂れ込めていた暗雲に光を見いだした。
「チャンスらしいチャンスはあの回(六回)しかなかったけど、後ろがうまく打ってものにしてくれた」と、岡田監督は意気揚揚と帰りのバスに乗り込んだ。
“つなぎ”こそ昨季18年ぶりのリーグ優勝を実現させた原動力。その再現VTRを見るかのような攻撃。さあ、再出発! 猛虎打線が新生岡田丸の動力源となる。
★リガンへのアリアス流の思いやり?
試合終了後のヒーローインタビューを“拒否”した。大活躍を見せたアリアスが、ヒーローインタビューを受ける予定だったが、それを急きょキャンセル。八回途中から好リリーフを見せたリガンに譲ったのだ。試合後は、質問に「ノー」と口を閉ざした。リガンは、来日2年目で初のヒーローインタビュー。これもリガンへのアリアス流の思いやりだったのかもしれない。
復活キンちゃん 大当たり~!
暗雲もうっぷんも、魔の火曜日も鬼門のナゴヤドームも、ついでに借金生活もきれいさっぱり飛んでいけ~!起爆剤になったのは9試合ぶりに因縁のカードで先発復帰したM・キンケード内野手(30)だ。2死球&痛烈中前打&必死の激走。帰ってきたキンちゃんがチームを元気づけ、さあ、今夜もオレ竜粉砕や!
ベルトを直しながら、紅潮した顔でバスまで急いだ。ハイタッチを済ませると、隠れたヒーローはトイレに直行。11日ぶりとなる1軍の試合だった。「プレーできたことがうれしかった。勝ったので、なおさらうれしいよ」。そんな闘志に導かれ、3連戦の初戦は白星が鮮やかに残った。
同点に追いつかれたことも、快音で消し去った。六回だ。赤星の四球、そしてキンケードの中前打で始まった。金本の内野ゴロに敵失がからみ、一死二、三塁。三塁まで激走していたK砲が、桧山の左前打で決勝のホームを踏む。
その後もアリアス、藤本、矢野の3連打で、終わってみれば5点の猛攻撃。勝った。開幕から負け続けてきたウイークデーの初戦。魔の火曜日を切り抜けた。そしてカード3連勝のないナゴヤドームで、初戦を拾った。黒子のような存在だったが、十分な役割を担ったのがキンケードだ。
逆転のきっかけをつくったのが四回。赤星はバントの構えで揺さぶった。無死一、二塁から、黒子は“得意”の死球でチャンスを広げた。連続犠飛で同点、アリアスの2ランで逆転。流れの中心にあったのが、今季7個目の死球でもあった。
これで横浜時代から通算して、ドミンゴには6連勝。チーム内に根付く攻略法を呼び起こしたのは、快音ではない。キンケードが受けた鈍い音。その意気を、チーム全体で受け継いだものかもしれない。
頭部に死球を受けたのが9日の中日戦。この日はそれ以来の出場だった。「怖がらんと、踏み込んでいくから大したもんよ。ああいう気持ちを買ってやらんと」と指揮官がうなる。九回には2つ目の死球。痛がるそぶりも見せず、淡々と一塁まで歩いた。打席の前に立ち、内角球でも踏み込んでいくからどうしても死球は増える。それでも本人は気にする様子もない。実に8試合で8死球というハイペースに、岡田監督も「言いようがないわ」と苦笑するしかなかった。
普段から物静かだ。話し掛けなければ1日中黙っていることもある。そのため、ほかの外国人選手が積極的に話し掛ける。この日のアップ中に大笑いしたのも、初めて見せた表情だった。
「アグレッシブ?プレーするのが好きなだけさ。そんなもんだよ」。ヒーローは試合終了後、バスまで急いだ。勝利を分かち合える、チームメートが待っていた。
◆2安打1打点!金本4番はオレだ-存在感は十分
4番の責任を果たした。金本が2安打1打点。一発も、適時打もなかったものの、存在感は十分だった。
2点を先制された後の四回、無死満塁の第2打席。カウント1-2からの147キロを左中間最深部へ犠飛を打ち上げた。1点を奪っただけでなく、二走、一走も次の塁へタッチアップさせる価値ある大飛球だった。
試合前の打撃練習を終え、ロッカーに引き上げようとした時、ケージの後ろで岡田監督から直接、アドバイスを受けた。「女の話をしただけや」と小指を立てるポーズで煙に巻いたが、信頼して使ってくれる指揮官にも、何とかしてバットで応えたかった。
七回の第4打席では、低い弾道で右中間へ二塁打。金本らしい独特の打球の速さも戻ってきた。チームとともに、右肩上がりのカーブを描きそうな予感がする。
◆リガン“救世守”や!来日初S
タイトロープを渡り切る。最後を締めたのは安藤でもウィリアムスでもなく、阪神・リガンだった。
八回無死二塁の場面で江草からバトンを受けた。ここを打たせて取る投球で無失点で切り抜けると、九回もそのまま3人で仕留めて来日2年目で初セーブだ。
中西投手コーチは「リガンは良かったねぇ。走者が出ればウィリアムスも用意していたけど」と絶賛した。安藤が不調、ウィリアムスがヤクルト戦まで5連投と疲労の残る中での快投は、まさに救世主だ。
岡田監督は「左に打たれたが攻めていた。0点に抑えたのが大きい」と、吉野が本来の調子を取り戻せない状況で生まれた新しい勝ちパターンを喜んだ。
不調だった安藤も谷繁に2ランを浴びたものの、その後を3者連続の空振り三振。「納得いかない」ながら球威に復調の兆しが見えた。開幕からここまで乗り切れなかったリリーフ陣に生まれた“新方程式”―。この1勝は大きい。
◆桧山、嬉しい今季初V撃
ナゴヤに強い桧山が本領を発揮。四回、ドミンゴから同点となる左犠飛を放つと六回には、ゴロで三遊間を破る勝ち越しタイムリーを放った。「四回は追い込まれていたのでコンパクトなバッティングを心掛けていたんだ。六回も直球に振り遅れないように、とにかく強い打球を打とうと思っていた」と白い歯をこぼした。
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