結婚記念日にどうぞ





今日は結婚記念日。いつのまにか３年も経ってしまった。
夫はいつものように会社へいく準備をしている。
忘れてるんだろうな。
私は何も言わず、先に会社へ向かった。

夜景

夕方、私のケータイにメールが入った。夫からだ。
「レストランを予約した。３周年のお祝いをしよう」
朝そう言ってくれれば、もう少しおしゃれをしてきたのに。

セーニャ [1997]

汐留のレストランで食事をした。二人でチリ産のワインを傾ける。
店内は静かでアンティークな雰囲気が漂う。
どこかで聴いた旋律。バッハのようだ。でも違う。
プロコルハルムの「青い影」。

プロコル・ハルム/ 青い影


たしか１９６７年のヒット曲だ。１度聴いたら忘れられないハモンドオルガンの流れるような旋律。
まるで賛美歌のように心が透明になってゆく。

いちごアイス・クリームベリー（プレーン＆ホワイトチョコ：各18g×20個　計40個）

少し飲みすぎたようだ。冷たいアイスクリームを食べて酔いをさます。
店を出て、肩を並べて歩いた。
街角では、どこかからエリッククラプトンの「ワンダフル　トゥナイト」が流れてくる。

【Rock／Pops：エ】エリック・クラプトンEric Clapton / スローハンド【初回限定盤】(CD)

１９７７年。名アルバムと言われるスローハンドに入っている１曲だ。
ミスタースローハンドと言われるエリッククラプトン独特のナキのギターソロが心にしみる。
遅くなってきたのでそろそろ帰ろう。




「君と結婚してよかったと思ってるよ」
唐突に夫が言った。




通りかかった閉店前の花屋から、有線が聞こえた。
コモドアーズの「永遠の人に捧げる歌」１９７８年のヒット曲。ライオネルリッチーの声がとても切ない。

バック・トゥ・フロント/ライオネル・リッチー・グレイテスト・ヒッツ


このひとことは、プロポーズの言葉よりもうれしかった。
「早く帰ろう！」
私は夫の袖を引っ張って元気よく歩き出した。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（完）

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