ももか日記             

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桃香の痴呆の不思議   



痴呆の後期で桃香はまっすぐ歩けなくなり、2004念12月後半~2005年6月までの
7ヶ月間は右回りしかせず私も家族もきっと自力で動ける限り
この右回りは続くものと思っていました。

ところが不思議な事が起こりました。

2005年6月中旬頃から桃香の行動に徐々に変化があらわれました。
いつもは右へ右へと体を傾けていきクルクル回るのですが、前足を踏ん張ったまま
首を一度左の方へ向けてから「あ、こっちじゃない!」と言うかのように
右へ回ったり、左の方を向いてジーっと固まって動かなかったり
することが増えていきました。
最初はさほど気にもしていなかったのですが、そのうちに左方向に体を傾けては
バランスが取れずコテンと転がるようになりました。
左に回りたいように見えた為、補助してあげると左にゆっくりゆっくりと
回り始めたのです。

その時は家族と冗談交じりで「桃ちゃん逆だよぉ!」などと言っていたのですが
だんだんと右回りが減り左に左に体を傾ける事が多くなり、今ではもう完全に
左回りに変わりました。
左回りが始まった当初はうまくバランスが取れず支えがないと一歩も動けず
左に体を傾けたまま固まってヒュンヒュン鳴いていましたが
だんだんとバランスが取れるようになり今ではお尻を軸にゆっくりですが
一歩一歩左に回れるようになりました。
でも右回りほど軽快にクルクル回れないので足取りが危なっかしくますます
目が離せなくなってしまったというのもあるのですが。。。

それと同時に奇跡のような事も起こりました。
右回りの時は絶対に前に進むことは無かったのですが
左回りをする直前あたりから時折、前のめりになりながらもツトトトト…と
殆どつんのめっている感じでしたが数歩進むようになったのです。
最初は驚いたのですがその距離は日に日に伸びて行き右回りを全くしなく
なった頃にはトコトコトコトコ前に進めるようになりました。
今ではお散歩に行けるほどにまで歩けるようになり、桃香もお散歩復活が
嬉しいのかチョコチョコ機嫌良く歩いてくれます。

これは左回りになったことよりもビックリでした。
「桃、歩けるの??すごいねぇ!」と話しかけながら確かめるように歩かせました。
リードをつけてお散歩できるようになるとは思っていなかったのでとても嬉しかったです。
今は(2005年7月下旬)また少し足腰が弱ってきたので歩行補助胴着をつけての
お散歩ですが、それでもちゃんと前へ前へ歩いてくれます。

何故、真っ直ぐ歩けるようになったかは謎ではあるのですが、
ほんの少し思い当たるのは、私の気まぐれで時々、右回りをしている桃香の
腰を支えて前に押して(手押し車のような感じで)無理やり前に進ませて
いたりした事を思い出しました。

外で運動させる時は家の前の道路で右回りを思う存分させたら、抱きかかえて
家に連れて帰っていたのですが、時々「歩こう♪歩こう♪」と言いながら
桃香を押してたのです。桃香にとってはかなり迷惑な事だったかもしれませんが…
桃香はその時も右側に体重をかけてきて右に進もうとしているですが
足を右に一歩出すタイミングで私が腰を持って前に押していたため、
嫌がおうでも前に進んでしまう…といった状況でした。

それでも頑なに右回りしかせず半年以上きたのに何故今更?という気もしますが
もし、その手押し車が桃香の脳に前に進む機能を復活させる
手伝いとなっていたとしたらスゴイなと思います。

突然の左回りに関しては全くわかりません。

左に回るのは脳腫瘍の疑いがある…と聞いた事があります。
病院の先生にも左回りになったことをお話したときに
「目が揺れていたりはしませんか?」と聞かれたのですが多分そのことなんだろうなと思いました。
でも特に目が揺れたりという事はなく、他に変わった症状もないので
検査のお願いなどは申し出ていません。脳腫瘍ではない!!と信じきっています。
桃香が苦しんでいるならともかくそうでない限り検査などで余計な負担をかけたくはないというのが本音ではあるのですが。

そしてもう1つ変わった事があります。
それはきっと左回りに関係しているのかもしれませんが、寝る格好です。
今までは右側を下にしないと絶対寝なかったのが今は左半身を下にしてあげた方が
よく寝てくれるのです。
右を下にしても嫌がりはしませんが、眠りが浅くすぐ目を開けますが左を下に
寝かせてあげると眠りも深く、時間も長く寝てくれます。

でも半年以上、右半身を下にして寝ていた為、右半身は毛も抜けハゲてる箇所が
あります。そしてヨダレ跡で右側の顔の毛の白い部分が茶色く変色していて
正直、右側は左側より毛並みもキレイではありません。

桃香100
     ↑
  <左を下に熟睡中。ほっぺの辺りがヨダレで変色してます>

痴呆症になり、もう症状が好転することなどないと思っていたのですが
お散歩に行けるようになったり、話しかければジーっと目を見て
まるで聞いているかのような表情を見せたり、全てに対して無関心になったと
思っていたのが、怒りの表情を見せたり、時折目をランランと輝かせたり、
感情表現がまた豊かになってきたりと桃香は復活してきたところがいくつかあります。

生命って、桃香ってすごいなぁと関心してしまいます。

専門的なことは全くわかりませんが、痴呆になっちゃったからきっともう何も
わからないんだろう…という考えは間違っていたのかもしれません。

歌を歌ってあげれば穏やかな表情になるし、話しかけてあげればジ―ッと
聞いている。反対に自分に対して誰の関心も向いていないとわかれば、
自己主張をするかのようにけたたましく吠えて自分の存在をアピールしたり。

桃香97桃香98
         ↑                          ↑
      <かなり激しく自己主張してます。ひっくり返りそうです>



身体的にも同じ事が言えます。
最初はおぼつかなかった足取りも毎日少しずつ歩かせることで
だんだん歩ける距離が長くなったり…

桃香と毎日過ごしていて、教えられる事がとても多い気がします。

時間の流れにそって桃香はゆっくりと「老い」の道を進んできました。
それでも、老いに逆らうかのように好転する症状もあるということは
桃香自身の生命力、そして生きようとする強い意志を感じます。

諦めない姿、「生」に対する強い執着、ちょっと尊敬しちゃったりもします。

そんなひたむきな姿を見せてくれる桃香とこうして一緒に過ごせる時間を
大切にしたいと心から思います。

桃香99








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