産婦人科医の生活

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切迫早産

<切迫早産>
早産とは、妊娠22週以降から37週未満の分娩をいいます。切迫早産とは子宮収縮(お腹の張り)や
子宮頚管の開大、展退が進行し、早産となる可能性がある状態をいいます。定義からも分かるように、
ほとんど心配ないものから重症のものまでが含まれる、幅の広い病名です。最近では卵膜に炎症が起きた、
絨毛膜羊膜炎 という状態と関連があるといわれています。

切迫早産の診断
1.子宮収縮、頚管熟化、子宮出血の有無、破水の有無を点数化し、総合的に診断する。
2.経腟超音波にて子宮頚管長(子宮の出口)が短くなったり、子宮口の内側が開いてくる像がみられます。
3.膣分泌物を観察し、腟炎、頚管炎、絨毛膜羊膜炎の有無を調べる。
頚管粘液中の顆粒球エラスターゼ(炎症の検査)や、癌胎児性フィブロネクチン定性検査(破水の検査)が有用です。

治療
1.安静:自宅安静または入院下に安静管理を行い、子宮の収縮を抑えます。
2.薬物療法
a.子宮収縮抑制薬:塩酸リトドリン(ウテメリン)、硫酸マグネシウムなどで、子宮の収縮を抑制します。
b.抗炎症薬:子宮頚管炎に対し ウリナスタチン(ミラクリッド) という抗炎症薬を腟内投与します。
       保険適応外ですが、非常に有効な治療です。


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