~ A LOVER ~

~ A LOVER ~

☆ キオク ☆


      あれは夢だったのか・・・でも、あなたはもういない。》

     キオク

ある日

扉を開けると

そこには紅赤い世界があった

あなたはその紅赤い世界で

静かに眠っていた

僕はあなたの開いた瞼を閉じると

両腕を真赤に染め その場から動けなかった・・・

扉の外ではサイレンの音と怒号が聞こえる

僕は静かにあなたを抱いた

あなたはまだ少し温かかった

あなたの隣に転がる鉄の塊を見た

鈍い光が宿っていた

僕は泣かなかった

あなたに優しく微笑みかけた

あなたはもう

僕に笑顔を見せてはくれなかった

言葉の無い 紅赤い世界で

冷めていく体温が ただ辛かった・・・


僕は今 また記憶の扉を閉める

いつかまたこの扉を開ける日がくるだろうか

いつかまたあなたは僕に笑ってくれるだろうか

もし そんな日がくるのなら

僕はきっとあなたをぶん殴ってみせるだろう

そしてまた一緒に温かいうどんを食べたい・・・

                  by 仁

=今日は少し前の出来事を書いてみました。映画やドラマのようなワンシーン、2度と経験することはないと思いますが、あまりいい経験ではありませんでした。コレは詩ではありませんが、なんとなく今日はそんな気分でした。亡くなった人はもう戻ってきません、でもたまにはこうして思い出してあげたいです。=




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