10.) クマ造おじさんは 欲ばり ?
チッチチ、と久しぶりに小鳥さんの声がして、
こんなお話をきくことができました。
リスさんには、かわいい赤ちゃんがいるのだけれど、
ちかごろ あまり元気がなくて、
リスのお母さんは、とっても心配で、オロオロしていたのです。
そうだ! 物知りの カラスさんに、聞いてみてあげよう。
カラスさんに たずねると、「元気のない赤ちゃんには、
ハチミツが いいと思います。」とおしえてくれたので、
あちこち さがしてみましたが、なにしろ、
ハチミツなど 食べたこともない 私は、一体どんな物なのか、
どこに 行けばあるのかも、わかりません。
すると、カラスさんは、「クマゾウおじさんに聞いてごらん。」
とおしえてくれました。
ところが、クマゾウおじさんは、はち密が大好物で、
とってもヨクバリで、誰にも取られたくなくて、
おいしいハチミツを、コッソリひとりで食べている
という ”うわさ ”でした。
コマッタナ、コマッタナと思いながらも、仕方なく、
クマゾウおじさんを たずねてみました。
「 実はね、リスさんの赤ちゃんがネ・・・」とこわごわ話しますと、
びっくりすることに、クマゾウおじさんは「それは、気の毒に!、
赤ちゃんには、ハチミツをなめさせてあげると良いよ。
私がハチミツの ある所に つれていってあげよう。」
おどろいてしまったのですが、さっそくもらったハチミツで、
りすの赤ちゃんは すっかり 元気になって、
リスのお母さんは、それはそれは 大よろこびしました。
よかった!、良かった! クマゾウおじさんは、
とっても いいクマさん だったんですね。
あたってみなければ、わからないものですね。
”うわさ”は、”うわさ”
と言って 小鳥さんは 帰っていきました。