そういちの平庵∞ceeport∞

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ばあちゃん


下着がビショビショだ
目覚めは悪く
そのためか色々考える
母方の祖母の血筋に自殺者がいたり
人間にとっての無意識やDNA
僕は僕の先祖から何を受け取ったのだろう?などと
面倒見が良く世話好きで信仰心も篤かった母方の祖母や祖父
これらを僕は間違いなく受け継ぎ
ついでにアルコール症もこちらから受け継いだ
読書や音楽が好きで友達の多かった
慶応ボーイのおぼっちゃんだった父方の祖父
これもどうやら僕に色濃く遺伝した
とにかくこの爺ちゃんのレコードや本の収集癖は凄かったらしい
僕が生まれる前に死んでしまったが・・・
そんな色々な人の命が僕に受け継がれ
今こうしている
久々に父方の祖母の物凄い言葉も思い出す
彼女は自分で金を稼ぎ女学校を首席で卒業したのだが
「一番と一番が結婚すれば一番の子供が出来ると思った」
メンデルも真っ青のこの台詞
しかし祖母の孤独や心の傷がこんな台詞を吐かせたのだが
彼女は父親が4人も変わり人間不信も根深く
いつも無くなった祖父や曾祖母の悪口ばかり言ってたのだが
ま、祖母も祖母なりの夫婦間の苦しみを抱えていたのだから無理も無いのだが
何しろ戦後すぐ夫を無くし
女手一つで終戦直後の時代に幼い4人の息子と母親の面倒を見て来たのだ
この祖母の根性やガッツは僕にも受け継がれている
あんまり悪口ばかり言うので聞いた事がある
じゃあ何で結婚したの?
気丈な祖母は泣き出し「あの人だけは信じられた」との言葉だった
慶応を首席で卒業し三越を一番出世で駆け上がった祖父
戦争でフィリピンに行き
飢えと熱さと疫病と殺戮の地獄から生還しすぐに死んでしまった祖父
人が生きる限りそこに物語があり
僕は僕の物語を今こうして紡いでいる
皆一生懸命に生きてきたからこそ
今、僕の命があるのだ
有難いことだと思う


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