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先に掲載した「森川花はす田」
蓮田と田んぼが広がる光景の中に浮島の様に森があります。
今回はこの森を取り上げて見ます。
手前の川は鵜戸川、右岸には道の駅立田ふれあいの里があります。
「森川花はす田」の南に見るからに神社か古墳を連想させる佇まいの森があります。
蓮を見終えた後に足を向けて見るといいかもしれない。
鵜戸川左岸にここだけこんもりと樹々が残されています。
富岡神社(古木江城跡)の杜です。
蓮田から見た杜は一つの山の様に見えていましたが、鵜戸川沿いの小道から眺めると社地の一部が盛られているだけでほぼ〃平坦と云ってもいいかもしれない。
富岡神社(古木江城跡)について少し調べて見るも創建に繋がる記録は見つけられなかった。
右の地図はこの地の移り変わりを1891年頃と現在で比較してみた。
1891年の地図にも富岡神社の鳥居は記されており、尾張史( 1844年編纂)の中で左の記述を見付けました。そこには古くは富岡明神、神明宮と呼ばれ、この辺りの総社とある。
随分と歴史のある神社のようです。
緑の田んぼの中のこんもり茂った森は常夜灯と神明鳥居まで包みこんでいます。
子供の頃を思い出させる光景が残っています。
あぜ道から鳥居と境内の眺め、鳥居の目の前がすぐに田んぼ。
生い茂る樹々が作る影は境内全体を覆い、強烈な夏の日差しを遮り境内は涼しいけれど、蚊が多いので虫よけがあるといいかも。
社頭左に「古木江城跡」の石碑と解説板がある。
案内は古木江城跡に関するもの。
「室町時代の末期、織田氏の砦として築かれました。
当時この地方には、一向宗が広がっていて、真宗門徒のその教義に対する信心は絶大なもので、信長の意向に反抗しました。
信長は、長島の一向宗門徒を滅ぼすため、弟の信興にこの古木江に城を築かせ、門徒勢力の分断をはかりました。
信興がこの城を守っているとき、弥富の服部党や近くの農民に囲まれ、六日間戦いました。
しかし兵力が少なく城に攻め込まれ、やぐらに上がって自害したと「信長記」には書かれています。
地元では城外で討ち死にしたと伝えられています。
元亀元年(一五七〇)一一月ニ一日のことです。
古木江城は小木江とも書き、地名にも「子消」「討レ」「頭倶前」などの名が残っていました。
富岡神社は、この一角に城の鎮守としてあったと考えられています。」
もう少し神社について書かれていると嬉しいが、ここは城が売りのようだ。
それでも神社の歴史は1500年代まで遡ってしまった。
城の鎮守としてどの程度の規模だったのか分からないし、城跡の碑が建っているものの城の規模もよく分からない。砦ならともかく、城とすると規模はもう少し広範囲だったのかも知れない。
鳥居と常夜灯はあるものの、社標が見当たらない。
手水鉢
鳥居をくぐった参道左にあり、自然石をくり抜いた船形をしている。
奉納年度未確認。
境内から社頭方向の眺め。
木陰の中から見える稲の緑が鮮やかだ。
本殿全景。
切妻の覆屋の中に本殿が祀られているが、拝殿は持たない。
本殿域は自然石が二段で組まれ、その最上段に本殿が祀られている。
城の遺構としては特に残っていないようで、この高みを痕跡とするならば、この広さで持久戦をしたとは到底思えない気がする。
境内から見上げる本殿域。
杮葺きの神明造の本殿、5本の鰹木と内削ぎの千木が付く。
良く言われる女神が祀られている?
本殿全景。
尾張史の記述に「神明宮と称した」ともあり、天照大御神が祀られているのかもしれない。
地元の方に尋ねれば一番早いだろうが、後方の蓮田には人が多く訪れているけれど、富岡神社(古木江城跡)を訪れる方は皆無だった。
本殿域から西側境内の眺め。
なんとなく空堀の雰囲気があるような・・・ないような。
本殿域は下から見上げると、それほど高く感じられないが、参拝を済ませ本殿前から振り向くと結構なたかさを感じられる。
境内西側からこんもり盛られた本殿域の眺め。
手前の建物の用途はよく分からなかった。
本殿域東側の眺め、樹々が生い茂り、本殿域の様相どころか、城をイメージする事は出来ない。
樹々の隙間から僅かに見える覆屋に気が付いて初めて神社だと分かる。
よく古墳の上に鎮座する神社がありますが、こうして見ると古墳と思いたくもなる。
田園風景の中、緑の杜の中に佇む富岡神社は古木江城の鎮守として祀られた歴史のある神社。
2021/07/20
富岡神社(古木江城跡)
創建 / 不明
祭神 / 不明
古木江城
築城主 / 織田信興
築城年 / 1567年(永禄10)
廃城年 / 1571年(元亀2)
所在地 / 愛知県愛西市森川町字村仲86
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