娘の病気 IDDM



インスリン依存型糖尿病というのが、一般的ですが、
糖尿病と言われている病気とは、まったく違います。
ある日突然、膵臓から分泌されていたインスリンというホルモンが
出てこない身体になってしまったのです。

このホルモンは、ブドウ糖をからだの中の細胞に運ぶ大切な役目があります。
しかしこれがないと、どんなに食べても飲んでも細胞にはブドウ糖が運ばれず、
どんどん痩せていきます。
そして、血液の中には行き場の無くなったブドウ糖がたまっていき、
それをからだから出そうとして、たくさんおしっこが出ます。

水を飲んではトイレに行く、でもまだ喉は渇いていて・・
めずらしくおねしょをしたのもこのころからでした。
みるみる痩せていき、水ばかり欲しがり、でも、皮膚はなんだかかさかさでした。
脱水症状になっていたのです。

近所の小児科に2度いきましたが、ここではわかりませんでした。
そうしているうちに、日中も寝てばかりになってしまい、もうだめだと思って、
紹介状もなしに大学病院に行きました。
なんだか変だな、と思ってから、ここまでで1ヶ月近く経っていました。

病院に行くとすぐに症状を聞かれ、説明すると、検査をする前に
「お子さんはインスリン依存型糖尿病だと思います。」と言われました。
はじめて聞く病名でした。
これから毎日注射をしなければならないといわれた時、
「いつまでですか?」と聞きました。治るまでだと思っていたのです。
「今の医学では完治できません。これから一生です。」
頭の中が、真っ白でした。

この直後から、病気についての説明、勉強が始まりました。
娘はすぐに検査の結果が出て、そのまま入院になりました。
その日から、血糖値の測定と、食事の前の注射が日課になりました。

その日は私の誕生日でした。


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