ケルトの夢

ケルトの夢

オリバー・ツイスト(1947年版)

『オリバー!』 を気に入ったので、さらに古いモノクロ版を観ました。
同じく英国映画です。




監督は、これまた名匠、デヴィッド・リーン(『アラビアのロレンス』『戦場にかける橋』)

実は、キャロル・リードの『オリバー!』はこの1947年版の完全なオマージュだったんですね?!

美術も、衣装も、完璧にこちらの映画をなぞってますね。
もちろん、何もかも同じというわけではなくて。
『オリバー!』はミュージカル舞台の映画化で、こちらはストレートプレイなので、趣きは全然違いますが。

役者の風貌も、すごく似せてます。
マーク・レスターは、オリバー役のジョン・ハワード・デイヴィスに面差しが似ていたので抜擢されたのではないでしょうか?

演技も、特にオリバーは写している感じだし、スリの親方や悪漢ビル、救貧院の吏官などもオマージュっぽいです。

オリジナルの、モノクロームの光と影を効果的に使った映像は、キャロル・リードの『第三の男』にもアイデアを与えているかも。


というわけで、力作。
19世紀初頭のロンドンの雰囲気がすごく味わえます。
個性的な人物描写、特に最下層の人々を描くのが得意なディケンズならではのお話。

モノクロなので、画面が真っ黒になっちゃうところもありますが。

あ、どちらの作品も、悪漢ビルの飼っている犬が大事な役割を果たすんですよ。
『オリバー!』の犬のブスっ子さもすごく可愛いし、オリジナル版の方は演技がなかなか。
どちらもブルテリアだと思います。


さて、次はいよいよポランスキーか。

これも美術に期待してます。


ちなみに、1922年にも同じく英国で映画化されてますし、この物語は色々と翻案されていそうです。
ディズニーの『オリバー ニューヨーク子猫ものがたり』もそうらしいです。


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