ケルトの夢

ケルトの夢

やさしくキスをして








ユーロスペースがケン・ローチ特集をした時に観に行ったんですが、
家に帰ってからも、しばらく口元のにんまりが止まらなかったです(笑)



ケン・ローチは 『麦の穂を揺らす風』 でパルムドールを取った、英国の巨匠です。


ケン・ローチの描く作品は、なんでこんなに瑞々しいのだろう。
歳を重ねてからの方が、さらに瑞々しいんですよね~


こんな映画を観ると、映画の監督ってすごい…!としみじみ。


すてきな恋愛映画なのですけれどね、甘ったるくはないんです。
むしろ現代的な社会問題をリアルに描き出しています。



スコットランドのグラスゴーで出会った二人。

一人は自立したアイルランド系の女性、有能な音楽教師ロシーン(エヴァ・バーシッスル)。

もう一人は、パキスタン移民二世のカシム(アッタ・ヤクブ)。最先端のクラブでDJとして働く現代的な彼だが、家族思いの彼は、パキスタン人社会の一員として、因習に従った人生も疑問に思ってはいなかった。

二人が二人である限りは、何の問題もない。
ところが、カシムは異教徒との結婚は「許されない」し、ロシーンの仕事にも、カソリックの戒律が立ちはだかるのです。

日本にいると、日常では私を含め宗教問題にあまりピンと来ないのではないかと思うのですが、パキスタン移民の背景には、インドとの宗教戦争という大きな歴史的背景があります。

父には父の、深い思いがあります。

家族が待ち望む長男カシムの結婚。
ロシーンとの愛を貫くには、失うものがあまりにも大きくて…
ロシーンも、愛する人の苦悩を前に、何を選ぶべきなのか?



主演の二人が、ものすごくいいですよ!

エヴァ・バーシッスルは 『プルートで朝食を』 で、ほんのちょっとだけど印象的に登場する、パトリックの美しい母親を演じた人。私は、この人誰~?!って思ってました。

やはり美形なアッタ・ヤクブは、この作品が演技初体験とは!



私的には、これぞ恋愛映画!とお勧めの名作です。
映像、脚本、音楽も抜群ですよ。

題名は、スコットランドの誇るロバート・バーンズの詩の一節から。


あ~、また観たくなってきました!


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