エレファントピア

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ミャンマーの結婚(カンボジア)


なんとなく両親や世間というものは、そういう風に若い人たちを片付けていくという風習というか環境が、あるもしくはあったように思う。

それでこうした価値観というものに、順応したり反発したりしつつも、それを当たり前だと思っていたのだったが、ミャンマー人は結婚、お嫁に行くこと、に対して全く異なった価値観を持っていた。

ミャンマーではまず、両親が娘を嫁にやることを嫌がる。
日本人の親だって、内心では嫌だなあと思っていたり、実際それを実行している人たちも昨今ではいるだろうが、ミャンマーの場合は皆声を大にして娘たちに「嫁に行くな!嫁に行くな!」と言う。なんでかというと嫁に行かれて娘がいなくなるとさびしいから、老いた自分たちの面倒を見て欲しいから、という、全然わが身の欲求にのみ従った理由である。

その気持ちは分からんでもないけれど、娘さんに好きな人が出来たらどうするの?年取った時はどうするの?と思うのだが、とにかく嫌だという。まあ全員が嫌なわけではないだろうが、ほとんど嫌だと思っている。嫌だと思うことが世間的に認められている感じ。

それで何が起きるかというと、別に結婚が減ったり人口が減少したりするわけではない。
これは都市部(ヤンゴン)の庶民の例だが、かけおちが多くなる。
友人が日本語を教えていた僧院にやってくる若いカップルのほとんどがかけおちしたらしい。結局まずは反対されるので、既成事実を作っちゃえ!ということらしい。娘、息子がいなくなると、もちろん親は激怒するが、しばらくすると「そんなに本気だとは知らなかった。帰っておいで、ちゃんと結婚式をしよう」ということになるらしい。

しかしやっぱり親の反対に負けて、結婚できない娘さんたちも出てくる。
私の友達でも婚期を逃した女性たちがちらほらいたが、彼女たちに共通しているのは「親思いでやさしい」ということである。もちろんそれだけではなくて、若い時にはいろいろあって結局結婚しないことになったのだろうが、最後の最後に親を取るか、結婚を取るか、みたいになって結婚しない女性も多いようだ。
こうして書くと「そのくらい日本でもある話じゃん」と思うもしれないが、こうしたことが傾向として現れているくらい多いのがビックリなわけである。私の友人(48歳)も今素敵なボーイフレンドがいて、皆で結婚しろ~結婚しろ~と勧めているのだが、彼女の83歳になる母親だけが、「結婚しちゃ嫌!」とがんばっている。

さて、若い二人は両思い、親同士にも不満はなくて、それじゃあ結婚しませうか。。という運びになっても、簡単には行かない。
まず、男性がプロポーズする。
と、女性は必ず断る。
ここで断らないと、焦っているというか、品がないというが、ともかく女性は下に見られてしまうので、まずは断らないといけない。

そして第2回目のプロポーズ。
1年後。

マジかよ!!という気の長さだが。マジらしい。
もちろんお互いの気持ちや経済力を蓄える速さにもよるのだろうが。

しかしここでも断られる。
ここからはケースバイケースだが、そんなことを3,4回繰り返すという。
恐るべき気の長さ。。そしてもっと恐ろしいのは、こうして2回、3回とプロポーズしている男性は、もしかしたら「もうちょっとおカネを貯めてからね。次のプロポーズ待ってるわv」というNoなのか「いや、あんたのことホントーに嫌いだから」のNoなのかを勘違いしている可能性もゼロではないということである…!

別の友人が2年前に結婚したが、彼女は彼と出会ってかれこれ5年。プロポーズも毎年されていたらしい。その5年の間に別の噂もあったような気もするのだが?男性の方はこの5年、おカネを貯めたり家を準備したり、それでも結婚してくれるのか分からなかったり、それはそれは大変だったろう。。ご苦労様である。

上の話は都市部(ヤンゴン)の中流家庭の話だが、それにしても気の長い話である。だから外国人男性がミャンマー人女性と恋に落ちると大変である。もともと女性の国際結婚には寛容でない社会に加え、こののんびりさ。
普通の日本人男性だったら、好かれていないのかもといぶかしんでしまっても無理はない。


で。
なんで突然このような長文思い出話をしたのかというと、今日カンボジア人の結婚(の傾向)について聞いたからである。

お見合い結婚も多いそうだが、なんといっても伝統的(らしい)に多いのが、「電撃結婚」。
付き合って2-3ヶ月で、女性の方から結婚をねだられて結婚!というケースが多いらしい。一体なんでまたそんな傾向があるのか不思議だが、「付き合う」というまどろっこしい期間を女性が嫌いなのだろうという(夫と私の)見解がある。早いところ安定、安心したい。私のこと好きなら結婚してよ!結婚しないなら一緒にいない!という、これはこれで理にかなっているような、危なっかしいような思考である。

そんなわけで、ミャンマーとは打って変わって、こちらでは国際結婚カップルを多く目にする。外国人男性がちょっと軽い気持ち(?)で女性と付き合ってみたら、「結婚!」と言われてしまったのかもしれない。しかし離婚率は意外にも高くないという。

長く考えても、とっさに決めても、結局は結婚後の努力なのだろうか。。?




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