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安定した高収益を生み出す”田舎戦略”のススメ
田舎のゲリラマーケッターとは何者か?
本名・島瀬武彦
山口県の片田舎、徳地町で飲食店を経営しています。
徳地町は中国山地の西の端にしずくのようにぶら下がった山間の盆地の町。
穏やかな気候の町。しかし、かつては過疎化率日本一にも輝いた典型的な地方のど田舎。
そんな環境で商売をしています。
こんなことを書くとよっぽど儲かっていない商売人のような感じがしますが、まぁ、ぼろ儲けはしていませんが、そこそこ食うぐらいにはなってます。
でも、最近は私のやっている”ねむの木”は地元では有名になってきました。
山に囲まれた田舎で行列の出来る店になっています。
飲食の仕事を始めて10年目です。
それ以前は東京で大学生をしていました。
なぜかフランス文学科。
でもなぜかフランス文学の勉強は一切やらずにアメリカやイタリアの現代文学ばかり勉強していた不思議な学生でした。
5年間在籍して、単位不足で放校寸前に中退。
中退後帰郷して親がやっていた喫茶店で働き始めます。
それが”ねむの木”です。
中退したのは卒業できそうにない、と言う事情に親父がくも膜下で倒れたことも理由の1つ。
親父は私が帰郷してすぐに亡くなりました。
親父との最後の会話は
「父さん帰ってきたよ。これから一緒にやるからね」
「うんうん。そうか。分かった」
そのまま昏睡状態に入り1ヶ月後に目を覚まさないままに亡くなりました。
まるで、私が帰ってくるのを待っていたかのような最後でした。
ねむの木で働き始めてびっくりしたのは借金の多さ。
私が帰ってくるまでの8年間、両親は必死に自転車操業を繰り返していたようです。
とにかくその月を越すことが先決。
先のことなど考える余裕もない。
そんな資金繰り地獄の中で商売人としての私はスタートしました。
2万円、3万円、今だったらどうにでもなる金額がどうしようもなくて走り回る。
そんな日々。
商売人じゃなくて、サラリーマンになった方が楽だと思ったのも事実です。
でも、その頃地元の先輩にこんなことを言われました。
「借金に苦しいといっても、それはお前が作った借金だぞ。お前が東京で遊び歩くのに使った金だろうが」
その通りでした。
転機になったのは3年前
相変わらず資金繰りに奔走しながら、でも半分諦めつつあった私のふてくされたような態度を、ある勉強会で見たサクセスパワー福岡の上射場社長にこう言って怒られたのです。
「あなたは何をすねているんだ?
世の中には朝起きた瞬間から寝るまで自分のやっている仕事に誇りをもって打ち込んでいる人がいる。朝から晩までお客さんに喜んでもらうためにはどんな商品を作ればいいか、寝る時間を削って研究している人もいる。売上を立てるために従業員や社員と一丸になって考え、勉強し、色んな策を実行している人がいる。
それなのにあなたはダメだと思って遊んでばかりじゃないか。
それで出来ないのは当たり前だよ。売上が上がらないなら勉強しろ。人に聞け。朝から晩まで仕事に打ち込め。そこまでやっている人はたくさんいるのに、なぜあなたがそれをしない? 自分の仕事が本当に好きなら、そこまでやりなさい!」
正直、ショックでした。
「田舎だからしょうがないだろう!」
そう思ったのも事実です。
この野郎、と思いながらでも冷静に考えてみれば上射場社長のおっしゃったことはその通りでした。
私はまだそこまでやっていない。
仕事は好きでした。
私の両親の始めたねむの木という小さな小さな喫茶店を潰すことも嫌でした。
まだまだやれることはたくさんある。
知らないことは勉強してでも人に聞いてでもとにかくやろう。
その時、そう決めたのです。
神田昌典氏の顧客獲得実践会と、神田氏の提唱するダイレクトレスポンスマーケティングを知ったのは丁度その頃。
お客さんとの直接的な繋がりが欲しい。
リストの上に乗った商売がしたい。
そう思って本を読み、情報を集めていた時に知ったのが神田氏の本です。
必死で実践しましたね。
がむしゃらに。
お客様の声を取る。
名簿を集める。
サンキューレターを出す。
ニュースレターを出す。
もちろんマスコミリリースもやりました。
そうして少しづつ集客が回り始めたのです。
ある日のことです。
お客様の声を集めていて気が付いたんですね。
皆さん随分遠くから来てくださることに。
そして、遠くから来てくださった方ほど楽しそうな意見を書いてくださっている。
私自身は特に取り柄のない小さな喫茶店だと思っているのに。
なんでだろう?
不思議に思いました。
その疑問を抱いて少したったある日曜日。
丁度マスコミに掲載された直後だったので順調にお客さんが来てくだる日で、厨房も大忙し。
私もひたすらフライパンを振り回してお料理を作っていました。
その時、ポンっと分かったんですね。
なぜお客様が遠くからのお店に来てくださるのか。
なぜ遠くから来てくださって楽しんでくださるのか?
それはねむの木が田舎にある喫茶店だったからなんです。
お客様はみな田舎を楽しみに来てくださっている。
その田舎を楽しむという延長線上にねむの木での食事がある。
”田舎の良さを伝える田舎の喫茶店”
ねむの木のチャームポジションが生まれた瞬間でした。
それからはその”田舎の喫茶店”というフレーズに全てを連動させました。
「ここがポイントだ!」そう直感的に思ったんですね。
セールスレターやニュースレターも広告も、店内演出もメニュー構成も全てそこに連動させました。
そうするとどんどんお客様とのコミュニケーションが円滑になる。
円滑になればなるほどお客様の喜びがダイレクトにこちらに伝わってくる。
だから余計にこちらも頑張る。
そんな良いコミュニケーションの循環が生まれたのです。
そして、気が付くとねむの木は山の中の田舎で行列を作る喫茶店になっていました。
今、私はこの場で皆さんにチャームポジションについて語っています。
それは、チャームポジションが私自身の経験の中から生まれた、商売をする上で本当に大事な基礎の基礎部分だと思っているからです。
集客に成功したら嬉しいです。
お金が手に入ったら嬉しいです。
でも、商売の喜びはそれだけではありません。
お客さんとの喜びの共有が出来た時。
お客さんの喜びが自分の喜びに繋がった時、その時が本当に「商売をしていてよかった~」と思える瞬間なのです。
私はそんな気持ちをチャームポジションというノウハウとともに皆さんにお伝えしたい。
そう思っています。
1971年・山口県佐波郡徳地町に生まれる
1995年・学習院大学文学部フランス文学科中退
同年、(有)島瀬の取締役に就任
2004年・神田昌典氏主宰のダントツ企業実践会(旧顧客獲得実践会)ルーキーオブザイヤー受賞
2005年・チャームポジション構築コンサルタントとして活動を開始。
追記・親父が亡くなったのは10年前ですが、母は今でもお客さんに「おばあちゃんが可愛い」と言われながら元気でねむの木で働いています。今は母がねむの木のアイドルなんですよ。
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