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久しぶりにコートジボワールの話題。昨年11月の大統領選挙はバグボ前大統領が敗北を認めなかったため、バグボ派と現大統領であるワタラ派による武力衝突を招き、物理的にも、精神的にもコートジボワールに大きな災禍を残した。最終的には4月に国連が仏に武力介入を依頼、その結果、バグボ前大統領や主要なメンバーの多くは捕えられ、北部などに拘束されていた。
4月以降のコートジボワールの歩みは順調である。10年間の内戦からの復興は容易ではないが、世界銀行やIMFの評判も高い。ワタラ大統領がかつてIMFの副専務理事を務めたテクノクラートであったこともあろうが、来年秋にはHIPCs(重債務貧困国)イニシアティブのCP到達が見込まれており、新規融資も行われることになる。
12月11日には国民議会選挙が行われる。バグボ時代与党だったFPI(コートジボワール人民前線)はバグボ亡き後求心力を失っている。今回の選挙は抗議の意も込めてボイコットしているが、それ以外これまでのところ、大きな問題もなく準備が進められている。
そのような状況の中、バグボ前大統領がオランダのハーグにある国際刑事裁判所(ICC)に身柄を移送され、12月5日、第一回の予備審理が行われた。罪状は約3000人が殺害されたと云われている大統領選挙後の混乱に対する責任。この日の審理では相変わらず罪状を否認している。騒乱時においてバグボ前大統領は「間接的に(政治的混乱を)煽った共謀者」と云う微妙な表現が使われているが、これは近い将来、直接殺害等の指揮にあたったシャルル・ブレ・グデ(前青少年大臣)やバグボ大統領の妻シモンヌ・バグボ等の審理が続くであろうことを示唆している。
ICCではかつてミロセヴィッチ前セルビア大統領等が裁かれたが、現在審理中の6件はテイラー前リベリア大統領等すべてアフリカに関連する犯罪。スーダンのバシール大統領に逮捕状が出されているが、執行されていないのは有名。先日は中国を訪問したが、中国は見て見ぬ振りである。
アフリカ連合(AU)はなぜアフリカに関連した犯罪ばかり取り上げるのかとICCを糾弾している。確かに世界中悪いことをする奴は山ほどいるのにというAUの指摘はその通りであるが。
セネガル民主主義の成熟 2012.03.26
セネガル民主主義の危機 2012.02.18 コメント(5)