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サンガンピュールの物語(恋愛編)4話



 上坂の脅迫めいた言葉(?)によりゆうこは上坂と付き合い始めるようになった。付き合うというよりも、単なるおしゃべり友達のような間柄だった。ゆうことの関係が親密になるに反比例して、他の女子に対して嫌がらせを行う回数は減っていった。給食でも変な食べ合わせをすることが少なくなってきたし、自宅から変なものを持ってこようともしなくなった。

 これは他の生徒にとっては、うれしいながらも違和感を覚えたようで、しばらくすると同級生の女子の間でこんな話が盛り上がった。
 「上坂君って最近おとなしくなったよね」
 「そうだよねえ」
 「それとさあ、ゆうこってさあ、その上坂ってヤツとつきあい始めたらしいよ」
 「えーーーっ!マジ驚くんだけど、なんでなんだろ?」
 「あいつ、かっこいい先輩をターゲットにしてたんじゃなかったの?」
 こう陰口が発せられるのも無理はない。担任の教師も
 「あいつ、急におとなしくなったなあ・・・。何かあったのか」
 とつぶやかざるを得なかった。

 2学期の中間試験まであと1週間を切ったこともあり、生徒は職員室への出入りが制限されるし、全ての部活動もテスト勉強のために休止となる。それもあってか、ゆうこと上坂との距離は縮むばかりだった。初めて2人で一緒に帰ったり、あるいは音楽室に移動するときにおしゃべりとしたりと。多くのクラスメイトはこう思ったに違いない。「あの上坂が・・・しかも塩崎と・・・。衝撃的だな。」類は友を呼ぶという言葉がよく似合いそうなカップルだったかもしれない。
 しかしゆうこの心にはまだ疑問が残っていた。

 「上坂が握っている私の秘密って何だろう・・・。」

 ( 第5話 に続く)


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