その十



このページはpinkyの
アンビリーバボーです。
BYpinky




あれは何歳だったんだろう・・・

5、6歳の頃だったのか・・・わからない。

だがその光景は今なおはっきりと覚えている。

私が不思議な体験をし出す最も古い体験なのだから・・・。


母と小さい私がお風呂に入っている。

弟はその前に母が先にお風呂に入れて、明るい和室にいる。

おむつをされて哺乳瓶で何か飲みのもを飲んでいる。

父はいないのでまだ帰宅していないのだろう。

台所の電気は切ってあり暗かった。

だからお風呂の入り口のガラス戸も黒く映り込んでいた。

母に体を洗ってもらい、湯に浸かって数をかぞえている私。

洗い場で母が体を洗っている。

「もう上がる」と言って湯船から出てガラス戸を開けようとしている。

すると真っ黒のガラス戸に丸い白っぽい点が幾つか一斉に現れた。

それは風呂場の外からガラス戸に映ってる。

じっと見ているとその点は徐々に形をなしてきた。

点は次第に伸びて行き、10本の指だとわかった。

そしてゆっくりと手の平の中心に向かってガラス戸に

張り付いていった。2つの白い手の平・・・・

幼い私はよちよち歩きの弟の仕業だと思った。

今から思うとその手の平の大きさと弟の手の平の大きさの

違いは瞬時にして判断出来るのだが、

その時はそうではなかった。

にこにこ笑いながら弟に何て声をかけようか、

そんなことを思いながらガラス戸を急いで開けた。

誰もいなかった。体もろくに拭かずに弟のいる和室に行った。

そこに弟は寝かされたままでいた。





中学3年生の夏の頃・・・・

セミの鳴き声が遠くから聞こえてくる。

家の中で私は一人、テレビを見ていた。

ふとテレビから意識が離れた時、気になることがあった。

テレビ以外から雑音が聞こえてくるのである。

気のせいかな?テレビからかな?それとも外からかな?

そんな事を思いながら尚もテレビを見ていた。

だがその雑音はずっと続き、私の意識はどうしてもそちらの方に

集中してしまうのだ。

そして段々その雑音は大きくなってきた。

気のせいじゃない、

恐る恐るテレビを消した。まだ聞こえている・・・。

テレビからではないことが証明されてしまった。

これで嫌でもその雑音がより聞こえてくるようになった。

心臓がドキドキしてきたのがわかった。

その雑音の出所は外ではなく、家の中・・・

そう、玄関から聞こえて来る。

また一段と音は大きくなり、雑音ははっきりと

ふすまを隔てたすぐむこうからお経として聞こえてきた。

いても立ってもいられず私は慌てて反対側のベランダに逃げた。

恐くて、恐くて足がガタガタと震えた。

どれくらい経っただろうか、このまま家族が帰って来るまで

待つにはまだまだ時間があった。

私は色んなことを考えて佳音mamに来てもらおうと思った。

なぜならトイレがしたくなったが、恐くて家に入れなかったからだ。

今時なら各自携帯を持っている時代なので、その場から

相手に電話が出来る。が当時はダイヤル式の黒電話(固定)。

電話をするにもいったん家の中に入らないといけなかった。

決心するのにはそれなりの勇気がいったが、それよりも

トイレに行きたい、我慢の限界が私を後押ししてくれた。

電話で私はせっぱ詰まっていた。早く来て!早く!

佳音mamは出来るだけ早く行くからと

ただならぬその声に応えてくれた。

そして30分後佳音mamは来てくれた。

今までの出来事を話したがその時はもうお経は聞こえていなかった。

だが佳音mamは信じてくれた。

そして私はもうトイレに行く必要はなくなっていた。

なぜならもうベランダでした後だったからである。





高校生の頃の話

<弟の証言から>

その日はいつもと同じ様にお風呂に入っていました。

時間は夜の9時前だったかな?あまりはっきりと覚えていません。

僕は入浴中にバスタオルで顔を拭きたくなるので

いつもガラス戸を10cmぐらい開けて、近くのバスタオルを

引っ張り込んで顔を拭きまた戸を閉めるということをしています。

ガラス戸のすぐ横に脱衣所として仕切るためのカーテンがあるんです。

カーテンと言ってもペラペラのんじゃなく、アコーデオンカーテン

なんです。磁石でパチッと閉まるあのカーテンです。

ですから拭いている時は必然的にアコーデオンカーテンが

視野に入るんです。その日も頭を洗い終わってガラス戸を少し開けて

いつもの様にバスタオルで顔を拭いていました。

するとアコーデオンカーテンが勢いよくバッと開いたんです。

そう、本当にバッっという感じです。

僕は当然カーテンの方を見ました。

そうしたら今度は又バッと音をたてて勢いよく閉まったんです。

時間にして2、3秒ぐらいでしょうか?それぐらいだと思います。

次の瞬間姉がカーテンの向こう側から「上がったん?(お風呂)」

と聞いてきたので、僕はてっきり姉がしたんだと思ったんです。

姉がトイレにでも行こうとカーテンを開けたら、ガラス戸が

少し開いていたので僕がお風呂からまさに今から出るところと思い、

慌ててカーテンを閉めて、確認がてら声をかけてきたんだと・・・。


<姉(私)の証言より>

テレビを見ていました。たしか「たけしの元気の出るテレビ」

だったと思います。

番組が終わってすぐに、お風呂場の前を通ったので時間は

夜の8時50分ぐらいじゃないでしょうか。

テレビ番組が終わり、私は喉が乾いたのでお茶を飲もうと

立ちあがりました。

そして今まで背もたれ代わりにしていた扉を開けました。

開けると正面より少し左によった所にアコーデオンカーテンが

見えます。台所はそのまま左に行くので

そこのカーテンの前は必然的に通ります。

そのカーテンが閉まっていると誰かがお風呂に入っている

という暗黙の了解事項となっていました。

その時も扉を開けたら、カーテンが閉まっていました。

がカーテンが激しく揺れていましたので私は弟がお風呂から

上がり、体を拭いているんだと思いました。

そう、肘がカーテンに当たって揺れているんだと思ったんです。

それでカーテンの下を見たんです。

床とカーテンの間は5~6cm程の隙間があって、脱衣所で

体を拭いているとバスマットの上に足先があるのが見えるんです。

でもその時は見えませんでしたので、不思議に思い

弟に「上がったん?」と確認をする意味で聞いたんです。

すると弟は「うんん まだ」と声がお風呂場の中から聞こえてきました。

私はあまり深く考えずに台所に行きました。

その後です。弟からこの出来事を聞いたのは。





この会話したことあるぞ、そして相手はこう答える。そうそう・・・

この場面みたことあるからだ!という経験はないですか?

夢です。夢の話です。

夢でおなじみのユング。ユングは自伝の中で

「夢とは内界のドラマ、そして無意識との対決」と言ってます。

もう少し具体的に言うと、ユングによると夢とはその人の

持っているコンプレックスが人格化してお芝居(話)

を作っているということだそうです。

でも・・・・その枠に当てはまらない夢を時々見るんです。

一番最近の話をしましょう。2年前の残暑の残る9月のことです。

・・・・・・よいしょ、よいしょ、私が何かを担いでいる。

大きくて長い箱、中に何か入っているようだ。

私はしきりに中のモノを気にしている。

「腐る、腐る。どうしよう、何処に持って行けばいいんだろう」

砂漠の様な、荒野の様な殺伐とした場所で一人で焦ってる。

何処に持っていけば処分してもらえるのかな?と考え込んでいる。

ふと横に置いた大きな箱を見ると、私が担いでいたのは棺桶だった。

・・・・・そこで目が覚めた。なんとも言えない残夢感・・・・。

朝から気が滅入る様な夢を見てしまった。

ひょっとして誰かが亡くなるのかも・・・

何か妙な胸騒ぎの様なものを感じ、朝食時に主人に話した。

「あんな・・・正夢になったらイヤやから今朝見た夢の話

聞いてくれる?」さっき見た夢を話した。聞き終わった主人は

「○○(私の名前)は夢がよく当たるからな~、

でももう話したし、正夢にはならへんわ 大丈夫やから」

そこで私も少し気を取り戻して、「そうやな」と答えた。

そして主人を送り出し、私は実家に行った。

実家に行って、正夢になったらアカンからと母にも夢の話をした。

しばらくしてリラックスしたのか私は夢の事はすっかり忘れていた。

夕方になって電話がなった。主人からだった。

今朝従兄弟が急死したので、今夜田舎に帰るからという内容だった。

主人と年がそんなに変わらない従兄弟が急死したと聞いて

びっくりした。結婚当初からよく話をしていたのでなおさらだった。

面倒見のいい、嫁して来た私に唯一気使いしてくれた人だった。

私は急な知らせでひどく動揺してしまっていた。

そして横で聞いていた母が「あっ!」と言った。

「あんたの夢・・・正夢になったわ・・・」


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