ある日どこかで

ある日どこかで

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2005.01.14
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カテゴリ: イタリア映画

1998年 イタリア・アメリカ
監督 フランコ・ゼフィレッリ


タイトルだけでは観ようとは思わなかった作品かもしれない。
たまたまついていたテレビで、何とはなしに観ていたら大好きなフィレンツェの街並みが出てきたので思わずみいってしまったのだが、これがなかなか良い映画だった。


1935年、フィレンツェにはそこを愛するイギリス人が多く住んでいた。その中の一人メアリーが秘書をしている服地商のパオロにはお針子との間に生まれたルカがいるが、母親をすでに亡くしたルカを孤児院に預け、パオロはメアリーにルカを英国紳士に育てて欲しいと頼む。メアリーは困惑するがルカを見捨てる事は出来ずに、友人のイギリス人やアメリカ人と共に彼を育てる。



体戦前、中、実際フィレンツェには多くのイギリス人がいて、戦争になってもフィレンツェを離れようとせずにいたことを、フィレンツェ出身のゼフィレッリ監督が、いつかこの人達の事を映画にしよう、と思って作った作品なのだそうだ。

個性的で、豪華な俳優陣。メアリーにジョーン・プロウライト(ピンとこなくても顔を見たらわかる女優)。芸術を愛し、フレスコ画を必死で守る芸術家にジュディ・デンチ。元大使の未亡人で、気位が恐ろしく高いレディ・へスターにマギー・スミス。彼女たちは母国英国人であることに誇りを持っており、アフタヌーンティーを欠かささずにコロニーでの生活を楽しみ、そしてなにより芸術、花の都、美しいフィレンツェを愛していた。そして同じくフィレンツェを愛するアメリカ人たちもいた。レズの考古学者ジョージ-にリリー・トムリン。元踊り子で大富豪たちと浮名を流し多くの絵を買いあさっているエルサにシェール。
とにかくどの女優達も役柄が皆個性的で、その個性にピッタリとはまっている。レディ・へスターはちょっと勘違いしてると思うほど気位が高くて笑ってしまうが、マギー・スミスにそこがピッタリくる。どの女性達も恐ろしく頑固で、軍の命令にも従わずムッソリーニに直談判に行ってしまう行動には、向こう見ずなのか世間知らずなのかわからない紙一重な部分もおかしい。

フィレンツェ、トスカーナ地方の名所、旧跡、芸術作品がたくさん出てきて、見ているだけでため息が出る。中でもウフィッツィ美術館での撮影は、フィレンツェ出身のゼフィレッリ監督だから出来たのではないか、との話。

暗い戦争の中、頑固に生きるおばさま達と、彼女達からいろんな事を学んだルカが少年から青年になっておばさまたちと共に生き、彼女等を助け生きぬいていく過程、叉ホロコーストにも触れている。

ロケ地に勝るとも劣らず、衣装がまた素敵だ。
そして、時々引用されるシェークスピア。やはりゼフィレッリだと思う。

世界の一大事なんだけど、どこかのんきで愛すべきおばさまと彼女達から愛されたルカの心温まる物語。
一度観て大好きになった映画。その後何度かBSでやっているが、そのたびにやっぱり観てしまう。
少年時代も、青年時代もルカ役の子が良かった。



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Last updated  2011.06.19 13:11:34
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伊場拓也 @ Re:Somewhere in time!(03/24) 同じ思いかも?考え所ですかね。
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