ある日どこかで

ある日どこかで

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2006.02.03
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カテゴリ: フランス映画
≪有名人に成りすます事になったら…別人になれるって楽しいかも≫


コメディだとは知らずに観たら、思いっきりおかしな展開になっていく作品でした。



平凡な日々を送る専業主婦ブリジットだが、ある日保険会社に勤める夫パブロが出来心で保険金を横領してしまい、多額の保険料を穴埋めする羽目に。長年会っていないいとこのレオンは、麻薬漬けで頭がいかれてしまっていて崇拝するジャニス・ジョプリンとジョン・レノンがいつか自分のもとに戻ってくると信じている。そこを利用してお金を騙し取ろうとするパブロは、ブリジットをジャニスに、俳優のワルテルをジョンにしてレオンのもとへ送り込むが…


まず、保険会社の社員が保険金を横領するのは当たり前、みたいな事を平然と言っているので、フランスの保険会社からクレーム来るんじゃないかと思ったりもしましたが、そこは大人のお国柄そんなことはないでしょうね。

いくら頭が変になっているとは言え、故人のジャニスとジョンを登場させてお金を取ろうといく突拍子のない話には驚きますが、そこが面白いんです。レオンは信じきっていますから。

ブリジットとワルテルは最初は嫌がっていますが、段々その気になって成りきってしまっている。特に根暗な主婦だったブリジットはジャニスになることでジャニスに魂をもらったかのごとく、ファッションもサイケになり自信を持ち明るく輝きだす。実際そういうもんかもしれませんね。自分と別の人間になれたら、~みたいになれたら、って思うことはありますもの。実際にそんなチャンスがあったらちょっと位ならやってみたいって思うかもしれません。

登場人物は何となくみんな寂しい人たちです。夢を追い続け妄想の中で生きている男性、仕事に行き詰っている俳優、毎日をただ何となく過ごす会話のない夫婦。そこにジャニスとジョンの登場でみんなが浮き立ち、非日常的になって行く。
でも所詮祭りの後は何となく寂しさが残るのですが、非日常の中で気付かされた愛というものに又目覚めていく。

今そこにあるものの大切さを忘れがちですが、そこを気付かせてくれた、そして夢を見ることも大切だ、と言うことなのでしょうか。

ブリジット役のマリー・トランティニャンは、殴打されると言う事故でこの映画の公開前に亡くなってしまったそうです。早逝したジョプリンと重ねてしまい、最後の彼女の微笑が何とも切ないです。


JANIS ET JOHN
2003年
フランス/スペイン
監督:サミュエル・ベンシェトリ
脚本:サミュエル・ベンシェトリ、ガボール・ラッソヴ
出演:セルジ・ロペス、マリー・トランティニャン、フランソワ・クリュゼ、クリストフ・ランベール、ジャン=ルイ・トランティニャン


歌え!ジャニス★ジョプリンのように~ジャニス&ジョン~
DVD

サントラ/歌え!ジャニス・ジョプリンのように-オリジナル・サウンドトラック(CC
サウンドトラック






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Last updated  2006.02.03 12:50:53
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伊場拓也 @ Re:Somewhere in time!(03/24) 同じ思いかも?考え所ですかね。
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