こんばんは。

これは知っていたんですけど、機会を逃してて観てないんです。でもi-chicchiさんの解説を読んでいて、涙が出てきちゃいました。実は私も家業を継いでいるんですが、親父は仕事人間で、70歳過ぎた今でも毎日やってきて一番辛い仕事を黙々とやっています。昔は『巨人の星』の一徹とうちゃんみたいで、恐くて強くて、っていう親父だったんです。腕相撲で勝ったことがなかったんです。でもこのごろ私が軽々こなしている仕事をきつそうにやっていたり、ちょっと無理だと諦めたり、あたりまえなんですが、弱くなった親父を見るのがとても寂しく感じます。こうやって世代が交代していくんだとわかっていても、やっぱり親父は親父であってほしい気分ですね。
親父はマグロ船で世界を飛び回っていました。兄貴が生まれてからも続けていました。長いと1～2年帰らないこともある遠洋航海です。久しぶりに帰って、ちょっと大きくなった兄貴に近づいたら、兄貴が知らないおじさんだと泣き出したんだそうです。それが船を降りるきっかけだったんでしょうか。私が生まれたらきっぱりと陸に上がったんだそうです。お袋の口癖が「船乗りだけにはさせない」でした。
今は親父が言っていた言葉「俺に腕相撲で勝ったら、3万円やるよ」というのは私の口癖です。
関係ないことを長々失礼しました。 (2006.07.24 21:19:42)

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2006.07.23

『山の郵便配達』

(4)

テーマ：おすすめ映画(4071)

カテゴリ：中国映画

≪父親の最後の、息子の初めての険しい山の郵便配達≫

80年代、中国の山間地帯を長年郵便配達してきた一人の男がいた。しかし、足を痛め支局長から引退を促され、その仕事を引き継ぐ事になったのは男の息子。今日は息子の初めての、そして父親の最後の郵便配達の日だ。配達には"次男坊"という名の犬も必ず一緒に行く。

父親は黙々と仕事をこなし、息子に道順や集配の仕方などを教えていきます。幼い頃から滅多に家に帰らない父親にわだかまりを感じていた息子は、父親の事をずうっと「あなた」と呼んできました。この2泊3日の旅で父親の仕事ぶりを目の当たりにし、息子と父親との距離は段々近づいてきます。知っていたつもりでいた父親の仕事が、実は思っていた以上に責任があり父親はそれに誇りを持っていて、山に住んでいる人々の宝物の郵便だということを改めて感じる事が出来たのでした。そしてそこで思わず口をついて出た「お父さん」という言葉。それを聞いた時の父親の嬉しそうな顔がいいです。

いつも一緒に配達に行く犬に"次男坊"と名付けたのは、なかなか一緒にいる事が出来ない息子への愛情のようにも感じます。

急な流れで冷たい川を息子がおぶって渡ってくれた時に、息子が小さかった頃肩車した事を思い出す父親。背負っていた人が背負われるようになった時、時の流れと自分の仕事の引退、寂しい気持ちに熱いものがこみ上げてきました。

今年か昨年だったかはっきりしませんが、テレビでこの映画を観た人が自分も同じように山の郵便配達をしたいと言って、それを叶える素人参加番組を観ました。この映画の事は知っていましたが、それが現在でも行われている事に驚きました。「まさか、途中まで車で行けるでしょ」と思ったのですが、ああ、やっぱり中国だ。そこはとんでもなく、この映画よりももっと厳しいような山道を行かなければならない所でした。現在でもそんな場所があるのです。でもそうですよね、『世界ウルルン滞在記』なんかを観てればそんな所たっくさん出てきますもの。現在でも「山の郵便配達」は実際に何泊かしながら行われているのです。そして、その番組でもこの映画と同じような風景がありました。村人は郵便を心待ちにし、文盲の人の為に配達人は手紙を読み、返事を書いてあげる。

ドキュメンタリータッチですが、父と息子の関係、家族や仕事への誇りや責任と言うものを描いた佳作でした。犬の"次男坊"が又良い味出してました。
一見何の変哲もないようなラストシーンですが、振り向かずに仕事へ向かう息子とそれを見送る父親の姿が妙に感動的です。

那山　那人　那狗／POSTMEN IN THE MOUNTAINS
1999年
中国
監督：フォ・ジェンチィ
脚本：ス・ウ
原作：ボン・ヂェンミン
出演：トン・ルーチュン、リィウ・イエ、ジャオ・シィウリ

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Last updated 2011.06.21 21:25:38
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■コメント

Re:『山の郵便配達』(07/23)

せしるんさん

これ、良いですよね！主人公の青年の目が綺麗で。

かなり前ですが、この映画をぱくったの？と思う様なホンマモノの中国のドキュメンタリーを放映された事があって、その世界はまるっきり映画と同じでした。すごいスローライフが同じ中国の中にあるんですよね。
物凄い格差。これからどう変わって行くのでしょう。＞中国 (2006.07.24 00:07:41)

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Re[1]:『山の郵便配達』(07/23)

i-chicchi さん

せしるんさん

＞物凄い格差。これからどう変わって行くのでしょう。＞中国

ほんと、すごい落差ですよね。未だにこんな郵便配達が行われている事態、中国全土が同じレベルになるって事はないような気がする…
-----
(2006.07.24 16:00:57)

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Re:『山の郵便配達』(07/23)

ヤスカイさん

Re[1]:『山の郵便配達』(07/23)

i-chicchi さん

ヤスカイさん

そうでしたか。
父親と息子の関係は、父親と娘との関係とは別物ですね。息子にとっての一番身近な目標は父親なのかな、と思います。だからその父親が自分より弱くなるのはある意味父を超えた嬉しさもあるけど、どこか寂しいのでしょうね。これは母娘の関係とは又違うんですよね。 (2006.07.27 16:46:44)

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