2004年02月26日
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今日は2月とは思えないほど暖かい日です。
暖かすぎて、逆に体調悪くなりそうだったりします(笑)
さて、この日記も昨日で一週間を迎えることが出来ました。めでたしめでたし…。いやいや、そうも言っていられないのです。常にネタが枯渇する恐怖と戦いなら(笑)書いています。ここで言う、ネタとは決してCDを紹介しきってしまう、と言うことではありません。
私は、2年間、毎日紹介しつづけてもまだ余りある程度のCDは所有しています(ちょっと自慢?)。ネタと言うのはいつも、前段に書いているこの部分のこと。今までの考えから搾り出せなければ新たにネタを作るべく、引出しを増やしていくしかありません。
そこで今日の一枚。

清水靖晃&サキソフォネッツ
J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲1.2.3.番
(ビクターエンターテイメント)VICP-235


これをパッとみてああ、あの曲、とわかる人は多少なりともクラシックに興味がある方でしょう。しかし、興味のない人が見れば??って感じかもしれません。判りやすく言えば、数年前に車のトヨタクラウンのコマーシャルに使用されていたあの曲、あのヴァージョンです。
 清水氏はジャンルで言えばJAZZの世界の方なのでしょうが、それが、バッハ。チェロの曲をテナーサックスで吹いてしまうという企画。音域的にはバリトンサックスな音域かもしれないのですが、それをあえてテナーサックスで吹いているようです。テナーの太身な低音が良く聞こえてきます。
 JAZZとバッハは意外と近いところにあるものだ、と実感させてくれるアルバムでもあります。バッハの曲は、様々な形態、楽器で演奏されていますが、もとの楽譜上は、スラーやタイの指定が全くされておらず、強弱記号なんかはもちろんかかれておらず、速度記号なんかも??です。物によっては、どの楽器で演奏すべきかも考えなければならないらしいです。
 無伴奏チェロ、と言っていますが、バッハの時代のチェロと、今の時代のチェロが同じ音色だとはとても思えません。
つまり、バッハの音楽は即興性や自由度の非常に高い音楽なのです。それだけに表現が難しいのですが。
このCDでは、録音場所に関しても様々な試みがなされ、自然の音響、残響を楽しむことが出来ます。
バッハを、このように演奏することはJAZZだけでなく、クラシックを聞く人に対しては非常に興味深いものです。もともと、サックスと言う楽器は完成して100年少々のまだまだヒヨッコな楽器なのですが、その楽器でもって巨匠バッハに挑むと言う度胸は、まさに新しい試み。
 音楽的にも、茶化したところや、冗談めいたところは一切感じない、真剣なアプローチが聞いて取れます。まさに温故知新といった部分を持った、新たな取り組みのアルバムと言えます。バッハの音楽に「こうあるべき」が一切存在しないことを感じることが出来るアルバムでもあります。
 バッハを宗教音楽としか考えない人、バッハの音楽を神聖なものとして意地になって守りつづけようとする保守的なアマチュアの音楽愛好家に是非聞かせてあげたい逸品です。
なお、同じくビクターエンターテイメントより、4.5.6番の収録されたアルバムもリリースされています。





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最終更新日  2004年02月26日 18時04分18秒
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