このCDは俗曲師うめ吉による不思議な和洋折衷音楽が繰り広げられているもの。 着物姿に日本髪で、三味線による俗曲(三味線弾き唄い)を唄う檜山うめ吉の演奏です。なんと寄席で年間500本の高座をこなす人気芸人である彼女が、ビッグ・バンドとダンサーを従え"Umekichi"として登場したものです。戦前・戦後の流行歌を、ビッグ・バンドをバックに純和風なヴォーカルで聴かせるというまさに古くて新しいテイストの一枚です。曲目は、家へおいでよ-COME ON A MY HOUSE-、三味線ブギウギ、買物ブギー、パイのパイのパイ、真っ赤な太陽、びっくりしゃっくりブギ、野球けん、東京ドドンパ娘、五匹の仔豚とチャールストン、ヘイヘイ・ブギ、ホームラン・ブギ、とある程度お年を召した方にとっては懐かしい曲目です。 この檜山うめ吉さんという方は最年少のプロの落語のお囃子として活動した経歴なども持つまさに実力派の方です。この不思議な和洋折衷のテイストは美空ひばりさんの出演した映画のようなテイストも感じます。まさに和洋折衷のいきな演奏です。舞台で音楽活動をする時にはダンサーを従える形で、稲妻オーケストラ&腰元ダンサーズを率いてUmekichiという名前で活躍しています。 楽しいCDなのですが、少し残念なのはオーディオ的に音のバランスが今ひとつなこと。おそらく、ラジカセ向きのバランスで録音されている気がします。しかしながら十分に楽しめるものです。 少し懐かしいでも新しいい音楽を聴いてみたい方、Umekitiを聴いてみたい方にオススメの一枚です。