日記

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2768日商岩井


 今回発行の優先株は事実上全額が債務株式化にあたる。優先株は普通株に転換する権利が発生する。双日が株価下落を防ぐには買い入れ消却しなければならず、借金返済先送りの色彩が濃い。
 優先株は三種類。UFJが引き受けた四種優先株の千九百九十五億円は事実上配当金を得られないうえ、転換価格の上限がなく、株価が上昇してもほとんど利益が発生しない。配当金がある五種優先株も二つに分けており、UFJが引き受ける第一回の千三百五億円は東京三菱、みずほが引き受ける第二回の二百億円に比べ配当金が少なく設定されている。UFJは双日向け債権を減らすことを優先した格好だ。
 UBSが引き受ける六種優先株は配当金がゼロだが、転換請求期間は来年五月からで、毎月転換価格が時価の九割に修正される。普通株に転換すれば確実に一割はもうかる仕組みだ。
 双日HDが昨年発行した二千六百六十億円の優先株は二〇〇六年五月から一四年五月まで二年ごとに、五百二十六億円ずつ普通株に転換請求できるようになる。今回発行した優先株の転換請求期間は二〇一五―二四年に設定。双日HDは株価が大幅に上昇しない限り、〇六年以降二十年間にわたって毎年二百億円以上を優先株の消却に充て続けなければならない。


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