これもまた真である。実際、米国国内でさえ、タイコ、エンロン、ワールドコムなどの企業破たんを契機に米国型キャピタリズムに警告が発せられるようになった。冷戦を経て、資本主義は社会主義に勝利し、その結果米国は米国型キャピタリズムを確立してきた。米国型キャピタリズムとは一言でいうと株価至上主義である。この株価至上主義について米国での批判が相次いでいる。たとえば、欧米で活躍するジャーナリストであるチャールズハンディは"What's a Business For?"の中で「株主価値をあげることは重要だがそれ自体を目的化するのはおかしい。企業価値はよりよい経営活動をすることにより自然と達成されるものである」と述べている。米国型キャピタリズムの限界が見え始めている。